僕が世界で生きるため

らくよう

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プロローグ

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「いつもいつもなんなのよ!何か言ったらどうなの!叩かれても泣かないし、怒らない。不気味なのよ、気持ち悪い!」

あぁ、またか。

これが僕の日常だ。毎日同じことの繰り返し。けれど、仕方がない事なんだと思っている。
叔母さんは、僕を引き取ってくれた。それだけで幸せだと思うようにしよう。どうせ、たまにしか帰ってこないんだから。

僕は今日も叔母さんからの罵倒を浴びる。色素の薄い頬の火傷の後が、少しヒリヒリと痛い。







巫望鴉(かんなぎ のあ)という少年は、周りの人とあまりにも違いすぎた。
彼は、世界的にも珍しい、真っ白な髪に黄金の瞳を持って産まれてきた。ロシア人であった祖母の血を色濃く受け継いだのだ。美しかった祖母に似ているだけならまだ良かった。


彼は、2歳の頃に自閉症と判断された。

表情が乏しい、抱っこや触れられるのを嫌がる少年を、周りの大人達はあまり構わなくなった。友達?と呼べるものも、幼なじみの1人しかいない。愛してくれた?両親は、彼が4歳の頃に不慮の事故で帰らぬ人となった。
そんな時に、彼を引き取ったのが叔母だった。幼い彼に同情したのだ。
彼も自分の立場を理解して行動していた。けれど、いつからだろう、叔母が彼を嫌うようになったのは。

ある時耐えきれなくなった。

彼は、叔母さんを引っ掻いた。
叔母さんは髪を振り乱して怒った。
 
そして叔母さんは、テーブルにあった彼に投げつけた。ポットから熱湯が零れ、彼は左頬に熱さと痛みを感じた。それでも彼は熱湯が顔にかかっても叫ばなかった。
「どうして…どうして泣かないの?泣きなさいよ、痛いんでしょ!どうして何も言わないの、どうして、どうして…」
叔母さんは泣いていた。彼はぼんやりと泣い
ている叔母さんを眺めていた。

その日から、地獄叔母さんの虐待がはじまった。




もちろん、あのときは僕も悪かったと思っている。女性の頬に傷を付けたのだから。
でも、僕も左頬にえげつない火傷のあとがのこっているし、さすがにきついと思う時のことを思い出すとやりすぎだと思う。まぁ、いまは1週間に1回会うか合わないかの確率だからそこまできつくはないからいいけどさ。

明日はどの分類の本を読もうかな、なんてぼんやり考えながら叔母さんの話を右から左へ聞き流している。あぁそうだ、明日は料理関係の本を読んでみるか、そうじゃなかったら経済の本でもいいかもしれない、と一通り考え終わった意識を浮上させる。

(あれ、叔母さんのが少しおかしい)
いつもは薄い赤なのに、ひどい時でも真っ赤なのに、今日は鈍くて暗い赤色と紫色をしている。
僕は叔母さんを見つめながら頭を傾ける。
「昔から、アンタの態度が気に食わない。本当にどれだけ私をイラつかせれば気が済むの…?アンタなんか、アンタナンカ、生レテコナケレバヨカッタノヨ!」

頭の中で警報がなる。と。やっぱり叔母さんは赤黒い色を纏っている。一歩後ずさったときに気がついた。叔母さんのを。叔母さんは止まらない。動けないままの僕。叔母さんはなんの躊躇いもなく僕を刺した。

「最後まで叫び声すらあげないのね…これだから気持ち悪いのよ………………」

叔母さんはまだ何か言っている。肉が抉れる感触がなんとも言えない。でも、刃物が刺さった脇腹が痛くてそれどころじゃない。痛すぎる。

 《確認。痛覚無効獲得…成功。続き、刺突耐性、転じて物理攻撃無効獲得…成功》

うわぁ、刃物で刺された脇腹がジワジワと、熱を持っているのが分かる。刺された所が熱い。逆に、たくさんの血が抜けて、手足が冷たくて、寒い。寒いのだ。熱くて寒いなんて、表現、小説であったなぁ、なんて。

《確認。対熱耐性獲得…成功しました。続き、対寒耐性獲得…成功。対熱寒耐性を獲得したことにより、対熱寒耐性が対熱寒耐性exに進化》

このまま死んだら、地獄に逝くんだろうか。それとも、沢山の本にもあっとように、生まれ変わる、のかなぁ。次は、人じゃない、縛られない、自由な人生がいいなぁ。
  









……





**********



《個体名:巫望鴉、種族を“人間ヒト”から“人間ヒトナラザル者”へ》

《異世界転生にあたって所有するバットステータスを全て解除》

《バッドステータスの解除にあたって称号・スキル共に“叡智ナル者”を獲得》





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