17 / 61
第17話:二回戦・闇の気配
しおりを挟む
午後、二回戦が始まった。
対戦相手はシルバーウィング。魔法使い中心のギルドで、遠距離攻撃に特化している。
「厄介な相手だな」
トーマが資料を確認しながら呟いた。
「魔法攻撃は防ぎにくい。接近戦に持ち込めるかが鍵だ」
「リア、狙撃で魔法使いを牽制してくれ」
「了解です」
アシュの指示に、リアが頷いた。
◆
試合が始まると、予想通りシルバーウィングは後方から魔法攻撃を仕掛けてきた。
「ファイアボール!」
「アイススピア!」
「ライトニングストライク!」
火、氷、雷——三属性の魔法が、次々と飛んでくる。
「散開!」
トーマとオズワルドが左右に分かれ、魔法を回避する。だが、広範囲攻撃は避けきれない。
「ぐっ......!」
トーマの肩に、ファイアボールが直撃した。
「トーマ!」
「大丈夫だ! アシュ、回復を!」
「ライフ・サンクチュアリ!」
温かい光が、トーマの傷を癒す。火傷の痕が、みるみるうちに消えていった。
「助かる!」
だが、魔法攻撃は止まらない。次々と魔法が放たれ、【ライフ・サンクチュアリ】のメンバーたちを追い詰めていく。
(このままじゃ、ジリ貧だ......)
アシュは、状況を打開する方法を考えた。
(前回みたいに、敵の動きを止める?)
(いや、それだと魔力を使いすぎる)
(別の方法は......)
その時、アシュの脳裏に、新たなアイデアが浮かんだ。
(【ライフ・サンクチュアリ】——生命の法則を操る力)
(なら、味方を強化することもできるんじゃないか?)
「トーマ、オズワルド! 俺の魔法に集中しろ!」
「どういうことだ!?」
「いいから!」
アシュは、ライフ・サンクチュアリを発動させた。
だが今度は、回復ではなく——「強化」を意識した。
温かい光が、トーマとオズワルドを包み込む。
すると——。
「......おお?」
トーマが、自分の体を見た。
「体が......軽い?」
「俺もだ」
オズワルドも、驚いた表情を浮かべた。
「まるで、若返ったみたいだ......」
実際、二人の動きは明らかに速くなっていた。筋力も上がり、反応速度も向上している。
「これなら......行ける!」
トーマが、シルバーウィングの魔法使いたちに向かって突進した。その速さは、先ほどの倍以上だ。
「速い!?」
魔法使いたちが、慌てて魔法を放つ。だが、トーマはすべて回避した。
「もらった!」
トーマの剣が、魔法使いの杖を弾き飛ばす。オズワルドも、別の魔法使いを制圧した。
「ギルドマスター、戦闘不能! ライフ・サンクチュアリの勝利!」
またしても、圧倒的な勝利だった。
◆
試合後、控室に戻ると——。
「......すごいな、アシュ」
トーマが、感心したように言った。
「お前の魔法、回復だけじゃなく、強化もできるのか」
「......みたいだな」
アシュ自身も、驚いていた。
(ライフ・サンクチュアリ——この魔法、どこまでできるんだ?)
回復、蘇生、動き制限、そして強化。
すべて「生命」に関わる能力だ。
(まるで、生命そのものを自由に操れるみたいだ......)
その考えに、アシュは恐怖を覚えた。
◆
だが、その夜——。
宿に戻る途中、アシュは妙な気配を感じた。
(......誰かに見られている?)
アシュは、周囲を警戒しながら歩いた。だが、姿は見えない。
(気のせいか......)
そう思いかけた時、路地裏から声がした。
「アシュ=ルーンフォード」
アシュは振り返った。
そこには——黒いローブを纏った男が立っていた。
「......ヴォイド」
「ご明察。私はヴォイドの幹部、セレン」
男は、フードを外した。三十代前半の、冷たい目つきをした男だ。
「何の用だ」
「用? 決まっているだろう」
セレンは、冷笑した。
「お前の力——ライフ・サンクチュアリを、我々に差し出してもらう」
「断る」
「即答か。だが、選択肢はないぞ」
セレンが指を鳴らすと、周囲の影から複数の人影が現れた。
「今度は、前回のようにはいかない」
「......」
「大人しく来れば、仲間は無事だ」
「......本当に?」
「ああ。我々が欲しいのは、お前の力だけだ」
アシュは、少し考えた。
(ここで戦えば、仲間が危険に晒される)
(だが、捕まるわけにもいかない......)
その時、背後から声がした。
「アシュ、一人で何してる?」
振り返ると、トーマとオズワルドが立っていた。
「トーマ!?」
「お前が戻らないから、心配して探しに来たんだ」
「......ちっ」
セレンが舌打ちした。
「邪魔が入ったか」
「今日のところは引くが——」
セレンは、アシュを睨んだ。
「——次は、確実に捕らえる。覚悟しておけ」
そう言い残し、ヴォイドの構成員たちは闇の中に消えていった。
対戦相手はシルバーウィング。魔法使い中心のギルドで、遠距離攻撃に特化している。
「厄介な相手だな」
トーマが資料を確認しながら呟いた。
「魔法攻撃は防ぎにくい。接近戦に持ち込めるかが鍵だ」
「リア、狙撃で魔法使いを牽制してくれ」
「了解です」
アシュの指示に、リアが頷いた。
◆
試合が始まると、予想通りシルバーウィングは後方から魔法攻撃を仕掛けてきた。
「ファイアボール!」
「アイススピア!」
「ライトニングストライク!」
火、氷、雷——三属性の魔法が、次々と飛んでくる。
「散開!」
トーマとオズワルドが左右に分かれ、魔法を回避する。だが、広範囲攻撃は避けきれない。
「ぐっ......!」
トーマの肩に、ファイアボールが直撃した。
「トーマ!」
「大丈夫だ! アシュ、回復を!」
「ライフ・サンクチュアリ!」
温かい光が、トーマの傷を癒す。火傷の痕が、みるみるうちに消えていった。
「助かる!」
だが、魔法攻撃は止まらない。次々と魔法が放たれ、【ライフ・サンクチュアリ】のメンバーたちを追い詰めていく。
(このままじゃ、ジリ貧だ......)
アシュは、状況を打開する方法を考えた。
(前回みたいに、敵の動きを止める?)
(いや、それだと魔力を使いすぎる)
(別の方法は......)
その時、アシュの脳裏に、新たなアイデアが浮かんだ。
(【ライフ・サンクチュアリ】——生命の法則を操る力)
(なら、味方を強化することもできるんじゃないか?)
「トーマ、オズワルド! 俺の魔法に集中しろ!」
「どういうことだ!?」
「いいから!」
アシュは、ライフ・サンクチュアリを発動させた。
だが今度は、回復ではなく——「強化」を意識した。
温かい光が、トーマとオズワルドを包み込む。
すると——。
「......おお?」
トーマが、自分の体を見た。
「体が......軽い?」
「俺もだ」
オズワルドも、驚いた表情を浮かべた。
「まるで、若返ったみたいだ......」
実際、二人の動きは明らかに速くなっていた。筋力も上がり、反応速度も向上している。
「これなら......行ける!」
トーマが、シルバーウィングの魔法使いたちに向かって突進した。その速さは、先ほどの倍以上だ。
「速い!?」
魔法使いたちが、慌てて魔法を放つ。だが、トーマはすべて回避した。
「もらった!」
トーマの剣が、魔法使いの杖を弾き飛ばす。オズワルドも、別の魔法使いを制圧した。
「ギルドマスター、戦闘不能! ライフ・サンクチュアリの勝利!」
またしても、圧倒的な勝利だった。
◆
試合後、控室に戻ると——。
「......すごいな、アシュ」
トーマが、感心したように言った。
「お前の魔法、回復だけじゃなく、強化もできるのか」
「......みたいだな」
アシュ自身も、驚いていた。
(ライフ・サンクチュアリ——この魔法、どこまでできるんだ?)
回復、蘇生、動き制限、そして強化。
すべて「生命」に関わる能力だ。
(まるで、生命そのものを自由に操れるみたいだ......)
その考えに、アシュは恐怖を覚えた。
◆
だが、その夜——。
宿に戻る途中、アシュは妙な気配を感じた。
(......誰かに見られている?)
アシュは、周囲を警戒しながら歩いた。だが、姿は見えない。
(気のせいか......)
そう思いかけた時、路地裏から声がした。
「アシュ=ルーンフォード」
アシュは振り返った。
そこには——黒いローブを纏った男が立っていた。
「......ヴォイド」
「ご明察。私はヴォイドの幹部、セレン」
男は、フードを外した。三十代前半の、冷たい目つきをした男だ。
「何の用だ」
「用? 決まっているだろう」
セレンは、冷笑した。
「お前の力——ライフ・サンクチュアリを、我々に差し出してもらう」
「断る」
「即答か。だが、選択肢はないぞ」
セレンが指を鳴らすと、周囲の影から複数の人影が現れた。
「今度は、前回のようにはいかない」
「......」
「大人しく来れば、仲間は無事だ」
「......本当に?」
「ああ。我々が欲しいのは、お前の力だけだ」
アシュは、少し考えた。
(ここで戦えば、仲間が危険に晒される)
(だが、捕まるわけにもいかない......)
その時、背後から声がした。
「アシュ、一人で何してる?」
振り返ると、トーマとオズワルドが立っていた。
「トーマ!?」
「お前が戻らないから、心配して探しに来たんだ」
「......ちっ」
セレンが舌打ちした。
「邪魔が入ったか」
「今日のところは引くが——」
セレンは、アシュを睨んだ。
「——次は、確実に捕らえる。覚悟しておけ」
そう言い残し、ヴォイドの構成員たちは闇の中に消えていった。
2
あなたにおすすめの小説
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」
「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」
ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。
「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。
だが、彼らは知らなかった。
ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを!
伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!
【完結済】悪役令嬢の妹様
紫
ファンタジー
星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。
そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。
ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。
やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。
―――アイシアお姉様は私が守る!
最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する!
※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>
既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる