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帝国調査編
第六話 悪党に染る人
しおりを挟むメザッツが排気口から会議室に飛び降りた。
「よぉ…元帥閣下殿。まさか…ワルディニアとメリーアムが連携して最高議会を潰そうとするとはなぁ…」
「くっ、き、貴様!誰だ!」
「そんな物教えるバカがいますか?」
メザッツはプルートルに対しての煽りをする。
「今すぐ総力をかけてこいつを駆除しろ!」
「人1人に総力をかけるなんて、バカですね」
「くっ、!」
外から巨大な砲撃の音がした。
「メザッツさん!」
俺がメザッツさんに手を伸ばす。
「リアク?」
「早く!」
メザッツはリアクの手を掴み排気口に戻った。
「プルートルこっちに来い」
「あぁ、!」
瞬間…会議室とその近くは爆発した。
「大丈夫か!リアク!」
「ゲホッ…はい…なんとか…」
俺は自分の手を見る…血…。
「それならいい…。帝国のヤツら容赦ねぇーな…」
ほぼ全身に傷をおってしまったリアクとメザッツ。再起不能とまでは行かないがリアクは重症だ。
「第五級魔法聖星宝炎」
「あ?なぜ…だ?なぜ魔法が聞かない…」
「それは、我国の戦艦の砲弾の影響だな。我国の砲弾には爆心地から2km圏内は魔法が無力化される」
メザッツは初めて焦りを見せた。
「くそ…一旦引くか…」
メザッツはリアクを引きづり施設の屋上に出た。
『こちら、M。負傷者1名。至急、救援求む』
『こちら、R。了解。本部に連絡する』
レイディオの声だ。
『こちら、R。負傷者1名。至急、救援求む。ヘリを一機要請する。繰り返す、負傷者1名。至急、救援求む。ヘリを一機要請する。場所はワルディニア帝国首都ダンデオン、軍総司令部屋上』
『こちら、本部了解した』
「あぁ…」
腹が切れているのがわかる。血が脇腹を落ちて通るのが全身に伝わる。全身が痺れ始めて感覚が薄くなってきた。肌寒い気がする。目を開けているのに目が閉じそうになる不思議な感覚。
ヘリの音が都市に響く。
「あそこだ…」
ヘリが屋上に着陸してリアクを運ぶ。
「急げ!」
ヘリはリアクを乗せて急いでアトラス王国めがけて飛んで行った。
「ちっ、…やっぱ子供にはきついか…やってしまったな…」
「はぁ…あ…ぁ…」
「2km離れたか?第五級魔法、聖星宝炎」
傷口が少しづつ塞がっていく。
「ゴホッ、はぁ…」
「何とか大丈夫か…済まないなリアク君…」
「いえ…ワルディニア軍とメリーアム軍は悪い奴らです。いいや全部が悪いんじゃなくて…あの二人…権力を使って欲望のために…使うとは最低な奴らですよ…」
俺は、離れていくダンデオンの姿を見ながら言った。
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