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プロローグ
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クリスティ姫は極端なナカ派だった。
小さな桃色の突起をいくら慰めても、まるでイクことができないのだ。
ナカもナカ、とても深い奥のところに彼女のイキツボは秘められていた。
ゆえに、自身の体質に気づくまでかなりの年月を要したのも、無理はなかったのかもしれない。
***
「えっと……姫」
勇者グレンは致命傷を受けていた。
剣を握っていたはずの右腕は遠くにちぎれ飛んでいる。
脇腹に受けた大きな傷は、内臓にまで達していた。
まもなく彼に死が訪れるのは、誰の目にも明らかだった。
うかつだった。
まさかここに、火薬を使った罠があるとは。
決戦を目前に控えた魔王が、まさかこんな姑息な手段を用いてくるとは計算外だったのだ。
とっさに庇い、同行する姫の身を傷つけることだけは防ぐことができたが……。
これでは、王国に平和をもたらすことは難しくなるだろう。
無念だった。
だが、彼は姫に問う。
問わずにはいられない。
「クリスティ姫! いったい何をしているのですか⁉︎」
ごぽっ、と血を吐きながら叫ぶ彼に、姫は言う。
「いいから黙って。今わたしは、意識を集中しているのです」
「えぇ……」
姫はグレンにまたがっていた。
白銀のバトルドレスの下には、何も着けていない。
死をまえにして本能で屹立する彼のものを、そこに座り込むような体勢で深々と咥え込んでいる。
精霊に祈りでも捧げるかのような真剣な表情で背筋をぴんと伸ばしーー
一所懸命に、上下に揺れていた。
「んっ……あっ……もうすこし……あっくるッ」
何が来るんだ?と問いたいが勇者はもう声が出ない。
意識も薄れ始めていた。
それでも姫は彼のうえで上下運動を続け、
「あっくるッ、くるッ……んんっ」
ぐぐっと身をよじり、
「イックぅぅーーーー」
その瞬間、時空がねじれた。
***
「はあッ……はあッ……」
暗い部屋で、姫は荒い息をついていた。
「よ、よかった……戻れたのね……」
彼女の体質は、とても体力を消耗する。
「念のため、こっそり彼にキスしておいてよかった」
全身で息をして呼吸を整えながら、寝ている勇者を見る。
決戦に臨む前の晩に、彼の唇を、こっそり奪っていたのだ。
そうーー
クリスティ姫の体質は、時間を巻き戻すことができる。
戻れる地点は、直前に彼女がキスをした場面。
そして、発動条件は……
彼女が絶頂に達すること。
戻れるのは彼女自身だけなので、誰もそのことを認識できない。
なので彼女は心の中だけでこの体質のことを、
『イキ戻り』
と、呼んでいた。
小さな桃色の突起をいくら慰めても、まるでイクことができないのだ。
ナカもナカ、とても深い奥のところに彼女のイキツボは秘められていた。
ゆえに、自身の体質に気づくまでかなりの年月を要したのも、無理はなかったのかもしれない。
***
「えっと……姫」
勇者グレンは致命傷を受けていた。
剣を握っていたはずの右腕は遠くにちぎれ飛んでいる。
脇腹に受けた大きな傷は、内臓にまで達していた。
まもなく彼に死が訪れるのは、誰の目にも明らかだった。
うかつだった。
まさかここに、火薬を使った罠があるとは。
決戦を目前に控えた魔王が、まさかこんな姑息な手段を用いてくるとは計算外だったのだ。
とっさに庇い、同行する姫の身を傷つけることだけは防ぐことができたが……。
これでは、王国に平和をもたらすことは難しくなるだろう。
無念だった。
だが、彼は姫に問う。
問わずにはいられない。
「クリスティ姫! いったい何をしているのですか⁉︎」
ごぽっ、と血を吐きながら叫ぶ彼に、姫は言う。
「いいから黙って。今わたしは、意識を集中しているのです」
「えぇ……」
姫はグレンにまたがっていた。
白銀のバトルドレスの下には、何も着けていない。
死をまえにして本能で屹立する彼のものを、そこに座り込むような体勢で深々と咥え込んでいる。
精霊に祈りでも捧げるかのような真剣な表情で背筋をぴんと伸ばしーー
一所懸命に、上下に揺れていた。
「んっ……あっ……もうすこし……あっくるッ」
何が来るんだ?と問いたいが勇者はもう声が出ない。
意識も薄れ始めていた。
それでも姫は彼のうえで上下運動を続け、
「あっくるッ、くるッ……んんっ」
ぐぐっと身をよじり、
「イックぅぅーーーー」
その瞬間、時空がねじれた。
***
「はあッ……はあッ……」
暗い部屋で、姫は荒い息をついていた。
「よ、よかった……戻れたのね……」
彼女の体質は、とても体力を消耗する。
「念のため、こっそり彼にキスしておいてよかった」
全身で息をして呼吸を整えながら、寝ている勇者を見る。
決戦に臨む前の晩に、彼の唇を、こっそり奪っていたのだ。
そうーー
クリスティ姫の体質は、時間を巻き戻すことができる。
戻れる地点は、直前に彼女がキスをした場面。
そして、発動条件は……
彼女が絶頂に達すること。
戻れるのは彼女自身だけなので、誰もそのことを認識できない。
なので彼女は心の中だけでこの体質のことを、
『イキ戻り』
と、呼んでいた。
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