加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護

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32話 リョウトからのアドバイス *ルティナ視点

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リノアから通信が入ったことで、お兄ちゃんは窓から建物の中に入っていったけど大丈夫かな? 他の人たちも、お兄ちゃんから現状を教えてもらい、生きている人たちを助けるために、スキルや魔法を使って毒を吸わないよう工夫して、開いている窓から建物内へと入っていった。

15分ほどすると、皆が生存者たちを担いで、次々と戻ってきた。私たちの回復魔法のおかげなのか、そこまで酷い怪我を負ってない。

さっき、私はお兄ちゃんから魔力を譲渡してもらったので、その人たちに回復魔法[ハイヒール]と解毒魔法[ハイキュア]を使っていく。この解毒魔法に関しても、建物内に入る直前のお兄ちゃんからアドバイスを受けた。

「いいかい。毒といっても多種多様あって、全ての人に害をもたらすものもあれば、特定の人にだけ毒になるものがある。時には、『それって毒なの?』と思うものもある。魔法使用者は対象者に対して、沢山の毒を受けて苦しんでいると必ず思い、魔法を行使するんだ。疑念を持つな。持てば持つほど、解毒効果が薄くなるからね。これを守れば、君は周囲から称賛されるだろう」

私はそれを信じ、生存者の体内には何らかの毒が複数あると強く思い、解毒魔法[ハイキュア]を、その後に火傷を治療するための回復魔法[ハイヒール]を行使した。すると、全員の顔色がみるみるうちに回復していき、意識を取り戻してお礼を言われたのだけど、何かおかしい。粉塵でやられた肺だけでなく、長年患っていた腰の痛みや関節痛、足の痺れなど、爆発で生じた外傷や粉塵に関係しないものまで治ってる。

みんなから褒められて嬉しいけどさ、なんでそうなったのかが全然わからない。
物凄く、胸がモヤモヤする。
全部終わったら、絶対お兄ちゃんに問いただす!!

あ、お兄ちゃんが知らない女の子をおんぶして、窓から出てきた。
女の子は、口にマスクを付けてる。

その後、リノアも出てきたけど、何だか様子が変だ。
あれ? 

女の子を近場の木にもたれさせたら、お兄ちゃんだけがまた窓から建物の中に入っていった。女の子の近くにはリノアがいるから、私もそこへ行ってみよう。

「リノア、お疲れ様。この人にハイキュアとハイヒールをかけるよ?」
「うん」

顔や手足に火傷を負ってる。早く治してあげよう。

「あの人の技術、凄過ぎる」
「それって、お兄ちゃんのこと?」
「うん」

私がハイキュアで女の子の毒を治療している時、リノアから何があったのか聞いたけど、魔暴アレルギー喘息という病気の根本となる魔力残滓を闇魔術[暴食]で食べて、魔力暴走という危機を脱してから、今度はその症状を抑えるための専用マスクをたった20分で作り、その性能を聞いて驚いた。

なんと、大気中に存在する悪い物質の大半をカットできる優れもので、ナナリスさんの症状は、マスクを付けたことで、体内の乱れが比較的安定して、そのおかげで彼女の中にいる院長先生も制の制御もかなり楽になったらしい。今はその制御に必死で、話しかける余裕がないみたい。

あの時見たタルパの女性は、やっぱり院長先生だったんだ。
早く目覚めて、姿を見せてほしいな。

それにしても、マスクもそうだけど、闇魔術[暴食]って反則だよ。やろうと思えば、何でも食べられるじゃん。うん? 何でも? あ、まさか!?

「ルティナ、どうかした?」
「お兄ちゃんと初めて会った時、4体のタルパに憑かれていたんだけど、気絶から復帰したら討伐されてた。その時の討伐方法をきちんと聞いてない。まさか…」

「多分、暴食で食べたんだね。感覚が共有されていた時、リョウトさんがナナリスさんの中にある魔力残滓を食べたの。その時の味が、私にも伝わってきた。結構、刺激的で美味しかったよ」

てことは、あの時のタルパも食べたの!?
魔力残滓が刺激的でおいしいって…タルパの方はどんな味だったのかな?
ちょっと、興味あるかも。

「食べれば、相手の魔力を全部自分のものにできるとも言ってた。ふふ……早く私も覚えたい」

何だろう? リノアは、何故か自慢げに話してる。

「お兄ちゃんが私たちに教えてくれるの?」
「違うよ……私にだけ教えてくれるの」

今、聞き捨てならないことを言った!!

「え、なんで!?」

どうして、私に教えてくれないの?
私だって、闇を扱えるのに!!

「ルティナは、性格面と制御面で闇に向いてないって」

う、制御面……無駄が多いって言われたのを思い出す。
そういえば、魔力制御ってリノアの方が上手い。

「あなたは光に突出した聖女に、私はその逆の闇に突出した聖女になれる可能性があるんだって」

褒められているのだろうけど、暴食をリノアにだけ教えるというのが、なんか嫌だな。

「うう、リノアだけずるい」

私たちが話し合っている間に、お兄ちゃんが大人の男性を担いで出てきた。その男性は、お兄ちゃんに回復してもらったのか比較的元気で、慌てて木にもたれているナナリスさんのもとへ向かった。息をしていることに気づいたのか、お兄ちゃんにお礼を言ってる。

「ルティナ、魔暴アレルギー喘息って、以前授業で習わなかった?」

「そういえば、聖女様自身が私たちに解毒と病気の関係について教しえてくれた時に、そんな名前が出たような?」

「だよね。あの病気って魔力暴走に至る原因が解明されていないから、患者に出会った際は注意するよう言われてた気がするの」

「ああ、言ってた、言ってた!! あれ? でも、お兄ちゃんは知ってたよね?」

「うん、しかも今のルティナの解毒魔法なら、その病気の完治は無理だけど、体内からの毒の除去も可能だとも言ってた。実際、こうやって観察していると、ナナリス様の顔色が良くなっているから効いているんだ」

「お兄ちゃんからアドバイスを受けて実践したら、いろんな人たちが私に古傷や持病を治してくれてありがとうって言ってくるの。治した覚えがないんだけどね」

「どんなアドバイスを受けたの?」

「解毒魔法使用時、[複数の毒が体内にあると思え][その際、絶対に疑うな]、だって。これを守れば、君は周囲から称賛されるだろうとも言ってた。実際、そうなったよ」

「ねえ……それって解毒魔法の根本を覆すものなんじゃないの?」

あ…言われてみれば、そうかも? 

「もしかして……新聞記者の人たちが押しかけてきて、取材とか受ける騒動になるんじゃあ?」

「だと思う。ねえ…もし本当にそうなったら、全部ぶちまけない?」

リノアが、何かを思いついたかのような笑みを浮かべる。
かくいう私も、悪巧みを思いつく。

「いいね。今、みんながエリアヒールで騒いでいるから、解毒魔法のこともみんなに教えてあげよう」

「いいアイデア。これだけ広い敷地なら、1人ぐらい新聞記者もいるはず。私ちの受けた仕打ちを、全国民に教えよう。みんなに知れ渡ったら、マクレミーサも手出しできないわ」

ふふふ、私もリノアと同じ顔をしていると思う。
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