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23.賢者様、降臨
「と、とりあえず、あの大量の魔物をなんとかするから離せっ……!」
このままだと俺は窒息死する。フェリクスの背中をバンバン叩き、ようやっと離してもらえた。
フェリクスの姿はボロボロだというのに、ふへへと幸せそうに笑ってやがる。そんなこいつの頭に軽く拳骨を落としてやった。
結界に阻まれながらもこちらを襲おうと群れる大量の魔物を見る。おーおー威勢のいいこって。フェリクスをここまでボロボロにした落とし前付けてやるからな!
俺は空に向かって広範囲に雷魔法を展開する。今までにないくらい、空を覆いつくすほどのたくさんの雷魔法。こいつを今から落下させてやる。
「一度やってみたかったんだよな! 雷鳴よ轟け! 『神のいかづち』!」
俺は中二病全開で一気に雷魔法を発射させる。ドーン! と轟音が響き渡り、地響きも襲いかかる。これも魔王討伐以来でなんだかちょっと懐かしいくらいだ。
フェリクスは俺を支えるように後ろから抱きしめる。安定感抜群で安心して身を任せられるな。
魔物たちはというと、俺の絶大な雷魔法によって遠くにいるやつまで一気に殲滅に成功した。
「さっすがソウタさんっすね! すげぇっす!」
「ははははは! 賢者様にかかればあの魔物たちがこんなに簡単に討伐できるとは!」
「ソウタ! やっぱりソウタはすごいよ! 最高だ!」
「うおっ!? 馬鹿っ! 下ろせ! お前、怪我してんだろうが!」
フェリクスは俺を抱き上げるとぐるぐると回りだす。怪我もしてるのに何やってんだこいつは。
しばらく回されていたが、気が済んだのかやっと下ろしてもらえた。ここで一気に治療魔法と浄化をかけて、怪我も汚れも落としてやった。うん、みんなぴかぴかになったな。
「ありがとう、ソウタ。本当に、ありがとう」
「おいおい。まだ終わってないぞ。とりあえず結界を張っておいたし、魔物が襲ってきたら俺がなんとかするからお前らは一回ちゃんと休め」
「そうだね。ソウタが来てくれて、魔物が一気にいなくなって、安心、したからかな……気が抜けて……もう……」
「おい!」
フェリクスは最後にふにゃりと笑うと、ガクリと体が傾いた。慌てて支えるとすーすーと寝息が。無理しやがって。気絶するように眠るこいつの頬をふにふにとつつく。今はゆっくり休めばいい。ここまでよく頑張ったよ。
「ソウタさん、俺ももう眠いっす……」
「同じく……すまん……」
そのまま大の字になるようにシャノンとダグラスまで地面に倒れこんでしまった。みんな限界だったからな。本当にお疲れさまだ。
三人をこのままにしてはおけないので、魔法で味方がいるキャンプ場所まで転移。急に現れた俺たちに驚かれるが、あの雷魔法を見て魔物が一気に殲滅されたことでたくさんの人に「賢者様!」と声をかけられる。
ここに集まっているみんなもボロボロで中には大怪我を負っている人もたくさんいた。そこで俺は広範囲に一気に治癒魔法を展開。ついでに浄化もかけてやり汚れも落とした。
あとは魔物が出てきても俺がなんとかするから、と休んでもらうことに。フェリクスたちを運んでもらい三人に毛布をかける。
キャンプ地のみんなの顔もほっと安心したのか穏やかな表情になっていた。来るのが遅くなってごめんよ。
さて、あとは俺の出番だ。みんなが頑張ってくれた続きを引き継ぐことにしよう。
俺はまた転移で結界の側まで行き、魔物がいなくなったことで前線を押し上げることにした。魔物が現れれば一気に殲滅し、魔物がいなくなった場所へ結界を張る。
そんなことを繰り返していくと、いつの間にかみんながいた場所からかなり遠くまで来てしまった。
空も明るくなったことで俺も一旦戻ることに。結界を強化して転移で戻った。
するとキャンプ地ではほとんどの人がそこら中に転がって眠っていた。みんな疲労困憊だったんだな。
起きている人のところへ行き、食事はどうしているのかと聞けば、各地から送られてくる干し肉や乾物だけだったそうだ。それは力も出ないだろうな、と俺は一旦王都へ戻ることに。スウェインに報告もしておきたいからな。
大体の場所が把握できたので、城まで一気に転移する。すると俺の部屋に侍女さんが待機しておりスウェインを呼んでほしいとお願いした。
「ソウタ様! どうでしたか!?」
「ああ、ばっちり! 魔王はまだだけど、なんとか前線を押し上げたぞ」
「ああ、よかっ……よかったっ……!」
スウェインは力が抜けたのか、がくりと床に膝を突けて滂沱の涙を流した。
みんなの怪我も治したし、今はみんな休息をとるために寝ていると説明。その間に食事もちゃんと食べさせたいから炊き出しをしたいことも話す。
それを聞いたスウェインは「任せてください!」と部屋を飛び出していった。
そしてなんと厨房の料理人と調理道具、大量の食材が準備された。こんなにたくさん料理人の人がいなくなっていいのかと聞けば、数人残っていれば問題ないとのこと。
キャンプ地へ向かうつもりの料理人たちもみんないい笑顔で、「我々にやれることをさせてください!」と気合十分だった。
それなら否はないと、俺は全員まとめて転移でキャンプ地へ。
最初は転移に驚いていた料理人たちも、地面に倒れこんで寝ている多くの人たちを見てすぐに料理に取り掛かってくれた。
俺は何度か城とキャンプ地の転移を繰り返し、食材を次々と運んでいく。たまに結界の側まで行って湧きだした魔物も討伐。めちゃくちゃ忙しいし魔力も今までにないくらい使っているが、全然枯渇する様子がない。
やっぱり俺ってチートが過ぎる。だがそのおかげでみんなを助けられたんだからよかった。
徐々に起き出した人も現れ、いい匂いに連れられて炊き出し場所へと流れ込んでいく。出来立てのあったかい料理を食べて涙を流す人までいた。
やっぱり美味しいご飯でお腹いっぱいになれるって幸せなことだよな。
フェリクスたちはというと、全然起きる気配はなかった。あれからもう丸一日眠っている。それだけ疲労の蓄積も酷く、魔力もすっかすかだったんだろう。
本当に三人とも無事でよかった。ぐっすり眠るフェリクスの様子を見て助けられたことにほっとする。
もしこいつが死んでしまったらと考えると胸の奥がぎゅっと冷えて苦しくなった。今ここで俺が来なかったら、俺はまた好きな人を失うところだった。
「これからは俺を頼れよ」
しばらくフェリクスの寝顔を見つめながら頭を撫でていた。
フェリクスたちの目が覚めたのは丸二日経ったあとだった。起きてすぐに俺の顔を見たフェリクスは今まで見たことのないほど、甘く蕩けた表情を浮かべた。それにドキッと心臓が跳ねて顔が真っ赤になる。
それをシャノンとダグラスにからかわれたものの、嬉しかったし幸せを感じた。
みんなは起きてすぐに食事をとったのだが、相当腹が減っていたのだろう。食べる量が尋常じゃなかった。シャノンなんてあの小柄で細い体のどこに入ってるんだろうか。
近くでモーリスくんも幸せそうに、口いっぱい頬張るシャノンを見つめている。
モーリスくんもこの討伐に参加していたらしく、かなり頑張っていたそうだ。しかも討伐メンバーに引けを取らない戦いを見せていたようで、周りから称賛の声がたくさん上がっていた。
ちょっと前まではシャノンに相応しくないと言われ、落ち込んでいたとは思えない。もうすっかり強くて頼れる討伐士だ。
キャンプ地のみんなもゆっくり休めてしっかり食事をとったことで顔色もいい。それに安心する。
魔物は俺がちょくちょく討伐しているが、問題は魔王だ。そいつをなんとかしないとこの戦いは終わらない。
よし。ここはいっちょ賢者様が張り切りますか!
このままだと俺は窒息死する。フェリクスの背中をバンバン叩き、ようやっと離してもらえた。
フェリクスの姿はボロボロだというのに、ふへへと幸せそうに笑ってやがる。そんなこいつの頭に軽く拳骨を落としてやった。
結界に阻まれながらもこちらを襲おうと群れる大量の魔物を見る。おーおー威勢のいいこって。フェリクスをここまでボロボロにした落とし前付けてやるからな!
俺は空に向かって広範囲に雷魔法を展開する。今までにないくらい、空を覆いつくすほどのたくさんの雷魔法。こいつを今から落下させてやる。
「一度やってみたかったんだよな! 雷鳴よ轟け! 『神のいかづち』!」
俺は中二病全開で一気に雷魔法を発射させる。ドーン! と轟音が響き渡り、地響きも襲いかかる。これも魔王討伐以来でなんだかちょっと懐かしいくらいだ。
フェリクスは俺を支えるように後ろから抱きしめる。安定感抜群で安心して身を任せられるな。
魔物たちはというと、俺の絶大な雷魔法によって遠くにいるやつまで一気に殲滅に成功した。
「さっすがソウタさんっすね! すげぇっす!」
「ははははは! 賢者様にかかればあの魔物たちがこんなに簡単に討伐できるとは!」
「ソウタ! やっぱりソウタはすごいよ! 最高だ!」
「うおっ!? 馬鹿っ! 下ろせ! お前、怪我してんだろうが!」
フェリクスは俺を抱き上げるとぐるぐると回りだす。怪我もしてるのに何やってんだこいつは。
しばらく回されていたが、気が済んだのかやっと下ろしてもらえた。ここで一気に治療魔法と浄化をかけて、怪我も汚れも落としてやった。うん、みんなぴかぴかになったな。
「ありがとう、ソウタ。本当に、ありがとう」
「おいおい。まだ終わってないぞ。とりあえず結界を張っておいたし、魔物が襲ってきたら俺がなんとかするからお前らは一回ちゃんと休め」
「そうだね。ソウタが来てくれて、魔物が一気にいなくなって、安心、したからかな……気が抜けて……もう……」
「おい!」
フェリクスは最後にふにゃりと笑うと、ガクリと体が傾いた。慌てて支えるとすーすーと寝息が。無理しやがって。気絶するように眠るこいつの頬をふにふにとつつく。今はゆっくり休めばいい。ここまでよく頑張ったよ。
「ソウタさん、俺ももう眠いっす……」
「同じく……すまん……」
そのまま大の字になるようにシャノンとダグラスまで地面に倒れこんでしまった。みんな限界だったからな。本当にお疲れさまだ。
三人をこのままにしてはおけないので、魔法で味方がいるキャンプ場所まで転移。急に現れた俺たちに驚かれるが、あの雷魔法を見て魔物が一気に殲滅されたことでたくさんの人に「賢者様!」と声をかけられる。
ここに集まっているみんなもボロボロで中には大怪我を負っている人もたくさんいた。そこで俺は広範囲に一気に治癒魔法を展開。ついでに浄化もかけてやり汚れも落とした。
あとは魔物が出てきても俺がなんとかするから、と休んでもらうことに。フェリクスたちを運んでもらい三人に毛布をかける。
キャンプ地のみんなの顔もほっと安心したのか穏やかな表情になっていた。来るのが遅くなってごめんよ。
さて、あとは俺の出番だ。みんなが頑張ってくれた続きを引き継ぐことにしよう。
俺はまた転移で結界の側まで行き、魔物がいなくなったことで前線を押し上げることにした。魔物が現れれば一気に殲滅し、魔物がいなくなった場所へ結界を張る。
そんなことを繰り返していくと、いつの間にかみんながいた場所からかなり遠くまで来てしまった。
空も明るくなったことで俺も一旦戻ることに。結界を強化して転移で戻った。
するとキャンプ地ではほとんどの人がそこら中に転がって眠っていた。みんな疲労困憊だったんだな。
起きている人のところへ行き、食事はどうしているのかと聞けば、各地から送られてくる干し肉や乾物だけだったそうだ。それは力も出ないだろうな、と俺は一旦王都へ戻ることに。スウェインに報告もしておきたいからな。
大体の場所が把握できたので、城まで一気に転移する。すると俺の部屋に侍女さんが待機しておりスウェインを呼んでほしいとお願いした。
「ソウタ様! どうでしたか!?」
「ああ、ばっちり! 魔王はまだだけど、なんとか前線を押し上げたぞ」
「ああ、よかっ……よかったっ……!」
スウェインは力が抜けたのか、がくりと床に膝を突けて滂沱の涙を流した。
みんなの怪我も治したし、今はみんな休息をとるために寝ていると説明。その間に食事もちゃんと食べさせたいから炊き出しをしたいことも話す。
それを聞いたスウェインは「任せてください!」と部屋を飛び出していった。
そしてなんと厨房の料理人と調理道具、大量の食材が準備された。こんなにたくさん料理人の人がいなくなっていいのかと聞けば、数人残っていれば問題ないとのこと。
キャンプ地へ向かうつもりの料理人たちもみんないい笑顔で、「我々にやれることをさせてください!」と気合十分だった。
それなら否はないと、俺は全員まとめて転移でキャンプ地へ。
最初は転移に驚いていた料理人たちも、地面に倒れこんで寝ている多くの人たちを見てすぐに料理に取り掛かってくれた。
俺は何度か城とキャンプ地の転移を繰り返し、食材を次々と運んでいく。たまに結界の側まで行って湧きだした魔物も討伐。めちゃくちゃ忙しいし魔力も今までにないくらい使っているが、全然枯渇する様子がない。
やっぱり俺ってチートが過ぎる。だがそのおかげでみんなを助けられたんだからよかった。
徐々に起き出した人も現れ、いい匂いに連れられて炊き出し場所へと流れ込んでいく。出来立てのあったかい料理を食べて涙を流す人までいた。
やっぱり美味しいご飯でお腹いっぱいになれるって幸せなことだよな。
フェリクスたちはというと、全然起きる気配はなかった。あれからもう丸一日眠っている。それだけ疲労の蓄積も酷く、魔力もすっかすかだったんだろう。
本当に三人とも無事でよかった。ぐっすり眠るフェリクスの様子を見て助けられたことにほっとする。
もしこいつが死んでしまったらと考えると胸の奥がぎゅっと冷えて苦しくなった。今ここで俺が来なかったら、俺はまた好きな人を失うところだった。
「これからは俺を頼れよ」
しばらくフェリクスの寝顔を見つめながら頭を撫でていた。
フェリクスたちの目が覚めたのは丸二日経ったあとだった。起きてすぐに俺の顔を見たフェリクスは今まで見たことのないほど、甘く蕩けた表情を浮かべた。それにドキッと心臓が跳ねて顔が真っ赤になる。
それをシャノンとダグラスにからかわれたものの、嬉しかったし幸せを感じた。
みんなは起きてすぐに食事をとったのだが、相当腹が減っていたのだろう。食べる量が尋常じゃなかった。シャノンなんてあの小柄で細い体のどこに入ってるんだろうか。
近くでモーリスくんも幸せそうに、口いっぱい頬張るシャノンを見つめている。
モーリスくんもこの討伐に参加していたらしく、かなり頑張っていたそうだ。しかも討伐メンバーに引けを取らない戦いを見せていたようで、周りから称賛の声がたくさん上がっていた。
ちょっと前まではシャノンに相応しくないと言われ、落ち込んでいたとは思えない。もうすっかり強くて頼れる討伐士だ。
キャンプ地のみんなもゆっくり休めてしっかり食事をとったことで顔色もいい。それに安心する。
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