光精霊に転生した俺は悪役令嬢推しでした!

ほんわか

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第184話 帰還と報告

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世界樹の聖域に平和が戻り、精霊たちは久々の休息を取っていた。世界樹自身も、瘴気の根源が絶たれたことで、ゆっくりと本来の力を取り戻しつつある。しかし、ヒカリの心には、今回の事件の全貌解明という新たな使命が芽生えていた。

「俺だけ一旦エルフの里に戻るね」

「女王様とララに、今回の件を報告しに行ってくる」
ヒカリの言葉に、精霊たちは頷いた。

「ムム、先に戻ってララに報告してて少ししたら女王様に報告に伺うって」

「ムム分かった」
ムムは頷くと凄い勢いで走ってエルフの里へと戻って行った。

チビ太になったカインと、浄化されたばかりのチビ闇の精霊は、フロストの膝の上で寄り添うように眠っている。

「ヒカリ殿、この闇の精霊は、どうするのでござるか?」
雷蔵が尋ねるとヒカリは少し考えた。

「この子は、俺が面倒を見るよ。何かの実験の影響で小さくなってるけど、きっと元に戻れるはずだ。それに、この子も被害者だからね」
ヒカリは優しく答え、魔力回復の為に眠る闇の精霊を見つめた。

彼ら精霊にとって、闇精霊だとしても同胞が苦しんでいる姿を見るのは辛いことだ。

一時間後、ヒカリはエルフの里へと向かう、夜の闇に紛れて移動し、人気のない時間帯に女王の私室へと直接向かった。

「女王様、ララ、報告にきたよ」
ヒカリが声をかけると、部屋の奥からエルフの女王とララとムムが、姿を現した。

女王たちは、夜遅くの訪問にも関わらず待っていた、ムムからの説明とヒカリの姿を見たことにより安堵の色が浮かんでいる。

「ヒカリ!無事だったのですね!ララからあなたが戻って来ると聞いて、心配しておりました」
女王が安堵の表情で迎えた。

ララもまた、ヒカリの無事な姿を見て、そっと胸を撫で下ろす。

「お陰様で、無事に瘴気の根源を断つことが出来たよ」
ヒカリは笑顔で答えた。

「そうなのですね!大地の淀んだ魔力も、少しずつですが清らかになっていくのを感じています。本当にありがとう、ヒカリ」
女王は心から感謝の言葉を述べた。

「さて、本題に入るね、今回の事件の背景について、いくつか分かったことがあるんだ」
ヒカリは、今回の作戦で判明した事実を、女王とララに詳細に報告し始めた。

「まず、瘴気の根源となっていたのは、合計三か所に設置された瘴気生成装置で、これらは調査様にニか所は、保存して一番大きい装置は破壊して中から強力な魔瘴石を回収したんだ」
ヒカリは、自身の体内に収納した魔石の情報を共有した。

「魔瘴石……?それは一体、どのようなものなのですか?」
女王が、興味深げに尋ねた。

「見た目は普通の魔石なんだけど瘴気を吸収し、凝縮して周囲にばらまくという、特殊な効果を持ってたんだ。」

「何か特殊な技術で作られたものだと思う」
ヒカリの言葉に、女王とララは顔を見合わせた。

「特殊な技術……?」
ララが戸惑ったように呟いた。

「うん、そして、この装置を操作していたのは、黒いフードを被った人間たちで、彼らは、精霊である僕たちの位置を正確に把握してたんだ、通常の魔力感知ではありえないはずなんだ」
ヒカリは、戦いの最中に抱いた疑問を口にした。

「つまり、彼らは何らかの特殊な方法で、精霊の存在を感知していた、と?」
女王が眉をひそめて尋ねる。

「その可能性が高いと思う、そして、最後に戦った彼らのボスは、闇精霊を体内に取り込んでいたんだ」
その言葉に、女王とララの顔に驚愕の色が浮かんだ。

「え?……闇精霊を体内に……?」

「うん、闇精霊を体内に取り込むことによって潜在能力がかなり上がっていたよ」
女王は信じられないといった様子で、ヒカリを見つめた。

「今回の事件は、瘴気を利用して世界樹を弱体化させようとする、明確な意思を持った存在による組織的な犯行なんだ」
ヒカリはエルフの女王へ断言した。

「そして、その背後には、精霊の特性を熟知し、外部の技術を用いるような、強力な黒幕がいる可能性が高いんだよね、だから俺たちの戦いは、まだ終わってないんだ」
ヒカリの報告は、女王とララに大きな衝撃を与えた。

彼らが考えていたよりも、事態ははるかに深刻だったのだ。

(ゲームでは敵が闇精霊を体内に取り込むって下りは無かったんだよな……ただ、闇を崇拝してる集団ってだけで)

ヒカリは心の中で、前世の記憶と目の前の現実との差異を比較していた。『エテルニアの誓い』というゲームでは、敵組織は闇を崇拝する集団として描かれていた。だが、まさかその崇拝対象である闇精霊を、肉体強化のために体内に取り込むなどとは、想定外だった。

(崇拝してる闇の精霊を肉体強化のために体内に取り込むって、冒涜以外の何物でもないけど……考え方が違うのかな)
ヒカリは首を傾げた。

それは、闇を崇拝し闇と共に生きる考え方とは、あまりにもかけ離れた思想だった。

(それに敵を浄化するって項目はゲームに存在しなかったからな)

『エテルニアの誓い』の世界では、敵を倒すことが目的であり、「浄化」という概念は存在しなかった。この世界では、闇精霊を救い出すことができる。この事実もまた、ゲームとは異なる重要な要素だった。

女王とララは、ヒカリの報告に耳を傾けながらも、その言葉の重みに静かに耐えていた。

「そんな……闇精霊を取り込み、世界樹を狙う者がいるなどと……」
女王は、静かに目を閉じた。彼女の顔には、深い憂慮が浮かんでいる。

世界樹が狙われたことで事態は一国の問題では無い、世界樹が枯れれば世界が崩壊する、土地は枯れ、海は荒れ、光が届かぬ世界、全ての生物が死滅する世界へとなるだろう。

王女は、今後対応を五国で話し合わなければならないと考えた。
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