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第183話 終演と今後
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狂暴走化したカインを無事回収し、世界樹の聖域に瘴気の根源となっていた魔石を取り除いたヒカリは、安堵の息を漏らした。だが、まだ安心はできない。
死の森では、カインという嵐の中心が消えたことで、魔物たちの矛先が別の存在へと向かっているはずだ。
「カインのこと、頼んだよ。俺は死の森に戻るね」
ヒカリは、腕の中でいまだ不満そうに腕組みしているチビ太カインをフロストに預けた。
「分かったのじゃ」
フロストが恭しく応じる。
「ヒカリ、気をつけてね!」
エルが心配そうに声をかけた。
「じゃあ行ってくるね」
ヒカリは力強く頷くと、再び光の結界を展開し、死の森へと飛び立っていった。
死の森では、まさに地獄絵図が繰り広げられていた。カインという「極上の餌」が突如消えたことにより、その矛先は、死の森に放り込まれたボスと、ボスを抑え込む雷蔵へと集中していた。
「ウォォォォォォォォォォォッ!!」
「ガアアアアアアアアアアアッ!!」
瘴気に狂った魔物たちが、飢えた獣のように雷蔵とボスに襲いかかる。ボスは、自身が放り込まれた状況に激昂し、次々と闇魔法を放って魔物を薙ぎ払っていた。彼の目は、雷蔵を睨みつけている。
「貴様ぁ!よくも俺様をこんな場所へ突き飛ばしやがったな!」
ボスが叫ぶが、雷蔵は冷静だった。
彼にとって、これほどの強敵と、圧倒的な数の魔物を同時に相手にするのは、武人としての血が騒ぐ状況だ。
そして何より、ヒカリから課せられた「血を流さない」という足枷が、死の森へと移動したことで解除された。
「ふはははは!面白い!ようやく全力が出せるでござるな!」
雷蔵の顔に、愉悦の笑みが浮かんだ。
彼の全身から、これまでの比ではないほどの雷の魔力が迸る。その場に立つ雷蔵の周囲は、まさに雷鳴轟く嵐の中心と化した。
壱之型 閃雷
雷蔵の剣が、一閃。それはもはや目で追うことのできない神速の剣撃だった。これまでの一撃とは比べ物にならない、本来の雷蔵の真の剣技だ。
激しい音が鳴り響く、雷の刃が、目に見えない速度で空間を切り裂いて地面には、深く切り裂かれた痕が残っていた。
死の森の魔物たちがバタバタと倒れ込む。
弐之型 瞬雷
魔物たちの群れの中を駆け抜ける雷蔵の軌跡は、まるで稲妻が大地を走るかのようだった。
参之型 雷刀連撃
魔物との間合いを詰めた雷蔵は、休む間もなく、刀による突きを連続で繰り出した。
襲いかかる魔物の攻撃を巧みに躱しつつ連撃を叩き込む。
「何だ、この動きは……!?」
ボスは、雷蔵の豹変した動きに驚愕した。
これまで攻撃を避けることに終始していた剣士が、まるで別人のような圧倒的な速度と力で、周囲の魔物を制圧していく。
雷蔵の目的は、魔物を排除しつつボスを完膚なきまでに叩きのめすことだ。彼は魔物の波を切り裂き、まっすぐにボスへと向かっていった。
肆之型 雷刀剣舞
急速に刀を振り回すことで、雷のような速さでボスの防御魔法を粉砕し一瞬でボスを切り裂く迅速さと、雷のような衝撃を与え、その瞬間、空気が引き裂かれる音が鳴り響く。
「ぐっ……!馬鹿な……こんな力が……」
ボスは、雷蔵の一撃に膝をついた。
彼の体には、明確な斬撃の痕跡が刻まれた。雷蔵は、最早躊躇なく、魔物を斬り、ボスを斬りつける。
ヒカリが死の森に到着した時、そこに広がっていたのは、驚くべき光景だった。
カインの黒炎による焦げ跡が広がる中、雷蔵の放つ雷光が森の奥深くまで届き、次々と魔物たちを沈黙させている。ボスの姿も、雷蔵によって制圧されているのが見て取れた。
「雷蔵くん、すげー!」
ヒカリは思わず叫んだ。
彼の周りには、すでに動かなくなった魔物の屍が山と積まれている。
「ふはははは!ヒカリ殿!これで死の森も少しは綺麗になるでござるな!」
雷蔵は爽やかな笑顔で振り返った。
その顔には、一切の疲れが見えない。
「カインと同じ物を感じるな……ま、いっか。どうせ瘴気に汚染された森だし」
ヒカリは諦めたように肩をすくめた。
確かに、瘴気で満たされた死の森の魔物たちを、浄化するよりも排除する方が手っ取り早いのかもしれない。
ヒカリは、ボスへと近づく、雷蔵に斬られたボスは、地面に倒れ伏しているが、まだ息はある。
「貴様ら……一体、何者だ……」
ボスが、苦しそうに呟くとその言葉に、ヒカリはゆっくりと答えた。
「俺たちは、この世界を守る精霊だよ。お前たちの好きにはさせない」
「ねーねー何で俺のこと見えてるの?」
「・・・・」
その人物は何も語らない。
ヒカリは、ボスの体内から精霊核のわずかな魔力を感知した。
彼は、人ではあるが、その魔力は何かによってひどく歪められている。
この人物の内からカインと同じように、瘴気に侵されて暴走している精霊を感じた。
ヒカリは、手をかざし、最後の魔法を放った。
「浄化」
強烈な光が、その人物の全身を包み込んだ。
その人物は苦悶の声を上げたが、やがてその声は消え、彼の体から禍々しい瘴気が抜けていく。瘴気が完全に抜けきると、その人物の中から小さく可愛らしい闇の精霊が姿を見せた。その姿は、まるでチビ太カインと同じような、手のひらサイズだった。
「え?闇精霊?」
ヒカリは、その人物の中から現れた闇の精霊をそっと抱き上げた。
「雷蔵くんそろそろ戻るよ」
雷蔵はボスを倒した後も魔物相手に笑みを浮かべながら戦っていた。
「分かったでござる」
満足したのか雷蔵はヒカリの元へと戻ってきた。
全ての瘴気生成装置が無力化され、黒フードの者たちとその人物が排除されたことで、世界樹の危機はひとまず去った。
ヒカリたちは、世界樹の聖域へと戻っるとそこでは、残りの精霊たちが、チビ太になったカインを囲んで和やかに過ごしていた。
「ヒカリ、雷蔵くんおかえり!」
エルが駆け寄ってきた。
「ただいま、これでとりあえず一件落着かな」
ヒカリは、腕に抱えたチビ闇の精霊を見せた。
「わぁ!カインみたい!」
エルが目を輝かせた。
「ふむ……新たな仲間でござるか」
雷蔵が興味深そうにチビ闇の精霊を覗き込む。
「またチビが増えたな」
ラインが呆れたように言った。
「う、うるさい!チビ呼ばわりするな!」
チビ太カインが反論する。
「この子は、闇の精霊だよ」
「ボスを浄化したら体内からこの子が出てきたんだ」
ヒカリは精霊たちに説明した。
「しばらくは、この子もチビカインと一緒に世話することにしたんだ」
ヒカリの言葉に、精霊たちは頷く。
「さて、これで一区切りついたからエルフの女王に報告しいとな」
ヒカリは、今後のことを考え始めた。
今回の事は、明確な意思を持った存在が、世界樹を狙っていたのだ。そして、その背後には、まだ見ぬ黒幕がいる可能性が高い。
(ゲームと同じなら察しは付いてるけどゲーム基準で考えると危ない気がするんだよな……)
ヒカリは、自身の体内に収めた浄化された魔石に触れながら物思いにふけっていた。
「それにしても、今回のことで精霊の能力も色々と分かったね」
「瘴気を取り込むと闇堕ちすること、浄化すれば元に戻ること、そして、浄化するとチビ太になること……」
ヒカリは、チビ太カインとチビ闇の精霊を交互に見た。
「しばらくは、世界樹の守りを固める必要があるね」
「そして、この事件の黒幕を突き止めないとな」
ヒカリの瞳には、強い決意が宿っていた。
世界樹の危機は去ったが、ヒカリの戦いは、まだ終わらない、クラリスの住むこの世界を守りクラリスを幸せにすることがヒカリの最終目的だからだ。
死の森では、カインという嵐の中心が消えたことで、魔物たちの矛先が別の存在へと向かっているはずだ。
「カインのこと、頼んだよ。俺は死の森に戻るね」
ヒカリは、腕の中でいまだ不満そうに腕組みしているチビ太カインをフロストに預けた。
「分かったのじゃ」
フロストが恭しく応じる。
「ヒカリ、気をつけてね!」
エルが心配そうに声をかけた。
「じゃあ行ってくるね」
ヒカリは力強く頷くと、再び光の結界を展開し、死の森へと飛び立っていった。
死の森では、まさに地獄絵図が繰り広げられていた。カインという「極上の餌」が突如消えたことにより、その矛先は、死の森に放り込まれたボスと、ボスを抑え込む雷蔵へと集中していた。
「ウォォォォォォォォォォォッ!!」
「ガアアアアアアアアアアアッ!!」
瘴気に狂った魔物たちが、飢えた獣のように雷蔵とボスに襲いかかる。ボスは、自身が放り込まれた状況に激昂し、次々と闇魔法を放って魔物を薙ぎ払っていた。彼の目は、雷蔵を睨みつけている。
「貴様ぁ!よくも俺様をこんな場所へ突き飛ばしやがったな!」
ボスが叫ぶが、雷蔵は冷静だった。
彼にとって、これほどの強敵と、圧倒的な数の魔物を同時に相手にするのは、武人としての血が騒ぐ状況だ。
そして何より、ヒカリから課せられた「血を流さない」という足枷が、死の森へと移動したことで解除された。
「ふはははは!面白い!ようやく全力が出せるでござるな!」
雷蔵の顔に、愉悦の笑みが浮かんだ。
彼の全身から、これまでの比ではないほどの雷の魔力が迸る。その場に立つ雷蔵の周囲は、まさに雷鳴轟く嵐の中心と化した。
壱之型 閃雷
雷蔵の剣が、一閃。それはもはや目で追うことのできない神速の剣撃だった。これまでの一撃とは比べ物にならない、本来の雷蔵の真の剣技だ。
激しい音が鳴り響く、雷の刃が、目に見えない速度で空間を切り裂いて地面には、深く切り裂かれた痕が残っていた。
死の森の魔物たちがバタバタと倒れ込む。
弐之型 瞬雷
魔物たちの群れの中を駆け抜ける雷蔵の軌跡は、まるで稲妻が大地を走るかのようだった。
参之型 雷刀連撃
魔物との間合いを詰めた雷蔵は、休む間もなく、刀による突きを連続で繰り出した。
襲いかかる魔物の攻撃を巧みに躱しつつ連撃を叩き込む。
「何だ、この動きは……!?」
ボスは、雷蔵の豹変した動きに驚愕した。
これまで攻撃を避けることに終始していた剣士が、まるで別人のような圧倒的な速度と力で、周囲の魔物を制圧していく。
雷蔵の目的は、魔物を排除しつつボスを完膚なきまでに叩きのめすことだ。彼は魔物の波を切り裂き、まっすぐにボスへと向かっていった。
肆之型 雷刀剣舞
急速に刀を振り回すことで、雷のような速さでボスの防御魔法を粉砕し一瞬でボスを切り裂く迅速さと、雷のような衝撃を与え、その瞬間、空気が引き裂かれる音が鳴り響く。
「ぐっ……!馬鹿な……こんな力が……」
ボスは、雷蔵の一撃に膝をついた。
彼の体には、明確な斬撃の痕跡が刻まれた。雷蔵は、最早躊躇なく、魔物を斬り、ボスを斬りつける。
ヒカリが死の森に到着した時、そこに広がっていたのは、驚くべき光景だった。
カインの黒炎による焦げ跡が広がる中、雷蔵の放つ雷光が森の奥深くまで届き、次々と魔物たちを沈黙させている。ボスの姿も、雷蔵によって制圧されているのが見て取れた。
「雷蔵くん、すげー!」
ヒカリは思わず叫んだ。
彼の周りには、すでに動かなくなった魔物の屍が山と積まれている。
「ふはははは!ヒカリ殿!これで死の森も少しは綺麗になるでござるな!」
雷蔵は爽やかな笑顔で振り返った。
その顔には、一切の疲れが見えない。
「カインと同じ物を感じるな……ま、いっか。どうせ瘴気に汚染された森だし」
ヒカリは諦めたように肩をすくめた。
確かに、瘴気で満たされた死の森の魔物たちを、浄化するよりも排除する方が手っ取り早いのかもしれない。
ヒカリは、ボスへと近づく、雷蔵に斬られたボスは、地面に倒れ伏しているが、まだ息はある。
「貴様ら……一体、何者だ……」
ボスが、苦しそうに呟くとその言葉に、ヒカリはゆっくりと答えた。
「俺たちは、この世界を守る精霊だよ。お前たちの好きにはさせない」
「ねーねー何で俺のこと見えてるの?」
「・・・・」
その人物は何も語らない。
ヒカリは、ボスの体内から精霊核のわずかな魔力を感知した。
彼は、人ではあるが、その魔力は何かによってひどく歪められている。
この人物の内からカインと同じように、瘴気に侵されて暴走している精霊を感じた。
ヒカリは、手をかざし、最後の魔法を放った。
「浄化」
強烈な光が、その人物の全身を包み込んだ。
その人物は苦悶の声を上げたが、やがてその声は消え、彼の体から禍々しい瘴気が抜けていく。瘴気が完全に抜けきると、その人物の中から小さく可愛らしい闇の精霊が姿を見せた。その姿は、まるでチビ太カインと同じような、手のひらサイズだった。
「え?闇精霊?」
ヒカリは、その人物の中から現れた闇の精霊をそっと抱き上げた。
「雷蔵くんそろそろ戻るよ」
雷蔵はボスを倒した後も魔物相手に笑みを浮かべながら戦っていた。
「分かったでござる」
満足したのか雷蔵はヒカリの元へと戻ってきた。
全ての瘴気生成装置が無力化され、黒フードの者たちとその人物が排除されたことで、世界樹の危機はひとまず去った。
ヒカリたちは、世界樹の聖域へと戻っるとそこでは、残りの精霊たちが、チビ太になったカインを囲んで和やかに過ごしていた。
「ヒカリ、雷蔵くんおかえり!」
エルが駆け寄ってきた。
「ただいま、これでとりあえず一件落着かな」
ヒカリは、腕に抱えたチビ闇の精霊を見せた。
「わぁ!カインみたい!」
エルが目を輝かせた。
「ふむ……新たな仲間でござるか」
雷蔵が興味深そうにチビ闇の精霊を覗き込む。
「またチビが増えたな」
ラインが呆れたように言った。
「う、うるさい!チビ呼ばわりするな!」
チビ太カインが反論する。
「この子は、闇の精霊だよ」
「ボスを浄化したら体内からこの子が出てきたんだ」
ヒカリは精霊たちに説明した。
「しばらくは、この子もチビカインと一緒に世話することにしたんだ」
ヒカリの言葉に、精霊たちは頷く。
「さて、これで一区切りついたからエルフの女王に報告しいとな」
ヒカリは、今後のことを考え始めた。
今回の事は、明確な意思を持った存在が、世界樹を狙っていたのだ。そして、その背後には、まだ見ぬ黒幕がいる可能性が高い。
(ゲームと同じなら察しは付いてるけどゲーム基準で考えると危ない気がするんだよな……)
ヒカリは、自身の体内に収めた浄化された魔石に触れながら物思いにふけっていた。
「それにしても、今回のことで精霊の能力も色々と分かったね」
「瘴気を取り込むと闇堕ちすること、浄化すれば元に戻ること、そして、浄化するとチビ太になること……」
ヒカリは、チビ太カインとチビ闇の精霊を交互に見た。
「しばらくは、世界樹の守りを固める必要があるね」
「そして、この事件の黒幕を突き止めないとな」
ヒカリの瞳には、強い決意が宿っていた。
世界樹の危機は去ったが、ヒカリの戦いは、まだ終わらない、クラリスの住むこの世界を守りクラリスを幸せにすることがヒカリの最終目的だからだ。
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