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2章:千丈真奈(部員を5人集めよ)
意外な関係性
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翌日。僕は日和のいる教室を訪れた。
いじめっ子がいるため行くのは気が引けたが、二年生のクラスの方が目的地に近いし、日和が僕の教室に来るとクラスメイトに口説かれそうで嫌だった。
日和のクラスに辿り着き、メッセージを送る。
「お待たせ」
少しして日和が教室から出てきた。
「おまた!」
飯塚先輩も一緒にいる。
「飯塚先輩も一緒に来るんですか?」
「うん。なんだか面白そうだしね」
微笑みながら答える。
彼女も部活勧誘に協力してくれるのであれば心強い。
『元々入部を決めていた』以外では、親しみやすい先輩がいるかが入部の決め手になるはずだ。
飯塚先輩が声をかければ、入部とまではいかなくても見学に来ようとする生徒は出てくるだろう。そこで彼女が部員でないと分かっても、活動内容にさえ興味を持たせれば入部する可能性は高くなるに違いない。
合流したところで、言遊部の活動する『図書室』に歩いていった。
僕の高校の図書室は特別な作りとなっている。
部屋は全部で三部屋。真ん中の部屋は本棚が陳列されており、本の貸し借りのみを行う。
本を読みたい場合は、左右のどちらかの部屋に行く必要がある。
右側の部屋は静かに勉強や読書を行う。自習室みたいなものだ。
左側の部屋は喋り放題。読書の感想会や勉強の教え合いはこちらで行う。
言遊部は図書室左側の部屋の一角で行われているらしい。
北校舎につながる渡り廊下を渡る。
通路にクロスするように流れる春風が心地よかった。
「それにしても、まさか図書室が活動場所だったとはね。イベントを開催するのは難しそうかな」
歩く最中、日和が悩みを漏らす。
彼女の言うとおり、いくら『お喋り可能』と言われても、盛大に騒ぎそうなイベント事を行うのは憚られる。あまりにも声が大きいと二つ隣の自習室にも聞こえるかもしれないしな。
「イベントをするなら、先生に言って部屋を借りれば問題ないと思う」
「言遊部なんて初めて聞いたけど、誰が顧問をやってるんだろうね?」
確かに。部活として認められたと言うことは顧問を受け持っている先生がいるはずだ。一体誰なんだろう?
図書室に着く。
本を借りにきたわけではないので、左側の部屋に直接入室した。
部屋には九つのテーブルが置かれており、現時点で四つのテーブルが使われていた。僕が扉を開けたことで、数人の生徒がこちらを振り向く。それは束の間で、すぐに何事もなかったかのように喋り始めた。
部屋を見渡す。
部屋の一番奥。本棚のある部屋につながる扉とも距離のあるテーブルに、見知った人物が座っていた。まるで部屋を間違えたかのように、千丈先輩は黙々と本を読んでいた。
僕は千丈先輩のいる場所へと歩き始めた。
近づいていくと、気配を察知したのか千丈先輩は顔を上げる。
「君は……昨日の……」
目が合うや否や、独り言を呟くほどの小さな声で僕に言う。
「真奈ちゃん言遊部だったんだ」
挨拶しようとした瞬間、後ろにいた日和が先手を打つように口を開いた。
千丈先輩の視線が僕から後ろに逸れる。眉を顰め、訝しげな表情を浮かべた。
「えっと……」
誰か分からない様子だ。
「私だよ。安藤日和」
「え、えー! ひ、ひよちゃん!!」
千丈先輩は大きな声を上げて勢いよく立ち上がる。
部屋にいた全員がこちらに顔を向けた。千丈先輩は「ごめんなさい、ごめんなさい」と言いながらぺこりと頭を下げる。
全員の注意が逸れたところで再び椅子に座る。
「びっくりした~。ひよちゃん豹変しすぎだよ~」
「あははは……色々あってね」
日和は微笑を浮かべる。
一年生の時は、眼鏡をかけて髪をおさげにしていたもんな。
裸眼に髪をストレートに変えたら別人にしか見えない。千丈先輩が驚くのも無理はない話だった。
それよりも。今は別のことに注意を向けるべきだ。
「日和は千丈先輩と知り合いなの?」
「うん。一年生の時に同じクラスだったから。ただ、仲良くなったのは6月くらいだったから部活については何も話さなかったんだよね」
なるほど。
仮入部期間であれば「何部に入る?」と話題になるかもしれないが、期間が過ぎ去れば特に話題に出るはずもないか。
「ひよちゃんはどうしてここに?」
「お助けをしようかと思ってね」
「お助け?」
疑問符が何個も頭上を駆け回っているような表情を浮かべる。
「お助けについては僕から話そうと思います」
そう前置きして、僕の口から事の経緯を話し始めた。
いじめっ子がいるため行くのは気が引けたが、二年生のクラスの方が目的地に近いし、日和が僕の教室に来るとクラスメイトに口説かれそうで嫌だった。
日和のクラスに辿り着き、メッセージを送る。
「お待たせ」
少しして日和が教室から出てきた。
「おまた!」
飯塚先輩も一緒にいる。
「飯塚先輩も一緒に来るんですか?」
「うん。なんだか面白そうだしね」
微笑みながら答える。
彼女も部活勧誘に協力してくれるのであれば心強い。
『元々入部を決めていた』以外では、親しみやすい先輩がいるかが入部の決め手になるはずだ。
飯塚先輩が声をかければ、入部とまではいかなくても見学に来ようとする生徒は出てくるだろう。そこで彼女が部員でないと分かっても、活動内容にさえ興味を持たせれば入部する可能性は高くなるに違いない。
合流したところで、言遊部の活動する『図書室』に歩いていった。
僕の高校の図書室は特別な作りとなっている。
部屋は全部で三部屋。真ん中の部屋は本棚が陳列されており、本の貸し借りのみを行う。
本を読みたい場合は、左右のどちらかの部屋に行く必要がある。
右側の部屋は静かに勉強や読書を行う。自習室みたいなものだ。
左側の部屋は喋り放題。読書の感想会や勉強の教え合いはこちらで行う。
言遊部は図書室左側の部屋の一角で行われているらしい。
北校舎につながる渡り廊下を渡る。
通路にクロスするように流れる春風が心地よかった。
「それにしても、まさか図書室が活動場所だったとはね。イベントを開催するのは難しそうかな」
歩く最中、日和が悩みを漏らす。
彼女の言うとおり、いくら『お喋り可能』と言われても、盛大に騒ぎそうなイベント事を行うのは憚られる。あまりにも声が大きいと二つ隣の自習室にも聞こえるかもしれないしな。
「イベントをするなら、先生に言って部屋を借りれば問題ないと思う」
「言遊部なんて初めて聞いたけど、誰が顧問をやってるんだろうね?」
確かに。部活として認められたと言うことは顧問を受け持っている先生がいるはずだ。一体誰なんだろう?
図書室に着く。
本を借りにきたわけではないので、左側の部屋に直接入室した。
部屋には九つのテーブルが置かれており、現時点で四つのテーブルが使われていた。僕が扉を開けたことで、数人の生徒がこちらを振り向く。それは束の間で、すぐに何事もなかったかのように喋り始めた。
部屋を見渡す。
部屋の一番奥。本棚のある部屋につながる扉とも距離のあるテーブルに、見知った人物が座っていた。まるで部屋を間違えたかのように、千丈先輩は黙々と本を読んでいた。
僕は千丈先輩のいる場所へと歩き始めた。
近づいていくと、気配を察知したのか千丈先輩は顔を上げる。
「君は……昨日の……」
目が合うや否や、独り言を呟くほどの小さな声で僕に言う。
「真奈ちゃん言遊部だったんだ」
挨拶しようとした瞬間、後ろにいた日和が先手を打つように口を開いた。
千丈先輩の視線が僕から後ろに逸れる。眉を顰め、訝しげな表情を浮かべた。
「えっと……」
誰か分からない様子だ。
「私だよ。安藤日和」
「え、えー! ひ、ひよちゃん!!」
千丈先輩は大きな声を上げて勢いよく立ち上がる。
部屋にいた全員がこちらに顔を向けた。千丈先輩は「ごめんなさい、ごめんなさい」と言いながらぺこりと頭を下げる。
全員の注意が逸れたところで再び椅子に座る。
「びっくりした~。ひよちゃん豹変しすぎだよ~」
「あははは……色々あってね」
日和は微笑を浮かべる。
一年生の時は、眼鏡をかけて髪をおさげにしていたもんな。
裸眼に髪をストレートに変えたら別人にしか見えない。千丈先輩が驚くのも無理はない話だった。
それよりも。今は別のことに注意を向けるべきだ。
「日和は千丈先輩と知り合いなの?」
「うん。一年生の時に同じクラスだったから。ただ、仲良くなったのは6月くらいだったから部活については何も話さなかったんだよね」
なるほど。
仮入部期間であれば「何部に入る?」と話題になるかもしれないが、期間が過ぎ去れば特に話題に出るはずもないか。
「ひよちゃんはどうしてここに?」
「お助けをしようかと思ってね」
「お助け?」
疑問符が何個も頭上を駆け回っているような表情を浮かべる。
「お助けについては僕から話そうと思います」
そう前置きして、僕の口から事の経緯を話し始めた。
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