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「志帆ちゃん、器もステータスも完成したわ」
「わざわざありがとね」
「いいのよ。こっちも滅多にない機会だから楽しんじゃった。少し気合いを入れすぎたかもしれないわね。それじゃあ転生する前にこちらの世界について説明します」
そう言った後、ウォンと現れた映像はシチューラの地図だった。それをシーナが適当にタップすると剣や杖を持った人が映像に映る。志帆はそれを興味津々といった様子で見ていた
「これは?プロジェクターも何もないのに映像が…。これが魔法…実際に見るとやっぱりすごいんだ」
「ふふふ、世界を管理するために私が編み出したのよ。ちなみに今映っている彼らは冒険者ね。スチューラと地球の大きな違いはやっぱり魔法があることかしら。化学の代わりに魔法があって人々は快適に生活をしているのよ」
「なるほど、私がこれから行くのは剣と魔法の世界なんだ。…じゃあ魔獣とかいたりするのかな?それとも魔人とか?魔法はともかく剣は日常に何かしらの危険がないと発展しないもの」
「流石志帆ちゃん、正解よ。スチューラには魔獣がいて、彼ら冒険者はそれを倒すことを生業にしているの。魔獣を倒す職業で言ったら騎士もそうだけど…。志帆ちゃんには冒険者になることをお勧めするわ。騎士は安定した給料が貰えるけれど一つの国に縛られてしまうもの」
「じゃあ冒険者は自由なの?」
「そう、ね。冒険者は冒険者で彼ら特有の規則があるけれど……。うん、少なくとも騎士よりは自由だわ。自由に旅できて、自由に依頼を選べて、自由に仲間も作れる。それに手っ取り早くお金を稼ぐならやっぱり冒険者よ」
志帆にはなぜシーナがそこまで冒険者になることを推すのかわからなかった。だが、仮にも女神が言うこと。そして志帆は『自由に旅してみたい』『世界一周旅行とかいいな』と一時期考えていた。残念ながら地球では仕事や金銭面を理由にそれは叶わなかったが。地球で叶えられなかったことをこの機会に――と志帆は転生してからの目標を『世界一周してスチューラを満喫する』に定めた。そうと決めたら――
「分かった。私冒険者になってみるよ。世界一周して楽しかったこととかシーナに色々話せるくらい満喫する」
「それいいわね。教会の礼拝堂にきたら私と話せるから、その時にいろいろ話してちょうだい。楽しみに待ってるわ
それでは二都志帆さん。そろそろ転生する時間になります。その前に地球にいる誰かに伝えたいこととかはありますか?」
伝えたいこと…ねぇ
志帆は両親と10歳の頃死別していた。その後親戚の家をたらい回しにされていたがそこでは決していい待遇とは言えなかった。また配偶者等もおらず人間関係はもっぱら仕事に関するもののためそう言われると困ってしまう。でも何も残さないのはなんか寂しいし…と考える。そして考えに考え抜いたすえに
「それじゃあ漫画家の照井さんに『――――――』と伝えてください。私の声で」
と悪戯っぽい笑みを浮かべながら言ったのだった
「ふふふ、ええ、承りました。それでは」
「あっ、待ってまって。シーナに新しい名前をつけてもらいたいんだけど。いいかな?」
「もちろんよ!……恥ずかしいけれど…実はもう考えていたの。志帆ちゃんの新しい名前は《シャーロット》。気に入ってくれたら嬉しいわ」
「《シャーロット》。すごく可愛い名前で気に入ったよ。それになんだかしっくりくるような、ような?とにかくありがとうシーナ」
「いいのよ。コホンッ…それではシャーロットさん、目を閉じてお聞きください。転生する準備は全て整いました。転生先は惑星スチューラ。世界一周を達成できるように頑張ってください。冒険者に必要そうなスキルは全部つけたので安心してくださいね。そして」
シャーロットちゃんあなたは自由に――薄れゆく意識の中でぼんやりとそう聞こえた
「さてと…これからやることが沢山あるわ。まずはシャーロットちゃんから頼まれた伝言を」
現在地球での時刻――5時30分
「あれ?約束時間から30分も過ぎてる、二都さんが。珍しい」
その時照井は『何か事故でもあったのかな?』と呑気に考えていた。シーナから志帆の伝言が届くまでは
『雷に打たれて転生します。次の漫画はファンタジー系の恋物語はどうでしょう?』
「!?ええっ!?二都さん?!っていうか雷って……どんな状況ですか。それに次の漫画の提案まで…二都さんらしいって言うかなんて言うか……取り敢えず原稿は自分で出しに行けばいいんですね」
普通の人なら突然伝言が聞こえてきたこの状況、信じられなかっただろう。照井は徹夜テンションかなんなのか信じた
「あーあ……次の漫画はファンタジー恋愛漫画の甘々系か。しばらくは休んでそれからかな」
正気になった時、本当に雷に打たれたときいて驚くのはまた後日
「次は雷神ね。ふふふふふ」
またも雷神は寒気を感じたと言う。そしてその寒気の正体に気づくのももうすぐ
「志帆ちゃん、器もステータスも完成したわ」
「わざわざありがとね」
「いいのよ。こっちも滅多にない機会だから楽しんじゃった。少し気合いを入れすぎたかもしれないわね。それじゃあ転生する前にこちらの世界について説明します」
そう言った後、ウォンと現れた映像はシチューラの地図だった。それをシーナが適当にタップすると剣や杖を持った人が映像に映る。志帆はそれを興味津々といった様子で見ていた
「これは?プロジェクターも何もないのに映像が…。これが魔法…実際に見るとやっぱりすごいんだ」
「ふふふ、世界を管理するために私が編み出したのよ。ちなみに今映っている彼らは冒険者ね。スチューラと地球の大きな違いはやっぱり魔法があることかしら。化学の代わりに魔法があって人々は快適に生活をしているのよ」
「なるほど、私がこれから行くのは剣と魔法の世界なんだ。…じゃあ魔獣とかいたりするのかな?それとも魔人とか?魔法はともかく剣は日常に何かしらの危険がないと発展しないもの」
「流石志帆ちゃん、正解よ。スチューラには魔獣がいて、彼ら冒険者はそれを倒すことを生業にしているの。魔獣を倒す職業で言ったら騎士もそうだけど…。志帆ちゃんには冒険者になることをお勧めするわ。騎士は安定した給料が貰えるけれど一つの国に縛られてしまうもの」
「じゃあ冒険者は自由なの?」
「そう、ね。冒険者は冒険者で彼ら特有の規則があるけれど……。うん、少なくとも騎士よりは自由だわ。自由に旅できて、自由に依頼を選べて、自由に仲間も作れる。それに手っ取り早くお金を稼ぐならやっぱり冒険者よ」
志帆にはなぜシーナがそこまで冒険者になることを推すのかわからなかった。だが、仮にも女神が言うこと。そして志帆は『自由に旅してみたい』『世界一周旅行とかいいな』と一時期考えていた。残念ながら地球では仕事や金銭面を理由にそれは叶わなかったが。地球で叶えられなかったことをこの機会に――と志帆は転生してからの目標を『世界一周してスチューラを満喫する』に定めた。そうと決めたら――
「分かった。私冒険者になってみるよ。世界一周して楽しかったこととかシーナに色々話せるくらい満喫する」
「それいいわね。教会の礼拝堂にきたら私と話せるから、その時にいろいろ話してちょうだい。楽しみに待ってるわ
それでは二都志帆さん。そろそろ転生する時間になります。その前に地球にいる誰かに伝えたいこととかはありますか?」
伝えたいこと…ねぇ
志帆は両親と10歳の頃死別していた。その後親戚の家をたらい回しにされていたがそこでは決していい待遇とは言えなかった。また配偶者等もおらず人間関係はもっぱら仕事に関するもののためそう言われると困ってしまう。でも何も残さないのはなんか寂しいし…と考える。そして考えに考え抜いたすえに
「それじゃあ漫画家の照井さんに『――――――』と伝えてください。私の声で」
と悪戯っぽい笑みを浮かべながら言ったのだった
「ふふふ、ええ、承りました。それでは」
「あっ、待ってまって。シーナに新しい名前をつけてもらいたいんだけど。いいかな?」
「もちろんよ!……恥ずかしいけれど…実はもう考えていたの。志帆ちゃんの新しい名前は《シャーロット》。気に入ってくれたら嬉しいわ」
「《シャーロット》。すごく可愛い名前で気に入ったよ。それになんだかしっくりくるような、ような?とにかくありがとうシーナ」
「いいのよ。コホンッ…それではシャーロットさん、目を閉じてお聞きください。転生する準備は全て整いました。転生先は惑星スチューラ。世界一周を達成できるように頑張ってください。冒険者に必要そうなスキルは全部つけたので安心してくださいね。そして」
シャーロットちゃんあなたは自由に――薄れゆく意識の中でぼんやりとそう聞こえた
「さてと…これからやることが沢山あるわ。まずはシャーロットちゃんから頼まれた伝言を」
現在地球での時刻――5時30分
「あれ?約束時間から30分も過ぎてる、二都さんが。珍しい」
その時照井は『何か事故でもあったのかな?』と呑気に考えていた。シーナから志帆の伝言が届くまでは
『雷に打たれて転生します。次の漫画はファンタジー系の恋物語はどうでしょう?』
「!?ええっ!?二都さん?!っていうか雷って……どんな状況ですか。それに次の漫画の提案まで…二都さんらしいって言うかなんて言うか……取り敢えず原稿は自分で出しに行けばいいんですね」
普通の人なら突然伝言が聞こえてきたこの状況、信じられなかっただろう。照井は徹夜テンションかなんなのか信じた
「あーあ……次の漫画はファンタジー恋愛漫画の甘々系か。しばらくは休んでそれからかな」
正気になった時、本当に雷に打たれたときいて驚くのはまた後日
「次は雷神ね。ふふふふふ」
またも雷神は寒気を感じたと言う。そしてその寒気の正体に気づくのももうすぐ
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