My little gentleman says...

るーま

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本編

料理

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『心を込めて作ったのでおいしいはずです。召し上がれ!』


 我が家の家事男子の仕組み(趣味)は料理だ。
 包丁と火を使わず作れるものは、独りで完結させてくれる。
 坊主の得意料理といえばサンドイッチだ。
 
 トーストした食パンにマーガリンを塗って、ハム・チーズ・レタスを挟む。
 味付けは黒コショウとマヨネーズが定番だ。
 
 鼻歌を歌いながら、実に楽しそうに作業をする。
 
 テーブルセッティングも整えてから食卓に招いてくれる。
 自信満々で件の台詞をいいながら椅子を引くというエスコート付き。
 スペシャル感が溢れている。
 
 一介の主婦である私も、日々台所に立つ。
 なるべくなら美味しいものを食べたいので、それなりに試行錯誤をして手料理を振る舞っているつもりだ。 
 しかし、一度として「心を込めて作りました」と胸を張れたことはない。
 「美味しいはずだ」と自信をもって食卓を彩ったことがあっただろうか。

 ルーティーンになってしまっている。
 
 もちろん、気持ちがないわけではない。
 気持ちがあるからこそ、毎日毎日得意でもない料理を続けているとも言える。
 だとしたら「気持ち」とは一体何なのか。
 「心を込める」とは、一体どういうことなのか。

 料理をしてくれた実家の母親の気落ち。
 料理をする自分の気持ち。

 考えさせられた。

 私は実母が作ってくれるハンバーグが世界一好きだ。
 子どもの頃からずっと世界一美味しいと思って食べてきた。
 だけど、お母さんごめんね。
 坊主が作ってくれるサンドイッチは宇宙一だ。

 きっと分かってくれると思うから、次に会う時には孫の作るサンドイッチを食べて欲しい。
 坊主も祖父母に食べてもらう気満々だ。
 
 高級食材も、手間暇かけた料理も、坊主の安いサンドイッチには敵わない。

 説明がつかないのだけど、「気持ち」と「心」が込められているんだなぁ。
 味にでちゃうんだもんなぁ。

 日常を非日常に変えるエッセンスは、きっと簡単なことなんだ。
 
 ランチョンマットを変える。
 食卓に花を飾る。
 お品書きを添えてみる。
 いつもと違う座席に付く。

 多分、そんな小さなことで気分は変わる。
 気分が変われば味も変わる。

 久しぶりにお弁当こさえてピクニックもいいかもしれない。
 サンドイッチを作ってもらって出かけたら、きっとスペシャルも2倍だ。

 ラッキー。
 母さんはラクができ……げふんげふん。
 
 
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