【完結】瀕死の剣士を助けたら、懐かれて『番』認定受けました。

華抹茶

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 討伐完了報告を済ませた帰り、また屋台で食事を買って家に帰る。この街にはたくさんの種類の屋台があるから毎日食べても飽きないし、いろいろ食べることが出来て結構楽しい。一人だと食べられる量にも限界があるけど、二人だといろんな味を楽しめる。クラウスは僕よりもたくさん食べるからたくさん買っても残ることはない。

 お風呂に入ったら早速お酒を飲みながら料理をつまんでいく。一人で食べるよりも美味しく感じるしお酒も進む。クラウスもお酒は好きみたいで家には結構なお酒があったけど、二人で飲んでいるから消費も早い。明日は僕がいろいろとお酒を買い足しておこうかな。

「あ、そうだ。聞きたいことがあったんだが、メルヒオールはどうして旅をしているんだ?」

「えーと……僕の力をいろんな場所で役立てたいって思ったからかな」

「そうか。確かにメルヒオールがいれば難しい魔物の討伐依頼だって簡単に終わるからな。それにその治癒魔法があればたくさんの人を救うことが出来る。それは確かにあなたにしか出来ないことだ」

 ……それも嘘じゃないけど、旅を始めた本当の理由はそうじゃないんだけどね。でもそれは言えないから曖昧に笑っておいた。

「どこか気に入った場所があれば定住するのか?」

「うーん……多分、それはないかな」

 定住すると深く人と関わることになるからね。そうなったら僕はまた苦しむことになるかもしれないから、そうならないよう一か所に長く滞在することを避けている。

「そうか……でも世界をいろいろ見て回るのは確かに楽しそうだな。俺は生まれた村とここしか知らないから」

「クラウスはどうしてここで冒険者をしているの?」

「……子供の頃、村が魔物に襲われて壊滅したんだ。俺はちょうど、この街に使いで来ていて難を逃れた。帰る場所を失った俺はこの街で暮らすようになって、村を壊滅に追い込んだ魔物に強い恨みを持つようになった」

 それからクラウスは剣を教えてもらい、腕を磨いて強くなった。彼の強さの根幹に魔物への強い恨みがあったのか。
 魔物に襲われて壊滅する村や町は珍しくない。魔物除けの香だったり罠を置いて対策はとっていても、強い魔物にそれは効かない。強い魔物が人里に降りてくることは少ないけれど、全くないわけじゃない。そうやって狙われた村や町はそれなりにある。
 僕も旅をしていてそういったところは自分の目で見てきたから知っている。

 だから魔物討伐を主に活動している冒険者という職業はどこでも需要があるし、人の多く集まる場所には必ずと言っていいほどギルドがある。

「俺は剣の才能があったおかげで人々の役に立てている。俺の村のような悲惨な状況を作らないためにも、俺はこれからも剣を振るうつもりだ」
 
「そっか。うん。クラウスならきっと、これからも活躍出来ると思うよ」

 今日のクラウスの戦いを見てわかったけど、彼は本当に強い。壊滅した村の仇を取りたい気持ちだけじゃなく、人を守りたいという思いもあるから自分をここまで鍛え上げることが出来たんだろう。

 それに対して僕は――。
 クラウスのように立派な志があるわけじゃない。たまたま生まれ持った力が強かったから何でも出来るだけ。昔はを助けたくて守りたくて必要とされたくて、その人のために一生懸命だった。だけどその人には僕の助けも何もかも必要なかった。逆に守られていることで自分を卑下してしまった。僕がそうさせてしまった。

 自分は何のために生きているんだろう。何のために頑張っていたんだろう。そう考えて僕という存在がよくわからなくなってしまった。それから僕は旅に出てその人の前から姿を消した。
 旅をしている中で僕は必要とされる存在になった。そうやってという人間を確立していったんだ。

「メルヒオール? どうした? 疲れたか?」

「あ……ううん。大丈夫。ごめんね、ぼーっとしてただけ」

 まただ。今日はやたらと昔のことを思い出すな。ここ何年も思い出したことなかったのに、本当にどうしたんだろう。

「ならいいが……何かあったら何でも言って欲しい。協力出来ることは何でもするから」

「ふふ。ありがとうクラウス。本当に大丈夫だよ」

 クラウスに出会ったからだ。旅に出てから出会ったことのない、僕を気遣い思いやってくれる人に出会ってしまったから。……これはちょっとまずいかもしれない。

「ねぇ、今日も僕を抱いてくれるよね?」

「ごほっ……も、もちろんっ……」

「じゃあさ。今日はもう抱いて欲しいな。いいでしょ?」

「……わかった」

 まだ食事が少し残っているけれど、僕はクラウスの手を引いて寝室へと向かった。


 ベッドの側まで来ると、僕はクラウスを押し倒した。そのまま上に覆いかぶさり有無を言わさず唇を奪う。舌を入れ込み官能的なキスを仕掛けた。
 キスをしながら膝でクラウスの股間をぐりぐりと押してやればあっという間に硬くなる。それを確認すると、僕はキスをしながらズボンを脱いだ。そして粘度のある水を作りお尻の穴へと手を伸ばす。くちゅくちゅと広げると、昨日もしたからか簡単に柔らかく解れていった。

「メルヒオールッ……」

「ごめんね、今日はすぐに欲しいんだ」

 クラウスが僕に手を出す暇を与えないよう、彼のズボンを下着ごとずり下ろす。するとぶるんと勢いよく硬くそそり立つモノが現れた。それに粘度のある水をたっぷりと塗り付けると、さっさと上へと跨り自分の中へと迎え入れた。

「んあっ……本当に、凄いね」

「くっ……」

 思い出してしまった苦い過去を振り払うよう、クラウスを飲み込んですぐに腰を上下に振る。ぐちゅっぐちゅっと水音が鼓膜を刺激していやらしい雰囲気が漂った。クラウスもえっちをすることに慣れたようで、僕の腰を掴むと下からずんずんと突き上げて来る。急に与えられた強い快感に僕は喘いで早々に白濁を放出した。

「すご……クラウス、また上手に、なったね」

 僕が感じる所をちゃんと覚えて実践してくれたクラウス。そんないい子の頭を撫でてやり、ご褒美のキスをする。
 もちろん下は入れっぱなしだ。クラウスが中でぴくぴくと震えている。まるで「早く出したいよー」と言っているようだ。そのお願いを叶えてあげるために僕はまた自ら腰を振る。するとクラウスはまた下から激しく突き上げそのまま僕の中へと吐精した。

「はっ……メルヒ、オール……」

「ふふ。クラウスもイッちゃったね。でもまだ出来るでしょ?」

 僕は後ろに手を付き結合部分が見えるよう足を広げた。クラウスの目はもうそこに釘付けだ。卑猥な穴を凝視してあっという間に興奮したらしい。もう硬くなって復活している。それを感じた僕はゆっくりと腰を動かし、出入りするその様を見せつけるようにしてあげた。

 クラウスは荒い息を吐きながらずっとソレを見つめている。その視線が僕の興奮を更に高めて体が震えた。おかげで僕もすっかり立ち上がっている。ソレに手を伸ばし自ら上下に扱く。とんでもない痴態をさらし、その状況に僕の興奮は更に上がった。

「メルヒオールッ……!」

 興奮が高まったのは僕だけじゃなかったみたいで、クラウスは素早く起き上がると僕を押し倒し腰を奥深くへと押し込んでくる。そのまま素早い動きで僕を蹂躙し始めた。

「ひぁっ……! あっ! すごっ……! んぁっ!」

 最奥をこれでもかと何度も突かれてあっという間に達してしまう。僕の出した白濁はそのまま飛び散りベッドを汚した。
 それでもクラウスの動きは止まらない。イッたばかりの体に追い打ちをかけられ僕は乱れに乱れた。シーツを強く握りしめて体が仰け反る。絶叫とも悲鳴ともつかない喘ぎ声を上げているというのに、クラウスは更に僕を攻め立てた。
 もう僕がそれを喜んでいることをわかっているんだ。この短期間でどうすれば僕が喜ぶのか。それを知ったクラウスは遠慮することなく僕をガンガンに突きあげる。

「あ、あ、あっ……! またっ、またイクッ……んんーーっ!」

「ぐぅっ――!」

 ビクンと体が跳ねた。目の前がちかちかして頭の中が真っ白だ。たぶんだけど潮を吹いて中イキしてる。あまりにも強い快感でしばらく息が出来ないほどだ。
 
 クラウスもイッたようでずるりと僕の中から引き抜くと、びくびくと体を震わせる僕をぎゅっと抱きしめて来た。

「メルヒオール……」

 僕の名前を優しく呟きながら、額や頬にちゅっちゅと軽いキスの雨を降らせる。それをぼんやりと感じながらも心が切なくなった。そう思ったことを悟られないよう震える腕をクラウスの背中に回し、その胸へ顔を押し付けた。
 しばらくそのまま抱きしめ合いながら絶頂の余韻に浸る。僕の中からとろりとクラウスの白濁が零れたのを感じた。

 休憩を取り息が整ってから、僕達は一緒に浴室へ向かい汚れを落とした。いつも通りベッドシーツも魔法で洗って乾かし定位置へと戻す。
 
 クラウスがベッドへ潜ると両手を広げた。その中へするりと滑り込むとぎゅっと抱きしめられる。

「クラウス、ありがとうね」

「ん? どうした?」

「ううん、言いたくなっただけ」

 クラウスの胸に頬を擦り寄せて、彼に出会えたことを感謝した。だけどもうこれ以上一緒にはいられない。
 僕は眠りの魔法をクラウスにかけた。すぐにすーすーと規則正しい寝息が聞こえて来る。
 僕はクラウスの腕から抜け出しベッドを下りると、いつもの服に着替えだした。

 着替えも終わり鞄を背負うと、クラウスをちらりと見やる。ぐっすりと眠っている彼の寝顔は少し幼く見えた。その彼の頭を数回撫でて、額に軽くキスを贈る。

「ありがとうクラウス。楽しかったよ」

 そのまま彼の家をそっと出ると、次の街へと移動することにした。
 
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