とある男の告白

梅人

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告白

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 人殺しをしました。昨晩、上司を殴って殺しました。
 悪気はありません。気づいたときには石を握っていました。刑事さん。反省しています。
 奥さんと娘さんを大事にしておられて、部下からの信頼も厚い方でした。申し訳なく思います。
 --ええ、はい。昨日も、叱られました。「もっと丁寧にやれ」「わからないなら早く言え」 ……いえ、私が悪いのです。だから、大丈夫です。もう、もう、殺しましたから。
 毎日叱られておりました。気に食わないことがあると、とことん追求してくるような方でした。皆あの人のことは嫌いでしたよ……え、信頼? 少なくとも私は、殺してやりたくてうずうずしておりました。ザマアミロです、あんなやつ。
 奥さんと娘さんにも暴力を振るっていたそうです。奥さんのお腹にこんな大きな青アザがあって……悪いやつです。娘さんの太股には火傷の痕まであったんです。悪いやつです。
 だから、殺しました。石で、滅多打ちにしました。どうせ、誰かに悲しんでもらうようなやつじゃないでしょう。
 ……ねぇ。良いやつだと、思いますか? あなた、悲しみますか? ……そうですか。
 
 ねぇ、判事さん。
 私は、人殺しなんてしてません。
 殺したのは、獣です。
 私を理解しない獣をみんな、殺しました。
 ねぇ……それだけのことです。
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