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第一章 魔法学校入学
第一話 爆破計画
しおりを挟む『カン!カン!』
サリル金山で働く作業員達の持つツルハシの音が坑道に響く。音は絶えず鳴り続ける。
「ふぅ~。あと6時間か…」
リアクは額にかいた汗を手首で拭う。
坑道には30人以上の作業員が重い重いツルハシを降って山を削っている。中は暗く唯一明るいのは広場の松明だ。
「おいそこ!手が止まってるぞ!金を貰うならちゃんと働け!」
そう言って監督官のシャベイがリアクを指さしこっちに向かってくる。坑道にはその足跡が響く。
「ん?なんだリアクか少し休憩か?それなら言ってくれればいいんだがなぁ」
リアクは作業員の中でも優秀で毎日のスコアの倍以上働くほどだ。そのため監督官などの幹部の人からも信頼が厚いため昇進の議案もされている。
「ちっ、またリアクかよ」
作業仲間のレア・フィリットは優秀のリアクをひどく恨んでいる。レアの家はリアクの家と長い付き合いであり仲がいいが、レアは性格が良いとは言えなかった。
「そうだ…。おい、タルガテ」
タルガテはレアと仲が良く中学校でも同じクラスである。歳はリアクと同じ15歳。
「なんだ?」
タルガテは坑道の岩をつかみ、潜りこっちへ来る。
「お前の家確か爆弾製造工場だろ?」
レアは悪巧みをした犯人のような目をしタルガテを見る。
「あ、あぁそれがどうし─」
レアはタルガテが話終わる前にタルガテに近ずき犯人のような顔をした。
「だろ!それでさぁ爆弾を少し欲しいんだよ」
坑道に少し響いた。それを聞いたのか別の監督官が来る。
「おいお前ら、爆弾だどぉ?何に使う」
近ずいてくる足音が近ずいてくる。監督官アレイバーク。元軍人でもあるから監督官の中では怖い評判がたっている。
「あぁ、これはこれはアレイバーク監督官。爆弾は私の趣味の実験で使うために」
レアは焦らず冷静にいつも通りに振舞った。
「そうか…ならいい。ちゃんと手を動かせ」
アレイバーク監督官はそう言って坑道の奥へ進む。
「それでリアクを呼び出し通路を爆破。窒息死させるんだ!」
「な、何言ってんだよ!」
タルガテは驚いた表情だった。その声は坑道に響いただろう。恐らく奥へ行ったアレイバーク監督官にも聞こえただろう。
「しー!大丈夫。金はあげるからよ…」
タルガテは息を飲む。その音はレアにも聞こえるほどに。
「い、いくらだ…」
「20万Oでいいか?」
焦りながら、闇金に手を出すかのような震えた声でタルガテに言う。1O日本円にして2.93円。つまり日本円で58万6000円。
「そ、そんなに…いいのか?」
「あぁ」
坑道の壁を向き作業してる振りをしながら話を続ける。
「じゃあ明日渡すな!」
「わかった」
タルガテは運び途中の石が満杯に入った手押し一輪車を再び運び出す。
『ガラガラ』
話が終わり岩を掘る音、石の揺れる音が一段と大きくなった気がした。
「ははは…死ねリアク…」
この時レアという人格はもう消えていただろう。
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