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6話 幽霊から幼女を救出せよ
とりあえず、宿屋を見つけて、幼女を部屋へ入れ、ベッドに寝かせたけど、さっきからずっとうなされている。
多分、タルパ共に悪夢でも見せられているのだろう。このままだと、この子の意志が減弱し、魂汚染が始まるのも時間の問題だ。最悪、魂を全て食われ、身体を乗っ取られてしまうから、早急な対処が必要だ。
前世では先生と出会い、霊力という存在を知るまで、この対処ができなかったことで、散々苦しめられてきた。僕にできたことは、心身を強く鍛えること。心と身体を強靭にすることで、たとえ憑かれても、幽霊の放つ悪意を受け流せるようにしていた。
この世界には、霊力と似た魔力が存在する。
そして、僕は多大な魔力とギフト[加工]を所持している。
前世の記憶に覚醒して以降、真っ先に考えたのが幽霊への対処だ。この世界で構築された魔法を使えないのなら、僕が自分の魔力を加工して、僕専用の魔法、いや【魔術】を作ればいいのだ。その原案を幾つも考え、加工に耐えうる魔力制御を身につけ、残すはギフトを得て以降の実戦のみとなっているけど、流石に初手の魔術を幼女に仕掛けるわけにはいかない。
僕は、マッドサイエンティストではないのだから。
とは言っても、この子の容態は極めて悪い。
この場で討伐しないといけない以上、僕自身が魔術の贄になればいい。
大丈夫、理論上上手くいくはずだ。
自分を信じろ!!
「まさか、魔術の人体実験第1号が自分自身とはね」
タルパへの対処として、始めに考案したのが魔術【暴食】だ。
この術は闇属性で、僕の魔力に攻撃機能を持たせ、指定した対象だけを食べて分解し、魔力に変換させることで、僕自身の魔力を回復させるだけでなく、最大魔力量を向上させる効果を持つ。僕自身の魔力属性が闇である以上、魔術の発現自体は可能なはずだ。
ここでキーとなるのが、魔力の【質と量】。
魔力自体が弱ければ、加工しても逆に敵に食べられて終わってしまう。5歳以降、僕は魔力の質を高める鍛錬を続け、今では一万を超える量もあるのだから自信を持とう。
「まずは、タルパを僕の身体へと誘い出す」
ここからは、全神経を研ぎ澄ませよう。
失敗は、この子の死を意味するのだから。
この世界の生物は、例外なく魔力を持っている。魔力というものは独特な気配を持っており、一人一人異なっていて、同一のものを持つ者は存在しない。僕は先生に習い、それを波長と呼んでいる。
僕は女の子の左手を優しく握り、特有の波長を解析し覚え、自分の魔力の波長を同調させていく。完全一致させてから、そっと魔力をこの子の身体全体に流していく。その瞬間、彼女に憑いていた4体のタルパが、より利用しやすい僕へと矛先を変え抜け出てきて、僕の身体内へと入ってきた。
『貴族を殺せ。貴族は、皆殺しだ。殺せ殺せ殺せ~~~~~』
案の定、タルパどもは僕の意志を弱めようと、殺意と憎悪を込めて、脳内に叫びを放つ。こういった類いは、男女関係なく、恨みを込め低く威圧感ある声で延々と[殺せ]と語り、殺意を飛ばしてくるけど、これが定番の乗っ取り言葉なのか?
だとしたら、拍子抜けだ。
もう、それは前世で聞き飽きている。
前世の悪霊の方が、まだ[殺す]という言葉に重みを感じたかな。
「君らの恨みを聞いていられるほど、僕も暇じゃないんだ。潔く僕の餌、ゴホン、糧になってくれ」
さあ、ここからが本番だ。
体内でやる以上、制御をミスったら、暴食が僕自身を食べてしまう。
僕は闇属性を使い、体内でより暗く黒く圧縮させた蛇を作り、そこに殺意と攻撃性を込めて全身へと放ち、逃げられないよう魔力で身体を覆う。タルパ共も異常な黒き蛇に気付いたのか、逃げようとしているけど時既に遅しだ。僕の身体自体が監獄となっている以上、もう2度と出られない。
「捕獲完了、それでは初めての実食だ」
黒き蛇が、身体中に蔓延るタルパ共を食っていく。
「おお、タルパ共から味を感じるぞ。いいじゃないか、複雑に絡み合う濃厚な怨恨が実に美味だ。叫び声が、良いスパイスになっている」
僕の脳内では、奴らの叫び声が響き渡る。
これこれ、人々を苦しめるタルパ共の散りゆく無様な叫び声がたまらない。
こいつらも元人族で、理不尽な死に方をしたことで魔物化した気の毒な連中なのだろうけど、僕はそんな事を気にしない。
僕に殺意を抱き、襲い来る連中は全て敵だ。
相手が誰だろうと関係ない。
【魔術[暴食]を習得しました】
【ルティナを掌握しました】
「はあ~~美味しかった~~~」
全て食べ終えると、僕の魔力量がほんの少しだけ増え、新規魔術を覚えた。実験の成功は嬉しいけど、予期せぬ事態が起きたな。
「魔術の余波で、幼女を掌握するとは」
人や魔物に対して僕の魔力を流し込み、力で支配出来れば、ギフト[加工]の効果で、支配した相手のステータスを自由に閲覧できるし、その気になれば加工も出来ると女神から聞いているけど、こればかりは転生前の時点では試しようがないから、何処まで加工可能かは試さないとわからない。女神に質問しても、『全ては、あなたの技量次第です』と言われ、人への使い方だけは教えてくれなかった。
今回、タルパに憑かれていたこともあって、僕の魔力がタルパを通して彼女に影響を及ぼしたのかもしれない。まあ、こんな幼女を加工する加虐趣味は僕にないから、何もせず解放してあげよう。
多分、タルパ共に悪夢でも見せられているのだろう。このままだと、この子の意志が減弱し、魂汚染が始まるのも時間の問題だ。最悪、魂を全て食われ、身体を乗っ取られてしまうから、早急な対処が必要だ。
前世では先生と出会い、霊力という存在を知るまで、この対処ができなかったことで、散々苦しめられてきた。僕にできたことは、心身を強く鍛えること。心と身体を強靭にすることで、たとえ憑かれても、幽霊の放つ悪意を受け流せるようにしていた。
この世界には、霊力と似た魔力が存在する。
そして、僕は多大な魔力とギフト[加工]を所持している。
前世の記憶に覚醒して以降、真っ先に考えたのが幽霊への対処だ。この世界で構築された魔法を使えないのなら、僕が自分の魔力を加工して、僕専用の魔法、いや【魔術】を作ればいいのだ。その原案を幾つも考え、加工に耐えうる魔力制御を身につけ、残すはギフトを得て以降の実戦のみとなっているけど、流石に初手の魔術を幼女に仕掛けるわけにはいかない。
僕は、マッドサイエンティストではないのだから。
とは言っても、この子の容態は極めて悪い。
この場で討伐しないといけない以上、僕自身が魔術の贄になればいい。
大丈夫、理論上上手くいくはずだ。
自分を信じろ!!
「まさか、魔術の人体実験第1号が自分自身とはね」
タルパへの対処として、始めに考案したのが魔術【暴食】だ。
この術は闇属性で、僕の魔力に攻撃機能を持たせ、指定した対象だけを食べて分解し、魔力に変換させることで、僕自身の魔力を回復させるだけでなく、最大魔力量を向上させる効果を持つ。僕自身の魔力属性が闇である以上、魔術の発現自体は可能なはずだ。
ここでキーとなるのが、魔力の【質と量】。
魔力自体が弱ければ、加工しても逆に敵に食べられて終わってしまう。5歳以降、僕は魔力の質を高める鍛錬を続け、今では一万を超える量もあるのだから自信を持とう。
「まずは、タルパを僕の身体へと誘い出す」
ここからは、全神経を研ぎ澄ませよう。
失敗は、この子の死を意味するのだから。
この世界の生物は、例外なく魔力を持っている。魔力というものは独特な気配を持っており、一人一人異なっていて、同一のものを持つ者は存在しない。僕は先生に習い、それを波長と呼んでいる。
僕は女の子の左手を優しく握り、特有の波長を解析し覚え、自分の魔力の波長を同調させていく。完全一致させてから、そっと魔力をこの子の身体全体に流していく。その瞬間、彼女に憑いていた4体のタルパが、より利用しやすい僕へと矛先を変え抜け出てきて、僕の身体内へと入ってきた。
『貴族を殺せ。貴族は、皆殺しだ。殺せ殺せ殺せ~~~~~』
案の定、タルパどもは僕の意志を弱めようと、殺意と憎悪を込めて、脳内に叫びを放つ。こういった類いは、男女関係なく、恨みを込め低く威圧感ある声で延々と[殺せ]と語り、殺意を飛ばしてくるけど、これが定番の乗っ取り言葉なのか?
だとしたら、拍子抜けだ。
もう、それは前世で聞き飽きている。
前世の悪霊の方が、まだ[殺す]という言葉に重みを感じたかな。
「君らの恨みを聞いていられるほど、僕も暇じゃないんだ。潔く僕の餌、ゴホン、糧になってくれ」
さあ、ここからが本番だ。
体内でやる以上、制御をミスったら、暴食が僕自身を食べてしまう。
僕は闇属性を使い、体内でより暗く黒く圧縮させた蛇を作り、そこに殺意と攻撃性を込めて全身へと放ち、逃げられないよう魔力で身体を覆う。タルパ共も異常な黒き蛇に気付いたのか、逃げようとしているけど時既に遅しだ。僕の身体自体が監獄となっている以上、もう2度と出られない。
「捕獲完了、それでは初めての実食だ」
黒き蛇が、身体中に蔓延るタルパ共を食っていく。
「おお、タルパ共から味を感じるぞ。いいじゃないか、複雑に絡み合う濃厚な怨恨が実に美味だ。叫び声が、良いスパイスになっている」
僕の脳内では、奴らの叫び声が響き渡る。
これこれ、人々を苦しめるタルパ共の散りゆく無様な叫び声がたまらない。
こいつらも元人族で、理不尽な死に方をしたことで魔物化した気の毒な連中なのだろうけど、僕はそんな事を気にしない。
僕に殺意を抱き、襲い来る連中は全て敵だ。
相手が誰だろうと関係ない。
【魔術[暴食]を習得しました】
【ルティナを掌握しました】
「はあ~~美味しかった~~~」
全て食べ終えると、僕の魔力量がほんの少しだけ増え、新規魔術を覚えた。実験の成功は嬉しいけど、予期せぬ事態が起きたな。
「魔術の余波で、幼女を掌握するとは」
人や魔物に対して僕の魔力を流し込み、力で支配出来れば、ギフト[加工]の効果で、支配した相手のステータスを自由に閲覧できるし、その気になれば加工も出来ると女神から聞いているけど、こればかりは転生前の時点では試しようがないから、何処まで加工可能かは試さないとわからない。女神に質問しても、『全ては、あなたの技量次第です』と言われ、人への使い方だけは教えてくれなかった。
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