幼馴染は遠きにありて想うもの 接近注意!

宗介

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1 婚活パーティ

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0. 序章

昔、近所に芹名せりなという名の5歳年下のかわいい女の子がいた。
その子は、俺の母親の親友の娘で、母親に連れられて時々俺の家に遊びに来ていたものだった。
俺とは年が離れているので一緒に遊んだという記憶はないが、芹名が中学生になってから、一時勉強を教えていたことがあったのは憶えている。

芹名が俺の部屋にやってきて俺の隣りに座ると、なんとも言えないいい匂いに包まれた。
地方の男子高校生にはコスメの知識なんて全くなかったのでよくわからなかったのだが、芹名の唇が艶々光っていたり、爪に薄い色のマニキュアのようなものを塗っていたのは記憶に深く残っている。
また、夏物の薄いシャツの下にピンクのブラジャーが透けて見えていたり、ノースリーブのブラウスの隙間から白い肌がちらっと見えたり、ちょっとしたことでドキッとしたことも何度かあった。

そんなかわいいおませな女の子は、純真な高校生にとってちょっと刺激的な存在だったのは間違いない。
しかし、灰色の生活を送る受験生にとってそれ以上のことを考えるのは許されなかった。
もし、かわいい女子にうつつを抜かして勉学を疎かにしていると、翌年はもっと辛い濃灰色の浪人生活を味わうことになるのだ。

幸い俺は都会の大学に合格でき、まもなく家を出て新しい生活を始めたので、まで芹名のことを思い出すことはなかった。



1. 婚活パーティ

例年になく長引いた猛暑が影を潜め、秋の気配を感じ始めた頃だった。
俺は知人から勧められた婚活パーティーに参加していた。
今更婚活パーティでもないだろうとは思ったのだが、知人が熱心に勧めるし、俺も彼女が欲しかったタイミングだったので、ものは試しとその気になってやって来たのだった。

仕事漬けの日常を忘れ、いつもと違った緊張感に包まれて、華やかな雰囲気に浸っていると、会場にひとりだけ周囲を圧倒するほど飛び抜けてきれいな女がいるのに気がついた。

<あれぇ? どこかで会ったことがある女じゃないか?>
<あっ、そうだ>

すぐに思い出した。
それと同時に振り向いた女が、自分を見つめていた俺に気付いて、最初驚いた顔をしたものの次ににっこり微笑んだので俺も目で挨拶した。
すると、女は側にいた数人の男達に軽く会釈してその場を後にし、俺の方にゆっくり歩み寄ってきた。

「こんにちは、下田さん?でしたかしら」
女はにこやかに微笑みながら白い歯を見せて言った。
「はい、下田です」
「私…」
六波羅ろくはら物産の井村さん、でしたね」
女が名乗る前に言った。
「え?私のこと憶えてらっしゃったんですか?」
「もちろん。でもストーカーじゃないですよ」
「まぁ!ふふっ」
「ハッハッハ」
二人で笑った。女は取引先の六波羅物産の受付にいる井村遙華いむらはるかだった。
俺は六波羅物産にはこれまで何度か足を運んで商談をしたことがあって、その六波羅物産に行く度に受付のきれいな女性が気になり、その女性の容貌と胸の名札をしっかり目に焼き付けていたのだ。


 俺の名前は下田槙人。大学卒業後、製造業の会社に就職したのだが、数年後に友人2人とベンチャー企業を起こして苦節10年、やっと業績が安定して売上が右肩上がりに増加して安定して利益が出るようになった。
そのタイミングで、学生時代からずっと居座っていた安アパートから、ローンを組んで購入したマンションに引っ越した。

それとともに、私生活も企業の経営者としてもっと充実させていきたいと思っている。
その一つとして、俺にも以前は恋人と呼べる女がいたものの、俺が会社の立上げに奔走している間に、その女は俺に愛想を尽かして、他の男のもとに去っていった苦い経験があった。
それ以来、脇目もふらずに仕事に打ち込んでいたので、彼女いない歴が10年近く続いていた。
そうは言っても、このまま独身を貫く気はないので、そろそろ配偶者も欲しいと思っていたところだったのだ。



 この婚活パーティはカジュアルな雰囲気で催されていたので厳格なルールはなくて、出席者全員過度に着飾ることなく、自然な雰囲気で立食形式のパーティを談笑しながら満喫していた。

そのような会場での遙華は、ショートカットのヘアが、キリッと整った小顔によく似合っていて、ふわっとした薄手のニットにネイビー色の膝上丈フレアースカート、襟元を控えめに飾るパールネックレスとシルバーに小さな青い石が付いたピアスが、シンプルで洗練されたファッションセンスを感じさせていた。
こうして眼の前に魅惑的な遙華の姿を見ていると、会場内の他の女性が全く目に入らなくなった。


「それにしても、どうしてあなたのようにきれいな人が婚活パーティーに来てるんですか?」
「私、友人に誘われたんです。私もそろそろと思ってるんですけど、一人で来る勇気がなかったし、ちょうどいいなと思って」
「ぃや~、でも、あなたひとりに男性の目が集まって他の女性達が可哀想ですよ」
「いいえ、それはちょっと言い過ぎです」
「それに、あんな大企業に勤めていて、あなたのような美人なら若い社員たちが自然に寄ってくるでしょう?」
「いえ私なんか。それに私、六波羅物産の社員じゃなくてハケンなんです」
「そうでしたか」
「下田さんこそ、婚活パーティに出席されてると云うことは独身でいらっしゃったんですね?」
「仕事に夢中になっているうちにいい年になっちゃって。あまり女性との付き合いがないので、やっぱり知り合いに勧められましてね」
「そんなことなら、わたしすぐに立候補したいです」
遙華はにっこり微笑んで、手を上げて見せた。

「井村さんのような若くてきれいな人からそう言ってもらったら舞い上がっちゃうな。僕みたいなおじさんで良いんですか? 本気にしちゃいますよ」
「おじさんだなんて。以前から素敵な人だなって思ってたんです。それに、仕事柄いつも年上の素敵な男性を見ていると若い人じゃ物足りなくて」
「いやぁ、僕で良かったら喜んでお付き合いさせて下さい」
「うれしい!今日のパーティーに出席して正解でした」
「この後予定がなければ早速付き合ってくれませんか?」
「よろこんで!」

そういう展開になると現金なもので、パーティーの終わりを待たずに、遙華を誘ってタクシーを拾い、馴染みのバーで再会の祝杯を上げた。
新しい希望を見出した最高の夜になった。


 その後、俺は遙華と懇ろになったこのチャンスを逃すまいと、仕事で忙しい時間をやりくりしてデートを重ねていた。
10歳ほど年下の遙華と話を合わせるのは大変だったが、デートの度に遙華の魅力にはまっていったので全く苦にはならなかった。
そして、週末には何度かホテルでお泊りデートをしていた。


その初めての夜は、ハーバーホテルにチェックインしてしばらく最上階のラウンジで夜景を眺めながらカクテルを嗜んでムードにひたり、部屋に入った。
部屋に入ったところでしっかり抱き合い、熱い口づけを交わして、抱き合ったままベッドに倒れ込んだ。
「はあっ」
「俺はなんて幸せものなんだろう」
「私のほうこそ」
密着していた体を少し離して、手探りで遙華のブラウスのボタンをひとつふたつと外した。
「待って、先にシャワーを浴びさせて」
俺の手を抑えて、その動きを止めた。

「いやだぁ、早くしたいよぉ」
年甲斐もなく逸る気持ちを指摘されたようで、照れ隠しにおどけて言った。
「そんな聞き分けのない子はキ・ラ・イ・よ」
遙華も合わせて笑いながら続けた。
「え~ん、そんなのやだぁ」
「じゃ、いいもの見せてあ・げ・る」
「何、なに…?」

遙華は立ち上がって、ベッドに腰掛けている俺の前から2~3歩後ずさって俺の正面に立ち、ブラウス・スカート・キャミソールとゆっくり脱ぎ始めた。
そしてセクシーなブラとショーツになると悩ましげな表情で身悶えしてみせた。
「きれいだ!」
思わず感嘆の言葉が漏れた。
オレ自身ペニスがこれまでにないほど怒張してズボンの中がとても窮屈になった。

俺はたまらず立ち上がって遙華の裸体を力いっぱい抱きしめていた。
「はるかちゃん!」
「うぅぅっ、苦しいっ」
「ごめんごめん。おじさん、つい夢中になっちゃった」
「ううん、うれしい」
「ほんとにきれいだ」
「ありがとう、早く来てね」
言い残して浴室に消えた。
俺もすぐに着ていたものをすべて脱ぎ去って、鬼のように勃起して天を向いているオレ自身を手で隠して遙華の後を追った。

浴室で遙華の滑らかな白い肌に触れ、密着して楽しんだあとは遙華を抱き上げてベッドまで運んだ。
十分に潤った遙華のスイートスポットはスムーズにオレ自身を受け入れてぴったり包み込み、まとわり付いて、オレの動きに合わせて締付けては緩め、感度良く反応して悶え、のけぞり、シーツを握りしめて何度も達していた。
行為を心ゆくまで堪能した俺達二人は、心地よい疲労感に包まれて眠りについたのは日付が変わってしばらく経ってからだった。

翌朝、先に目を覚ました俺が横になったまま、遙華の無邪気な寝顔を見ていると遙華が目を開けた。
「やだ、スッピンなのにそんなに見たら恥ずかしい」
俺の胸に顔を埋めた。
「遙華ちゃんがあまりかわいくてつい見惚れていたんだ」
遙華の仕草に、俺はこれ以上ない幸せを感じていた。


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