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話題の転換と、決着の方向
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●
「そろそろマーシャル卿の配下や領民がこちらを確認する筈です」
「……姫。大丈夫だとは思いますが、くれぐれもご注意ください」
「承知しております。ですが空が見える緊張感のお陰で、テーヌ領の今後という課題が小さく見えます。不思議なものですね」
アリノエール姫は婚姻の申し出への返答の為、艦橋へ向かった。
そこに周囲へ呼びかけるためのバルコニーがあるからだ。飛行船の上から演説した時代の名残であり、同時に空を飛ぶ兵士へ指示を出すためのものだろう。伝声の呪文は基本的に、風魔法に適正が無いと使えないからな。落っこるかもしれないというメアリの心配に、アリノエールは冗談で応えて見せた。彼女からすれば落下して死ぬ方がまだ責任感が軽いはずだ。あるいは、臣下を和ませるつもりで自分にも言い聞かせているのかもしれない。
『わたくしはアリノエール・ド・ダキナ・=テーヌ。ダキナの家とこのテーヌ領を継ぐ者です。わたくしはこの地の安寧、そしてこの国を守るために宝剣探索の旅に出る予定です。よって女子は家に籠れ、当主は領内を統治しておれという者との婚姻は受けられません』
アリノエールは俺たちには説明していなかった目的を明かした。
聖堂でメアリと話して居た時の内容では、マーシャル卿たちを説き伏せる為の一本筋の通った理由にするという話だった。その時はあくまで領地の方針として、テーヌ領を守りつつ可能な戦力を派遣するという意味だったのだろう。だが、同盟を持ちかける予定のナルモン伯が婚姻を申し出たことで、事態が変化したのだ。申し出を理由なく断ればそれはそれでモメるし、同時に周囲を説得できなくなるからである。
『また、同道するに値せぬ場合もこれに同じ。わたくしに求婚するのであれば、我が騎士とこの場で戦って勝利して見せなさい。聞けば嫁取りの戦をお望みとか、まさかお受けできぬということはありますまい?』
アリノエールの言葉は、話の主題をすり替える為のものである。
そもそもナルモン伯の言い分は、『領地侵入は略奪婚の為だった。佳い女だと認めたのだし、見返りも渡すから認めろ』という話である。一見筋が通っているが、この地の習慣にもなく、そして王国全体でもその慣習を採用している領地は少ない。あくまで『そういう風習もある』という文化の伝聞と、『美しく身分ある姫に対する求婚というロマンス』を重ね合わせているだけなのだ。そこで争点を領地侵入から、これからの目的にシフトさせ、論議を起こすという事だろう。
『わたくしはその為に王太子殿下との婚約を解消しました。騎士ならば、諸侯ならば、戦に条件を付けるのも良いでしょう。されど、わたくしは探索の旅に関して一歩も引く気はありません! 宝剣探索に興味なくば、この国を守ろうとする気概無くば去りなさい!』
決闘や私闘には戦力・場所・手法などの条件を付け合う事もある。
ナルモン伯は王太子との婚約が無かったからこそ、理由を付けれた。だが、その理由が宝剣探索の為であり、その条件だけは譲らないと先に宣言している。他の場所にしろだとか、こちらの戦力を削れとか、戦闘では無くチェスやカード遊びに城と言う主張も出来るだろう。だが、アリノエールが先に宣言したことで、宝剣探索という主題は変えられないという事になる。それを認められないならば最初から挑んで来るな、知らなかったのならばされと言うことになるのだ。
「でもさ、ソレってあくまで対等の相手とみなすなら……だよね? もし強権的に乗り込んで来たらどうするの? 略奪しちゃえば条件も何も無いでしょ?」
「そうでもないさ。ナルモン伯は自分の目的の一環で来てる筈だ」
イグレーンの質問に対し、傍にいることもあって即座に答えた。
いつもは伝声管で伝える合間に色々と考えるが、俺も艦橋まで付き添ってるのでその場で応えた結果だ。ただしある程度の目算はある。ただの捕り物にナルモン伯が動くとは思えないし、防衛体制がどうのという話に関して、ナルモン伯も他人事ではないのだ。だからアリノーエルが頼りになる同盟者であるかを見極めたい筈である。でなければ領地侵入の言い訳に略奪婚など言い出さないだろう。もし伯が宰相の使い走りであるならば、ここで引き返す可能性はあるけどな。
「彼にも領地の防衛があるし、宰相の命令を都合の良い大義名分として向かってるだけだろう。もちろん『我が領地の事だけしか知らない、この決闘に勝ったらテーヌ領もアリノエールも全てオレのモノだ』という暴君の可能性はゼロじゃないけどな」
「強引とかいう噂はあるけど、今回はそこまでしそうにはないかな?」
「だろ? だからある程度はアリノエール嬢の思惑とも合致するだろう」
現在のこの国の情勢はあまり良くない。
魔物の外で国力が全体的に低下しているし、テーヌ領など国家添いの領地なんかもっと悪い。ナルモン伯の領地も似たようなものだが、確か海添いなので陸地面積が少ない事に関する良し悪しはあるだろう。守るべき場所が少ないとも言えるし、上陸してくる魔物に限りが無いとも言える。だから強力な同盟者を欲しているのだと思われた。宰相に協力しているのは国家自体が強く成って欲しいからだし、アリノエールを身に来たのも目的の一つと言う訳だ。
「つまり、姫の申し出に良く応えると?」
「良いというのをどう捉えるか、かな。無理な申し出はせずここで引き下がっても良いけど、それだと来た意味が無い。アリノエール嬢の申し出に沿って、勝っても負けても友好関係を築く方針で来ると思う。勝っても最大限にその目的は配慮するとか、負けたら従者として直属の部下を派遣する。その心意気に感動したから……くらいじゃないかと思う」
ここにはアリノエールを心配してメアリも来ているので言葉遣いに困る。
雇ったのがアリノエールなので彼女が貴族であることt込みで普段は敬語で良いとしても、普通に同格みたいな感じで話しかけて来ることもある。おそらく彼女が騎士としてはまだ日が浅く、アリノエールの護衛くらいのつもりであるというのが大きいだろう。他に部下が居るならもっと仰々しいのだろうが、今はストレートに助言を欲しているのでこちらも対等に話しているという訳だ。
●
『はははは! 領地の為、この国の為に名誉も命も懸けるその覚悟気に入った! 改めて婚姻を申し出よう! ただし勝利の暁には最初の目的地には我が領の魔窟をお願いしたい。逆にあえなく敗北した時にはこのテーヌ領や関わる縁戚の領地で良い。勝っても負けても姫の従者としてこのウィリアム自身が同道しよう。その旅で上が身上、我が心根、とくとご覧あれ! 婚姻に関しての返事はその後で良い!』
なんとナルモン伯は思ってもみない規模に話題をすり替えた。
アリノエールが話題を婚姻話から宝剣探索に切り替えたのに対して、その話題を踏襲する代わりに、魔物退治を自分の領地からスタートさせること自領を守る手に出たのだ。その逆はアリノエールの関わる領地の何処かでスタートすると言っている。つまり、宝剣探索の旅をド派手なイベントに置き換えて、周辺の魔物を対峙する一大キャンペーン、『クエスト』に認定しようというのだ。
「……うやー。まさかこう出るとはね。私も芝居掛かった方だけど、あちらさんも中々だ」
「だが悪い手じゃない。どっちに転んでも旅の一つ目と二つ目の目的地が出来たようなもんだし、フランキスの西部を中心に魔物を狩って行けば、二人の目的も叶う。そのまま国家防衛に協力する事になる訳だから、宰相が懸念している話もうやむやにし易い。たった一つ、腹の内を除いてな」
「……」
話の筋としては問題無いし、結果的に平和になるなら良い事だ。
目下のところアリノエールが目的としている当主就任も、近隣領主との連携もこの延長上で何とかなるだろう。他の領主から見ても、何処かの貴族が本格的な魔物討伐を始めることは願ったりかなったりだ。貴族連合で押し付けるなら報酬とか政治取引とかあるが、誰かが勝手にやるなら、それはもう手放しで喜べる。報酬の代わりに名誉くらいなら幾らでも褒め讃えてくれるだろう。
「腹の内? 何を思ってるかって事?」
「宰相のメンツはどうなる? 苦渋の決断をしたのに自分を無視した形で決着がつき、諸侯の手前この話を受け入れるしかない。『それはそれとして国に反した、領地没収』とかやったら総スカンを食うからな。だが、それだけに腹を立てる可能性はある。それと、アリノエール嬢はそもそも婚姻話をここでしたかったのか? 貴族の結婚は政治とはいえ、本人だって思う事はあるだろうさ」
「……」
さっきからメアリが黙っているのが全てを表している。
仕方がない話だし、これで八方丸く収まるなら良い着地点に落ち着いたと双方を賞賛すべきだろう。だが、見世物になったアリノエールの婚姻はどうなるのだ? 俺が前世の良識を引っ張り過ぎと言うのもあるだろうが、面白くないのではないだろうか。もしアリノエールがナルモン伯の申し出で『まあ素敵、私の遣りたい事を擁護してくださるのね』なんて性格していたら、メアリが黙ってはいないだろう。
「その件に関しては……」
『ナルモン伯のご返事、確かにこの耳で聞きました。決闘の方法とその場所に関して、双方の代理人がこの船の甲板で一騎打ちするのはいかが?』
メアリが答える前にアリノエールが返事をした。
もはや何がどうあれ、話は止まらないだろう。だからこそメアリもそこで押し黙り、『アリノエールの代理人』としてどう戦うべきかを考え始めたに違いない。事態は混迷するままに、一つの方向にまとまりつつあった。
「そろそろマーシャル卿の配下や領民がこちらを確認する筈です」
「……姫。大丈夫だとは思いますが、くれぐれもご注意ください」
「承知しております。ですが空が見える緊張感のお陰で、テーヌ領の今後という課題が小さく見えます。不思議なものですね」
アリノエール姫は婚姻の申し出への返答の為、艦橋へ向かった。
そこに周囲へ呼びかけるためのバルコニーがあるからだ。飛行船の上から演説した時代の名残であり、同時に空を飛ぶ兵士へ指示を出すためのものだろう。伝声の呪文は基本的に、風魔法に適正が無いと使えないからな。落っこるかもしれないというメアリの心配に、アリノエールは冗談で応えて見せた。彼女からすれば落下して死ぬ方がまだ責任感が軽いはずだ。あるいは、臣下を和ませるつもりで自分にも言い聞かせているのかもしれない。
『わたくしはアリノエール・ド・ダキナ・=テーヌ。ダキナの家とこのテーヌ領を継ぐ者です。わたくしはこの地の安寧、そしてこの国を守るために宝剣探索の旅に出る予定です。よって女子は家に籠れ、当主は領内を統治しておれという者との婚姻は受けられません』
アリノエールは俺たちには説明していなかった目的を明かした。
聖堂でメアリと話して居た時の内容では、マーシャル卿たちを説き伏せる為の一本筋の通った理由にするという話だった。その時はあくまで領地の方針として、テーヌ領を守りつつ可能な戦力を派遣するという意味だったのだろう。だが、同盟を持ちかける予定のナルモン伯が婚姻を申し出たことで、事態が変化したのだ。申し出を理由なく断ればそれはそれでモメるし、同時に周囲を説得できなくなるからである。
『また、同道するに値せぬ場合もこれに同じ。わたくしに求婚するのであれば、我が騎士とこの場で戦って勝利して見せなさい。聞けば嫁取りの戦をお望みとか、まさかお受けできぬということはありますまい?』
アリノエールの言葉は、話の主題をすり替える為のものである。
そもそもナルモン伯の言い分は、『領地侵入は略奪婚の為だった。佳い女だと認めたのだし、見返りも渡すから認めろ』という話である。一見筋が通っているが、この地の習慣にもなく、そして王国全体でもその慣習を採用している領地は少ない。あくまで『そういう風習もある』という文化の伝聞と、『美しく身分ある姫に対する求婚というロマンス』を重ね合わせているだけなのだ。そこで争点を領地侵入から、これからの目的にシフトさせ、論議を起こすという事だろう。
『わたくしはその為に王太子殿下との婚約を解消しました。騎士ならば、諸侯ならば、戦に条件を付けるのも良いでしょう。されど、わたくしは探索の旅に関して一歩も引く気はありません! 宝剣探索に興味なくば、この国を守ろうとする気概無くば去りなさい!』
決闘や私闘には戦力・場所・手法などの条件を付け合う事もある。
ナルモン伯は王太子との婚約が無かったからこそ、理由を付けれた。だが、その理由が宝剣探索の為であり、その条件だけは譲らないと先に宣言している。他の場所にしろだとか、こちらの戦力を削れとか、戦闘では無くチェスやカード遊びに城と言う主張も出来るだろう。だが、アリノエールが先に宣言したことで、宝剣探索という主題は変えられないという事になる。それを認められないならば最初から挑んで来るな、知らなかったのならばされと言うことになるのだ。
「でもさ、ソレってあくまで対等の相手とみなすなら……だよね? もし強権的に乗り込んで来たらどうするの? 略奪しちゃえば条件も何も無いでしょ?」
「そうでもないさ。ナルモン伯は自分の目的の一環で来てる筈だ」
イグレーンの質問に対し、傍にいることもあって即座に答えた。
いつもは伝声管で伝える合間に色々と考えるが、俺も艦橋まで付き添ってるのでその場で応えた結果だ。ただしある程度の目算はある。ただの捕り物にナルモン伯が動くとは思えないし、防衛体制がどうのという話に関して、ナルモン伯も他人事ではないのだ。だからアリノーエルが頼りになる同盟者であるかを見極めたい筈である。でなければ領地侵入の言い訳に略奪婚など言い出さないだろう。もし伯が宰相の使い走りであるならば、ここで引き返す可能性はあるけどな。
「彼にも領地の防衛があるし、宰相の命令を都合の良い大義名分として向かってるだけだろう。もちろん『我が領地の事だけしか知らない、この決闘に勝ったらテーヌ領もアリノエールも全てオレのモノだ』という暴君の可能性はゼロじゃないけどな」
「強引とかいう噂はあるけど、今回はそこまでしそうにはないかな?」
「だろ? だからある程度はアリノエール嬢の思惑とも合致するだろう」
現在のこの国の情勢はあまり良くない。
魔物の外で国力が全体的に低下しているし、テーヌ領など国家添いの領地なんかもっと悪い。ナルモン伯の領地も似たようなものだが、確か海添いなので陸地面積が少ない事に関する良し悪しはあるだろう。守るべき場所が少ないとも言えるし、上陸してくる魔物に限りが無いとも言える。だから強力な同盟者を欲しているのだと思われた。宰相に協力しているのは国家自体が強く成って欲しいからだし、アリノエールを身に来たのも目的の一つと言う訳だ。
「つまり、姫の申し出に良く応えると?」
「良いというのをどう捉えるか、かな。無理な申し出はせずここで引き下がっても良いけど、それだと来た意味が無い。アリノエール嬢の申し出に沿って、勝っても負けても友好関係を築く方針で来ると思う。勝っても最大限にその目的は配慮するとか、負けたら従者として直属の部下を派遣する。その心意気に感動したから……くらいじゃないかと思う」
ここにはアリノエールを心配してメアリも来ているので言葉遣いに困る。
雇ったのがアリノエールなので彼女が貴族であることt込みで普段は敬語で良いとしても、普通に同格みたいな感じで話しかけて来ることもある。おそらく彼女が騎士としてはまだ日が浅く、アリノエールの護衛くらいのつもりであるというのが大きいだろう。他に部下が居るならもっと仰々しいのだろうが、今はストレートに助言を欲しているのでこちらも対等に話しているという訳だ。
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『はははは! 領地の為、この国の為に名誉も命も懸けるその覚悟気に入った! 改めて婚姻を申し出よう! ただし勝利の暁には最初の目的地には我が領の魔窟をお願いしたい。逆にあえなく敗北した時にはこのテーヌ領や関わる縁戚の領地で良い。勝っても負けても姫の従者としてこのウィリアム自身が同道しよう。その旅で上が身上、我が心根、とくとご覧あれ! 婚姻に関しての返事はその後で良い!』
なんとナルモン伯は思ってもみない規模に話題をすり替えた。
アリノエールが話題を婚姻話から宝剣探索に切り替えたのに対して、その話題を踏襲する代わりに、魔物退治を自分の領地からスタートさせること自領を守る手に出たのだ。その逆はアリノエールの関わる領地の何処かでスタートすると言っている。つまり、宝剣探索の旅をド派手なイベントに置き換えて、周辺の魔物を対峙する一大キャンペーン、『クエスト』に認定しようというのだ。
「……うやー。まさかこう出るとはね。私も芝居掛かった方だけど、あちらさんも中々だ」
「だが悪い手じゃない。どっちに転んでも旅の一つ目と二つ目の目的地が出来たようなもんだし、フランキスの西部を中心に魔物を狩って行けば、二人の目的も叶う。そのまま国家防衛に協力する事になる訳だから、宰相が懸念している話もうやむやにし易い。たった一つ、腹の内を除いてな」
「……」
話の筋としては問題無いし、結果的に平和になるなら良い事だ。
目下のところアリノエールが目的としている当主就任も、近隣領主との連携もこの延長上で何とかなるだろう。他の領主から見ても、何処かの貴族が本格的な魔物討伐を始めることは願ったりかなったりだ。貴族連合で押し付けるなら報酬とか政治取引とかあるが、誰かが勝手にやるなら、それはもう手放しで喜べる。報酬の代わりに名誉くらいなら幾らでも褒め讃えてくれるだろう。
「腹の内? 何を思ってるかって事?」
「宰相のメンツはどうなる? 苦渋の決断をしたのに自分を無視した形で決着がつき、諸侯の手前この話を受け入れるしかない。『それはそれとして国に反した、領地没収』とかやったら総スカンを食うからな。だが、それだけに腹を立てる可能性はある。それと、アリノエール嬢はそもそも婚姻話をここでしたかったのか? 貴族の結婚は政治とはいえ、本人だって思う事はあるだろうさ」
「……」
さっきからメアリが黙っているのが全てを表している。
仕方がない話だし、これで八方丸く収まるなら良い着地点に落ち着いたと双方を賞賛すべきだろう。だが、見世物になったアリノエールの婚姻はどうなるのだ? 俺が前世の良識を引っ張り過ぎと言うのもあるだろうが、面白くないのではないだろうか。もしアリノエールがナルモン伯の申し出で『まあ素敵、私の遣りたい事を擁護してくださるのね』なんて性格していたら、メアリが黙ってはいないだろう。
「その件に関しては……」
『ナルモン伯のご返事、確かにこの耳で聞きました。決闘の方法とその場所に関して、双方の代理人がこの船の甲板で一騎打ちするのはいかが?』
メアリが答える前にアリノエールが返事をした。
もはや何がどうあれ、話は止まらないだろう。だからこそメアリもそこで押し黙り、『アリノエールの代理人』としてどう戦うべきかを考え始めたに違いない。事態は混迷するままに、一つの方向にまとまりつつあった。
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