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森での演習編
意識のすり合わせ
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遠目に森が伺える平原、ところどころに木を伐った後がある。
見晴らしを良くすると同時に、開拓村を作る為の木材用に伐採した名残だそうだ。まずはここで待ち合わせ、ダンジョンからやって来る派遣戦力との顔合わせである。
「師匠、あれって……」
「そうだ。先頭の一人を除いて人間ではなく魔法生物になる。長老とかが呼び寄せた精霊とかとは違って、形を持つホムンクルスという人造のモンスターだな」
弟子にしたリシャールにホムンクルスたちの事を教える。
詳細な能力に関しては説明する必要はない。今回連れてきている奴の仕様書は貰っているが、必要であればまったく別の能力に仕上げられるのがホムンクルスの良い所だからな。
「人と魔法生物の良い所と悪い所の両面を持っている」
「食料無しでも活動できるが、特別な薬物が無いと死ぬ」
「常に形を持っているから作業をさせられるが知性は低い」
「オマケに指示したこと以外にやらないから、その都度に命令してやる必要がある上、応用が効かない。例えば此処を訪れた人間以外を倒せと言うと、お前さんが襲われる。合図として右腕を上げて居る亜人種を例外指定すると、武器を掲げるゴブリンを除外してしまうとかな。基本的に全ての成果が指揮者に委ねられるという訳だ」
移動中のフィリッパに聞かせる為に少し声を大きくする。
言葉を短く区切り、はっきりと内容を狭めておく。こうすることで印象深くしつつ、断片的に聞いてもホムンクルスの事を説明しているのだなと伝えるためだ。
「この子たちの事を話してたっすね? 説明し……待って待って!」
「今のが悪い例だ。主人が動きを止めても歩き続けたろ? この女性がホムンクルスを製造したフィリッパだ。見ての通り作れるだけの頭はあるが、支持した経験は少ないので注意が必要だな」
こう言っては何だが魔法研究者は行動範囲が狭い。
その範囲ですることが決まっているし、簡単な用事は魔法で何とでもなる。何をするかが明確なのだが、それ以外の事に経験が薄くなるのだ。性格もあるのでフィリッパみたいに話すのが好きな奴も居るが、喋る必要を感じない者も居る。ただそういう人物もデータの解説する時にはまったく問題がないんだけどな。
「うう……恥を晒してしまいました。ご紹介にあずかったフィリッパっす!」
「リシャールです。エルフで、その、フレデリック師匠の弟子を始めました」
「見ての通り、ホムンクルスを作る才能以外はお前さんと知識の差はあまりない。フィリッパも気にするな、これから少しずつ覚えていけ。その為にも一つずつ説明していくぞ。手配していたオークが来るまでは人里周辺でするべきことをやる。その後に森での捜索戦闘だな」
子供の前で失敗してしまったフィリッパが恥ずかしがるが意味はない。
人間、知らない事は出来ない。経験して居ない事は上手くこなせない物だ。考慮したことも無い事は製造担当に想像できるだろうとか注文を付けても難しいに違いない。おそらくはホムンクルスの移動やメンテナンスなどの管理を任されている、雑用担当の方がこういった場合の細かい指示や事前想定は得意だろう。この両者だと明らかに経験の種類と差が違うからな。
まあ、こういっては何だが俺にも山ほど経験がある。
というか、ダンジョンのコンサルタントをしていると、現場でこういう連中をよく見るのだ。二つの仕事があってAは出来るが、Bは全く出来ない。Cは両方出来るが平均的で、ではリーダーのDが両方上手かと言うとそうでもない。ずっと居残ってる経験者のEだけが全部こなせるが、年齢的にもう直ぐ引退するとかな。しかもこういった事を周知されて居ないので齟齬が出る為、聞く気のない連中にどうにか言い聞かせねばならんと言う面倒な事がある。
「まずこの領域は村へと向かうのにダンジョンを迂回する場所の一つだ」
「ダンジョンに向かう奴は無視して良いが、ここを通る奴は倒す必要がある」
「とはいえ此処に沢山の兵士を置くのも無駄なので、通りたいとは思わせなくする」
「森に張ってるある結界もそうだし、ここの足元を固めて人間の居場所にするのもそうだな。ホムンクルスを連れての行軍訓練や戦闘訓練もするが、慣れてきたら今度が森の外延部まで偵察を兼ねた狩りを繰り返す。ただし森の調和を維持する程度にな」
地面に三角形の絵を二つ描いて、間に入り口のマークを入れた。
森側からそこへ集中する様に何本か矢印を書いて結界の説明を簡単にした後、三角形のエリアに×印を入れる。此処に来たら危険だぞと思わせておいて、実際に来たら倒してしまう訳だ。そして今度は三角形から森の方へ、小さな矢印を描いた。これは逆侵攻と言うか、狩りを示す感じだな。
「……ここに来たら死ぬと思わせるんですか?」
「そうだ。実際に何も無いし、見つけ易いから通った向こうで殺せる。もちろん弓や魔法があれば、通っている間に死ぬな。もしお前が独り立ちする時があれば、ここから外延に向かって入り込み、ダンジョンに押し込むようにすれば楽だぞ」
この何も無いエリアは発見し易く、同時に防衛ラインだ。
何処かに隠れていれば通る奴が居れば一目で判るし、弓矢なり魔法で狙い撃ちも簡単である。村側にホムンクルスを設置ししておけば、まず抜けられることはないだろう。必要なのはホムンクルスに食わせる薬剤くらいで易い物である。
「重要なのは森を不必要に荒らさない事だ」
「俺達は森を荒らしたいわけじゃない。暴れるゴブリンや獣を狩るだけ」
「森に入る場合は外延部をウロチョロする連中を追い立てるのみ」
「これは他の森に行ったとしても同じだぞ。森の奥はエルフや、居るかどうか知らんが他の知性的な亜人種の領域だ。迂闊に踏み入ると、同族であっても別部族だと嫌われるからな。これは足元の草を見ればすぐに判る。人間の領域は歩きやすいようにしているが、慣れた者たちは迂闊に傷つけない」
とはいえこの辺の話はあまり重要ではない。
狩人が自然にやって居ることを、懇切丁寧に理論的に話しているだけだ。人間臭さがある場所に獣はやって来ないし、そこで殺されると判って居れば亜人種も来ないって話は体験して居ればすぐに判るからな。なのでそろそろ本命の話になる。
「フィリッパはホムンクルスを連れて動く時の練習だ」
「その後は村側に何体かだけ設置しろ。そしてどんな命令をするかが重要になる」
「純粋な人間以外にも、エルフのリシャールを見ても殺さない様にな指示を」
「もし複雑な命令が無理な場合は、こいつらに与える命令と、今度作ることになる賢い奴に与える命令に差をつけるしかないな。こいつらは上位個体に従うだけ、上位個体には自分を含めた味方を判別し、こいつらに与える命令の仕方を教えておく。間違えると任せた瞬間に研究者自身や上位個体を狙うから気を付けるよ」
笑える話だが、本当に覆う事故である。
味方の規定をサボルと守るべき研究者や上位個体を、『識別を出してないナニカ。すなわち敵』として攻撃しようとする。近いし襲われる方は味方に狙われるなんて考えても居ないから警戒せずに殺されてしまう訳だ。
「りょ、了解っす。なんか簡単な方法ないっすかね?」
「自動で動く奴を作る時の因果だからな……。俺も現地で何度も見て苦労している連中から話を聞いてから判ったよ。簡単な方法は装飾品だが、その装飾品を忘れたら……見えなくなった時もだが、危険なんで仕草も仕込むとかな。あまりに脳筋なホムンクルスだと、術者を理解できなくしたら、設定した装飾品が見えなくなった瞬間に殴り掛かるとかあったらしいぞ」
ある程度の命令が出来るのがホムンクルスの売りなのだが……。
ゴーレムと勘違いして、知性を極限まで抑えて戦うだけの存在を作ろうとする馬鹿が出る。もちろん一切移動しないなら問題ないのだが、間違えてその領域に踏み込んで死ぬ協力者とか、迎えに出た研究者が死ぬ阿保みたいなれ意が結構あるんだよな。作った奴が『いやー失敗した。スマン』とか笑っているのも腹が立つ。
「とりあえず、森に連れて行く奴は『指示した場所まで歩け』『指示した相手を殺せ』だけは覚えさせとけ。村側に残す奴とは別に管理するのを忘れるなよ」
「はいっす! 自分も死にたくないのでよく考えておくっすよ!」
こうして最低限の注意をした後、俺達は暫く訓練をした。
移動に問題はなく、設置した奴も一応は問題が無く、連れて行く奴も同じように一応は問題なく済ませる。その後は訓練しながら待ち人の到来まで過ごしたと言える。
「お待たせしたアルか? これは申し訳ないネ」
「いや、色々することがあったからな。済まないがこいつに色々教えてやってくれ」
「エルフのリシャールです! よろしくお願いします!」
ブーが到着してリシャールを任せる。
森で歩く時の注意やら、薬草の見分け方の初歩を教えれば後は森へ実地研修に行くまでだ。ゴブリンか獣数体を仕留めるくらいは狙いたいが、やるのはホムンクルスだしな。知識を覚えさせるだけなら何とかなると信じたいものである。
遠目に森が伺える平原、ところどころに木を伐った後がある。
見晴らしを良くすると同時に、開拓村を作る為の木材用に伐採した名残だそうだ。まずはここで待ち合わせ、ダンジョンからやって来る派遣戦力との顔合わせである。
「師匠、あれって……」
「そうだ。先頭の一人を除いて人間ではなく魔法生物になる。長老とかが呼び寄せた精霊とかとは違って、形を持つホムンクルスという人造のモンスターだな」
弟子にしたリシャールにホムンクルスたちの事を教える。
詳細な能力に関しては説明する必要はない。今回連れてきている奴の仕様書は貰っているが、必要であればまったく別の能力に仕上げられるのがホムンクルスの良い所だからな。
「人と魔法生物の良い所と悪い所の両面を持っている」
「食料無しでも活動できるが、特別な薬物が無いと死ぬ」
「常に形を持っているから作業をさせられるが知性は低い」
「オマケに指示したこと以外にやらないから、その都度に命令してやる必要がある上、応用が効かない。例えば此処を訪れた人間以外を倒せと言うと、お前さんが襲われる。合図として右腕を上げて居る亜人種を例外指定すると、武器を掲げるゴブリンを除外してしまうとかな。基本的に全ての成果が指揮者に委ねられるという訳だ」
移動中のフィリッパに聞かせる為に少し声を大きくする。
言葉を短く区切り、はっきりと内容を狭めておく。こうすることで印象深くしつつ、断片的に聞いてもホムンクルスの事を説明しているのだなと伝えるためだ。
「この子たちの事を話してたっすね? 説明し……待って待って!」
「今のが悪い例だ。主人が動きを止めても歩き続けたろ? この女性がホムンクルスを製造したフィリッパだ。見ての通り作れるだけの頭はあるが、支持した経験は少ないので注意が必要だな」
こう言っては何だが魔法研究者は行動範囲が狭い。
その範囲ですることが決まっているし、簡単な用事は魔法で何とでもなる。何をするかが明確なのだが、それ以外の事に経験が薄くなるのだ。性格もあるのでフィリッパみたいに話すのが好きな奴も居るが、喋る必要を感じない者も居る。ただそういう人物もデータの解説する時にはまったく問題がないんだけどな。
「うう……恥を晒してしまいました。ご紹介にあずかったフィリッパっす!」
「リシャールです。エルフで、その、フレデリック師匠の弟子を始めました」
「見ての通り、ホムンクルスを作る才能以外はお前さんと知識の差はあまりない。フィリッパも気にするな、これから少しずつ覚えていけ。その為にも一つずつ説明していくぞ。手配していたオークが来るまでは人里周辺でするべきことをやる。その後に森での捜索戦闘だな」
子供の前で失敗してしまったフィリッパが恥ずかしがるが意味はない。
人間、知らない事は出来ない。経験して居ない事は上手くこなせない物だ。考慮したことも無い事は製造担当に想像できるだろうとか注文を付けても難しいに違いない。おそらくはホムンクルスの移動やメンテナンスなどの管理を任されている、雑用担当の方がこういった場合の細かい指示や事前想定は得意だろう。この両者だと明らかに経験の種類と差が違うからな。
まあ、こういっては何だが俺にも山ほど経験がある。
というか、ダンジョンのコンサルタントをしていると、現場でこういう連中をよく見るのだ。二つの仕事があってAは出来るが、Bは全く出来ない。Cは両方出来るが平均的で、ではリーダーのDが両方上手かと言うとそうでもない。ずっと居残ってる経験者のEだけが全部こなせるが、年齢的にもう直ぐ引退するとかな。しかもこういった事を周知されて居ないので齟齬が出る為、聞く気のない連中にどうにか言い聞かせねばならんと言う面倒な事がある。
「まずこの領域は村へと向かうのにダンジョンを迂回する場所の一つだ」
「ダンジョンに向かう奴は無視して良いが、ここを通る奴は倒す必要がある」
「とはいえ此処に沢山の兵士を置くのも無駄なので、通りたいとは思わせなくする」
「森に張ってるある結界もそうだし、ここの足元を固めて人間の居場所にするのもそうだな。ホムンクルスを連れての行軍訓練や戦闘訓練もするが、慣れてきたら今度が森の外延部まで偵察を兼ねた狩りを繰り返す。ただし森の調和を維持する程度にな」
地面に三角形の絵を二つ描いて、間に入り口のマークを入れた。
森側からそこへ集中する様に何本か矢印を書いて結界の説明を簡単にした後、三角形のエリアに×印を入れる。此処に来たら危険だぞと思わせておいて、実際に来たら倒してしまう訳だ。そして今度は三角形から森の方へ、小さな矢印を描いた。これは逆侵攻と言うか、狩りを示す感じだな。
「……ここに来たら死ぬと思わせるんですか?」
「そうだ。実際に何も無いし、見つけ易いから通った向こうで殺せる。もちろん弓や魔法があれば、通っている間に死ぬな。もしお前が独り立ちする時があれば、ここから外延に向かって入り込み、ダンジョンに押し込むようにすれば楽だぞ」
この何も無いエリアは発見し易く、同時に防衛ラインだ。
何処かに隠れていれば通る奴が居れば一目で判るし、弓矢なり魔法で狙い撃ちも簡単である。村側にホムンクルスを設置ししておけば、まず抜けられることはないだろう。必要なのはホムンクルスに食わせる薬剤くらいで易い物である。
「重要なのは森を不必要に荒らさない事だ」
「俺達は森を荒らしたいわけじゃない。暴れるゴブリンや獣を狩るだけ」
「森に入る場合は外延部をウロチョロする連中を追い立てるのみ」
「これは他の森に行ったとしても同じだぞ。森の奥はエルフや、居るかどうか知らんが他の知性的な亜人種の領域だ。迂闊に踏み入ると、同族であっても別部族だと嫌われるからな。これは足元の草を見ればすぐに判る。人間の領域は歩きやすいようにしているが、慣れた者たちは迂闊に傷つけない」
とはいえこの辺の話はあまり重要ではない。
狩人が自然にやって居ることを、懇切丁寧に理論的に話しているだけだ。人間臭さがある場所に獣はやって来ないし、そこで殺されると判って居れば亜人種も来ないって話は体験して居ればすぐに判るからな。なのでそろそろ本命の話になる。
「フィリッパはホムンクルスを連れて動く時の練習だ」
「その後は村側に何体かだけ設置しろ。そしてどんな命令をするかが重要になる」
「純粋な人間以外にも、エルフのリシャールを見ても殺さない様にな指示を」
「もし複雑な命令が無理な場合は、こいつらに与える命令と、今度作ることになる賢い奴に与える命令に差をつけるしかないな。こいつらは上位個体に従うだけ、上位個体には自分を含めた味方を判別し、こいつらに与える命令の仕方を教えておく。間違えると任せた瞬間に研究者自身や上位個体を狙うから気を付けるよ」
笑える話だが、本当に覆う事故である。
味方の規定をサボルと守るべき研究者や上位個体を、『識別を出してないナニカ。すなわち敵』として攻撃しようとする。近いし襲われる方は味方に狙われるなんて考えても居ないから警戒せずに殺されてしまう訳だ。
「りょ、了解っす。なんか簡単な方法ないっすかね?」
「自動で動く奴を作る時の因果だからな……。俺も現地で何度も見て苦労している連中から話を聞いてから判ったよ。簡単な方法は装飾品だが、その装飾品を忘れたら……見えなくなった時もだが、危険なんで仕草も仕込むとかな。あまりに脳筋なホムンクルスだと、術者を理解できなくしたら、設定した装飾品が見えなくなった瞬間に殴り掛かるとかあったらしいぞ」
ある程度の命令が出来るのがホムンクルスの売りなのだが……。
ゴーレムと勘違いして、知性を極限まで抑えて戦うだけの存在を作ろうとする馬鹿が出る。もちろん一切移動しないなら問題ないのだが、間違えてその領域に踏み込んで死ぬ協力者とか、迎えに出た研究者が死ぬ阿保みたいなれ意が結構あるんだよな。作った奴が『いやー失敗した。スマン』とか笑っているのも腹が立つ。
「とりあえず、森に連れて行く奴は『指示した場所まで歩け』『指示した相手を殺せ』だけは覚えさせとけ。村側に残す奴とは別に管理するのを忘れるなよ」
「はいっす! 自分も死にたくないのでよく考えておくっすよ!」
こうして最低限の注意をした後、俺達は暫く訓練をした。
移動に問題はなく、設置した奴も一応は問題が無く、連れて行く奴も同じように一応は問題なく済ませる。その後は訓練しながら待ち人の到来まで過ごしたと言える。
「お待たせしたアルか? これは申し訳ないネ」
「いや、色々することがあったからな。済まないがこいつに色々教えてやってくれ」
「エルフのリシャールです! よろしくお願いします!」
ブーが到着してリシャールを任せる。
森で歩く時の注意やら、薬草の見分け方の初歩を教えれば後は森へ実地研修に行くまでだ。ゴブリンか獣数体を仕留めるくらいは狙いたいが、やるのはホムンクルスだしな。知識を覚えさせるだけなら何とかなると信じたいものである。
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