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第0章 遠い遠い、古の物語 -大賢者様と魔王-
0-1.お話、聴かせて?
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「ねぇひいおばあちゃん、またあのお話して!」
質素で色褪せた朱色のワンピースに身を包んだ少女は、木製の揺り籠に座っている老婆の膝に小さい手の平を乗せてそうせがんだ。
「あら、またかい。リーニャは本当にこのお話が好きだねぇ。聞かせた私が言うのもなんだけど、女の子が好む話じゃないと思うんだけどねぇ」
老婆はリーニャと呼ばれた少女の頭を優しく撫でながら、いささか困った口振りでそう言った。ついつい一度聴かせてしまったものの幼い子供に聴かせるには余り好ましくないお話だったのだが、この少女はそれを滅法気に入ってしまったのだ。
「え~、そんなことないよ。ひいおばあちゃんのお話はなんでもたのしいけど、あのお話がいちばんすき!」
リーニャは今から興奮が隠せないとばかりに、そのふっくらとした頬を可愛らしく緩めながら元気良く応えた。
「だって、世界を守ろうとしただいけんじゃさまががんばって、しょうがいかけて考えたまほうなんでしょ?かっこういいもの!」
その言葉に老婆は顔に出さず苦笑する。やっぱり、女の子が好みそうな話では無くて。
一方、リーニャはドキドキしていた。嘘を吐くのはいけないことだけど、ちょっと恥ずかしかったから二番目に好きな理由を言ってしまったのだ。
リーニャがこのお話を好きな理由。それは、
(わたしとおなじ女の子が主役になるお話。強くてかっこうよくて。お姫様なんかよりもずっとあこがれるもの……)
自分の理想が詰まっているから。
そうとは知らず、可愛いひ孫には勝てないわね、と思いながら目の前の小さい天使を持ち上げて膝の上に座らせる老婆。すると、すぐさまキラキラした瞳を後ろに向けて、早く聴かせて、聴かせてと無言で急かしてくる。
「いいかい?これは私のひいおばあさんから聞いたお話でね……」
質素で色褪せた朱色のワンピースに身を包んだ少女は、木製の揺り籠に座っている老婆の膝に小さい手の平を乗せてそうせがんだ。
「あら、またかい。リーニャは本当にこのお話が好きだねぇ。聞かせた私が言うのもなんだけど、女の子が好む話じゃないと思うんだけどねぇ」
老婆はリーニャと呼ばれた少女の頭を優しく撫でながら、いささか困った口振りでそう言った。ついつい一度聴かせてしまったものの幼い子供に聴かせるには余り好ましくないお話だったのだが、この少女はそれを滅法気に入ってしまったのだ。
「え~、そんなことないよ。ひいおばあちゃんのお話はなんでもたのしいけど、あのお話がいちばんすき!」
リーニャは今から興奮が隠せないとばかりに、そのふっくらとした頬を可愛らしく緩めながら元気良く応えた。
「だって、世界を守ろうとしただいけんじゃさまががんばって、しょうがいかけて考えたまほうなんでしょ?かっこういいもの!」
その言葉に老婆は顔に出さず苦笑する。やっぱり、女の子が好みそうな話では無くて。
一方、リーニャはドキドキしていた。嘘を吐くのはいけないことだけど、ちょっと恥ずかしかったから二番目に好きな理由を言ってしまったのだ。
リーニャがこのお話を好きな理由。それは、
(わたしとおなじ女の子が主役になるお話。強くてかっこうよくて。お姫様なんかよりもずっとあこがれるもの……)
自分の理想が詰まっているから。
そうとは知らず、可愛いひ孫には勝てないわね、と思いながら目の前の小さい天使を持ち上げて膝の上に座らせる老婆。すると、すぐさまキラキラした瞳を後ろに向けて、早く聴かせて、聴かせてと無言で急かしてくる。
「いいかい?これは私のひいおばあさんから聞いたお話でね……」
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