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内なる災い編
大勝は過ぎたるが如し
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●
さあ、盗賊が隠れているであろう小島を制圧することにしよう。
これで野暮用はお終い、サッサと本来の任務に突入だ。ただし、その場合に気を付けなければならないことがある。
それは今後の仕事に影響を与えるマイナスを考慮する事だ。
「最後の作戦について簡単に説明するぞ」
「この先の修道院は砦と同じで元は警備用だった」
「だが平和と前線の移動で用なしになるのはもっと早い」
「だから防衛施設としての機能は早くから廃れ、修道院として転用が始まったという訳だな。それも農村部で葡萄園が流行り出す前までの話だ。なので罠そのものの危険はあまり必要ない。網はあるかもしれんがな」
要するに戦うとしたら正面決戦で、警戒すべきは隠れての不意打ちだ。
もちろんそれは戦いに際してであり、相手が逃げに徹したら話は別だろう。罠も爆発したり大型の攻城兵器で守っているようなことが無い程度だ。縄を使い網を使い足止めするくらいは普通にあり得る。
だから包囲段階で気を付けるべきは逃げられることだ。
逃げてまた同じような事を計画されては割に合わない。そしたらまた出張って来ないといけないし、その時はもっと隠れる場所を工夫するだろう。穴を掘って隠れられたら流石に見つけるなんて無理だからな。
「避けるべきは二つ。一つは言うまでも無くお前らが重傷を負う事」
「もう一つは連中がまんまと無傷で逃げおおせ、同じことを繰り返す事」
「だから敵を見つけたら迂闊に飛び込まなくていい。包囲して痛い目に合わせる」
「一歩引いて対応し、相手の行動が本決まりになってから対応するくらいでも構わねえ位だ。その代り、出逢ったら確実に潰せ。指揮官だけは『出来れば』活かして欲しいけどな」
なのでこの段階で迂闊な突入はしないと明言して置く。
罠に嵌って誰かが重傷を負ったら困る。もし誰かが前に出て扉を開けないとならぬとしても、それはホムンクルスにやらせるべきだろう。その上でジワジワと確実に、そして見つけたら苛烈に戦う訳だ。
ただその方針はどことなく矛盾している。
当然のことながら手が上がり、質問が来たので明確に答えることにした。
「言いたい事は判るが無理がないか? 急がないと船で逃げるぞ」
「なんなら火をつけるアル? ワタシ仕事少なくていい。無駄な戦い避けるがヨロシ」
「船に関しては俺が何とかする。代わりに戦えなくなるが、オールド・キメラに陸戦をやらせた結界を儀式魔法で使う。それで陸地や干上がった道を使うはずだが、火に関しては却下。修道院に火を掛けたらその後が面倒だからな」
元もと積極的なジャンが攻勢を促し、ブーが物騒な方法を提案した。
そこでジャンの意見には対策があると伝え、ブーの意見は却下してちゃんと料金分は働けと告げておく。ここで火計なんぞ使ったら大変だからな。修道院として機能せずとも漁師の休憩所にはなってるだろうし、元修道院焼き払ったなんて伝わったらエレオノーラが大変だろう。
なので逃走対策をした上で、正面決戦を挑むって寸法だ。
「あの魔法って確か相手の方が上の術者だと効かないんじゃなかったっすか?」
「そこが問題だな。だけど今回は連中が集団ってのがミソだ。魔法使い一人が正気でも船は動かせねえ。簡易儀式ならともかくちゃんとした儀式で使えば、向こうも相応の手段で解呪しないと無理だ。後は空飛んで逃げる事が問題なくらいかな」
前にも言ったが意識操作で、陸を選択したくなる程度の魔法だ。
効かない時は効かないし、相手がより格上の魔法使いだと抵抗され易い。その辺りの兵士だと『陸を通る方が確実だ』と思わせ続けられるが、術者なら別にもっと方法があるだろと判断を切り替えられる。魔法に対する抵抗力があるし、無数の手段を用意するのが魔法使いの基本だからな。
そういう訳で俺は結界維持で何もできなくなる。
範囲の問題で前には出るし、指示くらいは出せるのでその都度に考えはするけどな。
「フィリッパは干上がった道の確保。後は危険だからしなくて良いし、空飛んで来たら撃ち落とすくらいだ。リシャールは魔法使いを見たら構わず魔弓を使え、どうせ動き易い服でしかないからな。矢が刺さらなくとも狙われたら集中力が落ちる」
「了解っす」
「はい!」
この二人は魔法使いの逃走対策に固定する。
魔法を幾つも同時には使えないので、矢を逸らす魔法と空飛ぶ魔法は同時には使えない。そして順番に使うとしたらかなり手間がかかるので脅かすのも兼ねて攻撃し続ければ良い。それと未熟な側でもあるので、余計な事はさせずに矢を撃つ事だけやらせて置いた方が安心だ。
その上で残りの面は警戒しながらの進撃になる。
「後は砦と同じだな。ブーには一人で悪いが、その分だけ安全な動きで構わねえよ。残り二人は貧乏くじで悪いが」
「これが仕事、仕方ないネ。世知辛いアル」
「俺達は命を張るのが仕事だ」
「無謀な作戦なら従わないが、そうじゃないからな」
もちろんホムンクルスを前に立てるので危険は少なくなる。
一番前の個体は盾を持って防ぐのが仕事になるし、後ろに逃げられても問題ないので旧型の指揮個体を使う事にした。杓子定規で動かれても困るし、盾を扱う以外の仕事はないからだ。後は俺の護衛に見えるように、強化個体にクロスボウでも持たせておけば問題ないだろう。
こうして俺たちは小島へと進撃した。
●
干潮になっても潮の香りはする。
ぬるっとした感触の場所であったり、しっかりとした岩場や砂を踏みながらゆっくりと進撃する。奇襲で矢とか魔法を撃たれる方が問題なので、躊躇なく松明やランタンを灯して移動していった。
そして修道院が見えたのだが、あっけなく相手の姿を見つけた。
どうやら小舟に乗って移動しようとしたらしいが、魔法使いを除いて敵の兵士たちがこっちに走り始めたのだ。
「どうしてそっちに行く! 逃げるぞ!」
「お前こそ何で逃げないんだ!」
「早くしろ。置いて行くぞ!」
見た所、強そうな奴は五人も居ない。
残りは斥候としての役目とか込みだろう。盗賊として偽装るならばそれで十分だし、もし小隊が護衛を用意していたとしても、俺たちみたいに少人数だろうしな。
そして結界に引っかかった兵士たちは、小舟に乗った後で撃たれるよりも、俺達を排除した方が早いと判断したのだろう。まあ結界が無かったとしても、魔法使い込みで五人以上居るならそう考えるかもな。
「そこをどけ!」
「お前がな」
ホムンクルスを避けながら切り掛かる敵にフーが一歩前に出た。
水辺で盾持ちを迂回しながら迫るので大した回避は出来ない。おそらく剣を持っていないフーを狙ったのは、反撃を考慮しての事だろう。一瞬でそう判断できるのだから、その時点でかなり頭は切れる方だと思われた。
ただ、そいつにとって不運だったのは無手のフーこそが最も強いって事なんだが……。
「フン!」
「ごっふ……」
「隊長っ!?」
あー。そう言う事もあるよな。
一瞬でこっちの布陣を見抜く使い手は、胸当ての最も厚い部分でフーの肘を受けてふっ飛ばされた。明らかに陥没した胸を見て、俺は事情徴収を諦める。兵士が来ていたら、どこの誰に雇われたかだけは尋ねておくことにしよう。
問題なのは今叫んだ奴にジャンの奴が果敢に斬り掛かっているってことだ。
「貴様が副将か! 覚悟!」
「なんの! この程度で、この程度で俺がやられるか! くそお!」
そいつは剣でジャンの太刀筋を受け流していた。
連続攻撃で攻め立てるジャンとは相性が悪い様で、気が付けば腕に肩を切られ肘から血を流している。あれでは早めに止めないと死にかねない。
仕方がないのでブーに捕縛でも頼むかと思っていたんだが……。
「ちぃい! こうなれば仕方がない。炎よ、嵐となって……」
「魔法使いを撃て! 味方ごと巻き込む気だ!」
「「っ!」」
残念なことに魔法使いはクレバーだった。
こっちの追っ手を食い止めつつ証拠隠滅を図ったらしい。ファイヤースト-ムの呪文で陸への道を塞ぐ俺達を焼き払いに掛かった。それで死んだら十分だし、大怪我を追えば追って来れないという算段だろう。仕方がないので飛び道具を持ってる二人に攻撃させつつ、手元に残しているホムンクルスへ指示を出す。
この様子だと当面はこのまま攻撃続行するしかないので、白兵戦組が手加減してくれることを期待するしかなかった。せめて大将と副将が逆の順番だったらな……。
そしてその日は敵をすべて討ち取り、凱旋するという大勝になることを俺は今から予感していた。
さあ、盗賊が隠れているであろう小島を制圧することにしよう。
これで野暮用はお終い、サッサと本来の任務に突入だ。ただし、その場合に気を付けなければならないことがある。
それは今後の仕事に影響を与えるマイナスを考慮する事だ。
「最後の作戦について簡単に説明するぞ」
「この先の修道院は砦と同じで元は警備用だった」
「だが平和と前線の移動で用なしになるのはもっと早い」
「だから防衛施設としての機能は早くから廃れ、修道院として転用が始まったという訳だな。それも農村部で葡萄園が流行り出す前までの話だ。なので罠そのものの危険はあまり必要ない。網はあるかもしれんがな」
要するに戦うとしたら正面決戦で、警戒すべきは隠れての不意打ちだ。
もちろんそれは戦いに際してであり、相手が逃げに徹したら話は別だろう。罠も爆発したり大型の攻城兵器で守っているようなことが無い程度だ。縄を使い網を使い足止めするくらいは普通にあり得る。
だから包囲段階で気を付けるべきは逃げられることだ。
逃げてまた同じような事を計画されては割に合わない。そしたらまた出張って来ないといけないし、その時はもっと隠れる場所を工夫するだろう。穴を掘って隠れられたら流石に見つけるなんて無理だからな。
「避けるべきは二つ。一つは言うまでも無くお前らが重傷を負う事」
「もう一つは連中がまんまと無傷で逃げおおせ、同じことを繰り返す事」
「だから敵を見つけたら迂闊に飛び込まなくていい。包囲して痛い目に合わせる」
「一歩引いて対応し、相手の行動が本決まりになってから対応するくらいでも構わねえ位だ。その代り、出逢ったら確実に潰せ。指揮官だけは『出来れば』活かして欲しいけどな」
なのでこの段階で迂闊な突入はしないと明言して置く。
罠に嵌って誰かが重傷を負ったら困る。もし誰かが前に出て扉を開けないとならぬとしても、それはホムンクルスにやらせるべきだろう。その上でジワジワと確実に、そして見つけたら苛烈に戦う訳だ。
ただその方針はどことなく矛盾している。
当然のことながら手が上がり、質問が来たので明確に答えることにした。
「言いたい事は判るが無理がないか? 急がないと船で逃げるぞ」
「なんなら火をつけるアル? ワタシ仕事少なくていい。無駄な戦い避けるがヨロシ」
「船に関しては俺が何とかする。代わりに戦えなくなるが、オールド・キメラに陸戦をやらせた結界を儀式魔法で使う。それで陸地や干上がった道を使うはずだが、火に関しては却下。修道院に火を掛けたらその後が面倒だからな」
元もと積極的なジャンが攻勢を促し、ブーが物騒な方法を提案した。
そこでジャンの意見には対策があると伝え、ブーの意見は却下してちゃんと料金分は働けと告げておく。ここで火計なんぞ使ったら大変だからな。修道院として機能せずとも漁師の休憩所にはなってるだろうし、元修道院焼き払ったなんて伝わったらエレオノーラが大変だろう。
なので逃走対策をした上で、正面決戦を挑むって寸法だ。
「あの魔法って確か相手の方が上の術者だと効かないんじゃなかったっすか?」
「そこが問題だな。だけど今回は連中が集団ってのがミソだ。魔法使い一人が正気でも船は動かせねえ。簡易儀式ならともかくちゃんとした儀式で使えば、向こうも相応の手段で解呪しないと無理だ。後は空飛んで逃げる事が問題なくらいかな」
前にも言ったが意識操作で、陸を選択したくなる程度の魔法だ。
効かない時は効かないし、相手がより格上の魔法使いだと抵抗され易い。その辺りの兵士だと『陸を通る方が確実だ』と思わせ続けられるが、術者なら別にもっと方法があるだろと判断を切り替えられる。魔法に対する抵抗力があるし、無数の手段を用意するのが魔法使いの基本だからな。
そういう訳で俺は結界維持で何もできなくなる。
範囲の問題で前には出るし、指示くらいは出せるのでその都度に考えはするけどな。
「フィリッパは干上がった道の確保。後は危険だからしなくて良いし、空飛んで来たら撃ち落とすくらいだ。リシャールは魔法使いを見たら構わず魔弓を使え、どうせ動き易い服でしかないからな。矢が刺さらなくとも狙われたら集中力が落ちる」
「了解っす」
「はい!」
この二人は魔法使いの逃走対策に固定する。
魔法を幾つも同時には使えないので、矢を逸らす魔法と空飛ぶ魔法は同時には使えない。そして順番に使うとしたらかなり手間がかかるので脅かすのも兼ねて攻撃し続ければ良い。それと未熟な側でもあるので、余計な事はさせずに矢を撃つ事だけやらせて置いた方が安心だ。
その上で残りの面は警戒しながらの進撃になる。
「後は砦と同じだな。ブーには一人で悪いが、その分だけ安全な動きで構わねえよ。残り二人は貧乏くじで悪いが」
「これが仕事、仕方ないネ。世知辛いアル」
「俺達は命を張るのが仕事だ」
「無謀な作戦なら従わないが、そうじゃないからな」
もちろんホムンクルスを前に立てるので危険は少なくなる。
一番前の個体は盾を持って防ぐのが仕事になるし、後ろに逃げられても問題ないので旧型の指揮個体を使う事にした。杓子定規で動かれても困るし、盾を扱う以外の仕事はないからだ。後は俺の護衛に見えるように、強化個体にクロスボウでも持たせておけば問題ないだろう。
こうして俺たちは小島へと進撃した。
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干潮になっても潮の香りはする。
ぬるっとした感触の場所であったり、しっかりとした岩場や砂を踏みながらゆっくりと進撃する。奇襲で矢とか魔法を撃たれる方が問題なので、躊躇なく松明やランタンを灯して移動していった。
そして修道院が見えたのだが、あっけなく相手の姿を見つけた。
どうやら小舟に乗って移動しようとしたらしいが、魔法使いを除いて敵の兵士たちがこっちに走り始めたのだ。
「どうしてそっちに行く! 逃げるぞ!」
「お前こそ何で逃げないんだ!」
「早くしろ。置いて行くぞ!」
見た所、強そうな奴は五人も居ない。
残りは斥候としての役目とか込みだろう。盗賊として偽装るならばそれで十分だし、もし小隊が護衛を用意していたとしても、俺たちみたいに少人数だろうしな。
そして結界に引っかかった兵士たちは、小舟に乗った後で撃たれるよりも、俺達を排除した方が早いと判断したのだろう。まあ結界が無かったとしても、魔法使い込みで五人以上居るならそう考えるかもな。
「そこをどけ!」
「お前がな」
ホムンクルスを避けながら切り掛かる敵にフーが一歩前に出た。
水辺で盾持ちを迂回しながら迫るので大した回避は出来ない。おそらく剣を持っていないフーを狙ったのは、反撃を考慮しての事だろう。一瞬でそう判断できるのだから、その時点でかなり頭は切れる方だと思われた。
ただ、そいつにとって不運だったのは無手のフーこそが最も強いって事なんだが……。
「フン!」
「ごっふ……」
「隊長っ!?」
あー。そう言う事もあるよな。
一瞬でこっちの布陣を見抜く使い手は、胸当ての最も厚い部分でフーの肘を受けてふっ飛ばされた。明らかに陥没した胸を見て、俺は事情徴収を諦める。兵士が来ていたら、どこの誰に雇われたかだけは尋ねておくことにしよう。
問題なのは今叫んだ奴にジャンの奴が果敢に斬り掛かっているってことだ。
「貴様が副将か! 覚悟!」
「なんの! この程度で、この程度で俺がやられるか! くそお!」
そいつは剣でジャンの太刀筋を受け流していた。
連続攻撃で攻め立てるジャンとは相性が悪い様で、気が付けば腕に肩を切られ肘から血を流している。あれでは早めに止めないと死にかねない。
仕方がないのでブーに捕縛でも頼むかと思っていたんだが……。
「ちぃい! こうなれば仕方がない。炎よ、嵐となって……」
「魔法使いを撃て! 味方ごと巻き込む気だ!」
「「っ!」」
残念なことに魔法使いはクレバーだった。
こっちの追っ手を食い止めつつ証拠隠滅を図ったらしい。ファイヤースト-ムの呪文で陸への道を塞ぐ俺達を焼き払いに掛かった。それで死んだら十分だし、大怪我を追えば追って来れないという算段だろう。仕方がないので飛び道具を持ってる二人に攻撃させつつ、手元に残しているホムンクルスへ指示を出す。
この様子だと当面はこのまま攻撃続行するしかないので、白兵戦組が手加減してくれることを期待するしかなかった。せめて大将と副将が逆の順番だったらな……。
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