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変な人
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夕方になりスタッフの手によって、キャンドルで飾られてたイングリッシュガーデン風の庭を、私はもう一つの控え室のバルコニーから眺めていた。
コンセプトは、“彼と過ごすサプライズな夜”
先程まで、彼は着崩したYシャツ姿でシャンパン(ノンアルコール)を振りまくり庭で大暴れしていた。
勿論、グラビアの演出の為である。
自らもシャンパン(ノンアルコール)を浴びて、すっかりずぶ濡れになった彼は、現在入浴中。
ついでに入浴ショットも撮ろうと、キミちゃんと話していたので、女子スタッフは休憩時間となり私以外は近くのコンビニに買い出しに出掛けた。
不意に庭に幻想的な電飾の光が灯り、更にロマンチックな空間になった。
早めにこのレンタルハウスの庭にイルミネーションを施されているのは、これからハロウィンやクリスマスを迎える為のイベントを先取りした演出なのだろう。
私は近くで眺めてみたくて、寒さ対策に持参した、チェック柄のストールを肩に羽織り庭に降りた。
暫く庭を散歩していると、茂みから赤いリボンの首輪をつけた鯖トラ柄の子猫が甘えた鳴き声を上げながらヨチヨチと歩いて出てきた。
(キャー!可愛い~~!!)
子猫がビックリしないように、私は声を最小限に潜めて子猫を見つめた。
「君はこの辺の飼い猫なの?」
子猫は私の質問に不思議そうに首を傾げていたが、急にしゃがんでいた私の膝をヨジヨジ登り、膝の上で行儀よく前足を揃え長い尻尾をくるんと巻き付けて座った。
「フフフ…お利口さんだね。」
私が頭を撫でると子猫はくすぐったそうに片目を閉じた。
「…木原さん?」
その声に振り向くと、お風呂上がりの彼が髪の毛を拭きながらバスローブ姿でウッドデッキに立っていた。
「宇佐美さん、お風呂の撮影はもう終わったんですか?」
「ええ、今、キミちゃんがお風呂に入ってます。
さっき、僕のシャンパンファイトの巻き添えを食らってましたから…」
「そうですか。」
「木原さんは?」
「この子と、お話してました。」
庭に出てきた彼は、私の隣にしゃがみ込み、すっかり私の膝の上で寛いでいる子猫の姿を除き込んだ。
「贅沢だなぁ…お前。木原さんの膝の上で毛繕いしているなんて…。」
「人懐っこくて可愛いですよね!」
「まぁ…♀みたいだし…」
彼はそっぽ向いて、ブツブツと何か言っている。
「宇佐美さん、何か言いましたか?」
「いいえ!なんでもありません!」
膝の上で子猫が抱っこをねだる仕草をしたので、抱き上げると子猫は私の口元にチョンッとキスをしてきた。
「ハハハ…キスされちゃった。君は私のことそんなに気に入ってくれたの?」
そう子猫に話しかけてると、彼は目を瞠って私と子猫を見た。
「き、キス…」
またしても彼はそっぽ向いて、ボソボソと何か呟いている。
「あの…宇佐美さん、どうかしました?」
「い、いいえ…な、何でもありま…せん。」
そのあとも、子猫から2度程キスをされたが、その度に彼の様子がおかしくなっていた。
(変な人…)
冷たい風が吹いたので、そろそろ中に戻ろうと私は子猫を地面に下ろして中に戻ろうと立ち上がった。
「…っ」
一瞬、クラッと目の前が回り、私はバランスを崩して倒れそうになった。
「木原さん!」
寝不足と疲れから立ち眩みを起こしたことを自覚した時、私は既に逞しい彼の腕の中に抱き込まれていた。
「す、すみません!立ち眩みがしたみたいで…。もう、大丈夫ですから。」
彼に私の言葉は聞こえなかったのだろうか?
急いで離れようとした私の動きを封じるように、彼は私を横抱きすると、レンタルハウスの中へと歩き出していた。
「う、宇佐美さん!?」
「あんまり立ち眩みを甘く見ない方が良いです。バスローブで良いですから、しっかり掴まって下さい。控え室まで僕が運びます。」
「けっ、結構です!ももも、もう大丈夫ですから!」
「子猫には無防備に唇を預けたのに、貴女を心配している僕には貴女を抱き上げて運ぶことさえ許してはくれないんですか?」
彼は深い溜め息のあと、拗ねた様に眉を歪めて私を見下ろした。
間近で、その端整な顔で、そんな表情するのは止めて頂きたい。
心臓に悪すぎる。
(他の女の子なら色々勘違いを起こしそうだわ…)
私はしっかりと彼を見上げて、反論した。
「子猫と宇佐美さんは動物と人間でそもそも括りが違うじゃないですか!」
「違いませんよ?子猫も僕も同じ様に貴女に好意を持ってます。」
(そこは動物相手に張り合うところなんだろうか…?)
そう考え込んでいると廊下に出ると運悪く、キミちゃんがさっぱりした顔でバスルームから出てきた。
「なんだお前ら、いつの間にそんな仲になったんだよ?」
「そ、そんな仲って、どんな仲よ!?」
「見ようによっては…、そうだな、ベッドイン前のカップルだろう?樹はバスローブ姿だし。」
私はハクハクと言葉なく口を動かし、声は出なくとも抗議しようとキミちゃんを睨み付けた。
「28歳になってまで、本当に反応が初《うぶ》だよなぁ…お前。」
ニッと意地悪く笑ったキミちゃんに、反論しようと私は彼の腕の中でジタバタしたけど、結局下ろして貰えず、私は彼に控え室のソファーまで運ばれた。
コンセプトは、“彼と過ごすサプライズな夜”
先程まで、彼は着崩したYシャツ姿でシャンパン(ノンアルコール)を振りまくり庭で大暴れしていた。
勿論、グラビアの演出の為である。
自らもシャンパン(ノンアルコール)を浴びて、すっかりずぶ濡れになった彼は、現在入浴中。
ついでに入浴ショットも撮ろうと、キミちゃんと話していたので、女子スタッフは休憩時間となり私以外は近くのコンビニに買い出しに出掛けた。
不意に庭に幻想的な電飾の光が灯り、更にロマンチックな空間になった。
早めにこのレンタルハウスの庭にイルミネーションを施されているのは、これからハロウィンやクリスマスを迎える為のイベントを先取りした演出なのだろう。
私は近くで眺めてみたくて、寒さ対策に持参した、チェック柄のストールを肩に羽織り庭に降りた。
暫く庭を散歩していると、茂みから赤いリボンの首輪をつけた鯖トラ柄の子猫が甘えた鳴き声を上げながらヨチヨチと歩いて出てきた。
(キャー!可愛い~~!!)
子猫がビックリしないように、私は声を最小限に潜めて子猫を見つめた。
「君はこの辺の飼い猫なの?」
子猫は私の質問に不思議そうに首を傾げていたが、急にしゃがんでいた私の膝をヨジヨジ登り、膝の上で行儀よく前足を揃え長い尻尾をくるんと巻き付けて座った。
「フフフ…お利口さんだね。」
私が頭を撫でると子猫はくすぐったそうに片目を閉じた。
「…木原さん?」
その声に振り向くと、お風呂上がりの彼が髪の毛を拭きながらバスローブ姿でウッドデッキに立っていた。
「宇佐美さん、お風呂の撮影はもう終わったんですか?」
「ええ、今、キミちゃんがお風呂に入ってます。
さっき、僕のシャンパンファイトの巻き添えを食らってましたから…」
「そうですか。」
「木原さんは?」
「この子と、お話してました。」
庭に出てきた彼は、私の隣にしゃがみ込み、すっかり私の膝の上で寛いでいる子猫の姿を除き込んだ。
「贅沢だなぁ…お前。木原さんの膝の上で毛繕いしているなんて…。」
「人懐っこくて可愛いですよね!」
「まぁ…♀みたいだし…」
彼はそっぽ向いて、ブツブツと何か言っている。
「宇佐美さん、何か言いましたか?」
「いいえ!なんでもありません!」
膝の上で子猫が抱っこをねだる仕草をしたので、抱き上げると子猫は私の口元にチョンッとキスをしてきた。
「ハハハ…キスされちゃった。君は私のことそんなに気に入ってくれたの?」
そう子猫に話しかけてると、彼は目を瞠って私と子猫を見た。
「き、キス…」
またしても彼はそっぽ向いて、ボソボソと何か呟いている。
「あの…宇佐美さん、どうかしました?」
「い、いいえ…な、何でもありま…せん。」
そのあとも、子猫から2度程キスをされたが、その度に彼の様子がおかしくなっていた。
(変な人…)
冷たい風が吹いたので、そろそろ中に戻ろうと私は子猫を地面に下ろして中に戻ろうと立ち上がった。
「…っ」
一瞬、クラッと目の前が回り、私はバランスを崩して倒れそうになった。
「木原さん!」
寝不足と疲れから立ち眩みを起こしたことを自覚した時、私は既に逞しい彼の腕の中に抱き込まれていた。
「す、すみません!立ち眩みがしたみたいで…。もう、大丈夫ですから。」
彼に私の言葉は聞こえなかったのだろうか?
急いで離れようとした私の動きを封じるように、彼は私を横抱きすると、レンタルハウスの中へと歩き出していた。
「う、宇佐美さん!?」
「あんまり立ち眩みを甘く見ない方が良いです。バスローブで良いですから、しっかり掴まって下さい。控え室まで僕が運びます。」
「けっ、結構です!ももも、もう大丈夫ですから!」
「子猫には無防備に唇を預けたのに、貴女を心配している僕には貴女を抱き上げて運ぶことさえ許してはくれないんですか?」
彼は深い溜め息のあと、拗ねた様に眉を歪めて私を見下ろした。
間近で、その端整な顔で、そんな表情するのは止めて頂きたい。
心臓に悪すぎる。
(他の女の子なら色々勘違いを起こしそうだわ…)
私はしっかりと彼を見上げて、反論した。
「子猫と宇佐美さんは動物と人間でそもそも括りが違うじゃないですか!」
「違いませんよ?子猫も僕も同じ様に貴女に好意を持ってます。」
(そこは動物相手に張り合うところなんだろうか…?)
そう考え込んでいると廊下に出ると運悪く、キミちゃんがさっぱりした顔でバスルームから出てきた。
「なんだお前ら、いつの間にそんな仲になったんだよ?」
「そ、そんな仲って、どんな仲よ!?」
「見ようによっては…、そうだな、ベッドイン前のカップルだろう?樹はバスローブ姿だし。」
私はハクハクと言葉なく口を動かし、声は出なくとも抗議しようとキミちゃんを睨み付けた。
「28歳になってまで、本当に反応が初《うぶ》だよなぁ…お前。」
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