【完結】片腕の聖女

月森冬夜

文字の大きさ
14 / 23

14.暗雲蠢動

しおりを挟む
「これが、ヴァンバルシア大海軍設立の第一歩となる」

 ヴァンバルシア王国王太子ランデルは、報告書をパンと手で叩いて意気揚々と言った。
 昼食の席である。
 ランデルと妻のババロア、モン伯爵と夫人、そして王妃がいた。ヴァンバルシア王は病床にあって同席していなかった。
 報告書をもどされた臣下は一礼して退室した。入れ替わりに料理長のカラダールが入ってきた。ここのところちょくちょく厨房を出て顔を出す。いつも落ち着かない表情をしていた。

「なんだ」

 モン伯爵がじろりと見る。

「い、いえ、お味はいかがかと……」

「うまい! そなたの料理はいつも完璧だ」

 ランデルが褒めると、料理長は太った身体を小さくして恐縮した。

「はは……ありがとうございます」

「そういえば、そなたの妻はエキドナ人だったな」

 ランデルは先日狩猟で狩ってきた鹿の燻製肉をナイフで切りながら言った。

「はい……エキドナと戦さになるのではないかと心配しております」

「どういう馴れ初めだ?」

 ランデルはカラダールの心配事を聞き流してたずねた。

「私は若いころ、リック城まで海産物の買い付けに行っておりまして、そこでエキドナの貿易商人の娘だった妻と知り合ったのでございます」

「ふうん……奥方もたまには里帰りしたかろうな」

 ランデルは切った鹿肉を掲げて口の中に落としながら、自分が聞いたにも関わらず興味なさそうに言った。

「国がひとつになれば、その機会も増えよう」

「や、やはり戦さに……?」

「さて、もう少し条件が整えば……」

「その件では、我が娘がお役に立てると申しておりますぞ」

 モン伯爵が口を挟んだ。

「ほう、どのように?」

 ランデルの視線を受けて、ババロアはナプキンで口をぬぐって立ち上がった。
 窓に向かって片方の手のひらをかざす。

「おお!」

 ランデルは思わず声を上げた。
 窓の外、その視線の先、城下町の城壁のあたりに巨大な壁が出現した。
 はるか遠くでは、突然あらわれた壁に驚いて、通行中だった馬車の御者が慌てて馬を止めていた。

「聖霊防壁か!」

 ババロアが手を下ろすとそれは忽然と消えた。
 御者はまぼろしでも見たのかとキョロキョロとあたりを確認しながらゆっくりと馬車を進めていった。

「国境だけでなく、どんな場所にでも出せるというわけだな。これはいい!」

 王太子は手を叩いて喜んだ。

「完璧だ俺が造り上げた船団、お前の防壁——俺の矛とお前の盾、我が軍の進撃に立ち向かえるものはいない」

 ババロアは得意げな笑みを見せてうなずいた。

「ドブネズミを王太子妃にして、彼の国の血統は地に落ちました。高貴なるお方が支配すべきだと思います」

「お前との約束もあるからな。追放した聖女はなるべく生きて捕えさせよう」

 「しかし」とランデルは首を傾けて考える素振りを見せた。

「邪神を召喚できると言ったな、危険はどれほどある?」

「たとえできたとしても自滅するのは過去の例であきらかです」

「それについては、私に一計があります」

 モン伯爵が言った。

「エキドナの王都オルトロスで邪神を召喚させるのです。確実とはいきませんが、やってみて損はありません」

「ほう、おもしろそうだな」

「その場合、あちらの王太子妃を生け捕るのは無理かもしれませんが……ババロアも異存はないな」

「もちろんですわ」

「では、それはしゅうと殿に任せるとしよう。ところで——」

 ランデルはカラダールに話しかけながらちらりと王妃に視線を送った。
 王妃は息子の意図を察して、モン伯爵夫人に「私の部屋でお茶でもどう?」と声をかけ、ふたりで部屋を出た。

「では、私もお母様たちとお茶を」

 不穏な話になってきたので、モン伯爵に目配せされてババロアも席を立った。自分はまだ謀略には加担できないようだとやや不満げである。
 話の内容が内容なだけに給仕を下げていたので、自分でドアを開けた。
 ちょうど食事のかたづけに入ってこようとしたのか、向こう側にいたメイドにドアがぶつかり、メイドが持っていたトレイが落ちて派手な音を立てた。

「なにやってるのよ、この愚図!」

 ババロアは激しく叱咤した。
 機嫌を損ねていたこともあるが、もともと下の立場の人間には容赦がない。

「も、申し訳ございません! すぐにかたづけます」

 ババロアは、膝をついてかたづけているメイドを見下ろして舌打ちするとさっさとその場を立ち去った。

「父上はなにか食されたか?」

 ランデルはカラダールに視線をもどしてたずねた。

「いえ、あいかわらずご気分がすぐれないとのことで、スープだけしかお口にされませんでした……」

「スープは、いつものスープか?」

「……はい」

「そうか、そろそろゆっくり休んでもらおうか」

 その言葉を聞いて、カラダールの肩がびくんと跳ねた。

「父上にそのような料理を出してくれ」

「は……い、いつ?」

「早いほうがいい。今夜にでも」

「こ……今夜……ですか」

 ランデルは「頼んだぞ」と念を押して、カラダールの肩に手を乗せた。



 リック城の城下町にある東の神殿で聖女ブッシュ・ド・ノエルは、はっとして赤毛の頭を上げた。

「いまのは……?」

 神殿の中で視線をめぐらせる。

「聖霊防壁……?」

 視線が王都の方角に定まる。

「だれかが防壁を張ったの? 王都付近で?」

 聖女が戦時以外でも精霊防壁を張ることはないわけではない。
 いざというときのための訓練のようなものである。しかし、それは事故の無いようにしっかりと日時を決めておこなわれる。いまのように、気まぐれに、しかも国境以外に張ることは許されていなかった。

「ババロア……?」

 おそらくそれができる唯一の人物だろうとノエルは思った。
 ノエルは三十歳。聖女としてはベテランである。彼女はババロアが大聖女でいるうちは引退しないでいようと考えていた。なにかあると予感がするわけではなかったが、やはりそうしたことはまちがいではなかったと確信した。
 念のため神官に声をかけ、王都近辺で戦闘が行われていないか確認してほしいと頼んだ。
 数日後届いた返事は「なんでもないから気にするな」だった。

「気にするなですって?」

 ノエルはこの街に大船団が建造されていることを知っていた。
 良からぬことが起きているのは、聖女のような特殊な能力の持ち主でなくても簡単に想像できた。
 当然、エキドナ側も警戒している。国境のウガイ城は兵力が倍以上に増強されているという。
 王太子ランデルが急進派だということは聞いている。では、そのそばにいるババロアはどうか。
 こうして力を誇示したということは、王太子のサポートをするということなのだろう。

「ババロア……エキドナにはココがいるのよ」

 決して仲が良かったとは言えないが、聖女学校で机を並べて学んだもの同士である。
 それが互いに王太子妃となって戦争をするところなど見たくなかった。
 ノエルは、ココがエキドナの王太子妃になったと聞いて自分のことのように喜んでいたが、浮かれた気分は一気に冷めてしまった。
 その耳にヴァンバルシア王の訃報が入ってきたのは一週間後だった。
 両国の緊張が高まるなかでの、慎重派のヴァンバルシア王の死であった。



 ヴァンバルシア国王ルーヴェンの葬儀は、エキドナ王太子の婚礼にならって各国の王の弔問を辞退した。
 リック城の船団の建造をよそからとやかく言われるのをランデルが嫌ったという理由もある。
 エキドナを攻めるならそれ以外の諸国にはうまいこと言って連携をとっておくべきだという意見はあったが、ランデルは面倒くさがりそれをしなかった。
 圧倒的な力を示せばどうせ黙る、ご機嫌取りのようなまねはしたくないということだった。
 そういう事情で王族こそ来なかったが、王宮には国内外からの弔問客があとを立たなかった。

「私はとんでもないことを……」

 料理長カラダールは王宮のあまり広くない一室で震えていた。
 少人数の談話室か、個人面談でもする応接室か。狭いと言っても王宮である。壁には絵が飾られ、四人掛けのテーブルや椅子、窓にかかるカーテンなど調度品には豪華なものがつかわれていた。
 カラダールは壁の絵を背に立っていた。その絵は、雲の隙間から地上に光が差し、雲上には人か天使のようなものが複数人いるというものだった。

「お前はなにもやっておらん。父は病死だ、そうだろ?」

「は、はい……それはそうですが」

 王太子ランデルとふたりきりだった。

「だったら、お前が気に病むことはなにもない」

 王太子はなだめるようにやさしい声で言った。

「さあ、つぎの仕事だ」

「つぎの仕事? 私はもうこのようなおそろしいことはいくら殿下の命であっても……」

「心配ない。だれも傷つけることのない仕事だ」

「いったいどのような……?」

「その絵だ」

 王太子はカラダールの背後の壁にかかっている絵を指さした。

「この絵がなにか?」

 カラダールが振り向いて絵を覗き込むと、ランデルは腰の細剣レイピアを抜いて背中から料理長の身体を貫いた。

「天国を描いた絵だそうだ。お前はもうだれも傷つけることはない。先にあの世に行って父上に詫びておいてくれ。天国に居ればの話だが」

 剣を抜くとカラダールはうつ伏せに倒れて絶命した。

「誰かある!」

 ランデルが大声を上げるとモン伯爵とふたりの従者が駆けつけた。
 モン伯爵は従者を部屋の外に残し、カラダールの横に片膝をついた。

「死んでおりますな」

「王を毒殺したことを白状したため俺がこの手で殺した!」

 ランデルは外のものたちにも聞こえるようにわざと声を張り上げた。

「王は病死にするはずでは」

 モン伯爵は立ち上がると声をひそめた。

「事情を知るものは少ないほどよい。こいつは気が弱い。いずれだれかに漏らすかもしれん」

「それはわかりますが、彼が王を殺める動機がありません」

「待て、いま考える」

 ランデルは顎に指を当て少し思案した。

「エキドナの指示だ。エキドナはかつてウガイの森で魔物に襲われた。それをヴァンバルシアのせいと逆恨みして、料理長に毒を盛らせていた。これならエキドナを攻める口実にもなるだろう」

「たしかに一挙両得ですが、料理長がエキドナの指示に従う理由は?」

「こいつの妻はエキドナ人だ。王を殺してエキドナにもどれば高い地位を約束されていた」

「なるほど、多少強引かもしれませんが、理屈は合ってますな」

「冤罪だなんだといつまでも騒ぎ立てられるのは面倒だ。こいつの一族も始末しろ」

「かしこまりました」

 王は病死ではなく謀殺ということになった。
 時を置かずランデルの戴冠式がおこなわれ、彼の号令でエキドナ侵攻が決まった。
 王太子の性急な行動を見て、王の死因に疑いを持ったもののなかには「強引なやり方は舅のモン伯爵そっくりだ」とささやく声もあったが、大声で叫ぶものはこの十年のあいだにいなくなっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります

cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。 聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。 そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。 村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。 かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。 そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。 やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき—— リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。 理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、 「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、 自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました

AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」 公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。 死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった! 人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……? 「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」 こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。 一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。

「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました

黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。 古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。 一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。 追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。 愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!

さよなら、悪女に夢中な王子様〜婚約破棄された令嬢は、真の聖女として平和な学園生活を謳歌する〜

平山和人
恋愛
公爵令嬢アイリス・ヴェスペリアは、婚約者である第二王子レオンハルトから、王女のエステルのために理不尽な糾弾を受け、婚約破棄と社交界からの追放を言い渡される。 心身を蝕まれ憔悴しきったその時、アイリスは前世の記憶と、自らの家系が代々受け継いできた『浄化の聖女』の真の力を覚醒させる。自分が陥れられた原因が、エステルの持つ邪悪な魔力に触発されたレオンハルトの歪んだ欲望だったことを知ったアイリスは、力を隠し、追放先の辺境の学園へ進学。 そこで出会ったのは、学園の異端児でありながら、彼女の真の力を見抜く魔術師クライヴと、彼女の過去を知り静かに見守る優秀な生徒会長アシェル。 一方、アイリスを失った王都では、エステルの影響力が増し、国政が混乱を極め始める。アイリスは、愛と権力を失った代わりに手に入れた静かな幸せと、聖女としての使命の間で揺れ動く。 これは、真実の愛と自己肯定を見つけた令嬢が、元婚約者の愚かさに裁きを下し、やがて来る国の危機を救うまでの物語。

【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?

恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。 しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。 追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。 フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。 ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。 記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。 一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた── ※小説家になろうにも投稿しています いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!

お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!

にのまえ
恋愛
 すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。  公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。  家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。  だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、  舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。

処理中です...