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第六章 新床の城
新床の城
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鶴を食べれば妙は治るという多田羅の思い込みは、どうやら天に通じたらしい。
鶴汁を与えられた妙はみるみる回復した。
鶴汁――中身は伊勢国の昆布で丁寧に出汁を取ったものに、すり鉢で丁寧にすりつぶした鶴の団子を浮かべた澄まし汁である。二日目からは肉をこそげた骨からも出汁を取り、それを濾したものも、鶴汁と合わせて出された。三日目はくたくたに煮込んだ白菜や葱も添えられ味噌仕立てになった 四日目にはすりおろした大根おろしが添えられた酒粕汁になった。
日に日に鶴汁の中身が充実し、味つけが濃くなっていくのは、鶴松も妙と同じように回復しているからだろうと、多田羅は考えた。
この鶴汁を食べるのは、鶴松と妙の二人のみである。秀吉すら口に入れることはなかった。
そして多田羅を欺いて妙に烏の肉を食わそうとした気まずさもあってか、秀吉の多田羅に対する扱いは、気遣いに溢れたものになった。
毎日、鶴松のお匙が来て、妙の容態を見、薬を与えてくれる。
そうして、大阪城に滞在して十日目、ついに妙の体は完全に恢復した。根尾で発病してから一カ月近くが過ぎていた。
床を上げ、多田羅とともに部屋から中壺に植えられた寒椿を見ていた妙が、ふと漏らすように呟いた。
「助信様がお命をくれました」
(助信ではない。鶴がお前の命を救ったのだ)
そう多田羅は言いたかったが、押しつけがましいなとぐっと腹に飲み込んだ。ともかく多田羅にとって、妙が元気になったのは嬉しいことだった。
ぽとりと落ちた寒椿の花を見ながら
「早う根尾谷に帰りたいな」
妙の細い腰を抱いて、そう呟いた。
ともに雪の道中を歩いた縁で九能善治がいろいろと手を回してくれ、暮らしに不自由はない。九能は何かにつけ、関白様が、御台様がと口にし、墨で額に「主命厳命」と大書きされているような男だが、根は親切らしい。
多田羅や班目らが退屈せぬようにと、自分の居室に気軽に呼び、茶器や織物の話などあれこれと語ってくれる。
班目も感心して聞き入っている。
「九能殿のお話、なかなか面白いものですな」
妙にしても、九能から仕入れた話を聞かせると喜ぶ。
しかし、野育ちの多田羅は、この大阪城はどうも窮屈な心地がして落ち着かない。
ある日、妙は、いつものように多田羅と一つ布団に入り、その床の温かみの中で多田羅の胸にしがみつき、「この天下一の大阪城に、ずっといたい」と口にした。
多田羅は笑った。
「それは俺が豊臣秀吉の傍で仕えぬ限り、無理だ」
仕えたとしても、新参者が城内に部屋を与えられるはずもなく、ましてや妻女を住まわせることなどできないのだが、多田羅はそんなことすら知らなかった。
「妙はずっとこの大阪城にいたい」
甘えるように、妙はまた同じ言葉を繰り返した。
それほど天下一のこの城がよいか、俺はお前のために命をかけたのだぞと多田羅は怒っていいはずだった。
しかし、多田羅は喜んだ。
「それほどまでこの大阪城に焦がれるのは、やはり、お前はどこぞの大名家の血を継いでいるからだ」
「私は百姓の子」
妙はいつものようにそう言ったが、多田羅は聞かなかった。
そんな女を妻にできた、これぞ男の真の本懐だと、多田羅は無邪気に喜んでいた。
しかし同じ日、大阪城内は深い悲しみに包まれていた。長く病を患っていた秀吉の弟、大納言秀長が大和の山城の屋敷で身罷ったという知らせが届いたのである。
秀長の病死は一月二十二日のことであったが、その死は鶴松の病で不安定な秀吉を慮って、十日余り伏せられていた。
それが鶴松の回復の兆しを受け、ついに秀吉の元に届けられた。
亡くなった秀長は温厚篤実な人柄で誰からも慕われる、豊臣政権を支える屋台骨という人物である。もしこの人に唯一欠点があるとすれば兄の秀吉同様に、跡継ぎに恵まれないことだった。
正室との間に一男二女がいたが、男児は早世し、長女は政略結婚で毛利家に嫁ぎ、あとには四歳の女児、お菊が残るばかりであった。それでも正室思いで一途なたちの秀長は、秀吉にいくら勧められても側室を持とうとせず、そのまま世を去った。
秀吉の親類縁者に連なる男たちには奇妙な共通点があった。
子種がなかったり、精神や体が虚弱な者が多い。秀吉の姉の朋(とも)には、秀次、秀勝、秀保(ひでやす)という三人の男子がいたが、粗暴で激しやすい秀次、隻眼(せきがん)の秀勝、脆弱な秀保と、誰をとっても欠点ばかりが目と鼻につくような兄弟であった。
正室おねの血縁者は比較的、健康な男が多かった。それでも、甥の豊臣秀秋(後の小早川秀秋)――彼も子種がなかった――をはじめとする四人の甥は茶や和歌の才には長けたが、秀吉の天下を支えるほどの器量は持ち合わせていなかった。
いうなれば天は、秀吉という一個の人間に怪物じみた英知を与え、その引き換えに残り滓のような男共を選りすぐってその周りに配したのかもしれなかった。
秀長の死の知らせを受けて、北政所おねを中心に豊民一族の面々が大阪城に一堂に会し、秀長の跡継ぎ問題を話しあっていたことを、妙と無邪気に過ごす、多田羅は知らない。
話し合いは遅々として進まない。そこにいる男たち、その誰にも秀長の広大な所領を受け継ぐ度量がないという歴とした現実に、秀吉やおねが放つ、どんな言葉も上滑りするようであった。
結局、秀長の跡目は、朋の三男で十三歳の秀保が継ぐことになった。
四歳のお菊と秀保は慌ただしく祝言を上げ、養嗣子として諸大名らに披露された。こうして秀長の遺領を受け継いだ秀保は、大和郡山城主となった。
大納言秀長の死という悲しみを豊臣一族がやりすごす間にも、秀吉の一子、鶴松は順調に回復していた。
鶴松が床を上げ、外で元気に遊べるようになるまで大阪に留まれという秀吉の命を受け、多田羅と妙はそれから二十日あまりを城内で過ごした。
その間に妙は初潮を迎え、天下一の城、大阪城が二人の新床の場となった。
その日、妙は額に珠のような汗を浮かべ、多田羅の体に耐えた。
多田羅もまた小さな妙の中を壊してしまわぬよう、息を殺して、動かぬようじっと身を縮め、初めての快楽に耐えている。
長い長い時間をかけて、ようやく妙の中に精を放ったとき、なぜだか多田羅は妙を失ってしまうという恐怖に衝かれた。
どくどくと波打つような精は、瞬く間に妙の足の間から溢れて、二人の体を濡らし冷やした。その冷たさに多田羅の怯えが募った。
多田羅は「俺は怖いのだ」とすぐにまた、妙の裸形(らぎょう)にきつくしがみついた。
妙の唇からは甘い吐息ともに
「礼様はきっと大丈夫でございまする」
と落ち着いた声が返ってきた。
それはもう童女のものではなく、女の声音であった。
多田羅は首を振って、妙の首筋にむしゃぶりついた。
「俺はお前を二度と失いたくない!」
うふっと妙が声を立てて笑った。
「妙はどこにも行きませぬ。ずっと多田羅様のそばにおりまする」
「必ずだぞ!」
多田羅はそう言うと妙の目の光を確かめ、それから激しくその唇を吸った。
鶴汁を与えられた妙はみるみる回復した。
鶴汁――中身は伊勢国の昆布で丁寧に出汁を取ったものに、すり鉢で丁寧にすりつぶした鶴の団子を浮かべた澄まし汁である。二日目からは肉をこそげた骨からも出汁を取り、それを濾したものも、鶴汁と合わせて出された。三日目はくたくたに煮込んだ白菜や葱も添えられ味噌仕立てになった 四日目にはすりおろした大根おろしが添えられた酒粕汁になった。
日に日に鶴汁の中身が充実し、味つけが濃くなっていくのは、鶴松も妙と同じように回復しているからだろうと、多田羅は考えた。
この鶴汁を食べるのは、鶴松と妙の二人のみである。秀吉すら口に入れることはなかった。
そして多田羅を欺いて妙に烏の肉を食わそうとした気まずさもあってか、秀吉の多田羅に対する扱いは、気遣いに溢れたものになった。
毎日、鶴松のお匙が来て、妙の容態を見、薬を与えてくれる。
そうして、大阪城に滞在して十日目、ついに妙の体は完全に恢復した。根尾で発病してから一カ月近くが過ぎていた。
床を上げ、多田羅とともに部屋から中壺に植えられた寒椿を見ていた妙が、ふと漏らすように呟いた。
「助信様がお命をくれました」
(助信ではない。鶴がお前の命を救ったのだ)
そう多田羅は言いたかったが、押しつけがましいなとぐっと腹に飲み込んだ。ともかく多田羅にとって、妙が元気になったのは嬉しいことだった。
ぽとりと落ちた寒椿の花を見ながら
「早う根尾谷に帰りたいな」
妙の細い腰を抱いて、そう呟いた。
ともに雪の道中を歩いた縁で九能善治がいろいろと手を回してくれ、暮らしに不自由はない。九能は何かにつけ、関白様が、御台様がと口にし、墨で額に「主命厳命」と大書きされているような男だが、根は親切らしい。
多田羅や班目らが退屈せぬようにと、自分の居室に気軽に呼び、茶器や織物の話などあれこれと語ってくれる。
班目も感心して聞き入っている。
「九能殿のお話、なかなか面白いものですな」
妙にしても、九能から仕入れた話を聞かせると喜ぶ。
しかし、野育ちの多田羅は、この大阪城はどうも窮屈な心地がして落ち着かない。
ある日、妙は、いつものように多田羅と一つ布団に入り、その床の温かみの中で多田羅の胸にしがみつき、「この天下一の大阪城に、ずっといたい」と口にした。
多田羅は笑った。
「それは俺が豊臣秀吉の傍で仕えぬ限り、無理だ」
仕えたとしても、新参者が城内に部屋を与えられるはずもなく、ましてや妻女を住まわせることなどできないのだが、多田羅はそんなことすら知らなかった。
「妙はずっとこの大阪城にいたい」
甘えるように、妙はまた同じ言葉を繰り返した。
それほど天下一のこの城がよいか、俺はお前のために命をかけたのだぞと多田羅は怒っていいはずだった。
しかし、多田羅は喜んだ。
「それほどまでこの大阪城に焦がれるのは、やはり、お前はどこぞの大名家の血を継いでいるからだ」
「私は百姓の子」
妙はいつものようにそう言ったが、多田羅は聞かなかった。
そんな女を妻にできた、これぞ男の真の本懐だと、多田羅は無邪気に喜んでいた。
しかし同じ日、大阪城内は深い悲しみに包まれていた。長く病を患っていた秀吉の弟、大納言秀長が大和の山城の屋敷で身罷ったという知らせが届いたのである。
秀長の病死は一月二十二日のことであったが、その死は鶴松の病で不安定な秀吉を慮って、十日余り伏せられていた。
それが鶴松の回復の兆しを受け、ついに秀吉の元に届けられた。
亡くなった秀長は温厚篤実な人柄で誰からも慕われる、豊臣政権を支える屋台骨という人物である。もしこの人に唯一欠点があるとすれば兄の秀吉同様に、跡継ぎに恵まれないことだった。
正室との間に一男二女がいたが、男児は早世し、長女は政略結婚で毛利家に嫁ぎ、あとには四歳の女児、お菊が残るばかりであった。それでも正室思いで一途なたちの秀長は、秀吉にいくら勧められても側室を持とうとせず、そのまま世を去った。
秀吉の親類縁者に連なる男たちには奇妙な共通点があった。
子種がなかったり、精神や体が虚弱な者が多い。秀吉の姉の朋(とも)には、秀次、秀勝、秀保(ひでやす)という三人の男子がいたが、粗暴で激しやすい秀次、隻眼(せきがん)の秀勝、脆弱な秀保と、誰をとっても欠点ばかりが目と鼻につくような兄弟であった。
正室おねの血縁者は比較的、健康な男が多かった。それでも、甥の豊臣秀秋(後の小早川秀秋)――彼も子種がなかった――をはじめとする四人の甥は茶や和歌の才には長けたが、秀吉の天下を支えるほどの器量は持ち合わせていなかった。
いうなれば天は、秀吉という一個の人間に怪物じみた英知を与え、その引き換えに残り滓のような男共を選りすぐってその周りに配したのかもしれなかった。
秀長の死の知らせを受けて、北政所おねを中心に豊民一族の面々が大阪城に一堂に会し、秀長の跡継ぎ問題を話しあっていたことを、妙と無邪気に過ごす、多田羅は知らない。
話し合いは遅々として進まない。そこにいる男たち、その誰にも秀長の広大な所領を受け継ぐ度量がないという歴とした現実に、秀吉やおねが放つ、どんな言葉も上滑りするようであった。
結局、秀長の跡目は、朋の三男で十三歳の秀保が継ぐことになった。
四歳のお菊と秀保は慌ただしく祝言を上げ、養嗣子として諸大名らに披露された。こうして秀長の遺領を受け継いだ秀保は、大和郡山城主となった。
大納言秀長の死という悲しみを豊臣一族がやりすごす間にも、秀吉の一子、鶴松は順調に回復していた。
鶴松が床を上げ、外で元気に遊べるようになるまで大阪に留まれという秀吉の命を受け、多田羅と妙はそれから二十日あまりを城内で過ごした。
その間に妙は初潮を迎え、天下一の城、大阪城が二人の新床の場となった。
その日、妙は額に珠のような汗を浮かべ、多田羅の体に耐えた。
多田羅もまた小さな妙の中を壊してしまわぬよう、息を殺して、動かぬようじっと身を縮め、初めての快楽に耐えている。
長い長い時間をかけて、ようやく妙の中に精を放ったとき、なぜだか多田羅は妙を失ってしまうという恐怖に衝かれた。
どくどくと波打つような精は、瞬く間に妙の足の間から溢れて、二人の体を濡らし冷やした。その冷たさに多田羅の怯えが募った。
多田羅は「俺は怖いのだ」とすぐにまた、妙の裸形(らぎょう)にきつくしがみついた。
妙の唇からは甘い吐息ともに
「礼様はきっと大丈夫でございまする」
と落ち着いた声が返ってきた。
それはもう童女のものではなく、女の声音であった。
多田羅は首を振って、妙の首筋にむしゃぶりついた。
「俺はお前を二度と失いたくない!」
うふっと妙が声を立てて笑った。
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