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第165話 成果のお披露目
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「ヒカリいつから潜る?」
カインは待ちきれない様子で、戦闘狂としての魔力が抑えられないようだった。
ヒカリも、人間の姿を安定して維持できるようになってきたこともあり、明日の夜からダンジョン攻略を再開することを決めた。
「明日の夜から潜ろうか」
ヒカリがそう言うと、カインは満面の笑みを浮かべた。
その表情を見たヒカリは、思わず苦笑いを浮かべる。
その夜、ヒカリたち精霊はいつものように集まっていた。
「明日からダンジョンに潜ろうと思うけど、いいかな?」
カインと同様に、精霊たちからも笑みがこぼれる。
「雷蔵くんはどうする?」
ヒカリが雷蔵に尋ねると、雷蔵は大きく頷いた。
「お供するでござる」
「じゃあ、明日からダンジョンに変更ね」
ヒカリがそう言うと、精霊たちはみな嬉しそうに頷いた。
「明日の晩はそれぞれ子供の姿のお披露目だね」
子供の姿が安定するまでは、主には黙っておくことにしていた。
「フロストは気を付けてね」
ヒカリがフロストに注意を促した。
「何をじゃ?」
フロストはきょとんとした顔で尋ねる。
「エドワードとかに見られないようにってこと」
ヒカリの言葉に、フロストは納得したようだった。
「わかったのじゃ」
次の日、何事もなく一日が過ぎていった。夕食も終え、部屋でくつろぐクラリスたちを見て、ヒカリはカインとラインに子供の姿になるように促した。
「ねーねー、今から驚くことやるから見てて」
ヒカリがそう言うと、クラリスたちは「なになに?」とヒカリの方に注目した。
「カインとラインに注目」
ヒカリの言葉に、クラリスとファナはカインとラインの方に視線を向けた。しかし、モニカにはカインとラインの姿は見えないため、不思議そうな顔をしている。
なぜかモジモジと落ち着かない様子のカインとライン。
「何モジモジしてるの」
ヒカリは笑いながら言った。
「わ、わかっておるわ、やればいいんだろ」
カインが少し照れたように言うと、ラインも頷いた。
カインとラインは魔力操作を始めると、その身体が淡い光を放ち始めた。光は徐々に強くなり、二人の姿を包み込む。
そして次の瞬間、光が収まると、そこに立っていたのは、見慣れた二人の姿ではなく、幼い子供の姿だった。
クラリスとファナは驚いて声が出なかった。しかし、一番驚いたのはモニカだった。彼女の目には、突如として子供が二人現れたように見えたのだ。
「え、え?急に子供が……」
モニカの声に反応するように、クラリスとファナが同時に声を上げた。
「えー、可愛い!」
クラリスとファナは、興奮した様子でカインとラインの手を引っ張り、自分たちの膝の上にちょこんと座らせた。
カインは赤い髪のボーイッシュな子供に、そしてラインは紫の髪のこちらもボーイッシュな子供になった。二人の幼い姿は、普段の姿とは打って変わって愛らしい。
クラリスとファナは「キャーキャー」と騒いで、カインとラインを抱きしめた。
「わー、ちっちゃい……すべすべ……」
クラリスはカインの赤い髪をそっと撫で、その小さな頬に自分の頬を擦り寄せた。
「このままぬいぐるみにしたいくらいだわ!」
ファナは感激したようにラインの頭を撫で続けた。
「や、やめろ……っ、子供扱いするなぁ……!」
カインがじたばたと暴れるが、クラリスの腕の中からは逃げられない。ラインは固まった様にピクリともしない。
「ねーねーヒカリは子供の姿になれないの?」
クラリスが純粋な瞳でヒカリを見上げた。
「なれるよ」
ヒカリはにこやかに答えた。
「なってなって!」
ファナも身を乗り出して懇願する。
ヒカリはクラリスとファナの期待に応えるように、魔力を操作した。ヒカリの身体が淡い光に包まれ、次の瞬間、光が収まると、そこにいたのは金髪でどこか大人しいイメージの子供だった。
(前世の記憶があるからか、姿が昔の自分になるんだよな)
ヒカリは心の中でそう呟き、二人に尋ねた。
「どお?」
「わー!ヒカリも可愛い!」
クラリスとファナは目を輝かせ、子供になったヒカリに抱きついた。
「三人とも、まるで本当の兄弟みたいね!」
モニカは、目の前の光景にようやく笑顔を見せた。
モニカにはカインとラインの精霊の時の姿は見えないが、子供の姿に具現化したカインとラインは見えた。
「あの、ヒカリ様?この子たちは……?」
モニカは、目の前に現れた二人の子供に未だ戸惑いを隠せない。
「この子たちはね、カインとライン。クラリスとファナの契約精霊だよ」
「え、精霊……?」
モニカは驚いた表情をした。
精霊が、このように人間の子供の姿を取ることができるとは想像もしていなかったのだ。
「そうなんだよ。普段はモニカには見えないけど、こうやって人の姿になることもできるようになったんだ。最近、姿を保てるようになってきたから、お披露目しようと思って」
「そうだったのですね……」
モニカはまだ半信半疑といった表情だが、目の前の可愛らしい子供たちに、少しずつ警戒心を解いていくようだった。
クラリスとファナは、すっかりカインとラインに夢中だ。
「ねえ、カイン!いくつなの?お菓子食べる?」
クラリスがそう尋ねるとカインをほっぺを膨らました。。
「だから、子供扱いするな!」
「拗ねた顔も可愛いい!」
クラリスはそう言って、カインをさらに強く抱きしめた。
ファナもラインに、
「今度の休みの日にお洋服買ってあげるね!」
と、まるで自分の子供を相手にするように優しく語りかけた。
ラインは少し照れたように俯いたが、その表情には喜びが滲んでいた。
「ねーねー今日一緒に寝よ」
クラリスとファナがそう言うとカインは拒否しラインは借りてきた猫のように固まっていた。
クラリスたちが寝静まるとようやくカインとラインは解放された
「我はもう子供の姿にならんぞ」
カインはぶつくさと文句を言っていたがラインは満更でもなかった。
深夜、ヒカリたちはダンジョン攻略に向けて集まった。雷蔵も準備万端といった様子だ。
「ヒカリ殿、いつでもいけるでござる!」
「よし、じゃあ行こうか」
ヒカリたちと雷蔵がダンジョンへと向かう。ダンジョンの入り口は、既に見張りの騎士以外の人の気配はなく、静まり返っていた。
一ヶ月ぶりのダンジョン攻略に、精霊たちは皆、やる気に満ち溢れていた。
「雷蔵くんは初めてだからショートカットできないし、一層から一気に下を目指そうか」
ヒカリがそう言うと、精霊たちは一斉に頷いた。
彼らは、最小限の魔物を倒しながら、順調にダンジョンの奥へと進んでいく。その途中、雷蔵がふと疑問を口にした。
「ヒカリ殿、なぜ魔石を拾わないでござる?」
雷蔵の言葉に、ヒカリはきょとんとした。
「え?何で?」
「精霊は魔石を吸収すると、微量ながら魔力が上がるでござる」
雷蔵のその言葉は、ヒカリにとって衝撃的だった。
ヒカリのゲームの知識には、その情報が一切存在しなかったのだ。前世のゲームには精霊を育てるコンテンツなど存在しなかったからだ。
「えー、まじかー」
ヒカリは思わず声を上げた。
そして、すぐに指示を出す。
「みんなストップ!」
ヒカリが急に止まったので、精霊たちは急ブレーキをかけた。
「急に止まると危ないのじゃ」
フロストが声を上げた。
「どうした、ヒカリ?」
カインが心配そうに尋ねる。
ヒカリは雷蔵の話をみんなに伝えた。魔物を倒すと現れる魔石は、時間が経つとダンジョンに吸収されて消えてしまう。しかし、消える前に精霊が体内に吸収すると、微量ながら魔力が上がるというのだ。
「初耳なのじゃ」
フロストが驚いた顔でヒカリを見た。
「いやー、俺も初めて知ったんだよね」
ヒカリは苦笑いを浮かべた。
「これからは魔石を吸収しつつ進もう。ただ、自分と同じ属性だけね」
ヒカリの言葉に、カインは不満そうな顔をした。
「理由はさ、平等性と、違う属性を取り込んだ時の反応が気になるから同属性のだけね」
「う、うむ、わかった」
カインは納得しきれていないようだったが、とりあえず頷いた。
違う属性を取り込んだ時の副作用は未知数であるため、ヒカリは用心のために念を押したのだ。例えば、火属性のカインが弱点属性である水を誤って取り込んだ場合、何が起こるか予測できない。
「とりあえず二十層までは最短で行くよ。じゃあ、出発!」
ヒカリの号令で、彼らは再び進み始めた。ハイスピードで魔物を討伐しつつ、自分と同じ属性の魔石を吸収しながら進む。
その結果、あっさりと二十層に到達した。途中、土属性の魔石が落ちていたが、仲間の精霊に土属性はいない。
(今度ムムくんにお土産として集めとこ)
ヒカリはそう思いながら、土属性の魔石を体内にしまっていった。
二十層に到達すると、彼らはボス部屋へと入っていった。
「あれ、また雰囲気違うね……」
ヒカリが呟くと、カインが顔をしかめた。
「えー、また亜種ボス?」
ボス部屋の中の魔力の質が明らかに違う。
濃密な魔力が辺りを包み込んでいる。部屋の奥には巨大なゴブリンが鎮座しており、その隣にはさらに左右に一体ずつ、ゴブリンが配置されている。
雷蔵がスッと前に出ると、青年の姿へと変化した。
「雷蔵くんがやる?」
ヒカリが尋ねると、雷蔵は凛とした声で答えた。
「良いでござるか?」
「うん、隣のゴブリンは俺たちがやるね」
ヒカリたちは巨大なゴブリンの隣にいる二体を相手することにした。
「かたじけないでござる」
雷蔵はそう言うと、真ん中の巨大なゴブリンへと視線を向けた。ヒカリたちも戦闘体勢に入る。側近の一体は魔術師タイプのゴブリンで、もう一体はファイタータイプのゴブリンだ。
『弐之型 瞬雷』
雷蔵は一声叫ぶと、真ん中の巨大なゴブリンへと駆け出した。その動きは雷光の如く速い。
ヒカリたちも攻撃を始める。ヒカリは魔術師タイプのゴブリンに狙いを定め、魔法を唱えた。
「シャインプリズン!」
光の檻が魔術師ゴブリンを包み込み、動きを封じる。その隙に、カインとラインがファイタータイプのゴブリンに攻撃魔法を放った。
カインは待ちきれない様子で、戦闘狂としての魔力が抑えられないようだった。
ヒカリも、人間の姿を安定して維持できるようになってきたこともあり、明日の夜からダンジョン攻略を再開することを決めた。
「明日の夜から潜ろうか」
ヒカリがそう言うと、カインは満面の笑みを浮かべた。
その表情を見たヒカリは、思わず苦笑いを浮かべる。
その夜、ヒカリたち精霊はいつものように集まっていた。
「明日からダンジョンに潜ろうと思うけど、いいかな?」
カインと同様に、精霊たちからも笑みがこぼれる。
「雷蔵くんはどうする?」
ヒカリが雷蔵に尋ねると、雷蔵は大きく頷いた。
「お供するでござる」
「じゃあ、明日からダンジョンに変更ね」
ヒカリがそう言うと、精霊たちはみな嬉しそうに頷いた。
「明日の晩はそれぞれ子供の姿のお披露目だね」
子供の姿が安定するまでは、主には黙っておくことにしていた。
「フロストは気を付けてね」
ヒカリがフロストに注意を促した。
「何をじゃ?」
フロストはきょとんとした顔で尋ねる。
「エドワードとかに見られないようにってこと」
ヒカリの言葉に、フロストは納得したようだった。
「わかったのじゃ」
次の日、何事もなく一日が過ぎていった。夕食も終え、部屋でくつろぐクラリスたちを見て、ヒカリはカインとラインに子供の姿になるように促した。
「ねーねー、今から驚くことやるから見てて」
ヒカリがそう言うと、クラリスたちは「なになに?」とヒカリの方に注目した。
「カインとラインに注目」
ヒカリの言葉に、クラリスとファナはカインとラインの方に視線を向けた。しかし、モニカにはカインとラインの姿は見えないため、不思議そうな顔をしている。
なぜかモジモジと落ち着かない様子のカインとライン。
「何モジモジしてるの」
ヒカリは笑いながら言った。
「わ、わかっておるわ、やればいいんだろ」
カインが少し照れたように言うと、ラインも頷いた。
カインとラインは魔力操作を始めると、その身体が淡い光を放ち始めた。光は徐々に強くなり、二人の姿を包み込む。
そして次の瞬間、光が収まると、そこに立っていたのは、見慣れた二人の姿ではなく、幼い子供の姿だった。
クラリスとファナは驚いて声が出なかった。しかし、一番驚いたのはモニカだった。彼女の目には、突如として子供が二人現れたように見えたのだ。
「え、え?急に子供が……」
モニカの声に反応するように、クラリスとファナが同時に声を上げた。
「えー、可愛い!」
クラリスとファナは、興奮した様子でカインとラインの手を引っ張り、自分たちの膝の上にちょこんと座らせた。
カインは赤い髪のボーイッシュな子供に、そしてラインは紫の髪のこちらもボーイッシュな子供になった。二人の幼い姿は、普段の姿とは打って変わって愛らしい。
クラリスとファナは「キャーキャー」と騒いで、カインとラインを抱きしめた。
「わー、ちっちゃい……すべすべ……」
クラリスはカインの赤い髪をそっと撫で、その小さな頬に自分の頬を擦り寄せた。
「このままぬいぐるみにしたいくらいだわ!」
ファナは感激したようにラインの頭を撫で続けた。
「や、やめろ……っ、子供扱いするなぁ……!」
カインがじたばたと暴れるが、クラリスの腕の中からは逃げられない。ラインは固まった様にピクリともしない。
「ねーねーヒカリは子供の姿になれないの?」
クラリスが純粋な瞳でヒカリを見上げた。
「なれるよ」
ヒカリはにこやかに答えた。
「なってなって!」
ファナも身を乗り出して懇願する。
ヒカリはクラリスとファナの期待に応えるように、魔力を操作した。ヒカリの身体が淡い光に包まれ、次の瞬間、光が収まると、そこにいたのは金髪でどこか大人しいイメージの子供だった。
(前世の記憶があるからか、姿が昔の自分になるんだよな)
ヒカリは心の中でそう呟き、二人に尋ねた。
「どお?」
「わー!ヒカリも可愛い!」
クラリスとファナは目を輝かせ、子供になったヒカリに抱きついた。
「三人とも、まるで本当の兄弟みたいね!」
モニカは、目の前の光景にようやく笑顔を見せた。
モニカにはカインとラインの精霊の時の姿は見えないが、子供の姿に具現化したカインとラインは見えた。
「あの、ヒカリ様?この子たちは……?」
モニカは、目の前に現れた二人の子供に未だ戸惑いを隠せない。
「この子たちはね、カインとライン。クラリスとファナの契約精霊だよ」
「え、精霊……?」
モニカは驚いた表情をした。
精霊が、このように人間の子供の姿を取ることができるとは想像もしていなかったのだ。
「そうなんだよ。普段はモニカには見えないけど、こうやって人の姿になることもできるようになったんだ。最近、姿を保てるようになってきたから、お披露目しようと思って」
「そうだったのですね……」
モニカはまだ半信半疑といった表情だが、目の前の可愛らしい子供たちに、少しずつ警戒心を解いていくようだった。
クラリスとファナは、すっかりカインとラインに夢中だ。
「ねえ、カイン!いくつなの?お菓子食べる?」
クラリスがそう尋ねるとカインをほっぺを膨らました。。
「だから、子供扱いするな!」
「拗ねた顔も可愛いい!」
クラリスはそう言って、カインをさらに強く抱きしめた。
ファナもラインに、
「今度の休みの日にお洋服買ってあげるね!」
と、まるで自分の子供を相手にするように優しく語りかけた。
ラインは少し照れたように俯いたが、その表情には喜びが滲んでいた。
「ねーねー今日一緒に寝よ」
クラリスとファナがそう言うとカインは拒否しラインは借りてきた猫のように固まっていた。
クラリスたちが寝静まるとようやくカインとラインは解放された
「我はもう子供の姿にならんぞ」
カインはぶつくさと文句を言っていたがラインは満更でもなかった。
深夜、ヒカリたちはダンジョン攻略に向けて集まった。雷蔵も準備万端といった様子だ。
「ヒカリ殿、いつでもいけるでござる!」
「よし、じゃあ行こうか」
ヒカリたちと雷蔵がダンジョンへと向かう。ダンジョンの入り口は、既に見張りの騎士以外の人の気配はなく、静まり返っていた。
一ヶ月ぶりのダンジョン攻略に、精霊たちは皆、やる気に満ち溢れていた。
「雷蔵くんは初めてだからショートカットできないし、一層から一気に下を目指そうか」
ヒカリがそう言うと、精霊たちは一斉に頷いた。
彼らは、最小限の魔物を倒しながら、順調にダンジョンの奥へと進んでいく。その途中、雷蔵がふと疑問を口にした。
「ヒカリ殿、なぜ魔石を拾わないでござる?」
雷蔵の言葉に、ヒカリはきょとんとした。
「え?何で?」
「精霊は魔石を吸収すると、微量ながら魔力が上がるでござる」
雷蔵のその言葉は、ヒカリにとって衝撃的だった。
ヒカリのゲームの知識には、その情報が一切存在しなかったのだ。前世のゲームには精霊を育てるコンテンツなど存在しなかったからだ。
「えー、まじかー」
ヒカリは思わず声を上げた。
そして、すぐに指示を出す。
「みんなストップ!」
ヒカリが急に止まったので、精霊たちは急ブレーキをかけた。
「急に止まると危ないのじゃ」
フロストが声を上げた。
「どうした、ヒカリ?」
カインが心配そうに尋ねる。
ヒカリは雷蔵の話をみんなに伝えた。魔物を倒すと現れる魔石は、時間が経つとダンジョンに吸収されて消えてしまう。しかし、消える前に精霊が体内に吸収すると、微量ながら魔力が上がるというのだ。
「初耳なのじゃ」
フロストが驚いた顔でヒカリを見た。
「いやー、俺も初めて知ったんだよね」
ヒカリは苦笑いを浮かべた。
「これからは魔石を吸収しつつ進もう。ただ、自分と同じ属性だけね」
ヒカリの言葉に、カインは不満そうな顔をした。
「理由はさ、平等性と、違う属性を取り込んだ時の反応が気になるから同属性のだけね」
「う、うむ、わかった」
カインは納得しきれていないようだったが、とりあえず頷いた。
違う属性を取り込んだ時の副作用は未知数であるため、ヒカリは用心のために念を押したのだ。例えば、火属性のカインが弱点属性である水を誤って取り込んだ場合、何が起こるか予測できない。
「とりあえず二十層までは最短で行くよ。じゃあ、出発!」
ヒカリの号令で、彼らは再び進み始めた。ハイスピードで魔物を討伐しつつ、自分と同じ属性の魔石を吸収しながら進む。
その結果、あっさりと二十層に到達した。途中、土属性の魔石が落ちていたが、仲間の精霊に土属性はいない。
(今度ムムくんにお土産として集めとこ)
ヒカリはそう思いながら、土属性の魔石を体内にしまっていった。
二十層に到達すると、彼らはボス部屋へと入っていった。
「あれ、また雰囲気違うね……」
ヒカリが呟くと、カインが顔をしかめた。
「えー、また亜種ボス?」
ボス部屋の中の魔力の質が明らかに違う。
濃密な魔力が辺りを包み込んでいる。部屋の奥には巨大なゴブリンが鎮座しており、その隣にはさらに左右に一体ずつ、ゴブリンが配置されている。
雷蔵がスッと前に出ると、青年の姿へと変化した。
「雷蔵くんがやる?」
ヒカリが尋ねると、雷蔵は凛とした声で答えた。
「良いでござるか?」
「うん、隣のゴブリンは俺たちがやるね」
ヒカリたちは巨大なゴブリンの隣にいる二体を相手することにした。
「かたじけないでござる」
雷蔵はそう言うと、真ん中の巨大なゴブリンへと視線を向けた。ヒカリたちも戦闘体勢に入る。側近の一体は魔術師タイプのゴブリンで、もう一体はファイタータイプのゴブリンだ。
『弐之型 瞬雷』
雷蔵は一声叫ぶと、真ん中の巨大なゴブリンへと駆け出した。その動きは雷光の如く速い。
ヒカリたちも攻撃を始める。ヒカリは魔術師タイプのゴブリンに狙いを定め、魔法を唱えた。
「シャインプリズン!」
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