【完結】瀕死の剣士を助けたら、懐かれて『番』認定受けました。

華抹茶

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18 取り返そう

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 ふと目が覚めれば、今にも日が沈もうとしているところだった。かなりぐっすりと眠れて体もすっきりだ。
 僕がもぞもぞと動くと、それに気が付いたクラウスも起きて来た。

「おはようクラウス」

 僕からおはようのキス。それを受けてクラウスは幸せそうに笑った。いつもクラウスからのキスだったもんね。僕からしたことが凄く嬉しかったみたいだ。ああもう、可愛いなぁ。

 午前中にあれだけ食べて寝ちゃったから正直あまりお腹は空いていない。だから軽くお酒を飲みながら軽く摘まめるものを宿に頼むことにした。
 部屋にそれらが届くと僕はクラウスの膝の上へと乗せられる。その姿勢のまま軽くグラスをぶつけた。

「ほら、口開けて」

「ん。美味しい」

 クラウスの給餌行動が始まった。食堂でもそうだったけど、クラウスはこうすることが楽しいみたいだ。僕も嫌じゃないし、クラウスに食べさせてもらいながらお酒を飲む。

「そういえば、アクセルという奴の件はどうするんだ?」

「んー、それねぇ……正直わざわざ会いに行きたくはないんだけど。多分、もうどうしようもなくなって僕を探してたんだと思うんだよねぇ」

「どういうことだ?」

「ふふ。きっとアクセルにとって望まない展開が起きてるってこと」

 大体想像はつくけどね。でもなぁ。別れる時に『何が起こっても僕を頼ることはしないでね』って言ったし、アクセルの望みを叶えてあげる義務はないと思うんだ。

「だがそいつはメルヒオールの大事な形見を騙し取ったんだろう? 俺は取り返せるなら取り返したい」

「クラウス……」

 そう言ってくれたことが嬉しくて、僕はそっとクラウスにキスをした。

「僕一人だったら会いに行くことは絶対になかったけど、クラウスと一緒だったら大丈夫。母さんの大事な形見のネックレス、一緒に取り返してくれる?」

「当たり前だ。そんな奴にくれてやる必要はないし、元々はメルヒオールの大切な物だ。絶対に取り返そう」

「ありがとうクラウス。大好きだよ」

「俺もだ」

 クラウスは僕の手にあったお酒の入ったグラスをテーブルに置くと、ソファーに押し倒して深い深いキスをする。僕もクラウスの首に腕を回してたっぷりとクラウスからの愛を受け止めた。

「あ。でもここから結構遠いんだよね。どうやって戻ればいいんだろう?」

 僕はこの街へ辿り着くまでにいろんな所を経由して旅していたから結構遠回りだってしている。正直行き方なんてわからない。

「明日ギルドに行って地図を確認しよう」

 クラウスはそう言いながら僕の服を脱がしにかかってる。朝にえっちなことしたのにまたスル気なんだ。
 それなら僕も、と負けじとクラウスの服を脱がせにかかる。

「そうだね。多分アクセルは街を移動してないと思うけど、どこの街からその依頼が出ているのかも確認しないといけないしね」

 ギルドなら地図は置いてあるし、それを確認できればおのずと行き方もわかるよね。
 そんなことを話しながらも僕はもう裸にされてしまった。クラウスはまだ下は履いたまま。むぅ。負けてしまった。

「ここでするの? お風呂は?」

「朝入ったから別にいい。それにこっちの方がメルヒオールの匂いが強くて好きだ」

 クラウスは僕の首筋に鼻をすりすりと擦り付けている。どうやらここから僕の匂いが強く出ているらしく、クラウスはよく僕の首筋に鼻を擦り付ける。

「そう? じゃあ、始めよっか」

 僕は膝を立ててクラウスの股間をぐりぐりと刺激してやる。もうとっくに硬くなっていてそれを早く挿れて欲しくなった。

 それからはもうソファーの上で三回、ベッドへ移動して五回、睦み合うだけ睦み合ってそのまま眠った。クラウスの精力は衰えることなく僕を満足させてくれる。最高の彼氏だね。


 そして翌日。昼頃に目が覚めた僕達はギルドへと向かった。
 受付の人にアクセルがどこの街から依頼を出したのか確認すれば、僕達が育った村の隣町であるガイザーだった。どうやらアクセルは生まれ故郷に戻っていたらしい。

 ガイザーの街までの最短ルートは、この街から少し行ったところにあるトゥルセック湖から湖を渡っていく方法だった。
 もの凄く大きなこの湖から出ている連絡船に乗って、ラベスの街へと渡る。そこから馬なり馬車なりで街を移動することおよそ二か月ほどで辿り着くらしい。意外と近かったな。

「明日は一日準備をしてそれから出発するか?」

「そうだね。食材とか調味料とか、買い足しておきたいものもあるしそうしよう」

 ついでにエンシェントドラゴンの素材も買い取ってもらえるだけ買い取ってもらった。これで路銀に困ることはなくなった。
 ただ、受付の人にエンシェントドラゴンの素材を見せたら気絶してしまって、ギルドマスターに怒られてしまったけどね。
 伝説の魔物素材を軽く出しちゃってごめんなさい。

 そこから僕がメルヒオールだといろんな人にバレてしまってちょっとした騒ぎにもなった。だけどクラウスが僕を守ってくれたし、そんなクラウスに僕は「大好き!」って抱き付いてキスしちゃったりして、イチャイチャしてたら皆どこかに行っちゃった。バカップル丸出しの僕達に近づきたくなかったみたいだ。

 ギルドを出ると僕は手紙魔法でアクセル宛に手紙を送った。会ってもいいけど、その時に母さんの形見のネックレスをちゃんと持ってくるようにって。捨てようにも捨てられないはずだから、絶対持ってくるだろう。

 翌日は予定通り街を回って必要な物をそれぞれ買い足した。ついでに古くなった服なんかも買い替えたり。宿に戻った後は荷物の整理。全部やること終わったら二人で一緒にお風呂だ。

「今日も星が綺麗だね」

 クラウスに後ろから抱き込まれるようにして、外にあるお風呂でお湯に浸かる。外の風を感じるから、ここのお風呂はお気に入りだ。

「メルヒオールは本当に大丈夫なのか?」

「え?」

「アクセルというクソ野郎に会うことだ」

「あはは! クソ野郎って」

 クラウスはよっぽどアクセルのことが嫌いみたいだ。会ったこともないのにここまで嫌われるなんて、おかしくて堪らない。
 
「正直言えばもう顔も見たくないよ。どうなろうと僕には関係ないし。でもクラウスが一緒だし、母さんの形見を取り返そうって言ってくれたから会おうと思っただけ。アクセルに会うこと自体、僕には不安もなにもないよ。それに――」

 くるりと正面を向いてクラウスの首に腕を回す。ぱしゃりとお湯の跳ねる音が響いた。

「僕を誰だと思ってるの? 『最強の回復術師のメルヒオール』だよ」

「人一倍寂しがり屋で甘えん坊な、って言葉も付け加えておかないとな」

「え~? それはクラウスにだけだよ。それにクラウスが本当の僕を見つけてくれたんでしょ?」

「もちろん。なんてたって、俺の愛しい番だからな」

「ふふ。大好きだよ、ずっと一緒にいてね」

 そしてクラウスにキスをする。すぐにクラウスの舌が入り込んで、その行為は激しくなる。お湯が跳ねる音なのか、口元から零れる水音なのか。判断が付かないほどに激しくなった。

「ん……今日はちょっと控えめにしようね。明日船に乗るのに起きれなかったら困るから」

「……到着が遅れても別にいいだろ」

「僕は構わないんだけどさ。めんどくさいことってさっさと終わらせたいじゃない?」

「……わかった」

 不満なクラウスの顔が可愛い。君もいろんな顔を僕に見せてくれるようになったよね。こんなちょっと拗ねた顔も年相応な感じで可愛い。
 って言ったらその後はめちゃくちゃ激しく突かれてしまった。幼いって言われたのが不服だったらしい。とっても気持ち良かったから別にいいんだけど。

 そして翌日。ちゃんと予定通り早起き出来た僕達は宿を出て湖へ向かった。
 連絡船に乗り込んでラベスの街へと出発する。
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