天界?霊界?人間界?んじゃここどこだよ 聖霊シンフォニー

ニケ

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覚醒

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ゾクっ

「っっつ!なんだこの感じっ。」

「やっぱあんた霊感強いね。
この感じ、わざと霊気を隠してたな、さっきの女の子の霊は聖霊を呼び寄せる罠?
道理で霊界から戻らないと思っていたけど。
だとしたらこの悪霊は聖霊喰と言われる凶悪な悪霊、怨霊ね。どこにいるのよ。」

「なぁ、なんだよこの感じ、すげぇ気持ち悪いんだけど。親父と出掛けたクリスマスの時に似たこの感じ…」

「あぁ確かになんか、とても嫌な感じがする。」

「あんたらこれ持ってなさいな。」

そう言ってグランから無造作に投げられ手にしたのは掌にちょうど収まる土の塊が一つ。

「なんだよこれ?団子?おままごとじゃねぇんだから!」

「うっさいわね!ただの団子じゃないわよ、私が発動の術を唱えたらあんた達を守ってくれる私の眷属よ!まだ霊力を3割くらいしか込めてないから残りはあなた達から吸わせるけど。」

「ちょっなんだあれ?!

廉が指差す先、三人が歩いてきた道の方だ
薄暗い中に更に霧のようなモヤがかかり視界を悪くするが、ちょうど本来の目的地であったシャルドンの前の道路から地面を這ってくるような塊が見える

「なんちゅう霊気………人間を狙われたら動きにくくなるわね
プロテクト!

グランが唱えると地面から2メートル程の壁の様な物が音をたてて現れ四方から廉と稔を囲む

「なんだこれ?!なんも見えねぇぞ!

「これは?!

「その壁は私の霊術で造った障壁、私が死ぬか障壁を保てないほど霊力が弱くなるかまであんたらを守ってくれるから黙ってそこに入ってて!

「ちょっふざけんな!逃げられねぇじゃねぇかよ!もしかしてお前最初から俺らを捕まえるつもりで

「俺達で何かできることはないのか?!

「季節馬鹿うるさい!インテリ君、ない!むしろ足手まといだからそこに入ってて!
あっ一つある!季節馬鹿を黙らせてて!

嫌なドス黒い霧の様なモヤがかかっているせいで視界が悪い。
のそのそとまるで鈍った体を引きずるような黒い塊が50mほどの距離まで近づいてくると、ようやくその全貌が見えた、
8本の足、胴体には6つの忌々しい顔がついてある蜘蛛の形をした怨霊だ
攻撃をしてこないが明らかな殺意を放ち近付いてくる
足先の爪は鋭く鋭利で日本刀の様
世間でおきる通り魔などはこういった怨霊が憑依して起こしているのだろう

先手必勝とばかりにグランは遠くから召喚霊術を展開した
地面から突き出た鋭い槍のような土の塔が怨霊の胴体部に何本も突き刺さる

「ぎぃえぇぇー!!

痛みによるものなのか怒りによるものなのか怨霊が耳障りな雄叫びをあげる
そして怨霊の前にも大きな土の壁を造りだし、足止めする
グランは完全な霊術タイプ、特に距離がある方がよい
腕力や体力はないので肉弾戦に持ち込まれたら非常に不利になる
相手も土の壁を8つの鋭い足で突き刺し壊しながら進んでくるが、その度に壁をすぐ再展開し足止めと地面からの突き刺しの繰り返しにより確実にダメージを与えている

確実にダメージを与えているはずなのに先が見えない、本来ならこれ程にもダメージを与えられ続けてしまうこの状況を打開しようと行動パターンを変えようとするはず、いくら怨霊に知能がないといっても本能で回避しようとするはず
だがそれをしない
ただただ突き進んでくる
もしやそこまで、大きなダメージを与えられていない?
グランは焦りを感じていた

私の霊力だって限りがある
もう何百本も突き刺してるはず、ダメージはどれくらい?
もしこれで効いていないなら無駄な霊力を使いすぎた、ただでさえ聖書を使って体力と霊力が……
…まずいわね
どうする、二人の障壁を解いて一緒に逃げる?
けど相手の早さもわからない、私はスピードに自信がない
かといって攻撃を弛めたら更に突っ込んでこられる可能性が高いけど、術を展開しながらだと器用に動けない
それにもし逃げたら確実にこの神木は食い返される

どうするどうするどうするどうする


更に近付いてくる怨霊とグランの距離は20m程になっている
20mといっても相手は5mほどありそうな巨体なのでもう目の前にいる様な感覚だ
しかし、そこまで距離が縮まったことで一つ希望が見えた
胴体部分にある忌々しい顔が6個中5つ潰れていたのである
そしてもう一つ、アスファルトである道路は土を呼び寄せて攻撃する召喚霊術になるが、公園まで誘い込めば公園にある実際の土に霊術を織り混ぜて攻撃できるので消費霊力が格段に少なくその分威力に転嫁できる

間違いなく術は効いている!ダメージを与えている
そして弱点はあの胴体にある顔、残り1つを潰せばきっと倒せる
きっと……

「おいっ外はどうなってんだよ?!
なんも見えねーし微かな物音しか聞こえねーぞ!

「これは俺達を守ってくれているんだろう
結界みたいなもんだと思う
危害を加えられる様には感じられない

「けどいつまでこうしてたらいいんだよ、あいつは大丈夫なのかよ?!

「わからない、この壁からは土の匂いがするし地面からいきなり盛り上がってきて土でできている、あの子は本当に土の聖霊なのかもしれない

「んじゃ、この団子にもなんか力があるのか?………
あーもうくそっ!

廉は何もできないもどかしさと悔しさから団子を口に入れ咀嚼し飲み込んだ
口の中一杯に食べるべきではないと本能が教える味とジャリジャリ感が広がる

「まっず!うげぇ

「おいっ?!何をした?まさか食べたのか?!

真っ暗で稔には何も見えない

「おっおう、けどだ……い………体が………熱い

「馬鹿かっ!何でもすぐ食うのやめろ!昔っからコーンスープの匂いのする消しゴムとか道端の草とか何でも食おうと………うぉっ!?

真っ暗だった障壁内で何かが光る
廉だ
廉の体が光り始める

「おっ………おい、………だっ………大丈夫か……
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