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内なる災い編
無駄足というよりは教育的な
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今回の盗賊退治は雑事であるが、後を考えると気が抜けない。
それとは別に、地形に対応して色々考え、対策を練りながら進むという意味では良い訓練だった。エレオノーラが管理していたダンジョン近くの森だと、どうしてもいつもの流れになりがちだからな。何をしてくる変わらない相手への対策訓練訓練としては丁度良い。
そう思わなくちゃ割に合わないので、サッサと終わらせておくことにする。
「最初の廃墟は元砦で、本来は海側からこの地方への攻撃を護るものだった」
「ダンジョンによる地域ごとの防衛に加えて、隣国への対策は他の地域で十分」
「代官が住む場所は他にあったし、砦を維持する労力に見合わないんで放棄された」
「なので構造的にはそう大したもんじゃない。門や壁の大枠はともかく、柵は朽ちているし、壁も細部は穴がままの場所があるそうだからな」
石壁と柵の二層構造で、海側に二階建ての塔が一つ。
戦争時には兵舎が敷地内に幾つか建てられたそうだが、基本的には朽ちているとの事だ。石造りの塔以外は隠れる場所としてしか認識せず、塔の中身を確かめることになるだろう。
その上でやるべき分担を決めていく。
もし中に盗賊が居たとしても力押しで何とでもなるはずだが、それでは訓練にもならないからだ。本命は島の方だし、ここは時間を掛けてでも確実に行きたい。
「フィリッパの担当は外を固める事。特に接近とかしなくて良い。気が付かなかった起伏に誰かが隠れて居そうなら、遠近の装備を持たせたホムンクルスで牽制だな」
「了解っす。自分の役目は拠点管理っすからね!」
そもそも戦闘が得意ではない人形遣いを戦わせることはない。
彼女がホムンクルスを指揮する限り、集団でまとまって逃げても、どこかで補足されて撃ち殺されると思わせればよかった。フィリッパ自身が言う様に、彼女は拠点を守って資材やら食料を維持してくれれば良い訳だ。追加戦力が欲しければ、誰かが合流に来ればいいからな。
誰かに者を教える時のコツは、することを絞る事だ。
自分がどういう時に何を良いかを絞って、ソレだけを習熟させれば良い。色々と出来ることを増やす事よりも、未熟から一人前そして熟練者へと育て上げる方が早くて失敗が少ない。器用な奴なら複数の用事をまとめてこなせるが、そういうのは最初から出来る奴に頭を下げて頼んだ方が確実と言うのもある。
「ブーとリシャールは二人で斥候役。立ち位置と見る方向を変えて担当してくれ。熟練者も魔法で誤魔化せることがあるし、こういうのは複数の価値観がある方が良い。意見が異なる時はブーを優先する事」
「変に期待されるよりはそちらの方が楽アルネ」
「了解しました。頑張ります!」
さっきと言ってることが真逆だが、一人で複数の用事を任せることがある。
斥候の場合は目で見て耳で聞いて魔力で探知し、その上で何が起きているかを判断しながら進まなければならない。無駄な事を繰り返すせいで疲弊は、勘違いも多い状態でいちいち決断しながら進まなければならないのだ。そういう時は複数人を割り当てダブルチェックを行う。
もちろん決断する船頭多くても迷走するだけなので責任者は一人。
ただし、異なる価値観というのは残して置いた方がいい。ワンマンチームってのは同じような失敗を繰り返すからな。
「残りのメンバーはホムンクルスと共に前進。ここに敵が居るとしたら数だから、不意打ち対策用の即死防御だけ張っておく。俺自身は使うとしても足を遅くする魔法を指揮官役が逃走する時に使うかどうかだな。そういう時は出来るだけ殺さないで捕獲してくれ」
「問題無い」
「同じく」
フーとリシャールに関しては特に言いようがない。
白兵戦組は殴り倒すのが役目だし、もし内情を知って居そうな指揮官役が居れば、親族衆なり何処かの貴族と繋がって居そうだから殺さないでくれと頼む程度だった。まあ『金で雇われたが誰なのか知らない、名前も聞いてない』と言うのが精々だと思うのだが。
そこまで言った上でみんなを見渡し、念のために聞いてみる。
「確認したいことはあるか?」
「即死保護というのはどこまで効果がアルネ?」
「攻撃魔法一発で丸コゲになるとか、巨大な石で潰されるとか、落とし穴で即死とか。まあ一瞬で死ぬような時だな。酸や炎で時間をかけて焼かれたら流石に無理だ」
ここで質問したのはブーだけだ。
トレジャーハンターである彼は様々なトラップに通じているのだろう。俺の返事に肩をすくめて残念そうな表情をした。おそらくは一撃で死ぬような罠はむしろ慈悲で、ジワジワと殺すような物が多いのかもしれない。まあ吊り天井や落とし穴の下の槍とか、即死を防いでもダメだから気分は分からなくもない。
ともあれこれでひとまず経験は積めるだろう。
色々と想定しながら進み、兵士が居るか居ないか、塔に誰か隠れているかを探せればよい。そうすれば本命の島であるとか、その先にあるダンジョンでの対策に役立つだろう。
「フィリッパはこの位置で待機、暫くは援護態勢で。後は頼んだぞ。ブーたちは先行してくれ」
「了解っす。間違えて撃たないように注意してるので、上手くはないっすよ」
「それで良いネ。仲間に撃たれる、これ最悪アルヨ」
ホムンクルスたちが周囲を警戒する中、ブーとリシャールがゆっくり進んでいく。
壁にある隙間から突然矢を撃たれないようにしながらの進行なので、それほど早いわけではない。壁際に張り付いて、その隙間から中を覗く。その様子が見えてから暫く……。
そこでようやく手招きで俺たちが呼ばれた。
「問題無い様だな。進もう」
「了解」
「ああ」
ハンドサインを確認してから俺達も合流を目指す。
ホムンクルス二体が盾を翳しながら進み、俺達は一応その陰ということになるか。矢の雨が降ったらそれで防げるはずもないが、重要なのは防御出来そうな陣形と言う事だ。斥候の二人を掻い潜り、俺達を狙撃しようと言う試みが無理そうであればそれでいい。
とはいえ、この時点でもう中には誰も無いという確信もあった。
それが微妙に違うのは、壁際まで移動してからになる。誰も中には居なくとも、以前はそうではなかった可能性がある程度であったが。
「何か見つかったか?」
「まだ本格的には探してないネ。二人で無謀な事する気ナイヨ。ただ、これ見てほしいアル」
「比較的に新しい足跡です。深くめり込んではいないので、鎧を付けた兵士ではないかと」
ブー達は割りと大きな穴の傍で足跡を見つけたようだ。
俺には足跡っぽいとしか分からなかったが、専門家であるブーと彼に習い始めたリシャールには別の光景に見えているらしい。さて、ここから逆算すると何の可能性が高いだろうか?
無限に時間があるわけではないので、ここで幾つかの想定をしておくことにした。
「盗賊を調べに来た兵士たちなら門から確認するよな」
「かといって賞金稼ぎが来たと言う話は聞かねえ」
「なら下見か罠の設置だな、もちろん使い魔だけを置いて置く可能性もありはするが」
「ただ使い魔は有用だからソレを無題に置いて置くとも思えない。下見だとは思うが、罠を警戒して確認だけしよう。使い魔が見ていたら、まあそれはその時だ」
その位置から覗ける砦の様子を見て簡単に判断した。
砦は立て籠るには向かない壊れ方をしているし、石造りだから素人が直せる物でもない。また、視覚共有が出来る使い魔を置くことで、ここに誰かが来るかを待ち構えることは一応できる。しかしそんな能力があるならば、小島の方を見張らせるだろう。なのでその確率はかなり少ないと言えた。
なのでここで想定するのは二つ、警戒するのは一つだけだ。
「下見ならハズレで次に行くだけだが、罠があって海側が崩れ易くしていたら困る。なので二人でだいたいこの位の範囲から中を覗き込んでくれ。その後はおおよそ仕掛けがあるかないかだけ判ればいい」
「それってドカーン? まあ金に見合わないし、あり得ないネ。ヨロシ」
「魔法で爆発と言う意味ですか? もしくは爆発するようなポーション? 確かにないかな」
俺の言葉にブーは苦笑しリシャールは首を傾げた。
この場合、想像しておくトラップとしては、塔が爆発するような仕掛けだ。もし船でこちらが側に逃げたり追いかけたりを繰り返している所で、砦が海側に崩れてしまうと大変だろう。そんな事が出来るような大魔法使いならとっくの昔にエレオノーラに貸し出して恩を着せてるだろうし、逃走の為だけに高価な金を使うほどの価値はない。
そして二人は俺達をバックアップとして敷地内に突入した。
決して正面から扉には接近せず、大きな破れ目から中を覗く為だけに移動する。その確認も大まかで良いので、あまり近づかなくて良いと説明しておいた。やがて……。
「特に何も無いアル!」
「こちらも同じくです! 戻りますねー!」
こうして盗賊退治の為の調査は半分ほど終わった。
あとは隠れているであろう小島へと向かい、進軍してトドメを刺すだけだ。
今回の盗賊退治は雑事であるが、後を考えると気が抜けない。
それとは別に、地形に対応して色々考え、対策を練りながら進むという意味では良い訓練だった。エレオノーラが管理していたダンジョン近くの森だと、どうしてもいつもの流れになりがちだからな。何をしてくる変わらない相手への対策訓練訓練としては丁度良い。
そう思わなくちゃ割に合わないので、サッサと終わらせておくことにする。
「最初の廃墟は元砦で、本来は海側からこの地方への攻撃を護るものだった」
「ダンジョンによる地域ごとの防衛に加えて、隣国への対策は他の地域で十分」
「代官が住む場所は他にあったし、砦を維持する労力に見合わないんで放棄された」
「なので構造的にはそう大したもんじゃない。門や壁の大枠はともかく、柵は朽ちているし、壁も細部は穴がままの場所があるそうだからな」
石壁と柵の二層構造で、海側に二階建ての塔が一つ。
戦争時には兵舎が敷地内に幾つか建てられたそうだが、基本的には朽ちているとの事だ。石造りの塔以外は隠れる場所としてしか認識せず、塔の中身を確かめることになるだろう。
その上でやるべき分担を決めていく。
もし中に盗賊が居たとしても力押しで何とでもなるはずだが、それでは訓練にもならないからだ。本命は島の方だし、ここは時間を掛けてでも確実に行きたい。
「フィリッパの担当は外を固める事。特に接近とかしなくて良い。気が付かなかった起伏に誰かが隠れて居そうなら、遠近の装備を持たせたホムンクルスで牽制だな」
「了解っす。自分の役目は拠点管理っすからね!」
そもそも戦闘が得意ではない人形遣いを戦わせることはない。
彼女がホムンクルスを指揮する限り、集団でまとまって逃げても、どこかで補足されて撃ち殺されると思わせればよかった。フィリッパ自身が言う様に、彼女は拠点を守って資材やら食料を維持してくれれば良い訳だ。追加戦力が欲しければ、誰かが合流に来ればいいからな。
誰かに者を教える時のコツは、することを絞る事だ。
自分がどういう時に何を良いかを絞って、ソレだけを習熟させれば良い。色々と出来ることを増やす事よりも、未熟から一人前そして熟練者へと育て上げる方が早くて失敗が少ない。器用な奴なら複数の用事をまとめてこなせるが、そういうのは最初から出来る奴に頭を下げて頼んだ方が確実と言うのもある。
「ブーとリシャールは二人で斥候役。立ち位置と見る方向を変えて担当してくれ。熟練者も魔法で誤魔化せることがあるし、こういうのは複数の価値観がある方が良い。意見が異なる時はブーを優先する事」
「変に期待されるよりはそちらの方が楽アルネ」
「了解しました。頑張ります!」
さっきと言ってることが真逆だが、一人で複数の用事を任せることがある。
斥候の場合は目で見て耳で聞いて魔力で探知し、その上で何が起きているかを判断しながら進まなければならない。無駄な事を繰り返すせいで疲弊は、勘違いも多い状態でいちいち決断しながら進まなければならないのだ。そういう時は複数人を割り当てダブルチェックを行う。
もちろん決断する船頭多くても迷走するだけなので責任者は一人。
ただし、異なる価値観というのは残して置いた方がいい。ワンマンチームってのは同じような失敗を繰り返すからな。
「残りのメンバーはホムンクルスと共に前進。ここに敵が居るとしたら数だから、不意打ち対策用の即死防御だけ張っておく。俺自身は使うとしても足を遅くする魔法を指揮官役が逃走する時に使うかどうかだな。そういう時は出来るだけ殺さないで捕獲してくれ」
「問題無い」
「同じく」
フーとリシャールに関しては特に言いようがない。
白兵戦組は殴り倒すのが役目だし、もし内情を知って居そうな指揮官役が居れば、親族衆なり何処かの貴族と繋がって居そうだから殺さないでくれと頼む程度だった。まあ『金で雇われたが誰なのか知らない、名前も聞いてない』と言うのが精々だと思うのだが。
そこまで言った上でみんなを見渡し、念のために聞いてみる。
「確認したいことはあるか?」
「即死保護というのはどこまで効果がアルネ?」
「攻撃魔法一発で丸コゲになるとか、巨大な石で潰されるとか、落とし穴で即死とか。まあ一瞬で死ぬような時だな。酸や炎で時間をかけて焼かれたら流石に無理だ」
ここで質問したのはブーだけだ。
トレジャーハンターである彼は様々なトラップに通じているのだろう。俺の返事に肩をすくめて残念そうな表情をした。おそらくは一撃で死ぬような罠はむしろ慈悲で、ジワジワと殺すような物が多いのかもしれない。まあ吊り天井や落とし穴の下の槍とか、即死を防いでもダメだから気分は分からなくもない。
ともあれこれでひとまず経験は積めるだろう。
色々と想定しながら進み、兵士が居るか居ないか、塔に誰か隠れているかを探せればよい。そうすれば本命の島であるとか、その先にあるダンジョンでの対策に役立つだろう。
「フィリッパはこの位置で待機、暫くは援護態勢で。後は頼んだぞ。ブーたちは先行してくれ」
「了解っす。間違えて撃たないように注意してるので、上手くはないっすよ」
「それで良いネ。仲間に撃たれる、これ最悪アルヨ」
ホムンクルスたちが周囲を警戒する中、ブーとリシャールがゆっくり進んでいく。
壁にある隙間から突然矢を撃たれないようにしながらの進行なので、それほど早いわけではない。壁際に張り付いて、その隙間から中を覗く。その様子が見えてから暫く……。
そこでようやく手招きで俺たちが呼ばれた。
「問題無い様だな。進もう」
「了解」
「ああ」
ハンドサインを確認してから俺達も合流を目指す。
ホムンクルス二体が盾を翳しながら進み、俺達は一応その陰ということになるか。矢の雨が降ったらそれで防げるはずもないが、重要なのは防御出来そうな陣形と言う事だ。斥候の二人を掻い潜り、俺達を狙撃しようと言う試みが無理そうであればそれでいい。
とはいえ、この時点でもう中には誰も無いという確信もあった。
それが微妙に違うのは、壁際まで移動してからになる。誰も中には居なくとも、以前はそうではなかった可能性がある程度であったが。
「何か見つかったか?」
「まだ本格的には探してないネ。二人で無謀な事する気ナイヨ。ただ、これ見てほしいアル」
「比較的に新しい足跡です。深くめり込んではいないので、鎧を付けた兵士ではないかと」
ブー達は割りと大きな穴の傍で足跡を見つけたようだ。
俺には足跡っぽいとしか分からなかったが、専門家であるブーと彼に習い始めたリシャールには別の光景に見えているらしい。さて、ここから逆算すると何の可能性が高いだろうか?
無限に時間があるわけではないので、ここで幾つかの想定をしておくことにした。
「盗賊を調べに来た兵士たちなら門から確認するよな」
「かといって賞金稼ぎが来たと言う話は聞かねえ」
「なら下見か罠の設置だな、もちろん使い魔だけを置いて置く可能性もありはするが」
「ただ使い魔は有用だからソレを無題に置いて置くとも思えない。下見だとは思うが、罠を警戒して確認だけしよう。使い魔が見ていたら、まあそれはその時だ」
その位置から覗ける砦の様子を見て簡単に判断した。
砦は立て籠るには向かない壊れ方をしているし、石造りだから素人が直せる物でもない。また、視覚共有が出来る使い魔を置くことで、ここに誰かが来るかを待ち構えることは一応できる。しかしそんな能力があるならば、小島の方を見張らせるだろう。なのでその確率はかなり少ないと言えた。
なのでここで想定するのは二つ、警戒するのは一つだけだ。
「下見ならハズレで次に行くだけだが、罠があって海側が崩れ易くしていたら困る。なので二人でだいたいこの位の範囲から中を覗き込んでくれ。その後はおおよそ仕掛けがあるかないかだけ判ればいい」
「それってドカーン? まあ金に見合わないし、あり得ないネ。ヨロシ」
「魔法で爆発と言う意味ですか? もしくは爆発するようなポーション? 確かにないかな」
俺の言葉にブーは苦笑しリシャールは首を傾げた。
この場合、想像しておくトラップとしては、塔が爆発するような仕掛けだ。もし船でこちらが側に逃げたり追いかけたりを繰り返している所で、砦が海側に崩れてしまうと大変だろう。そんな事が出来るような大魔法使いならとっくの昔にエレオノーラに貸し出して恩を着せてるだろうし、逃走の為だけに高価な金を使うほどの価値はない。
そして二人は俺達をバックアップとして敷地内に突入した。
決して正面から扉には接近せず、大きな破れ目から中を覗く為だけに移動する。その確認も大まかで良いので、あまり近づかなくて良いと説明しておいた。やがて……。
「特に何も無いアル!」
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