牛人転生:オッパイもむだけのレベル上げです。

薄 氷渡

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2章 中編

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 この村の中で、俺が教えた『チェストー』なんていう言葉を使う女は1人しかいないはずだ。
 パイラマ街道上で、ブルッサが木の棒を持って素振りをしていたのだった。
 その近くには、水桶を担いだフックの姿もあった。あの桶の中には水ではなく蒸したパンが入っているのだろう。

「よう。どうだ、パンは売れたのか?」

「ちぇすとー。あらカイボスさん、こんにちわ」

「あっ、ボス。お疲れ様。今日のパンは残り3個……」

 桶の中を覗き込むと、たしかにミルク蒸しパンが3個だけ入っている。

「へぇー。売れ行きは、まあまあみたいだな。ってか、2個ずつセットで売っているんじゃないのか? 残り3個って、どういうことだ?」

「それは、その……。1個、昼にブルッサが食べてしまったんだ」

「なんだよ。しょうがないなぁ」

「素振りをしていたら、お腹が空いたの」

 腹が減っては戦は出来ぬからなぁ。
 目の前に食べ物があって、その上に自分でやってるパン屋だから金を払う必要もない。つい本能的に手をつけてしまうのも無理もないだろう。

「ふーん、そうか。まあ、しっかり練習しているのなら別にいいや。ところで、その棒は普通の木の枝か何かだろ。俺が昨日に貸した木刀はどうしたんだ?」

「あれなら、さっき売れたわよ」

「はぁ? 俺が丹精込めて制作した自信のバット4号機が……。勝手に売り飛ばしたのか?」

「ごめんなさい。だけど、これには事情があって」

「ボス、僕から説明するよ。実は昼前くらいから、ここでパンを売っていたんだけど。それで、ブルッサは近くで素振りをしていたら、物珍しそうに見物する人も集まってしまって。たまたま、南から来た金持ちの家のメイドと跡取り息子が来ていて、おもちゃ代わりにどうしても欲しいから譲ってくれと頼まれたんだ」

「成金の家のガキがワガママ言って、ねだってきたのか?」

「まあ、そんなところだ。話の流れで仕方なく五百エノムで売ることになった。別に横流しして自分の懐に入れようなんてしてないので、代金は全額を渡すよ」

 フックは申し訳無さそうに、銀貨5枚をチャリチャリンと手渡した。
 俺は、その金を小銭入れにしまっておいた。

「うーん、五百エノムか。まあ、どうせタダで拾ってきた木の棒を削っただけだし。手間賃と考えると、これくらいが適正価格かなぁ」

「値段はボーデンさんにも相談して、五百エノムって決めてもらったんだ。それで、買主も納得して払って行ったよ」

 ちょっとボーデンにも聞いてみるか。

「ボーデンさん。お世話になります」

「カイホ君、毎度どうも」

「木刀の件って、どういうことだったんですか?」

「あれは、南の資産家のご子息ですからな。欲しいと言われて、ムゲに断るのは得策ではありません。なかなか出来の良い木刀で、町に持っていけば末端の小売価格で七百エノムから千エノムくらいの値段が付くと思います。私の買取査定で五百エノムと評価しましたので、同じ金額での取引なら無難な範囲でしょう」

 そう説明されると、五百エノムも意外と悪くない金額に思えた。作業時間を時給で換算すると微妙だけど、小遣い稼ぎくらいにはなりそうだ。

「そうですか。まあ、ボーデンさんがそう言うなら何も問題ないと思います。もし、また木刀を制作してきたら五百エノムで買取ってくれるんですか?」

「とりあえず試験的に、10本くらいなら単価五百で引き取ることは可能です」

「そんな10本も急に作れませんよ。1本仕上げるのに1週間以上かかったので」

「次が完成しましたら、いつでも私の所にお持ちください」

「カイボスさん、私が素振りする用のが無くなっちゃったの。今日中に、もう1本が欲しいわ。木の枝を何本か拾って来ておいたから、お願いね」

 ブルッサから木の棒5本ほどの束を手渡された。さっきまで街道の脇に置かれていて、薪割りする燃料か何かだろうと思っていた。
 俺に作らせようとしていたのか。

「おいおい、何本作らせる気だよ。まあ暇を見て削っておくけど、そんなにすぐには完成しないぞ」

「明日、カイボスさんの家に受け取りに行くわね」

「くそぉ、俺のことを何だと思ってるだ。まったく、しょうがないなぁ」

「ははは、カイホ君は木工職人にもなれるかもしれませんな」

「カイボスさん、モッコリ職人になるの?」

「そんな訳の分からん職人になるかよ。俺の本業はオッパイ職人だ」

「ブルッサさん、モッコリじゃなくて木工です」

 ブルッサが変な聞き間違えをし、ボーデンも苦笑いしている。

「あっそうだ、オッパイで思い出したけど、さっき草むらでスライムに襲われたんです。そんで、ゼラチンを拾ったんだけど。これって売れるんですか?」

 俺はポケットからスライムのドロップ品を取り出して、ボーデンに見せた。

「これは凝固食材ですな。加熱すると溶けて、冷えると固まるのです。買取は2個で百エノムになります」

「2個か……。そうすると売るには、もう1匹くらい倒さないといけないなぁ。まあ、家で料理して自分で味見してみようかと思います。これ、地面に落ちてて拾ったんだけど汚くはないんですか?」

「それは外側を細胞膜に覆われているので、内部は問題ありません。ちゃんと加熱すれば人の食用になります。外側を洗ってから、使用するときは包丁で切れ目を入れて中身を鍋に注いで料理するんですよ。畑に生えている野菜だって地面に落ちているのと同じですから、モンスターのドロップでも別に汚くはありません」

「なるほど。野菜と同じだと考えれば何もおかしくないですよね」

 畑からネギを引っこ抜いてきて、地面に落ちてた汚いネギだから食べられないという人なんて居ないだろう。
 洗えば何も問題ないようだ。

「カイボスさん、どこにスライムがいるの? 今すぐ倒しに行きましょう」

「さっき1匹と戦ったときはガラス工房の裏あたりで遭遇したんだけど。ここから街道を東に進んで、草むら周辺にもスライムが何匹かウロついてるのが見えたぞ」

「さあ、早く案内して。腕が鳴るわ」

 うっかりブルッサの前でモンスターの話なんかしたものだから、炊きつける形になってしまったようだ。

「そんなに焦るなって。ところでボーデンさんはスライムに襲われてたりしないんですか?」

「そうですな。私も馬車を走らせていると、街道にスライムが飛び出してくることはあります。ただ、馬車の車輪で踏み潰したり、馬の足で蹴飛ばせば遠くまで飛んで行きますので実害はありません。基本的に相手をするのも面倒なので、無視していることが多いです」

 馬車の重量がどれくらいかは分からないが、300kg以上はあるのだろう。
 それだけの加重を与えれば、スライムの弾力を持ってしても轢死してしまうのかもしれない。

「そっかー、馬車での移動なら脅威は無さそうですね。だけど、いつからスライムなんて湧くようになったんですか?」

「スライムというか、ピーナッツ型のミルクスライムですよね。アレが発生した原因はニンゲンにあると考えられているんです。ホル族の村人には申し訳ないと思いますが」

 あのミルクスライムは白い球体2個が結合した形状をしていた。見るからにオッパイだったけど、巨大な落花生の殻のようだとも表現できるだろう。
 モンスターは自然発生するものだとばかり思っていた。ボーデンから、ニンゲンに原因があると言われて意外だった。

「もしかして邪悪な召喚士とかいて、モンスターを呼び出したりでもしているんですか?」

「いえ。ここの村までミルクの買い付けに、4台の馬車で行商人が来ているじゃないですか。だけど、買い取った分の中には少し劣化した物もありましてな。夕方くらいに品質Dになってしまう樽もあるんです。あとは、町にミルクを卸したあとも、翌日に売れ残った分を私どもが引き取ったりもします」

「古いミルクとスライムに何の関係が? もしかして臭いに引き寄せられてモンスターが近寄ってきたりするんですか?」

「ちょっと言いにくいのですが。売れない廃ミルクは捨てるしかありませんが、町や村の近くだと臭いので人の迷惑になります。それで、街道の途中で草むらに垂れ流して処分していたのです。そしたら、ダンジョンから流れ出てくる魔力瘴気の影響でミルクがモンスター化してしまったようなのです」

「えぇー!? あのスライムって元はホル族のミルクだったのか。なんてことだ」

「食品に一定割合の廃棄はつきものでして。ホル族の村人にも、ご迷惑をおかけしています。ですが、多少は仕方ない点もあるので、ご理解いただきたい」

 一種の公害というか、環境問題のようなものだろうか。

「話は分かったわ。1匹残らずスライムを駆除しに行きましょう」

 ブルッサは俺の腕を掴みグイグイ引っ張った。モンスターのことを聞かれてしまったので、もはやどうにもならん。何匹か倒してこないと釈放されないだろう。

「まあいいか。そんじゃ2人で少し狩りしてこよう」

「ボス、僕も一緒に行った方がいいのだろうか?」

 以前から、スニャック狩りには3人でパーティを組んで行っていた。フックも心配してくれて声を掛けてきた。
 ただ、スライムは俺1人でも普通に倒せる敵だ。ブルッサも加わって2人掛かりともなれば、楽勝だろう。

「いや、スライムは蛇と比べたら大して強くないから。このままフックはパン売りを続けてかまわないよ。夕方前くらいに直接斜めに家まで直行して帰ろうと思う。俺の家に集合でいいかな?」

「分かった。ブルッサはボスの言うことを良く聞いて、1人で突っ走らないよう十分に気をつけろよ」

「大丈夫よ。スライムなんてボヨンボヨンにしてあげるわ。それよりも、私が居ない間に兄さん1人でパンの売り子ができるかどうか心配だわ」

「いや、それは僕だけで全く問題ない。むしろ1人の方がいいくらいだ」

「フック君はカイホ君ほどではありませんが、しっかりとしたオスで意外と計算も出来ています。むしろブルッサさんは商売に向いてないので冒険者になった方がいいでしょう」

 ブルッサがフックのパン販売に懸念を示すと、ボーデンからもツッコミを受けていた。本職の行商人が言うのだから、的確な見立てなのだろう。

「私は味見の方が得意なの!」

 単なるツマミ食いを味見と主張するなんて、物は言いようだなぁ。

「あっ、そうだ。さっき戦ったとき1回ビンを割られちまったんだ。悪いけどフックがコレを預かっておいてくれ。家まで届けて欲しい」

「これがビン?」

「ああ、ガラス工房で俺が吹いて作ったんだ」

 俺がフックにビンを手渡すと、ボーデンも横から興味深そうに見ていた。

「ほほう。なかなか良く出来ていますな。500ccサイズですかね」

「はい、そうです。ちなみに、もし売るとしたら値段はいくら付きますかね?」

「私の買取だと二百エノムと言ったところでしょう。町では小売価格五百エノムほどになると思います。ガラス製品は輸送中に壊れやすく、破損率が値段に転嫁されますからな。工房の出荷価格と比べ、末端価格は高くなってしまうのです」

 前に、グラスの値段を聞いたら1個で千エノムとか言われたような気がしたのだけど。ベテランの職人が制作したわけではなく、素人同然の俺が作ったビンだから安い評価になるのだろう。
 それに、買取価格は小売値の半値以下か。色々なリスクを考えると、そうなるのかもしれない。

「もう話は済んだわね。いつもカイボスさんは雑談が長過ぎるのよ。急がないとスライムに逃げられるわよ」

「おっと、待たせたな。んじゃ行こうか」

 慌てなくてもモンスターは逃げたりはしないと思う。
 ビンはフックに預けたので心配はない。ついでに、木刀の材料にするブルッサが拾ってきた数本の木の枝もフックに運んでもらうよう頼んでおいた。
 そして、俺はブルッサから強引に引きずられるように街道を東へ進んで行く。
 次の目的は、ガラス工房付近の野良スライム討伐だ。
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