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最終章 誕生、新なる英雄 前編
第一話 破滅と絶望
しおりを挟む「キルトス。全ては計画通りだ。このまま続行するのかね…」
随分歳をとった老人が、どこからかは分からない場所から大陸を見下ろす。
「…」
キルトスと言われる老人は、無口だ。
「そうか…、いよいよ始まるか…」
キルトスは、席をたち言葉を放つ。
「ガイラン…あとは頼む…」
それと同時に、キルトスは鍵を握りしめる。
「破壊の絶望。創造の希望。人類に残された道はこれしかない。全く、つらいものだな」
「バリアといえど、さすがにあれは無理じゃないかな…」
宇宙から飛来するのは、隕石だった。
「っ、!分裂した!?」
隕石は多少砕け、小さい破片がバリアを砕きに来る。
「やばい!このままじゃシルヴィラがもたない!くっ、!」
空高くいたシルヴィラが、轟音と共にこの世を去った。
「ウリエル!くそっ─がぁっ!」
後ろに待ち構えていた、二番艦エズリフォートも爆発した。
「ぐっ…、」
爆発の熱風でリアクの左腕は大火傷。この戦いの間は共に過ごすことになるだろう。
ダラダラと指から流れ落ちる赤い血。
「何が起きているんだ…っ!」
大陸の中心、と言ったところだろう。白い光の柱が何本も地面に刺さりそれは宇宙からも見えるほど大きいだろう。
そして、その柱から幾千、幾万、はたまた幾億の鎖が放たれ地面に刺さる。
「なっ、!」
その鎖が刺さった地面を中心に、地面が腐り始める。緑と生い茂っていた大地が色を奪われ焦げたあとのような色になっていく。
それと共に人々が命を奪われ死んでいく。それに共通したのは、魔力が少ないものから朽ちていくことだ。
「な、何だこの揺れ…!」
大地が裂け、その隙間から巨大な手のようなもとが出てくる。
その揺れとともに、朽ちた人類が宙に舞う。数え切れないほどの死体が空に放たれる。
何者かがリアクに襲いかかるがリアクはすぐ振り向く。
「ぐっ…誰だ…っ」
火傷した手で相手の刀の刃を握る。手からは同じように血が流れる。
「いい加減死にやがれよ、!」
肘でリアクの顔面を殴り飛ばす謎の人物。
「がはっ!」
リアクは岩によりかかった状態で起き上がらない。
なにが…したいんだろう。こんな残酷な世界で、何が出来るんだろう。こんなひ弱な力で…
ふとしたことでリエのことを思い出す。
自分の事じゃなく…人のために生きないとだな…力は…自分のためじゃなくて、みんなのために使うものなのか、父さん、やっとわかった。悪は打倒しなきゃいけない…自分自身で、
「っ…、!」
リアクの目は濃い紫色になり、怒りではなく、みんなのために戦う意思がある。
そして綺麗なフォームをしながら、謎の人物に綺麗に殴りを入れる。
「ぐはぁっ…!なぁ…なぜだぁ…」
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