56 / 84
厄介な事故現場
獣対策
しおりを挟む
●
馬鹿役のボンボンが俺達に介入を掛けて来た。
沢山の獣が出て村々を荒らしているから退治に行けという誘導で、実際に近隣でそんな話は無いのだから冗談みたいな話だ。もちろん、そこには何らかの策謀があるのだろう。
策謀の全容は判らないが、ボンボンの立ち回りで向きが変わる。
こいつに手柄を立てさせ、ホムンクルスの指揮権を奪いたいのか? それとも俺達に無駄な努力をさせたり、荒らしまわるなどの悪評を立たせたいのかもしれない。後者の場合は、本当に目立つだけの囮だな。
「面倒だから色々と考えられることに全部対処します」
「往復路も手狭に成って来たし、この場所は半分残して移動ですね」
「残り半分は少し上の川上を掘って、もう土砂が溜まらないように」
「ホムンクルスを使った作業はそんな感じで、後は獣避けに下生え踏みをさせるくらい。柵や草刈りは余った村人を使うから、基本的には要りませんしね」
流木や大岩の移動は殆ど終わった。
後は土砂を掘り起こして川の浚渫を行うくらいだ。全てのホムンクルスを使う程ではなく、数を減らして同時並行で川上でも行う。出来ればこの位置を先に終わらせた方が安全なので、こっちに残す方が若干多いくらいだろうか?
その上で名目上の理由である、獣対策には地道な作業を行う。リシャールの森でもやった作業だが、アレの遠慮のないバージョンだな。
「兵士に持たせた手紙は?」
「新しい街道とホムンクルスの分け前の話ですね。あのボンボンじゃなく、領主の方に直接持って行かせました。あのボンボンは明らかに囮でしょう。こっちが無能ならばホムンクルスを全部取り上げて、ここでの成果も奪う気かと……まあ、そこまで先が見えない訳じゃないでしょうけど」
おそらくボンボンの聞かされてる内容はこんな所だ。
お前ならばやれるとその気になって、俺達相手に上から目線で申しつけに来たんだろう。文句を言ったらそれを理由にホムンクルスを取り上げ、『いずれ我が領土に分配される予定であった』とか言って、他の領地に回す分のホムンクルスまで取り上げる気だったと思われる。取り上げてしまったら後は知らぬ存ぜぬって寸法だ。他の領地の約束はそっちで守れとか言う感じだな。
ただ、それは夢見る机上の空論みたいなプランだろう。おそらくは口にした奴も、そんな阿保みたいな結末になるなどとは夢にも思っていないに違いない。
「こっちのプランへ素直に協力するなら、こっちも協力する」
「この場所でも良いし、領内にある渡河点に橋を造っても良い」
「だがそっちの都合を押し付けたなら正規料金を要求する」
「ホムンクルスを使って御子息ないし直属の部下に実績を持たせたいならば、その御方に教習をしても良い。確実に分配する分だけならば補修もこちらでやるが、他領に個体には責任を負いかねる。だいたいそんな感じの内容になります」
順当に考えるならば領主自身か、嫡男の策だろう。
婿養子として押し込めないのは……あの性格を見れば早い段階で判る。だから最初から何か理由があったら使うための駒として取っておいたのだろう。そして今回の件で旨味を最大限に得る為、どこまでやって良いのかを三河めているのではないかと思う訳だ。
なので素直に予定の範疇ならばこちらも載ると返した。
計画を邪魔せずに協力するならば、こちらも予定の範囲で協力する。それ以上に何か求めるならば、費用を考えて口に出せよ。お互いに『分』を弁えようぜって内容だな。それ以上に何かを持って行く気だったら? そんなの知らん。実力で跳ねのけるだけだな。
「その上で獣対策はちゃんとやることにします」
「たいていの場合は獣の方が弁えてるものですし」
「死ぬために前に出て来るなんて人間くらいですね」
「もちろん飢えて必死な可能性はあるから、柵とかも用意もします。基本的にはこの辺りの領地は農園だから、森にあまり用事がないのも助かりますね。思い切った手が打てるってことですから」
前にも言ったと思うが、エレオノーラの一族は平地に住んでいる。
大部分が農園で、トロ-ルが行き来を諦める程には背を隠せる物が何も無い。小麦畑であったり葡萄畑であるなどの差はあるが、住民たちは概ね森とは無縁の生活をしているのである。薪を買うほどの余裕があるし、買う習慣があるからこそ、流木やら伐採した木を薪として欲しがったのだ。労役で働けなかった分の小遣い稼ぎができるからな。
まあ、一応はそういう場所だからこそ、獣対策を知らないという可能性もある。なのでそちらも一緒に教授しておこうという訳だ。
「と言う訳でジャンさんは監督をお願いします」
「おおよその工程表と縄張りは記載しておきました」
「最初はこの場所の見極めがつくまでをお願いします」
「作業が減る度に徐々に上流へホムンクルスを移してください。一応は俺も上流に居ますけど、獣対策で動けませんから。あくまであのボンボンが馬鹿な事を言い出したら対処する役ですね。基本的にはジャンさんの良いように民たちの訓練くらいのつもりで構いませんよ」
この場所自体は、もうそれほどすることが残って居ない。
ホムンクルスに任せる作業は少なく、ある程度の岩と掘り越した土砂の移動くらいだ。それでもホムンクルスの大部分を残すのは、本来の事故現場であり、これから水量が増える筈の下流だからである。上流を弄って水量が一気に増えたら危ないからな。
と、まあそういう話をしているが……。
これは予定表を作って渡して置く為の理由造りでもある。予定表と料金表を作っておけば、次にジャンが利用する時の目安になるし、ボンボンが文句を言って来たら、この料金を支払えと言えば追い返す言い訳にもなるわけだ。俺が居ない時でも同じような作業を続けるためでもあるけどな。
「了解した。あの者の話は知らぬ存ぜぬで良いのだな?」
「筋の通らないことを言ってるだけですからね。そりゃ魔物に追われてたら匿うのは構いませんが、十中八九は昨日と変わらない主張ですよ。同じことを繰り返しに来たか、親に言われて多少はマシな言い分に変えたかってとこです」
こんな感じで当面の予定を決めた俺たちは別れた。
残りの作業をジャンに託しつつ、上流を拠点にちょっとした工夫を始める訳だ。ホムンクルスには岩と流木の移動をやらせるのは同じだが、こちらは数が少ない分だけ別の事をさせる。川幅を拡げ、ちょっとばっかり真っ直ぐな流れにするわけだな。
ここでジャンに教えてもらった縄を使う方法を使い、どんな風に変更するかを単純に決めた。
「下流で行った事を此処でもやるが、地形の分だけ変更する」
「こういう感じで川幅を調整し、次はもう流木が掛からないようにするんだ」
「幸い此処はこっちの領主さんの土地だからな。両岸を掘っても問題ない」
「ホムンクルスに岩と流木の移動はやらせておくが、みんなは木の伐採と加工を手伝ってくれ。柵を作って獣対策をする。代わりに落とした枝や余った木は持って帰っていいぞ」
適当な言い訳をして川の浚渫に理屈をつける。
昨日まで工事してた場所のように川が境界線になってる場所もあるので迂闊に広げると問題になる場所もある。だがここでは文句が付けられないので、何か言われるまでにさっさとこうしてしまう訳だ。柵を作って森の見栄えを良くすることで、暮らしやすくなるから、後から知った領主が何か知って来るとしてもそこで黙る可能性は高いだろう。
そんな感じで獣対策をし始めたわけだが……。
馬鹿は案の定、向こうの領地にも居た。友人なのかそれとも結託しているだけなのか知らないが、獣たちをこっちに追い込んで来たのである。
馬鹿役のボンボンが俺達に介入を掛けて来た。
沢山の獣が出て村々を荒らしているから退治に行けという誘導で、実際に近隣でそんな話は無いのだから冗談みたいな話だ。もちろん、そこには何らかの策謀があるのだろう。
策謀の全容は判らないが、ボンボンの立ち回りで向きが変わる。
こいつに手柄を立てさせ、ホムンクルスの指揮権を奪いたいのか? それとも俺達に無駄な努力をさせたり、荒らしまわるなどの悪評を立たせたいのかもしれない。後者の場合は、本当に目立つだけの囮だな。
「面倒だから色々と考えられることに全部対処します」
「往復路も手狭に成って来たし、この場所は半分残して移動ですね」
「残り半分は少し上の川上を掘って、もう土砂が溜まらないように」
「ホムンクルスを使った作業はそんな感じで、後は獣避けに下生え踏みをさせるくらい。柵や草刈りは余った村人を使うから、基本的には要りませんしね」
流木や大岩の移動は殆ど終わった。
後は土砂を掘り起こして川の浚渫を行うくらいだ。全てのホムンクルスを使う程ではなく、数を減らして同時並行で川上でも行う。出来ればこの位置を先に終わらせた方が安全なので、こっちに残す方が若干多いくらいだろうか?
その上で名目上の理由である、獣対策には地道な作業を行う。リシャールの森でもやった作業だが、アレの遠慮のないバージョンだな。
「兵士に持たせた手紙は?」
「新しい街道とホムンクルスの分け前の話ですね。あのボンボンじゃなく、領主の方に直接持って行かせました。あのボンボンは明らかに囮でしょう。こっちが無能ならばホムンクルスを全部取り上げて、ここでの成果も奪う気かと……まあ、そこまで先が見えない訳じゃないでしょうけど」
おそらくボンボンの聞かされてる内容はこんな所だ。
お前ならばやれるとその気になって、俺達相手に上から目線で申しつけに来たんだろう。文句を言ったらそれを理由にホムンクルスを取り上げ、『いずれ我が領土に分配される予定であった』とか言って、他の領地に回す分のホムンクルスまで取り上げる気だったと思われる。取り上げてしまったら後は知らぬ存ぜぬって寸法だ。他の領地の約束はそっちで守れとか言う感じだな。
ただ、それは夢見る机上の空論みたいなプランだろう。おそらくは口にした奴も、そんな阿保みたいな結末になるなどとは夢にも思っていないに違いない。
「こっちのプランへ素直に協力するなら、こっちも協力する」
「この場所でも良いし、領内にある渡河点に橋を造っても良い」
「だがそっちの都合を押し付けたなら正規料金を要求する」
「ホムンクルスを使って御子息ないし直属の部下に実績を持たせたいならば、その御方に教習をしても良い。確実に分配する分だけならば補修もこちらでやるが、他領に個体には責任を負いかねる。だいたいそんな感じの内容になります」
順当に考えるならば領主自身か、嫡男の策だろう。
婿養子として押し込めないのは……あの性格を見れば早い段階で判る。だから最初から何か理由があったら使うための駒として取っておいたのだろう。そして今回の件で旨味を最大限に得る為、どこまでやって良いのかを三河めているのではないかと思う訳だ。
なので素直に予定の範疇ならばこちらも載ると返した。
計画を邪魔せずに協力するならば、こちらも予定の範囲で協力する。それ以上に何か求めるならば、費用を考えて口に出せよ。お互いに『分』を弁えようぜって内容だな。それ以上に何かを持って行く気だったら? そんなの知らん。実力で跳ねのけるだけだな。
「その上で獣対策はちゃんとやることにします」
「たいていの場合は獣の方が弁えてるものですし」
「死ぬために前に出て来るなんて人間くらいですね」
「もちろん飢えて必死な可能性はあるから、柵とかも用意もします。基本的にはこの辺りの領地は農園だから、森にあまり用事がないのも助かりますね。思い切った手が打てるってことですから」
前にも言ったと思うが、エレオノーラの一族は平地に住んでいる。
大部分が農園で、トロ-ルが行き来を諦める程には背を隠せる物が何も無い。小麦畑であったり葡萄畑であるなどの差はあるが、住民たちは概ね森とは無縁の生活をしているのである。薪を買うほどの余裕があるし、買う習慣があるからこそ、流木やら伐採した木を薪として欲しがったのだ。労役で働けなかった分の小遣い稼ぎができるからな。
まあ、一応はそういう場所だからこそ、獣対策を知らないという可能性もある。なのでそちらも一緒に教授しておこうという訳だ。
「と言う訳でジャンさんは監督をお願いします」
「おおよその工程表と縄張りは記載しておきました」
「最初はこの場所の見極めがつくまでをお願いします」
「作業が減る度に徐々に上流へホムンクルスを移してください。一応は俺も上流に居ますけど、獣対策で動けませんから。あくまであのボンボンが馬鹿な事を言い出したら対処する役ですね。基本的にはジャンさんの良いように民たちの訓練くらいのつもりで構いませんよ」
この場所自体は、もうそれほどすることが残って居ない。
ホムンクルスに任せる作業は少なく、ある程度の岩と掘り越した土砂の移動くらいだ。それでもホムンクルスの大部分を残すのは、本来の事故現場であり、これから水量が増える筈の下流だからである。上流を弄って水量が一気に増えたら危ないからな。
と、まあそういう話をしているが……。
これは予定表を作って渡して置く為の理由造りでもある。予定表と料金表を作っておけば、次にジャンが利用する時の目安になるし、ボンボンが文句を言って来たら、この料金を支払えと言えば追い返す言い訳にもなるわけだ。俺が居ない時でも同じような作業を続けるためでもあるけどな。
「了解した。あの者の話は知らぬ存ぜぬで良いのだな?」
「筋の通らないことを言ってるだけですからね。そりゃ魔物に追われてたら匿うのは構いませんが、十中八九は昨日と変わらない主張ですよ。同じことを繰り返しに来たか、親に言われて多少はマシな言い分に変えたかってとこです」
こんな感じで当面の予定を決めた俺たちは別れた。
残りの作業をジャンに託しつつ、上流を拠点にちょっとした工夫を始める訳だ。ホムンクルスには岩と流木の移動をやらせるのは同じだが、こちらは数が少ない分だけ別の事をさせる。川幅を拡げ、ちょっとばっかり真っ直ぐな流れにするわけだな。
ここでジャンに教えてもらった縄を使う方法を使い、どんな風に変更するかを単純に決めた。
「下流で行った事を此処でもやるが、地形の分だけ変更する」
「こういう感じで川幅を調整し、次はもう流木が掛からないようにするんだ」
「幸い此処はこっちの領主さんの土地だからな。両岸を掘っても問題ない」
「ホムンクルスに岩と流木の移動はやらせておくが、みんなは木の伐採と加工を手伝ってくれ。柵を作って獣対策をする。代わりに落とした枝や余った木は持って帰っていいぞ」
適当な言い訳をして川の浚渫に理屈をつける。
昨日まで工事してた場所のように川が境界線になってる場所もあるので迂闊に広げると問題になる場所もある。だがここでは文句が付けられないので、何か言われるまでにさっさとこうしてしまう訳だ。柵を作って森の見栄えを良くすることで、暮らしやすくなるから、後から知った領主が何か知って来るとしてもそこで黙る可能性は高いだろう。
そんな感じで獣対策をし始めたわけだが……。
馬鹿は案の定、向こうの領地にも居た。友人なのかそれとも結託しているだけなのか知らないが、獣たちをこっちに追い込んで来たのである。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる