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第1章〜生活〜
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少年の瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
僕はと言うと……少年の話そっちのけで、僕が少年を助けた理由を探している。一旦持ってたスプーンをおいて考える。僕は少年を見つけた時、“可哀想”なんて思ったっけ?なんでここまで連れてきたんだっけ?連れてこなくちゃ、って、思ったんだ。
うん、僕は、“可哀想だ”って思わなかった。“同情”なんてしなかった。……………………あぁ、そっか、
「僕、寂しかったんだ……。」
「………は」
「うん、そうだ。寂しかった。誰かにそばに居て欲しかった。独りぼっちなんだと思った、思ってた。だから君を見つけた時、少しビックリして、嬉しかったんだ。ここにも独りのヒトがいる、って。
………僕と同じなら一緒にいてもいいと思ったんだ。」
少年は目を丸くしてる。真っ赤な瞳が良く見えた。
「僕は人と話したこともあんまりないし、人の気持ちもよく分かんない。僕が君をここに連れてきたのは、僕の我儘だ。」
自覚した分、言葉がとめどなく流れる。俯きながらさらに言葉を紡いでいく。
「そう、これは僕の我儘で、君の気持ちはそこには無くて、僕は君を傷付けて、傷つけた僕は君に嫌われて………あぁ、違う違う!こんな事したかった訳じゃない!」
僕は顔を上げて少年を見る。少年は言葉を失っている。そんな彼に笑いながら僕は言った。
「ごめんね、ごめん。いやだったね。僕は君を助けたかった訳じゃない、僕は君と一緒にいて欲しかった。ごめんね。全部僕のせいで、僕の我儘で、いたかったね。」
正直、僕は彼を助けたかった訳でも救いたかった訳でも無い。感覚としては捨てられたペットを拾うような、“居たから連れて帰った”そんな感じ。でも、これと今回は違う。彼は、同じ言葉を理解し、同じように考える、力と知恵のある生き物だ。僕はそんな彼の努力を、生きがいを、居場所を、壊しちゃった。これは、謝って許されることでは無い。
どうしよう、どうして、どうやって?
僕の我儘のせいだ。そのせいで彼は傷付いた。この欲を抑えなくちゃ。
僕は僕が怖くなった。僕のせいで誰かを傷付けてしまうことが。今までずっと気づかなかったことが。痛くて痛くてたまらない。この世界で初めて痛みを経験した。
「……すまない。俺はお前に言ったんじゃない。ただの八つ当たりだ。………だから、泣かないでくれ。」
「……なんで、なんで?なんで君が謝るの?全部僕が悪いのに、僕が君を傷付けたのに。君は何も悪くないのに、痛かったのは君なのに…………」
気を遣わせてしまった。僕が泣いたせいで。それでも、ボロボロと溢れる涙は止まってくれない。神様と話した時みたいに。
涙のせいで視界がぼやける。彼の顔も見えなくなるぐらいに。
「だから泣かないでくれ、お願いだから。……お前は俺を助けただろ、お前のおかげで俺は今生きてる。あのままじゃ俺は死んでたぞ、俺は。お前は誰も傷付けてない、お前は何も悪くない。だから、だからもう泣くな。」
「……君は痛くはないの?」
「…………痛くはないよ、ありがとう。」
何故お礼を言われたのか分からない。でも、あぁ、
「よかった。」
僕は満面の笑みを彼に向ける。
彼は目を見開いて………見る見るうちに青白い肌が人間味のある色になった。もう大丈夫なのか、元気になって良かったよ。
「ご飯、食べよっか。」
「……ああ。」
僕はと言うと……少年の話そっちのけで、僕が少年を助けた理由を探している。一旦持ってたスプーンをおいて考える。僕は少年を見つけた時、“可哀想”なんて思ったっけ?なんでここまで連れてきたんだっけ?連れてこなくちゃ、って、思ったんだ。
うん、僕は、“可哀想だ”って思わなかった。“同情”なんてしなかった。……………………あぁ、そっか、
「僕、寂しかったんだ……。」
「………は」
「うん、そうだ。寂しかった。誰かにそばに居て欲しかった。独りぼっちなんだと思った、思ってた。だから君を見つけた時、少しビックリして、嬉しかったんだ。ここにも独りのヒトがいる、って。
………僕と同じなら一緒にいてもいいと思ったんだ。」
少年は目を丸くしてる。真っ赤な瞳が良く見えた。
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自覚した分、言葉がとめどなく流れる。俯きながらさらに言葉を紡いでいく。
「そう、これは僕の我儘で、君の気持ちはそこには無くて、僕は君を傷付けて、傷つけた僕は君に嫌われて………あぁ、違う違う!こんな事したかった訳じゃない!」
僕は顔を上げて少年を見る。少年は言葉を失っている。そんな彼に笑いながら僕は言った。
「ごめんね、ごめん。いやだったね。僕は君を助けたかった訳じゃない、僕は君と一緒にいて欲しかった。ごめんね。全部僕のせいで、僕の我儘で、いたかったね。」
正直、僕は彼を助けたかった訳でも救いたかった訳でも無い。感覚としては捨てられたペットを拾うような、“居たから連れて帰った”そんな感じ。でも、これと今回は違う。彼は、同じ言葉を理解し、同じように考える、力と知恵のある生き物だ。僕はそんな彼の努力を、生きがいを、居場所を、壊しちゃった。これは、謝って許されることでは無い。
どうしよう、どうして、どうやって?
僕の我儘のせいだ。そのせいで彼は傷付いた。この欲を抑えなくちゃ。
僕は僕が怖くなった。僕のせいで誰かを傷付けてしまうことが。今までずっと気づかなかったことが。痛くて痛くてたまらない。この世界で初めて痛みを経験した。
「……すまない。俺はお前に言ったんじゃない。ただの八つ当たりだ。………だから、泣かないでくれ。」
「……なんで、なんで?なんで君が謝るの?全部僕が悪いのに、僕が君を傷付けたのに。君は何も悪くないのに、痛かったのは君なのに…………」
気を遣わせてしまった。僕が泣いたせいで。それでも、ボロボロと溢れる涙は止まってくれない。神様と話した時みたいに。
涙のせいで視界がぼやける。彼の顔も見えなくなるぐらいに。
「だから泣かないでくれ、お願いだから。……お前は俺を助けただろ、お前のおかげで俺は今生きてる。あのままじゃ俺は死んでたぞ、俺は。お前は誰も傷付けてない、お前は何も悪くない。だから、だからもう泣くな。」
「……君は痛くはないの?」
「…………痛くはないよ、ありがとう。」
何故お礼を言われたのか分からない。でも、あぁ、
「よかった。」
僕は満面の笑みを彼に向ける。
彼は目を見開いて………見る見るうちに青白い肌が人間味のある色になった。もう大丈夫なのか、元気になって良かったよ。
「ご飯、食べよっか。」
「……ああ。」
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