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しおりを挟む俺は子鹿になった。
いきなり何言ってんだってな。いや、昨日初めてサナトスとえっちしちゃったんだけど、腰も足も体力も何もかもがダメで立てなかった。ぷるぷるしてもう生まれたての子鹿ちゃん状態。
今日は久々にベッドの住人だ。受け入れる側って結構大変なんだな。いや大変なのは想像がついてたんだけどここまでとは…。体が本調子じゃないままにやっちゃったから昨日は即寝してしまったし…。
サナトス怒ってるかなーって思ってたけど、全然怒ってなくてむしろにっこにこ。よっぽど俺とえっち出来たのが嬉しかった模様。…俺もめっちゃ気持ちよかったし嬉しかった。
「タケル、体は大事ないか?食事を持ってきた。」
「ありがとう。動けないからベッドで食べてもいい?」
ちょっとお行儀悪いけど、椅子にも満足に座れないから勘弁してほしい。
サナトスと一緒に食事してたらとんでもないことを聞かされた。
「タケル。昨日は我の精を中に注いだから、そなたはもう我と死ぬまで一心同体だ。不老不死だな。これでずっと共にいられる。」
俺は手に持っていたフォークをぽろっと落とした。
「は?え?不老不死ぃ!?」
「なんだ、知らなかったのか?魔王である我の精は特殊でな。番となる者に注ぐと我とのパイプが繋がり、我と寿命が同じになる。我ら魔族は寿命が長く老いることもない。とくに我は特に力があるからな。ほぼ寿命はないであろう。」
嘘だろ…?たった1回えっちしただけで、俺は人外となってしまったのか…。
「これからは長い時間、共にいられるな。いずれはどこか他の世界へ旅に出るのも良いな。そなたと2人ならきっと楽しいであろう。」
なんてこったい。父さん、母さん、姉ちゃん、俺は人間をやめてしまいました。
じゃああっちの世界に戻っても、俺は普通の生活を送れないじゃないか…。
大学卒業して就職して、周りはみんな歳をとるのに俺はずっとこのまんま。怪しすぎてどこかの研究所に捕まりそう…!
ひぇぇ!俺のこれからの生活、どうしよう!
「タケル、大丈夫だ。そなたが働かなくとも金は稼げる。義父上と共に始めた株だかな。かなりの儲けが出る。今度は投資を始めれば、外に出て働かずとも良いであろう。そなたは好きなことをすれば良い。」
俺の旦那様、ハイスペックすぎ。一生ついていきます!
まぁ、働かずいるのはダメ人間になりそうなんで俺も出来ることやるけどな。
そんなこんなで、俺は魔力回路が治る3ヶ月間リハビリを頑張って普通の生活を送れるようにまで回復した。そして地球に帰還することに。
「長らくお世話になりました。」
「いえ、こちらこそタケル様と色々お話しできて楽しかったです。…また魔王様とのこと、色々聞かせてくださいね。」
すっかり仲良くなったラルフィーとは、魔王様との恋バナをするまでになった。ラルフィーも婚約者がいて、仲良くやっているようでその話も聞かせてもらっている。
「では魔王様、タケル殿。またのお戻りをお待ちしております。今度はぜひ、他国へも足を伸ばしてくだされ。…エマ様の生まれ変わりと魔王様を祝福したいと催促が届いておりましてな。」
「そうだな。まだ我の魔界へも連れて行っておらぬし、時期を見てこちらで世界旅行も良いであろう。」
「うん、それいいね。魔界も行きたいし、他の国も見てみたい!楽しみがいっぱいだ。」
そして国王様とラルフィーに手を振って、帰還魔法を発動した。
「ただいま~!」
「尊!お帰り!あんた体は大丈夫なの!?大怪我して動けなくなったって聞いて、物凄く心配したんだから!」
「母さん、ごめん。もうすっかり大丈夫だよ。」
「義母上、我がついていながら申し訳ない。」
「無事ならいいのよ。本当にもう、親をこんなに心配させて…。今日は帰ってきたお祝いに、お寿司頼んじゃうわね!」
母さん、相変わらずだな。でもやっぱり家って安心する。
父さんと姉ちゃんが帰ってきたら、俺の快気祝いと帰還祝いで宴会だった。
「あの、俺さ。サナトスと結婚することにした。」
「あら!やっと決心がついたのね。」
「全く。こんな優良物件他にないんだからなんで早く決めなかったんだ。」
「何言ってのよ、父さん。この優柔不断さは父さんに似たんでしょ~?それに、魔王様居なくなったら株でどうしていいかわからないから困るっていうのが本心じゃないの?」
「う…。それはないとは言わない。」
いや、そこはちゃんと否定してよ。
「それじゃあお式とかどうしようかしらね。」
「我に提案があるのだが。皆であちらの世界へ行き、そこで式を挙げるというのはどうであろうか。」
「なにそれ、最高!!異世界結婚式!!あたし賛成!!」
「あら素敵!お母さんも大賛成よ!」
「これは楽しみだな!おい母さん、一張羅を新調するぞ!」
「ちょっと待って!気が早いって!俺まだ高校生なんだけど!?」
まるで今すぐにでも結婚式しそうな勢いで、俺の家族は盛り上がった。
「とりあえず、これからの進路とかもあるし式のことは当分先だから!」
家族にはぶーぶー言われたが、俺は絶対おかしくない。俺の家族がおかしいんだ!全く。
それから俺は、3ヶ月もの間学校を休んでしまっていたから勉強が大変だった。
受験生という大事な時期に3ヶ月失ったのは辛い…。が、ここで出ましたサナトス先生。俺の教科書や参考書などを読み込んであっという間に理解してしまい、俺の家庭教師となってしまった。…魔王様のスペックが高すぎて怖い。
俺も一応人外になったから、その辺のスペック上げてほしい…。つらたん…。
なんとか受験も終えて、無事大学生に。サナトスは着々と投資事業に成功して父さんがウハウハ状態。
母さんは相変わらず、サナトスを連れまわし買い物に行ったり服を買い与えたりしている。ついでに俺も連れて行かれペアルックで買っている…。
姉ちゃんは、ラウムさんを紹介したら一目惚れしたらしく猛アタック!そのままお付き合いを始めた。ラウムさんごめん。何かあったら相談乗るから。
だからあっちの世界はラウムさんの1番の部下に任せて、ラウムさんはこっちに一緒に来てる。
だから家がかなり手狭になってしまって、俺とサナトスは家を出て同棲を始めた。
がっぽり稼いでいるサナトスのお陰で、あり得ないほどの超高級マンション。
今は大学で勉強しながら母さんの言いつけで、花嫁修行もしていて料理の修行中。ハイスペック魔王様ならこんなこともちゃちゃっとやってしまうんだろうけど、なんでもかんでもさせてしまうのは嫌なので、家事くらいは俺が頑張らねば。
失敗した料理が出ても、美味しい美味しいと言って食べてくれる優しい魔王様。
同棲始めた最初は上手くいかない事も多かったけど、今はもうしっかりとやれている。俺、成長したなぁ。
就職は、とりあえず10年くらいやってみるつもり。俺老けないから、これくらいで辞めなきゃ怪しまれるよな?
不老不死になってしまった事は家族に話した。コレは流石に隠して置けないし。
家族みんな「羨ましい!」と言って、姉ちゃんは早速ラウムさんに強請ってた。ラウムさんは不老にはできても不死までは無理だったようで、姉ちゃんはガッカリしてた。でもそれでいいと思ってる。
ま、不死って言っても殺されるような事があれば当然死ぬからな。絶対死なないわけじゃない。でも、ずっと生きてるって大変そう。俺、大丈夫かな。ま、サナトスがいれば大丈夫か。きっと。
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