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59話 蚤の市 *ルティナ視点
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蚤の市、どんなところなのかな~。
楽しみ~~~。
マクレミーサが全部白状してくれたことで、私の冤罪も晴れたけど、あれから神殿の人たちは何も言ってこないんだよね。今日神殿に行っても、人殺し扱いされないと思うけど気になる。
念の為お兄ちゃんに通信したら…
『ヒライデン伯爵が動いてくれたおかげで、マクレミーサが全て自供して、君の冤罪も完全に証明され、神殿内にいる全ての者に通達されている。君たちを脅かす者は、もういないよ。聖女様たちが戻ってくるまでは、神官たちも何も言ってこないから、蚤の市では好きに行動するといい』
って言ってくれた。気になる点があるとすれば、私が聖女候補として復帰するかどうかだけど、それは聖女様・枢機卿様・教皇様が帰還して以降の話になるから、今の時点で気に病む必要もないって言ってた。
にゅふふ、それを聞けて安心だよ。
神殿の正面入口に到着すると、エルフやドワーフ、獣人、人間、色んな種族の人たちが続々と中に入っていき、蚤の市のある会場の方へと向かっていく。入口に看板も立て掛けられているから、これなら迷わない。
「凄!! こんな大勢の人々が神殿内に入っていくの、初めて見る」
「お嬢様、ルティナ、リノア、あそこが会場ですよ」
「お~~~賑やか~~~」
これが蚤の市!!
神殿内の中でも、訓練とかで使われている区画を会場に充てているんだ。個人個人がテントを張っていて、テーブルが設置されていたり、地面にシートを敷いたりと、それらにアイテム類が並べられている。衣服類はハンガーに掛けられ、全体が見えるよう綺麗に整理されてる。
普段、おっとりしているリノアも、かなり驚いてる。
「こんな光景…初めて見る。これが蚤の市」
色々な種族たちが語り合い笑い合っていて、見ているこっちも、これからどんな物に巡り合えるのかワクワクしてくる。
「凄い活気だわ。サーシャ、貴族も売り手側に参加しているのですか?」
ナナリスお姉ちゃん、私もそれ気になる。
ここから見る限り、どっちも平民だから。
「ここにいる売り手側の者たちは、全員平民です。貴族たちは表立って参加しませんが、取引のある商人たちに要らなくなったアイテム類を蚤の市用に寄付していますので、それらがここに並べられています。ほら、あそこの衣服の飾られている露店には、ドレスが飾られているでしょう。正規店で販売されているものより半額以下のお値段となっていますが、それでも高価なので、護衛がついていますね」
あ、本当だ。新品のような可愛いドレスがいっぱい飾られている。中古品と聞いて、てっきりくたびれた物ばかりだと思ってた。
「先生、ここにあるもの全部まだ着れるよね? なんで、貴族は寄付してくれるの?」
リノア、それは私も疑問に感じたことだよ。
絶対、勿体無いもん。
「王都に住む貴族は、流行に敏感なんです。ここにあるもの全ては、数年前に販売された型落ち品ばかり。今、これらを着てお茶会や社交会、パーティーなどに出てしまうと、皆からの笑いものになりますので、必要のない物は全て売却か寄付となります。また、お金に余裕のない貴族もいますので、そういった人々が格安で提供されているこういった場で、内密に購入し、多少の修正を加えて、パーティーなどで着るようですね」
貴族って、大変なんだ。ナナリスお姉ちゃんも子爵令嬢だから、ドレスを着たりするのかな?
「ナナリス様は、ああいったドレスを買わないの?」
リノアも、私と同じ疑問を持ったみたいだ。
「正直、今はお茶会などに参加したくないので、当分いりません」
お兄ちゃんから人見知りって聞いていたけど、私たちと話している限りだと、そんな風に見えないや。
「お嬢様、何か購入予定の物はありますか?」
「お出掛け用のお洋服やアクセサリーを見たいわ。ルティナとリノアは?」
私もリノアも1ヶ月のお小遣いで、お兄ちゃんか5000ゴルドずつ貰ってる。蚤の市の物価がわかんないから、色々と見て回ろう。
「私は、ナナリスお姉ちゃんについていく」
「私も。色々と見て、欲しい物がお小遣いの範囲内であれば買います」
今まで買い物なんて出来なかったから、私もどんな物が売られているのか見たいよ。せっかく、ここまで来たんだから、会場全部のお店を回って、記念に何か購入したいな。
○○○
あれから服やアクセサリーとかを沢山見たけど、[これが欲しい]というものに出会えてない。私だけじゃなく、リノアとナナリスお姉ちゃんも同じで、自分の趣味に合うものを見つけられていない。う~ん、この探すという行為自体も楽しいけど、そろそろ何か見つかって欲しい。
「ねえねえリノア、あれって何だろ? 地面のシートに乱雑に置かれてる薄汚い品物」
「ルティナ、それは相手に失礼ですよ。」
あ、つい指をさしちゃったから、先生に怒られちゃった。
「あはは、いいよ、いいよ。ここに置かれている物は発掘された陶器や食器類で、汚れが酷くて、市販の洗剤とか使って洗浄しても、全然落ちないんだよ」
露店の主人のおっちゃんが、笑って許してくれた。
「発掘?」
「俺の住む村の近くには遺跡があって、これらはそこから出土されたものだ」
「すげ~~~、それなら高く売れるんじゃないの?」
「あははは」
思ったことをそのまま言ったら、何故か笑われた。
「世の中、そんなに甘くない。骨董品ってのは、製作時期、製作者、材質、保存状態が重要なんだ。見てわかる通り、ここにある物は欠けていたり汚れていたり、製作者不明で飾るに値しない代物ばかりなのさ」
「あの…どうして、そんな物を並べているのですか?」
ナナリスお姉ちゃんが、少しおどおどしながら質問してる。
「一応、これら5点を沢山ある商品の中に紛れ込ませて、あわよくば購入者が現れるかもと思っていたんだが、そう上手くいかないようだ」
そりゃそうだよ。
だって、私の目から見ても、薄汚いし欠けているし、使い道がないもん。
う~ん、でも勿体無いな~。
せめて、綺麗にできれば、もしかしたら買い手がつくかもしれない。
綺麗に……あ、もしかたら、あの魔法が有効かも!!
魔法って、魔物や人との戦闘や治療とかで役立てるために開発されたもので、日常生活では使わないと神殿で聞いたけど、お兄ちゃんのおかげで、魔法も使い方次第で色んな用途に使えることがわかった。
あの魔法なら、多分綺麗に出来るはずだ。
楽しみ~~~。
マクレミーサが全部白状してくれたことで、私の冤罪も晴れたけど、あれから神殿の人たちは何も言ってこないんだよね。今日神殿に行っても、人殺し扱いされないと思うけど気になる。
念の為お兄ちゃんに通信したら…
『ヒライデン伯爵が動いてくれたおかげで、マクレミーサが全て自供して、君の冤罪も完全に証明され、神殿内にいる全ての者に通達されている。君たちを脅かす者は、もういないよ。聖女様たちが戻ってくるまでは、神官たちも何も言ってこないから、蚤の市では好きに行動するといい』
って言ってくれた。気になる点があるとすれば、私が聖女候補として復帰するかどうかだけど、それは聖女様・枢機卿様・教皇様が帰還して以降の話になるから、今の時点で気に病む必要もないって言ってた。
にゅふふ、それを聞けて安心だよ。
神殿の正面入口に到着すると、エルフやドワーフ、獣人、人間、色んな種族の人たちが続々と中に入っていき、蚤の市のある会場の方へと向かっていく。入口に看板も立て掛けられているから、これなら迷わない。
「凄!! こんな大勢の人々が神殿内に入っていくの、初めて見る」
「お嬢様、ルティナ、リノア、あそこが会場ですよ」
「お~~~賑やか~~~」
これが蚤の市!!
神殿内の中でも、訓練とかで使われている区画を会場に充てているんだ。個人個人がテントを張っていて、テーブルが設置されていたり、地面にシートを敷いたりと、それらにアイテム類が並べられている。衣服類はハンガーに掛けられ、全体が見えるよう綺麗に整理されてる。
普段、おっとりしているリノアも、かなり驚いてる。
「こんな光景…初めて見る。これが蚤の市」
色々な種族たちが語り合い笑い合っていて、見ているこっちも、これからどんな物に巡り合えるのかワクワクしてくる。
「凄い活気だわ。サーシャ、貴族も売り手側に参加しているのですか?」
ナナリスお姉ちゃん、私もそれ気になる。
ここから見る限り、どっちも平民だから。
「ここにいる売り手側の者たちは、全員平民です。貴族たちは表立って参加しませんが、取引のある商人たちに要らなくなったアイテム類を蚤の市用に寄付していますので、それらがここに並べられています。ほら、あそこの衣服の飾られている露店には、ドレスが飾られているでしょう。正規店で販売されているものより半額以下のお値段となっていますが、それでも高価なので、護衛がついていますね」
あ、本当だ。新品のような可愛いドレスがいっぱい飾られている。中古品と聞いて、てっきりくたびれた物ばかりだと思ってた。
「先生、ここにあるもの全部まだ着れるよね? なんで、貴族は寄付してくれるの?」
リノア、それは私も疑問に感じたことだよ。
絶対、勿体無いもん。
「王都に住む貴族は、流行に敏感なんです。ここにあるもの全ては、数年前に販売された型落ち品ばかり。今、これらを着てお茶会や社交会、パーティーなどに出てしまうと、皆からの笑いものになりますので、必要のない物は全て売却か寄付となります。また、お金に余裕のない貴族もいますので、そういった人々が格安で提供されているこういった場で、内密に購入し、多少の修正を加えて、パーティーなどで着るようですね」
貴族って、大変なんだ。ナナリスお姉ちゃんも子爵令嬢だから、ドレスを着たりするのかな?
「ナナリス様は、ああいったドレスを買わないの?」
リノアも、私と同じ疑問を持ったみたいだ。
「正直、今はお茶会などに参加したくないので、当分いりません」
お兄ちゃんから人見知りって聞いていたけど、私たちと話している限りだと、そんな風に見えないや。
「お嬢様、何か購入予定の物はありますか?」
「お出掛け用のお洋服やアクセサリーを見たいわ。ルティナとリノアは?」
私もリノアも1ヶ月のお小遣いで、お兄ちゃんか5000ゴルドずつ貰ってる。蚤の市の物価がわかんないから、色々と見て回ろう。
「私は、ナナリスお姉ちゃんについていく」
「私も。色々と見て、欲しい物がお小遣いの範囲内であれば買います」
今まで買い物なんて出来なかったから、私もどんな物が売られているのか見たいよ。せっかく、ここまで来たんだから、会場全部のお店を回って、記念に何か購入したいな。
○○○
あれから服やアクセサリーとかを沢山見たけど、[これが欲しい]というものに出会えてない。私だけじゃなく、リノアとナナリスお姉ちゃんも同じで、自分の趣味に合うものを見つけられていない。う~ん、この探すという行為自体も楽しいけど、そろそろ何か見つかって欲しい。
「ねえねえリノア、あれって何だろ? 地面のシートに乱雑に置かれてる薄汚い品物」
「ルティナ、それは相手に失礼ですよ。」
あ、つい指をさしちゃったから、先生に怒られちゃった。
「あはは、いいよ、いいよ。ここに置かれている物は発掘された陶器や食器類で、汚れが酷くて、市販の洗剤とか使って洗浄しても、全然落ちないんだよ」
露店の主人のおっちゃんが、笑って許してくれた。
「発掘?」
「俺の住む村の近くには遺跡があって、これらはそこから出土されたものだ」
「すげ~~~、それなら高く売れるんじゃないの?」
「あははは」
思ったことをそのまま言ったら、何故か笑われた。
「世の中、そんなに甘くない。骨董品ってのは、製作時期、製作者、材質、保存状態が重要なんだ。見てわかる通り、ここにある物は欠けていたり汚れていたり、製作者不明で飾るに値しない代物ばかりなのさ」
「あの…どうして、そんな物を並べているのですか?」
ナナリスお姉ちゃんが、少しおどおどしながら質問してる。
「一応、これら5点を沢山ある商品の中に紛れ込ませて、あわよくば購入者が現れるかもと思っていたんだが、そう上手くいかないようだ」
そりゃそうだよ。
だって、私の目から見ても、薄汚いし欠けているし、使い道がないもん。
う~ん、でも勿体無いな~。
せめて、綺麗にできれば、もしかしたら買い手がつくかもしれない。
綺麗に……あ、もしかたら、あの魔法が有効かも!!
魔法って、魔物や人との戦闘や治療とかで役立てるために開発されたもので、日常生活では使わないと神殿で聞いたけど、お兄ちゃんのおかげで、魔法も使い方次第で色んな用途に使えることがわかった。
あの魔法なら、多分綺麗に出来るはずだ。
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