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6話ー書道部でー

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ー職員室ー

不審者と思われる程ドアを勢い良く開け、目を丸くする先生をよそに、「如月って誰ですか?」と聞いた

そんな唐突な質問に答えられる訳もなく口をアホのように開けながら固まっている教師の前で私は手を振って生存を確認した

応答が無い、屍のようだ

そう私が判断する寸前に先生は生き返り、「は?」と答えた

「如月と言う中3男子の名前を知りたいです」

言い直した私の言葉を理解した様子だ。中3のクラスの名簿を調べ始めた

数分も経たないうちに名前を見つけたようで

「あったあった。3年4組の~、如月堅…だな」

「まだ学校に居ますかね?」

「確かあいつは書道部だったからなぁ…まだ居るかもな、部室覗いてみろ」

情報y…ゲフッ、先生に一言お礼を言って職員室から出た

そして書道部の場所を聞く事を忘れた事に気が付き、職員室に戻るのも面倒なのでしらみ潰しに探す事にした

「すんませ~ん…」

と控え目に言いながら『書道部』と書いてある部室のドアをまた控え目に開けた

中では10足らずの部員が物音1つ立てずに書道に熱中している

入って来た私がアホに思えてきた

私はドアの前でどっかの売れない洋服店に飾られているマネキンのように固まりながら立ちすくんでいる

『マジ』と言う名の凄まじいオーラを放つ部員達に声なんてかけられるはずも無く、結局終わるまでマネキンを続けていた

部活が終わったようで、沈黙を保ちながらも背伸びをする部員達に

「あのぉ…如月堅くん居ますか?」

と思い切り小さい声で聞いた

地獄耳だったのであろう1人の部員が私に気が付き、「あ、それ俺だけど」とだけ答えた

「あっ、そうですか、貴方が如月k…



お前かよ」

驚く様子もなく、私は冷静にツッコミを入れたのだった




>>第7話ー人見知りと言う名の悪魔ー
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