31 / 32
二章:旅立ちの夏
30.G1馬
しおりを挟む
クロネ達を引き取り、街道に沿って草原を走り、競走馬専門の牧場へと到着する。
軍馬の多い牧場と同じように、知らない親戚のおじさんと会った時の様な反応をされ、この領地の牧場だったらどこも同じような反応をされるのだろうな。と、気がついて顔が引きつった。
ちょっとした洗礼を乗り越えつつも、僕の見学を許して貰えたのでシルヴァン様に連れられて牧場を見ていく。
そこでふと……いつもとは逆だなって、気づいてなんだか新鮮だと笑ってしまった。
「どうした?」
「いえ、さっきは気づかなかったけど、いつもとは逆だな。と、思ったんです。いつもは、僕が案内してますから」
「そういえば、そうだな」
僕の言葉にシルヴァン様も今気付いたと言うような表情をした。
「それでは、気合いを入れて案内しようか」
「お願いします!」
楽しそうなシルヴァン様に僕も嬉しくなってその後を歩く。
「ここが種牡馬の放牧場だ」
「おおー」
シルヴァン様に案内された先に、いくつも区画分けされた放牧場が広がる。
そこには放牧場ごとに一匹一匹種牡馬が放牧されていた。
「うちの牧場より、放牧場が広くて良いですね!」
うちにも何匹か種牡馬がいるけど、ここまで厚待遇ってほどではない。
放牧場は、牧草が青々としているし、悠々と走っても問題がないくらい広い放牧場は僕が羨ましくなるくらいだった。
「放牧場だけではないぞ。馬房も特別製だ」
そう言って笑ったシルヴァン様が僕を案内したのは、種牡馬達の為の厩舎。
そこは、他の厩舎よりしっかりした作りで、馬房の一つ一つが広く、敷き藁も地面にたっぷりと敷かれていた。
「うわぁ……さすがって感じですね!」
言葉がでないってこう言う事なんだろうなぁ。と、思いながら、シルヴァン様へと尋ねる。
「ここの子達は、レースで活躍した子達なんですよね?」
「ああ、G1も勝った馬もいる。もう十年近く前になるがな」
「会ってみたいです!」
せっかくだから、すごい馬に会いたいとお願いしたら、シルヴァン様が一つの馬房へと案内してくれる。
そこには、黒鹿毛の綺麗な馬体の馬がいた。
「この馬だ。名前はヴァロワヴォレ。私と共にG1三勝した名馬だ」
「えっ!?シルヴァン様と一緒に!?」
騎手をしていたとは聞いていたけど、G1を勝っていたとは聞いたことがなかった。
「シルヴァン様がG1勝った事あるって初めて聞きましたよ!」
「言ったことがなかったか?」
「聞いてません!」
二年以上の付き合いになるのに、そんなにすごい騎手だったって知らなかったのはなんだか悔しい。
「そうだったか……一応、こいつ以外でも何勝かしている」
苦笑しながらなんて事はないみたいに言うシルヴァン様。
「めちゃくちゃすごいじゃないですか!」
「ははっ、ありがとう」
教えて貰えてなかった不満はあれど、そのすごさに目を輝かせる僕にシルヴァン様は穏やかに笑いながら僕の頭を撫でた。
「厩舎街の自宅に、騎手時代に勝ったレースのトロフィーがある。着いたら見せてあげよう」
「本当ですか!?やった!」
「もちろん……っと、お前の事も忘れてないよ」
喜ぶ僕にシルヴァン様は笑いかけながら、構えと小さく嘶いたヴァロワヴォレの鼻筋を撫でる。
「せっかく、こいつも紹介したことだし……どんなレースを一緒に勝ったか。話してあげよう」
そう言って、シルヴァン様はヴァロワヴォレと一緒に走ったレースに着いて語ってくれた。
軍馬の多い牧場と同じように、知らない親戚のおじさんと会った時の様な反応をされ、この領地の牧場だったらどこも同じような反応をされるのだろうな。と、気がついて顔が引きつった。
ちょっとした洗礼を乗り越えつつも、僕の見学を許して貰えたのでシルヴァン様に連れられて牧場を見ていく。
そこでふと……いつもとは逆だなって、気づいてなんだか新鮮だと笑ってしまった。
「どうした?」
「いえ、さっきは気づかなかったけど、いつもとは逆だな。と、思ったんです。いつもは、僕が案内してますから」
「そういえば、そうだな」
僕の言葉にシルヴァン様も今気付いたと言うような表情をした。
「それでは、気合いを入れて案内しようか」
「お願いします!」
楽しそうなシルヴァン様に僕も嬉しくなってその後を歩く。
「ここが種牡馬の放牧場だ」
「おおー」
シルヴァン様に案内された先に、いくつも区画分けされた放牧場が広がる。
そこには放牧場ごとに一匹一匹種牡馬が放牧されていた。
「うちの牧場より、放牧場が広くて良いですね!」
うちにも何匹か種牡馬がいるけど、ここまで厚待遇ってほどではない。
放牧場は、牧草が青々としているし、悠々と走っても問題がないくらい広い放牧場は僕が羨ましくなるくらいだった。
「放牧場だけではないぞ。馬房も特別製だ」
そう言って笑ったシルヴァン様が僕を案内したのは、種牡馬達の為の厩舎。
そこは、他の厩舎よりしっかりした作りで、馬房の一つ一つが広く、敷き藁も地面にたっぷりと敷かれていた。
「うわぁ……さすがって感じですね!」
言葉がでないってこう言う事なんだろうなぁ。と、思いながら、シルヴァン様へと尋ねる。
「ここの子達は、レースで活躍した子達なんですよね?」
「ああ、G1も勝った馬もいる。もう十年近く前になるがな」
「会ってみたいです!」
せっかくだから、すごい馬に会いたいとお願いしたら、シルヴァン様が一つの馬房へと案内してくれる。
そこには、黒鹿毛の綺麗な馬体の馬がいた。
「この馬だ。名前はヴァロワヴォレ。私と共にG1三勝した名馬だ」
「えっ!?シルヴァン様と一緒に!?」
騎手をしていたとは聞いていたけど、G1を勝っていたとは聞いたことがなかった。
「シルヴァン様がG1勝った事あるって初めて聞きましたよ!」
「言ったことがなかったか?」
「聞いてません!」
二年以上の付き合いになるのに、そんなにすごい騎手だったって知らなかったのはなんだか悔しい。
「そうだったか……一応、こいつ以外でも何勝かしている」
苦笑しながらなんて事はないみたいに言うシルヴァン様。
「めちゃくちゃすごいじゃないですか!」
「ははっ、ありがとう」
教えて貰えてなかった不満はあれど、そのすごさに目を輝かせる僕にシルヴァン様は穏やかに笑いながら僕の頭を撫でた。
「厩舎街の自宅に、騎手時代に勝ったレースのトロフィーがある。着いたら見せてあげよう」
「本当ですか!?やった!」
「もちろん……っと、お前の事も忘れてないよ」
喜ぶ僕にシルヴァン様は笑いかけながら、構えと小さく嘶いたヴァロワヴォレの鼻筋を撫でる。
「せっかく、こいつも紹介したことだし……どんなレースを一緒に勝ったか。話してあげよう」
そう言って、シルヴァン様はヴァロワヴォレと一緒に走ったレースに着いて語ってくれた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる