加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護

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33話 ルティナとリノアの企み

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駆けつけてきた人たちと協力し合い、生存者たちを全員救出し、ルティナの魔法で体内の毒物を除去させ、体力を回復させたこともあって、研究所の専門家たちが薬学棟の調査へと本格的に動き出してくれた。

僕の役目も終わり、ようやく帰れると思ったら、今度は魔法の権威とされる専門家たちが押しかけてきて、ルティナの施した解毒魔法[ハイキュア]と、広範囲回復魔法[エリアヒール]の件で、質問攻めにあってしまう。しかも、そこには偶々研究所敷地内で取材を行っていた新聞記者も4名いたようで、全員が興味津々で僕に答えを求めてきた。

ルティナとリノア(タルパ形態)は、ニマニマと笑っており助けてくれそうにないので、僕が女神から教わった二つの魔法の効果を改めて説明すると、皆が走り書きでメモをとっていき、次々と質問を浴びせてきた。

解毒魔法[キュア系]は、体内にある毒物を除去させる効果を持つ。この魔法は、基本的に何らかの毒に侵されてから使用するので、魔法使用者は『侵されている毒物を除去する』ことしか頭にない。それ故、それ以外のものは除去されない。人の体内には、日々の生活を繰り返すだけで、疲労物質などが蓄積されていく。それが許容量を超えると毒になり、様々な健康被害をもたらす。それ故、解毒魔法を使用する際は、そう言ったことを念頭に踏まえた上で使用しないと、真の効果が発揮されない。

エリアヒールも同様で、[物事を立体的に捉えること][回復できるのは人だけでなく、環境も含まれること]、これらによる魔力制御の負荷も考え、人は無駄のない最小限の魔力消費で、最大限の効果を発揮できるよう調整することを教えていった。

最後に、どうしてそこまでのことを知っているのか問われたので、僕は復讐も兼ねて、自分の正体を打ち明けた。ヒライデン伯爵家として魔法を使えないので追放されたこと、その分、知識と魔力制御を徹底的に身につけたことを話すと、皆が納得してくれた。この話のついでにリノアとルティナを呼んで、自分たちの受けた仕打ちを話してもらうと、全員が憤る。

新聞記者たちは、神殿の次代聖女候補ナンバーワンとも言われているマクレミーサの本性を知ったことで俄然興奮し根掘り葉掘り質問してきたけど、2人は気分を害することなく、真剣な面持ちで殺されるまでの経緯と破門されるまでの経緯を答えていった。あの子たちはこうなることを予測していたのか、ルティナに付けられていた偽装された魔道具[真実の口(奴隷の首輪)]も見せ、その機能も説明していく。1名の新聞記者が鑑定系スキル[解析]を持っていたこともあり、話の信頼性が上昇したこともあって、ここに集まった野次馬全員が神殿の大スキャンダルに興味を抱いてくれた。明日中にも記事となり、情報が王都全土に広がるから、取材陣が神殿に殺到するのは間違いない。

もしかして、ルティナとリノアの狙いはこれだったのかもしれない。
この騒動で、マクレミーサも迂闊に手を出してこないだろう。

皆からの質問もようやく終わり、僕たちは研究施設を離れようとすると、1人の男性が駆け寄ってきた。

僕が、先程助け出した男性だ。

12歳くらいのナナリス様の体内に施した応急処置に関しては、ルティナの解毒魔法とだけ言ってあるけど、あのマスクに関しては、僕の魔力具現化スキルで製作し、魔暴アレルギー喘息を患う彼女用に最適化したものと言ってある。他人の魔力に敏感な身体をしている以上、僕の魔力波長を彼女のものと同期させてから製作しているので、拒絶反応も起こさない。こういった病気と魔力残滓の関係性、マスクの原理なんかも簡単に説明しているけど、正直信用してくれているのかは微妙なところだ。

「リョウト、ルティナ、リノア、私たちを助けてくれてありがとう。私はハミルトン・フレミングス、子爵位を持つ貴族だ」

もしかして、この人はフレミングス商会の会頭? 

最近になって、様々な生活用魔道具を開発し、平民の生活レベルを底上げしただけでなく、それらを他国に輸出することで、国に大きな利益をもたらした商会で、現在では平民だけでなく、王族貴族にも名を知られている。

「君の作製した即席の魔道具、あれは極めて興味深い。娘の体調が回復次第、お礼も兼ねて、君たちを屋敷に招待したい。君たちの泊まっている宿屋の名前を教えてくれないだろうか?」

見た目上、その機能を果たしているのかわからないのに、この人は僕の言ったことを信用してくれているようだ。

「ええ、構いませんよ」

結構、好感のもてる男性だし、屋敷に行くのも面白いかもしれない。それに、ナナリスの中には、リノアとルティナの恩師でもある院長先生が入っている。リノアにとっては、タルパの先輩になるから、この女性にタルパとしての生活方法を教えてもらえればいいだろう。

僕はハミルトン会頭に、宿屋の名前を告げて、ルティナとリノアと共に研究所を出た。
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