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フィールドワーク編
思わぬ弟子の登場
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前回の計測より幾日かが過ぎ、問題の無い魔力が蓄積されてから実行した。
女の子たちは少年が目を覚ませば見える位置で毛布を掛け、一緒に見つかった雑多な荷物付きで置く。そして彼から少し離れた場所に位置し、中腰の態勢で解除用の呪文を詠唱していった。その結果はもちろん成功、少年は目を覚まして目をこすりながら何が起きているのかを確認し始めた。
「っ……はあ。……ふうっ……はあっ!? ここ……?」
荒い息を越して激しい呼吸。パニックを起こした者に特有の症状。
その様子を見て声を掛けるタイミングを見計らう。落ち付けるように何かないかと思って、植物系の香料でも焚いて置けば良かったと思う。これはまあ次回に活かそう。この少年も居ればそれほど悪い事には成らないだろう。
とはいえそれは次回、今は目の前の事に集中しよう。
「……状況が判るか? お前たちは俺達が保護した」
「まずは現状を把握してくれ。一緒に居た女の子たちも無事だ」
「そして集落からは離れているし、ゴブリンたちの一部は既に倒した」
「ここは安全だしお前さんが落ち着くのを待ってから説明するし、そちらの説明を聞くことにする」
ゆっくり、ゆっくりと説明しながら食料と水を置いた。
流石に絶望して自殺して死ぬような性格ではないだろ。そんな奴ならば長老が残さない可能性が高い。まだ大人の中で負傷者でも残した方がましと言う事になるからだ。とはいえパニック自体は仕方がないし、中腰のまま目線を出来るだけ合わせて言葉を続けた。
「……ううう。……ふうっ……ふうっ……。……」
「判るな? 安全が確認したいならもう少し離れるぞ。返事は頷いてくれればいいが、言葉でもペンでも良い。近くにペンと板……そうだな、一緒にあったダガーも置いておく」
呼吸が落ち着いて、視線もキョロキョロしなくなった。
女の子と俺たちを交互に見つめ、徐々に女の子側へにじり寄っている。こちらの言葉を信じているとか居ないとかではなく、彼自身が不安だし、女の子を守ると同時に身近に抱きしめることで安心したいのだろうと思われた。
「……?」
「その子たちはまだ眠ってる。お前さんを眠らせた長老か誰かの魔法が効いているんだ。今は無理だが時間を掛ければ必ず起こせる。話は判るか? 今何が起きているか判るか? 思い出せるか?」
俺は繰り返しながら少年が落ち着くのを待ち続ける。
眠る前の記憶が連続しているにせよ、眠ったことで断絶しているにせよ、村が襲われて無く無く落ちのびるなんて状況になって混乱しない訳が無いからだ。何度でも根気よく説明し、そして少年が落ち着くのを待った。
そしてしばらく様子を見て、思ったよりも時間が掛かったが、それでもポツリポツリと話してくれた。
「ぼくはリシャール」
「最初、は、森の主と喧嘩になったんだ。そこ、までは……」
「そこまでは良かったんだけど、森の主を倒した後で、ゴブリンたちが……」
「みんな必死で戦ったけど、里の狩人たちが何人も、けがを、していてて」
木の板にはRichardと名前が書かれていた。字の読み方が違うのだろう。
板の下の方になるにつれて文字が小さくなるのは、少しずつ落ち着いて来たからか。森の主と言う言葉に大きなバツ印が刻まれ、ゴブリンの話になった時に少しずつ筆が揺れ始めた。暫くそんな調子だったのだが……。
話を総合すると森でのバランスを崩してしまったらしい。
ヒョンな事で森の主と呼ばれる大きな猪を倒した。結果的には倒してしまった……と言うべきか。分厚い皮で無敗を誇っていても、所詮は獣なので罠に弱いし、魔法を使えば倒せないほどではない。その事に気が付いて時間稼ぎをして、一斉に魔法を使って動きを止めた結果、倒してしまったのだろう。エルフにだって被害が出ただろうし、ゴブリンに襲撃を考える程の余裕が出ちまったんだろうな。
「今後の事は落ち着いてから考えろ。女の子たちはいずれ起こすし、お前さんたちは森に帰っても良いし、他の部族の元へ行っても良いんだ」
「いえ。父さんたちはもういない……でも、仇は取らないと。森で暮らしていくにしても、他に行くにしても、あいつらを倒したって言えないと胸を張って生きていけないからっ」
この会話は略しているので、実際にはここまで流暢に話してはいない。
ポツポツと悲しみながら、あるいは一気に聞き取り難い言葉で興奮しながら。思ったよりも長い時間を掛けて、リシャールから思った事を聞き出した会話がこんな感じだったと言える。
「魔法が出来るなら俺が教えてやる。他の部族との話し合い方もな。弓やら森の歩き方なら……気は進まんかもしれんがオークで信用が置ける奴が居る。どうする?」
「それでいい……です。出来たら貴方と一緒の方から、先に、お願いします」
考えた挙句、保護者として俺を選んだようだ。
まあ他に選択肢はないし、ちょっと考えればこちらが下手に出ているのも判るだろう。記憶がよみがえれば村が壊滅したことも思い出すだろうし、女の子たちを起こすためにも俺らから離れるわけにもいかないくらいは判るはずだ。
まあこの辺で渡って歩いて行けるくらいは教えてやりますかね。
エレオノーラとの契約は暫く続きそうだし、そのくらいはしてやってもバチは当らないだろう。何しろ……少年たちのおかげでこのダンジョンへの魔力流入は良くなりそうだからだ。
「では最初のアドバイスだ。他の部族や人間との付き合いからだな」
「重要なのは二つ。お前さんも判っているだろうが、相手の迷惑に成らない」
「そして相手の利益になる事。俺達は森で何が起きたかを知りたかったんだ」
「どんな危険があって、放置したら困って居たのかをお前さんから知る事が出来た。ゴブリン退治に協力してくれたり、もしお前さん達が知ってるなら薬草やら森の恵みを届けてくれれば良い。そしたらお前さんたちを保護して良かったと思うだろう?」
下世話な話だが相互利益を最初に叩き込む。
相手の縄張りに関して踏み込み過ぎたら嫌がられるとか、敵対種族なら殺されるという事はリシャールにも判っているはずだ。それを再認識させ、取引として初歩的な事から覚えさせる。それだけ覚えて居れば何処ででも話くらいはできる。後はリシャールが何を覚えているか、そしてこれから何を覚えさせるかと言う事だな。
それに……自分が必要とされると判れば安心できるだろうしな。
「助けて……良かった? 本当に?」
「そうだ。知らなきゃ大きくなったゴブリンの部族に襲われていたかもしれん。だが今から何度か討伐を掛ければ、倒せなくとも数は減らせるだろ? それはお前さんが教えてくれなかったら出来なかったことだし、お前さんが狩りを覚えるなら代わりに出来ることだ。もし弓や魔法が苦手なら、薬草を採って来てくれればいい」
ただより怖い物はないが、代価があれば安心だ。
奴隷として売られる未来では無く、しっかりとした技術を付けて貢献できる。その事が把握できれば、後はリシャールたちで決断できるだろう。俺たちと一緒にこのダンジョンの周囲で暮らすのか、それとも離れて森で三人で暮らすのか。あるいは他のエルフと合流するのかを選べるようになるんだ。なにも出来なければ追い出されるだけだからな。
そして今のところ、俺達が一番おいしい取引を持ち掛けている。
もしかしたら子供不足で困って居る部族も居るかもしれないが、それだって男女比はあるだろう。リシャールだけ欲しくて女は不要な女系の部族もあれば、女日照りの所もあるかもしれない。合流するにせよ、そういった相手を見極めてから合流すればいいだろう。交渉さえできれば条件も付けられるしな。
「それじゃあお前さんは暫く俺の弟子だ。オークの弟子になるかもしれんがな」
「……お願いします。師匠」
こうして思わぬ弟子を採用し、しばらくの間は面倒を見ることにした。
少なくとも他の二人を起こして色々と覚えさせ、エレオノーラの案件を終わらせるまでは仲良く行こうじゃないか。
前回の計測より幾日かが過ぎ、問題の無い魔力が蓄積されてから実行した。
女の子たちは少年が目を覚ませば見える位置で毛布を掛け、一緒に見つかった雑多な荷物付きで置く。そして彼から少し離れた場所に位置し、中腰の態勢で解除用の呪文を詠唱していった。その結果はもちろん成功、少年は目を覚まして目をこすりながら何が起きているのかを確認し始めた。
「っ……はあ。……ふうっ……はあっ!? ここ……?」
荒い息を越して激しい呼吸。パニックを起こした者に特有の症状。
その様子を見て声を掛けるタイミングを見計らう。落ち付けるように何かないかと思って、植物系の香料でも焚いて置けば良かったと思う。これはまあ次回に活かそう。この少年も居ればそれほど悪い事には成らないだろう。
とはいえそれは次回、今は目の前の事に集中しよう。
「……状況が判るか? お前たちは俺達が保護した」
「まずは現状を把握してくれ。一緒に居た女の子たちも無事だ」
「そして集落からは離れているし、ゴブリンたちの一部は既に倒した」
「ここは安全だしお前さんが落ち着くのを待ってから説明するし、そちらの説明を聞くことにする」
ゆっくり、ゆっくりと説明しながら食料と水を置いた。
流石に絶望して自殺して死ぬような性格ではないだろ。そんな奴ならば長老が残さない可能性が高い。まだ大人の中で負傷者でも残した方がましと言う事になるからだ。とはいえパニック自体は仕方がないし、中腰のまま目線を出来るだけ合わせて言葉を続けた。
「……ううう。……ふうっ……ふうっ……。……」
「判るな? 安全が確認したいならもう少し離れるぞ。返事は頷いてくれればいいが、言葉でもペンでも良い。近くにペンと板……そうだな、一緒にあったダガーも置いておく」
呼吸が落ち着いて、視線もキョロキョロしなくなった。
女の子と俺たちを交互に見つめ、徐々に女の子側へにじり寄っている。こちらの言葉を信じているとか居ないとかではなく、彼自身が不安だし、女の子を守ると同時に身近に抱きしめることで安心したいのだろうと思われた。
「……?」
「その子たちはまだ眠ってる。お前さんを眠らせた長老か誰かの魔法が効いているんだ。今は無理だが時間を掛ければ必ず起こせる。話は判るか? 今何が起きているか判るか? 思い出せるか?」
俺は繰り返しながら少年が落ち着くのを待ち続ける。
眠る前の記憶が連続しているにせよ、眠ったことで断絶しているにせよ、村が襲われて無く無く落ちのびるなんて状況になって混乱しない訳が無いからだ。何度でも根気よく説明し、そして少年が落ち着くのを待った。
そしてしばらく様子を見て、思ったよりも時間が掛かったが、それでもポツリポツリと話してくれた。
「ぼくはリシャール」
「最初、は、森の主と喧嘩になったんだ。そこ、までは……」
「そこまでは良かったんだけど、森の主を倒した後で、ゴブリンたちが……」
「みんな必死で戦ったけど、里の狩人たちが何人も、けがを、していてて」
木の板にはRichardと名前が書かれていた。字の読み方が違うのだろう。
板の下の方になるにつれて文字が小さくなるのは、少しずつ落ち着いて来たからか。森の主と言う言葉に大きなバツ印が刻まれ、ゴブリンの話になった時に少しずつ筆が揺れ始めた。暫くそんな調子だったのだが……。
話を総合すると森でのバランスを崩してしまったらしい。
ヒョンな事で森の主と呼ばれる大きな猪を倒した。結果的には倒してしまった……と言うべきか。分厚い皮で無敗を誇っていても、所詮は獣なので罠に弱いし、魔法を使えば倒せないほどではない。その事に気が付いて時間稼ぎをして、一斉に魔法を使って動きを止めた結果、倒してしまったのだろう。エルフにだって被害が出ただろうし、ゴブリンに襲撃を考える程の余裕が出ちまったんだろうな。
「今後の事は落ち着いてから考えろ。女の子たちはいずれ起こすし、お前さんたちは森に帰っても良いし、他の部族の元へ行っても良いんだ」
「いえ。父さんたちはもういない……でも、仇は取らないと。森で暮らしていくにしても、他に行くにしても、あいつらを倒したって言えないと胸を張って生きていけないからっ」
この会話は略しているので、実際にはここまで流暢に話してはいない。
ポツポツと悲しみながら、あるいは一気に聞き取り難い言葉で興奮しながら。思ったよりも長い時間を掛けて、リシャールから思った事を聞き出した会話がこんな感じだったと言える。
「魔法が出来るなら俺が教えてやる。他の部族との話し合い方もな。弓やら森の歩き方なら……気は進まんかもしれんがオークで信用が置ける奴が居る。どうする?」
「それでいい……です。出来たら貴方と一緒の方から、先に、お願いします」
考えた挙句、保護者として俺を選んだようだ。
まあ他に選択肢はないし、ちょっと考えればこちらが下手に出ているのも判るだろう。記憶がよみがえれば村が壊滅したことも思い出すだろうし、女の子たちを起こすためにも俺らから離れるわけにもいかないくらいは判るはずだ。
まあこの辺で渡って歩いて行けるくらいは教えてやりますかね。
エレオノーラとの契約は暫く続きそうだし、そのくらいはしてやってもバチは当らないだろう。何しろ……少年たちのおかげでこのダンジョンへの魔力流入は良くなりそうだからだ。
「では最初のアドバイスだ。他の部族や人間との付き合いからだな」
「重要なのは二つ。お前さんも判っているだろうが、相手の迷惑に成らない」
「そして相手の利益になる事。俺達は森で何が起きたかを知りたかったんだ」
「どんな危険があって、放置したら困って居たのかをお前さんから知る事が出来た。ゴブリン退治に協力してくれたり、もしお前さん達が知ってるなら薬草やら森の恵みを届けてくれれば良い。そしたらお前さんたちを保護して良かったと思うだろう?」
下世話な話だが相互利益を最初に叩き込む。
相手の縄張りに関して踏み込み過ぎたら嫌がられるとか、敵対種族なら殺されるという事はリシャールにも判っているはずだ。それを再認識させ、取引として初歩的な事から覚えさせる。それだけ覚えて居れば何処ででも話くらいはできる。後はリシャールが何を覚えているか、そしてこれから何を覚えさせるかと言う事だな。
それに……自分が必要とされると判れば安心できるだろうしな。
「助けて……良かった? 本当に?」
「そうだ。知らなきゃ大きくなったゴブリンの部族に襲われていたかもしれん。だが今から何度か討伐を掛ければ、倒せなくとも数は減らせるだろ? それはお前さんが教えてくれなかったら出来なかったことだし、お前さんが狩りを覚えるなら代わりに出来ることだ。もし弓や魔法が苦手なら、薬草を採って来てくれればいい」
ただより怖い物はないが、代価があれば安心だ。
奴隷として売られる未来では無く、しっかりとした技術を付けて貢献できる。その事が把握できれば、後はリシャールたちで決断できるだろう。俺たちと一緒にこのダンジョンの周囲で暮らすのか、それとも離れて森で三人で暮らすのか。あるいは他のエルフと合流するのかを選べるようになるんだ。なにも出来なければ追い出されるだけだからな。
そして今のところ、俺達が一番おいしい取引を持ち掛けている。
もしかしたら子供不足で困って居る部族も居るかもしれないが、それだって男女比はあるだろう。リシャールだけ欲しくて女は不要な女系の部族もあれば、女日照りの所もあるかもしれない。合流するにせよ、そういった相手を見極めてから合流すればいいだろう。交渉さえできれば条件も付けられるしな。
「それじゃあお前さんは暫く俺の弟子だ。オークの弟子になるかもしれんがな」
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