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しおりを挟む「ただいまー。…あれ?父さんもう帰ってきてる?」
「お帰り、尊。お父さん明日から出張だっていうんで早めに帰って来たみたい……って、どちら様?あらやだ、すごいイケメン!」
「あー…説明するからさ、父さんも呼んでくれる?」
年甲斐もなくぽっと頬を赤らめた母さんは、ほほほとか言いながら父さんを呼びに行った。あんな母さん見たの初めてなんだけど…。
それでリビングに4人集まったんだけど…。父さんも母さんも、サナトスをガン見。いや、わかるよ。息子がいきなり外国人の、しかも長身超絶イケメン連れて来たらさ。どこのモデルさん状態だよな。
いたたまれねぇ…。
「尊、この方はどちらさんだ?」
「えーっと…その…。」
「タケル、我に任せよ。…タケルの親御様、我は魔王サナトスと申す。ご子息の魂の伴侶だ。我はタケルを愛している。タケルを嫁に貰い受けたい。どうか許してはもらえまいか。」
ごっふぅぅぅっ!!!
あまりの事に茶を吹き出したわっ!!おい、サナトス何言ってんだよ!そんなどストレートに言ってもわかるわけないだろ!親を見ろよ!目かっぴらいて、ポカーンだよ!ポカーン!なんて事してくれたんだ!!
「はい?? え、なんて?」
いや、そうなるよな!わかるよ!本当にごめん!!
「タケルを嫁に貰い受けたいのだ。お許しいだきたい。」
おい魔王。キリッとそんなキメ顔してもダメだからな!
「父さん、母さん!ごめん、違うんだ!えっと、サナトスはその…」
「まぁまぁまぁまぁ!尊をお嫁さんに!あらやだ、お父さんおめでたいわ!どうしましょう!今日はお寿司頼んじゃおうかしら!お姉ちゃんが帰りに受け取ってもらったらいいものね!」
「…相手は男だが、愛し合っているのなら仕方ない。認めよう。母さん、奮発して1番高いものを頼みなさい!」
「…は?? え、ちょちょちょっ!待って待って!え?これいいの?大丈夫なの?ねぇ!?」
「何言ってるのよ、尊。あなたが連れて来たんでしょ?まだ高校生だからすぐに結婚とはならないけど、こんなイケメンさんがあんたを貰ってくれるんだから良かったじゃない!きゃ~、お母さんこんなイケメンさんのお義母さんになれるのね!」
「尊の事を幸せにしてやってくれ。」
「もちろんだ。我に二言はない。」
あり得ん…なんだこれは…。父さんも母さんもなんでそんなに簡単に受け入れたんだ…。
色々ツッコミ所があっただろ!? まず、自分で自分の事『魔王』って言ってんだぞ!? どう考えてもイタイだろ!!しかも『魂の伴侶』とか!意味わかってねぇだろ!しかもどこかの誰かも知らん、初対面の男が俺を嫁にくれって言って怪しいとか思わねぇのかよ!!
はっ!まさかサナトスのやつ!
「サナトス、まさか魔法使った?魅了みたいな魔法!」
「何を言う。この世界は魔法を使えぬではないか。持ってきた魔力玉も使っておらんぞ。タケルならばわかるであろう?」
確かに…。魔法を使った感じは無かった…。え、じゃあ普通に俺の両親はあの説明で納得して受け入れたって事?? なんで!?
「お姉ちゃんも帰ってきたらみんなで宴会ね!楽しみ~!」
「えー、サナトスさん、といったかな?先に風呂でもどうだ?さっぱりして一緒に飲もう!」
「ありがたい。是非そうさせていただく。…タケル、良かったな。親御様に了解をいただけたぞ。」
さすが我。みたいなキメ顔すんな!もう俺の親がわかんねぇ…なんなんだよ、これ…。
「お部屋は尊と同じでいいかしら?ちょっと狭いけど、お布団は敷けるわね。…でも、あんまりイチャイチャしちゃだめよ?そこは慎みもちなさいね?」
「承知した。」
やめてくれ…俺を羞恥で殺さないでくれ…。
居た堪れなさすぎて、俺はサナトスを連れて自分の部屋へ行った。
「タケル、どうしたのだ?親御様もあんなに喜んでいたであろう。」
「いや、あの…。あまりの事についていけなくて…。」
「照れておるのか。愛いやつめ。」
そう言って俺を抱きしめた。…俺はおかしいのか?俺がおかしいのか?誰か常識を教えてくれ。
頭もなでなでされたり、頭にチュッチュされたりしたが、俺は親のあの様子が訳わからなすぎて微動だに出来ずされるがままだった。
それから姉ちゃんが帰ってきてからも大変だった。
「うっそ!マジ?あんたいつの間にこんなイケメン捕まえてたのよ!ねぇねぇ、誰か他にいい人いないの?紹介しなさいよ!」
誰も魔王だとか魂の伴侶だとか相手が男だとかその辺突っ込んでくれなかった…。
「で、2人はどうやって知り合ったの?馴れ初め教えなさいよ~!」
まぁ気になるよな。で、もうここまできたら正直に全部話す事にした。
俺が大聖女の生まれ変わりのこと。聖女召喚されまくって、色んな異世界に行ってたこと。前世でサナトスと戦った事。サナトスが魔王様だってこと。魔法がある世界だって事などなど。
「え!魔法!?…それ本当なの?」
やっと現実を見始めたのか、そこは疑ってきた。
「本当だ。今から見せてやろう。」
そう言ってサナトスは持ってきた魔力玉をパリンと割って、別空間を作り出した。そこへみんなで入って、また魔力玉をパリンパリンと割る。それからは魔法ショーの始まりだった。
炎を出したり、氷の矢を降らせたり、風を巻き起こして竜巻作ったり、ありとあらゆる魔法を見せた。
そしたら俺の家族は大興奮。うわぁ!とかきゃー!とかすごーい!とかで大はしゃぎ。
俺にも魔力玉をパリンと割らせて、聖魔法で光の演出をさせられた。
一通り楽しんだら別空間とはさようなら。みんなの顔がイキイキしてて目が爛々としてる。
「本当に魔王様なんだ…。そんで尊も大聖女ってやつで…。なにそれ、漫画みたい!!マジウケる!!」
「いや~、魔王様のお義父さんになるとはなぁ!こんなやつはこの地球上で俺くらいだろう!わはははは!」
「ほんとね~。お母さん自慢しちゃおうかしら?うふふふふ。」
なんかみんな乗り気だな…。でもちゃんと伝える事は伝えないと…。
「あの…盛り上がってる所申し訳ないんだけど、俺まだ結婚するとか決めてないんだけど…。」
「「「は?」」」
え?なんでみんなそんな怖い顔してんの??
「あんたばっかじゃないの!? 魔王様にプロポーズされときながら断るとか何考えてんのよ!」
「そうだぞ尊。将来もしっかりしているし、サナトスさんならお父さんも安心だ。これ以上の人がいるとは思えん。」
「お父さんの言うとおりよ、尊。サナトスさんと結婚しなかったらあんた、絶対後悔するわよ!」
えー……なんでこんなに好意的なの…。
「そんで尊!向こうでイケメンのいい男、紹介しなさいよね!」
姉ちゃん、それが本心だろ…。
「ふむ。向こうに、王子が何人かいるがどうか?」
「えぇ?王子様?パス!だって絶対めんどくさいじゃない!公務?とかあるだろうし、側室とかもいるんでしょ?だから王子様以外で、強くてかっこよくて優しい人がいい!」
なんちゅう我儘…。そんな都合のいい人いないだろう…。
「ふむ。では、ラウムはどうであろうか。我の右腕なのだが、強くてかっこよくて優しいに当てはまるであろう。」
都合のいい人いたわ…。確かにラウムさんめっちゃイケメンだったし、魔王の右腕だから強いし、優しい…かはまだわからんけど見た感じは優しそうだった。
「魔王様ナイス!今度紹介してね!」
「うむ。任せよ。」
こんな感じで、サナトスと俺の家族は仲良くなりましたとさ。
いや、マジ意味わかんねぇ…!
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