赤瓦屋根の古民家≪カーラヤー≫暮らし

華世良せら

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三章 《カーラヤー》暮らし三日目。

布団。

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「ヒカルーにーにー! 起きてるーーーーー!!!!?」

 けたたましい声と同時にドンドンドンドンと何かが叩かれる音がして、布団から起き上がる。

「……なにぃ?」

 窓と引き戸を空けると裏庭にあかりーが立っていた。

「もう十一時だよー。寝坊助ニーブヤーだねー」
「は……マジ?」

 空を見上げれば、確かに太陽が上りきっている。時間を確認すれば、あかりーの言うとおり十一時を過ぎていた。

「……寝すぎた」

 昨日風呂に入ったあと、洗濯物と布団を取り込んだ辺りで急激に眠気がきて、夕飯も食べずに眠ってしまったのだが……まさか、ここまで寝るとは思っていなかった。

「一昨日眠れなかったからなぁ……」

 そして、干したての布団の魔力が凄かった。疲れていたのもあるけど、秒で落ちた。

 干したてでふかふかで温かな布団。暖かくなってきたとはいえ夜は、冷えるから温かな太陽の匂いと包み込まれるような柔らかさに寝不足で疲れた体が勝てるわけがない。

 ただ、疲れが抜けたのは、間違いない。

 夕飯も朝飯も食べてないから腹は、空いているが今日も一日頑張れそうなくらいは、気力が回復していた。

「昨日寝てなかったのー?」
「一昨日布団干すの忘れれたからなー」
「だから、布団だらけだったんだー」
「そういうこと。……まだ畳んでないから、経たんで袋に入れてもらってもいいか? テキトーに飯食べてくる」
「任せてー。ついでに窓も全部開けとくね」
「助かる」

 空腹感に堪えきれず部屋の隅につまれた布団の事を頼んだら、窓まで開けてくれるらしい。頼りになる従妹である。

 薄暗い家の中を進みながらなんとか台所へとたどり着き、鍋でお湯を沸かす。

 こういう時、カップ麺は楽だ。

 欲をいえば、電気ポットにお湯があれば最高だった。

 炊飯器と並んでいる電気ポットは、綺麗に拭かれているが中身は空のまま。

 掃除は、あかりーがしてくれたけど、この辺りの管理は自分でやらなきゃだよな。

 何もかも頼りっぱなしじゃ悪いし……まあ、今頼みまくってるんだけども。

 そんなことを考えていたら鍋の水が沸騰したので、大盛りのカップ麺を取り出して、お湯を入れる。

 そこから二分ちょっと。硬めが好きなので目安の時間より早めに蓋を開けると食欲のそそる臭いが立ちこめた。

「いただきます」

 空腹を堪えながら明るくなった三番座へ移動し、いつもの座卓でカップ麺をすする。

「うめぇ……」

 空腹にしみる人工的な味。あんまり健康的じゃないってわかっててもウマイんだよなぁ。

 ズルズルと麺をすすり、スープすら飲み干し、一息ため息を吐く。

「……米も欲しかったな」

 炊飯器は、あるのだし米ぐらい俺でも炊けるだろう。

 袋麺の〆にもいいし……自炊の道は、同時進行でも問題ない。

 改めて食糧買いに行くかぁ……。

 晴れた空を見ながら、ぼんやりと今日の予定を立てるのだった。
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