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5章 レーデンブルク 悪魔討伐編
サーシャのダンジョン攻略とその頃の仲間達
サーシャがダンジョンに入ってから、3日程経過していた。この3日間、時折オリュンプス遺跡の地下-----いや樹海全体から恐ろしい轟音が響いていた。邪人族達はデュラハンから事情を聞いていたため、大きな混乱はなかったものの、地下で一体何が起こっているのか、皆戦々恐々していた。南側のボス、ヘルエイプもデュラハンから事情を聞いた時、まだ顔を見ていないサーシャへの畏敬と恐怖を同時に感じた。そして、この方の庇護下に入ったのであれば、我々邪人族達は安心して暮らしていけるだろうとも思った。
樹海地下から時折聞こえてくる轟音、それは女神サーシャが頑強なダンジョンの壁を破壊する音であった。
○○○ サーシャ視点
ダンジョンに入って、3日経過した。現在、地下45階、ここまで時間がかかるとは、正直思わなかった。でも、コツはもう掴んでいる。今日の夕方には最下層に行ける!
私専用のダンジョン攻略法は、極めてシンプルだ。
1) 空間魔法『オートマッピング』で、各階の地図を作製する
2) 完成後、入口から出口までの直線距離に存在する全ての壁を『レールガン』で破壊する【轟音の原因はこれ!】
3) 破壊された壁から、邪族がどんどん津波の様に押し掛けてくる
4) 完全な直線になったら、再度『レールガン』をぶっ放す!
5) あとは、出口まで歩くだけ
ほら、最短な道程で攻略可能だ。
そもそも誰が好き好んで、樹海全体に広がるダンジョンを正規ルートで攻略しなきゃいけないのよ。ハッキリ言って面倒!この方法が一番簡単ね。ただ、地下11階から予想外の事が発生した。マッピングで現れた出口が偽物だったのだ!再度行うと、違う出口が出現する。そして、そこに到着しても、また偽物ということが判明した。これにはムカついた!結局、最終出口は、なんと入口の隣だった!これでは、デュラハン達が1年かかるわけだ。
地下11階以降、それが何度も続いた。腹いせに、各階に存在する邪族を手当たり次第殲滅してやったわ。そして、その行動を何度も続けて行くと、私への態度がパターン化してきた。主に3つのパターンだ。
1) 死を覚悟して戦う
2) 全力で逃げる
3) 本当の出口を教える
特に3)の行動を取った後、レールガンで出来た出口までの新たなルートの両端に綺麗に並んで、お辞儀のポーズを取り、
『出口はこちらです』
と素直?に教えてくれるのだ。
各階層によって、私への態度が極端すぎる!
中ボスは10階層おきに現れたけど、全員一撃で討伐した。
キラーオクトパスエンペラー・キラースクイッドエンペラー・キラーシュリンプエンペラー・キラークラムエンペラーがいたんだけど、海中での戦いではなく、普通に地面の上で戦った。討伐した時、つい
【料理の食材、GET~~~!!!】
と叫んでしまった。だって、これで念願のタコ焼きやイカの塩焼、エビチリなどが作れるんだから叫びたくもなるわ!これらの食材のおかげで、料理のレパートリーが大幅に増えた。スフィアタリアには、海の食材がなかったから丁度良かったわ。私がいなくても、フィンやアレイル、キースに食材を取りに行かせれば問題ないわね。
この行動を繰り返し、現在は地下45階へ到着したのだ。
「ふう、少し休憩しよう」
この3日、1人でダンジョン攻略ばかりだから寂しいわね。正確に言うと、少し違うかな。小さい虫が3体後方から私を尾行している。誰の差し金かは、既に判明している。あの虫が見た映像を魔法で相手先に見えるようになっているのだから、その魔力の波動を辿れば1発で場所がわかる。王城で殺気を放った時、一旦はすぐ姿を消したけど、数時間したら再度現れたのよね。多分、相手も殺される覚悟の上で監視しているのかしら?だったら、通信して来なさいよ!まあ、訳ありか、このダンジョンの最終地点を見たいだけなんだろう。まあ何もしないなら、それで良いけど暇潰しはさせてもらっている。
と言っても、定期的にピースしたり、威圧や殺気を放ったりして、そいつらで遊んでいるだけなんだけど。ここまでして、何も通信して来ないという事は、完全に見張りに徹するようね。
こいつらの目的は、私の強さを見定めることかな?甘いわね。邪神になって以降、私はスキルの扱い方をどんどんマスターしてきている。レーデンブルクに来てからは、なにもラーメンばかりを作っていたわけではない。ラーメン作り以外に、転移の訓練もしていた。そのおかげもあって、相手の気配・魔力・魂などを把握出来たら、そこに転移出来るようにもなった。だから、ダンジョンの攻略が終われば、すぐにそっちに行くから覚悟しておく事ね!
ハイエルフのお二人さん!
私にとって、あなた達が同郷であろうがなかろうが関係ない。そして、サリアから離れたとはいえ、味方とは限らない。悪意を持って、スフィアタリアを傷つけるのであれば問答無用で排除する!
さて、ハイエルフのことは置いといて、フィン達は何をしているかな?
私が離れている間に、アルテハイムが攻めてくる危険性もある。ハイエルフが送り込んだ虫を見習い、私も王城を監視できる神鳥を自分の魔力で作っておいた。名称はセキュリティーバード、知能はない。まあ、ロボットのようなものなので、気配はない。ユニークスキルとして【光学迷彩】を入れておいた。存在は消せないけど、気配がなく光の反射で目視出来ないようにしているため、存在を非常に察知しにくい。ノーマルスキルとして、【透視10】【ズーム10】を搭載している。プログラム内容としては、フィンを基点として、加護対象者5人を100m離れた地点で監視すること。もちろん、みんなのプライバシーもあるから、終日監視とかはしていないし、録画もしていない。まあ、本当に危険が迫ったら通信がくるだろうけど、やはり気になるのよね。過保護かな?みんなが知ったら、《そんなに私達が信用出来ませんか》と怒りそうだ。信用はしているんだけど、心配なのよね。ちなみに、セキュリティーバードは3体作製した。1体目はフィン達用、2体目はアルテハイム王城観察用、現在目的地に向け移動中、3体目はハイエルフ2人用、既に転移済でハイエルフから100m離れたところにいて、監視(録画付)している。こいつらの情報に関しては、あとで見よう。今は無視だ。
さあ、フィン達は、どうしているかな?
○○○ イリス視点
お姉様がオリュンプス山に行って、3日経過しました。その間、おかしな事は起こっていません。アルテハイム側から襲ってくる気配もありません。平和な日々が続いています。虚無魔法も、この3日間の訓練で中距離までなら制御出来るようになりました。ジンさんとリッカは、昨日でマスターしました。昨日の夕方からは、レオンさんを指導しています。
はあ~、悪魔との初対戦では、悲惨な目にあいました。調子に乗り過ぎて、ニセエレノア様やニセお姉様を殴りまくったせいです。今後、このような事が起きないように制御しないといけませんね。
現在、私は訓練場で、虚無魔法の訓練に励んでいます。お手玉6個まで扱えるようになりました。
「あれ?イリスだけなんだ。ジンさんとリッカはいないのかな?」
フィン姉とレオンさんは、理想の恋人関係ですね。本当にお似合いです。
「今日は朝食を食べて以降、見ていませんね」
「そっか。まさか-----」
「フィン、どうしたんだ?何かあるのか?」
?どうしたんだろう?
「今日の朝、醤油ラーメンとオーク骨ラーメンの具材であるオーク肉の改良版が出来たらしくて、料理人達が味見したら物凄く美味しかったらしいの。私達が食べた時より、遥かにオーク肉にタレが染み込んでいて、麺・スープ・オーク肉とのバランスが何段階も進化したと喜んでいたのを聞いたんだ」
なんですとーーー!これは是非とも味見したい!
「今、イリスが思ったように、ジンさんとリッカも調理場に行ったのかもしれない」
「えー、フィン姉、なんでわかったんですか!」
「イリス、顔、思ったことが顔に出てるよ」
う!顔に出ちゃいましたか?
「それなら3人で調理場に行きましょう。今、お姉様はいません。今のうちに試食しましょう!」
「やっぱりイリスもそう思うよね!うん、行こう!」
お姉様はダンジョン攻略中、試食するなら今しかありません。
「ちょっと待ったーーーー!!」
私とフィン姉がダッシュしようしたところで、レオンさんに止められました。
「レオン、なんで止めるの!師匠がいない今しか食べれないんだよ!」
フィン姉は当初『レオン様』と言っていたけど、もっと仲を深めたいという事で、『様』を外しました。それ以降、さらに関係が深まった気がします。それにしても、どうして止めるんですか!
「2人共、よく考えろ。僕は、まだサーシャと出会って日が浅いけど、彼女が何もせずにダンジョン攻略に行くわけがない!」
は!そういえばそうだ。あのお姉様のことだから、何か罠を仕掛けているかもしれない。------うーん、ステータスを見ても、特に変わったところがない。強いて言えば、称号かな?
称号: 聖女、女神サーシャの加護
以前は、称号のすぐあとに聖女がありました。うーん、この隙間が気になる?
「イリス、称号の隙間が気にならない?」
「フィン姉にもありますか?」
「僕にもあるな。不自然な隙間だな?ここに、何かあるのか?」
私達が疑問に思ったところで、それは聞こえました。
《ジン、リッカ、アウトーーーーーーーー!!!》
ぎゃあああああああーーーーーーーー
「ふぇーー、今の何?師匠の声と誰かの叫び声が聞こえたよ!」
「あの声は、ジンさんとリッカさんですね。声はかなり近い位置から聞こえましたけど、周辺には2人ともいませんね?」
「フィン、イリス、多分調理場だ!行ってみよう!」
今朝完成したオーク肉の改良版、どう考えても事件は調理場で起こっていますね。私達は、急いで調理場に向かいました。
------到着すると、ジンさんとリッカさんは、無残にも白目となり死んで-----はいないですね。気絶していました。
わわ、この匂い、惹きつけられるような魅惑的な匂い、匂いの発生源を見ると、オーク肉とラーメンの残骸が転がっていました。
「あ、フィン様、レオン様、イリス様」
「料理長、この惨状を説明してもらえませんか?」
「はあ、それがオーク肉の改良版が完成しましたので、それをオーク骨ラーメンに載せ試食しようとしたところで、ジン様とリッカ様が来られたのです」
《あー、ずるい。私達も食べたい!》
《おい、リッカ、俺達は我慢だぞ》
《味見の1杯くらいならいいはずだよ!ジンも食べたいでしょう!》
《まあ、この匂いを嗅いでしまったらな。-----申し訳ないが、我々にも半人前だけでいいから作ってくれないか?》
《はあ、構いませんよ》
《ほおおぉぉぉーーーー、これがオーク骨ラーメン!》
《よし、食べるか》
《うん!》
《ジン、リッカ、アウトーーーーーーーー!!!》
(注意 サーシャの声は、加護を持った者にしか聞こえません)
《え!なに!サーシャ様の声がしたよ》
《俺にも聞こえたぞ!》
《は?私達には何も聞こえませんでしたが?》
《ぎゃあ、この匂いは!なんで!ムヒャアアァァァァーーーーーーーーーー、ジンーーーダズゲ》
《グワアアァァァーーー、なんだ、この匂いは!まさ―かお仕置き!ムグウーーー、これは、ギャアアアァァァァーーーこ、ごれが、し、刺激臭―――》
《バタン》
「という感じです。我々には、何が起こったのか全くわかりません」
私達にはわかります。-----お姉様、容赦ないです。やはり、何か仕掛けていたんですね。ジンさん達が先走ったおかげで助かりました。フィン姉を見ると、顔が真っ青になってました。
「フィン、まさかとは思うが、これが『刺激臭』というお仕置きか?」
「うん、この苦しみ悶絶した表情は、刺激臭のお仕置きを受けたんだ」
「もしかして、ラーメンにある一定距離に近付いたから発動したんじゃあ?」
「あ、レオン様、確かにお二人はラーメンを口に運ぼうとした瞬間、口から10cm程のところで苦しみました」
「残念です。お姉様、私達を信用していなかったんですね」
《ピコン》
あれ?ステータスに変化があったのかな?確認してみよう。
「あああーーーーーーー、これが原因です。フィン姉、レオンさん、称号を見てください」
「「え?称号?」」
称号 ラーメンに囚われし者
この称号を持つ者は、女神サーシャからある一定距離離れると、とある罠が発動される。罠の内容はシンプル。ラーメンを食べようとしたら、刺激臭(改良版)が発生する。ラーメンとの制限距離は口から10cm。
『こんな事もあろうかと、あなた達の称号に追加しておきました。私に無断で食べようとした罰です。訓練に関しては、あなた達を信用しています。でもラーメンに関しては、これっぽっちも信用していません。私は、私の加護を持つ者にのみ、システムを経由しないで称号を与える事が可能なの。よって、この称号を与えました』
「「「--------」」」
お姉様、なんという酷い称号を与えるんですか。
「あはは、ラーメンに関しては全く信用していないか。実際、僕もフィンもイリスも食べようとしたからね。危なかったな、ジンさんとリッカのおかげで助かった」
ああ、残念です。ラーメンが~ラーメンが~。
「おいおい、叫び声が聞こえたと思って飛んで来たら、お仕置きを受けたのはジンとリッカか!てっきり、イリスとリッカの組み合わせになると思ったんだが、予想が外れたな」
!
「ラギウスさん、お仕置きのこと知っていたんですか!」
「ああ、サーシャが出掛ける直前に教えてもらった。まさか、ジンがお仕置きを受けるとはな~。お前ら、ラーメンは我慢しとけよ」
「-----はい、我慢します。あのお仕置きだけは嫌です」
お姉様、酷いです。試食すら出来ないなんて酷すぎです。こうなったら、とことん我慢します。我慢すればする程美味しくなるのなら、絶対にラーメンは食べません!
樹海地下から時折聞こえてくる轟音、それは女神サーシャが頑強なダンジョンの壁を破壊する音であった。
○○○ サーシャ視点
ダンジョンに入って、3日経過した。現在、地下45階、ここまで時間がかかるとは、正直思わなかった。でも、コツはもう掴んでいる。今日の夕方には最下層に行ける!
私専用のダンジョン攻略法は、極めてシンプルだ。
1) 空間魔法『オートマッピング』で、各階の地図を作製する
2) 完成後、入口から出口までの直線距離に存在する全ての壁を『レールガン』で破壊する【轟音の原因はこれ!】
3) 破壊された壁から、邪族がどんどん津波の様に押し掛けてくる
4) 完全な直線になったら、再度『レールガン』をぶっ放す!
5) あとは、出口まで歩くだけ
ほら、最短な道程で攻略可能だ。
そもそも誰が好き好んで、樹海全体に広がるダンジョンを正規ルートで攻略しなきゃいけないのよ。ハッキリ言って面倒!この方法が一番簡単ね。ただ、地下11階から予想外の事が発生した。マッピングで現れた出口が偽物だったのだ!再度行うと、違う出口が出現する。そして、そこに到着しても、また偽物ということが判明した。これにはムカついた!結局、最終出口は、なんと入口の隣だった!これでは、デュラハン達が1年かかるわけだ。
地下11階以降、それが何度も続いた。腹いせに、各階に存在する邪族を手当たり次第殲滅してやったわ。そして、その行動を何度も続けて行くと、私への態度がパターン化してきた。主に3つのパターンだ。
1) 死を覚悟して戦う
2) 全力で逃げる
3) 本当の出口を教える
特に3)の行動を取った後、レールガンで出来た出口までの新たなルートの両端に綺麗に並んで、お辞儀のポーズを取り、
『出口はこちらです』
と素直?に教えてくれるのだ。
各階層によって、私への態度が極端すぎる!
中ボスは10階層おきに現れたけど、全員一撃で討伐した。
キラーオクトパスエンペラー・キラースクイッドエンペラー・キラーシュリンプエンペラー・キラークラムエンペラーがいたんだけど、海中での戦いではなく、普通に地面の上で戦った。討伐した時、つい
【料理の食材、GET~~~!!!】
と叫んでしまった。だって、これで念願のタコ焼きやイカの塩焼、エビチリなどが作れるんだから叫びたくもなるわ!これらの食材のおかげで、料理のレパートリーが大幅に増えた。スフィアタリアには、海の食材がなかったから丁度良かったわ。私がいなくても、フィンやアレイル、キースに食材を取りに行かせれば問題ないわね。
この行動を繰り返し、現在は地下45階へ到着したのだ。
「ふう、少し休憩しよう」
この3日、1人でダンジョン攻略ばかりだから寂しいわね。正確に言うと、少し違うかな。小さい虫が3体後方から私を尾行している。誰の差し金かは、既に判明している。あの虫が見た映像を魔法で相手先に見えるようになっているのだから、その魔力の波動を辿れば1発で場所がわかる。王城で殺気を放った時、一旦はすぐ姿を消したけど、数時間したら再度現れたのよね。多分、相手も殺される覚悟の上で監視しているのかしら?だったら、通信して来なさいよ!まあ、訳ありか、このダンジョンの最終地点を見たいだけなんだろう。まあ何もしないなら、それで良いけど暇潰しはさせてもらっている。
と言っても、定期的にピースしたり、威圧や殺気を放ったりして、そいつらで遊んでいるだけなんだけど。ここまでして、何も通信して来ないという事は、完全に見張りに徹するようね。
こいつらの目的は、私の強さを見定めることかな?甘いわね。邪神になって以降、私はスキルの扱い方をどんどんマスターしてきている。レーデンブルクに来てからは、なにもラーメンばかりを作っていたわけではない。ラーメン作り以外に、転移の訓練もしていた。そのおかげもあって、相手の気配・魔力・魂などを把握出来たら、そこに転移出来るようにもなった。だから、ダンジョンの攻略が終われば、すぐにそっちに行くから覚悟しておく事ね!
ハイエルフのお二人さん!
私にとって、あなた達が同郷であろうがなかろうが関係ない。そして、サリアから離れたとはいえ、味方とは限らない。悪意を持って、スフィアタリアを傷つけるのであれば問答無用で排除する!
さて、ハイエルフのことは置いといて、フィン達は何をしているかな?
私が離れている間に、アルテハイムが攻めてくる危険性もある。ハイエルフが送り込んだ虫を見習い、私も王城を監視できる神鳥を自分の魔力で作っておいた。名称はセキュリティーバード、知能はない。まあ、ロボットのようなものなので、気配はない。ユニークスキルとして【光学迷彩】を入れておいた。存在は消せないけど、気配がなく光の反射で目視出来ないようにしているため、存在を非常に察知しにくい。ノーマルスキルとして、【透視10】【ズーム10】を搭載している。プログラム内容としては、フィンを基点として、加護対象者5人を100m離れた地点で監視すること。もちろん、みんなのプライバシーもあるから、終日監視とかはしていないし、録画もしていない。まあ、本当に危険が迫ったら通信がくるだろうけど、やはり気になるのよね。過保護かな?みんなが知ったら、《そんなに私達が信用出来ませんか》と怒りそうだ。信用はしているんだけど、心配なのよね。ちなみに、セキュリティーバードは3体作製した。1体目はフィン達用、2体目はアルテハイム王城観察用、現在目的地に向け移動中、3体目はハイエルフ2人用、既に転移済でハイエルフから100m離れたところにいて、監視(録画付)している。こいつらの情報に関しては、あとで見よう。今は無視だ。
さあ、フィン達は、どうしているかな?
○○○ イリス視点
お姉様がオリュンプス山に行って、3日経過しました。その間、おかしな事は起こっていません。アルテハイム側から襲ってくる気配もありません。平和な日々が続いています。虚無魔法も、この3日間の訓練で中距離までなら制御出来るようになりました。ジンさんとリッカは、昨日でマスターしました。昨日の夕方からは、レオンさんを指導しています。
はあ~、悪魔との初対戦では、悲惨な目にあいました。調子に乗り過ぎて、ニセエレノア様やニセお姉様を殴りまくったせいです。今後、このような事が起きないように制御しないといけませんね。
現在、私は訓練場で、虚無魔法の訓練に励んでいます。お手玉6個まで扱えるようになりました。
「あれ?イリスだけなんだ。ジンさんとリッカはいないのかな?」
フィン姉とレオンさんは、理想の恋人関係ですね。本当にお似合いです。
「今日は朝食を食べて以降、見ていませんね」
「そっか。まさか-----」
「フィン、どうしたんだ?何かあるのか?」
?どうしたんだろう?
「今日の朝、醤油ラーメンとオーク骨ラーメンの具材であるオーク肉の改良版が出来たらしくて、料理人達が味見したら物凄く美味しかったらしいの。私達が食べた時より、遥かにオーク肉にタレが染み込んでいて、麺・スープ・オーク肉とのバランスが何段階も進化したと喜んでいたのを聞いたんだ」
なんですとーーー!これは是非とも味見したい!
「今、イリスが思ったように、ジンさんとリッカも調理場に行ったのかもしれない」
「えー、フィン姉、なんでわかったんですか!」
「イリス、顔、思ったことが顔に出てるよ」
う!顔に出ちゃいましたか?
「それなら3人で調理場に行きましょう。今、お姉様はいません。今のうちに試食しましょう!」
「やっぱりイリスもそう思うよね!うん、行こう!」
お姉様はダンジョン攻略中、試食するなら今しかありません。
「ちょっと待ったーーーー!!」
私とフィン姉がダッシュしようしたところで、レオンさんに止められました。
「レオン、なんで止めるの!師匠がいない今しか食べれないんだよ!」
フィン姉は当初『レオン様』と言っていたけど、もっと仲を深めたいという事で、『様』を外しました。それ以降、さらに関係が深まった気がします。それにしても、どうして止めるんですか!
「2人共、よく考えろ。僕は、まだサーシャと出会って日が浅いけど、彼女が何もせずにダンジョン攻略に行くわけがない!」
は!そういえばそうだ。あのお姉様のことだから、何か罠を仕掛けているかもしれない。------うーん、ステータスを見ても、特に変わったところがない。強いて言えば、称号かな?
称号: 聖女、女神サーシャの加護
以前は、称号のすぐあとに聖女がありました。うーん、この隙間が気になる?
「イリス、称号の隙間が気にならない?」
「フィン姉にもありますか?」
「僕にもあるな。不自然な隙間だな?ここに、何かあるのか?」
私達が疑問に思ったところで、それは聞こえました。
《ジン、リッカ、アウトーーーーーーーー!!!》
ぎゃあああああああーーーーーーーー
「ふぇーー、今の何?師匠の声と誰かの叫び声が聞こえたよ!」
「あの声は、ジンさんとリッカさんですね。声はかなり近い位置から聞こえましたけど、周辺には2人ともいませんね?」
「フィン、イリス、多分調理場だ!行ってみよう!」
今朝完成したオーク肉の改良版、どう考えても事件は調理場で起こっていますね。私達は、急いで調理場に向かいました。
------到着すると、ジンさんとリッカさんは、無残にも白目となり死んで-----はいないですね。気絶していました。
わわ、この匂い、惹きつけられるような魅惑的な匂い、匂いの発生源を見ると、オーク肉とラーメンの残骸が転がっていました。
「あ、フィン様、レオン様、イリス様」
「料理長、この惨状を説明してもらえませんか?」
「はあ、それがオーク肉の改良版が完成しましたので、それをオーク骨ラーメンに載せ試食しようとしたところで、ジン様とリッカ様が来られたのです」
《あー、ずるい。私達も食べたい!》
《おい、リッカ、俺達は我慢だぞ》
《味見の1杯くらいならいいはずだよ!ジンも食べたいでしょう!》
《まあ、この匂いを嗅いでしまったらな。-----申し訳ないが、我々にも半人前だけでいいから作ってくれないか?》
《はあ、構いませんよ》
《ほおおぉぉぉーーーー、これがオーク骨ラーメン!》
《よし、食べるか》
《うん!》
《ジン、リッカ、アウトーーーーーーーー!!!》
(注意 サーシャの声は、加護を持った者にしか聞こえません)
《え!なに!サーシャ様の声がしたよ》
《俺にも聞こえたぞ!》
《は?私達には何も聞こえませんでしたが?》
《ぎゃあ、この匂いは!なんで!ムヒャアアァァァァーーーーーーーーーー、ジンーーーダズゲ》
《グワアアァァァーーー、なんだ、この匂いは!まさ―かお仕置き!ムグウーーー、これは、ギャアアアァァァァーーーこ、ごれが、し、刺激臭―――》
《バタン》
「という感じです。我々には、何が起こったのか全くわかりません」
私達にはわかります。-----お姉様、容赦ないです。やはり、何か仕掛けていたんですね。ジンさん達が先走ったおかげで助かりました。フィン姉を見ると、顔が真っ青になってました。
「フィン、まさかとは思うが、これが『刺激臭』というお仕置きか?」
「うん、この苦しみ悶絶した表情は、刺激臭のお仕置きを受けたんだ」
「もしかして、ラーメンにある一定距離に近付いたから発動したんじゃあ?」
「あ、レオン様、確かにお二人はラーメンを口に運ぼうとした瞬間、口から10cm程のところで苦しみました」
「残念です。お姉様、私達を信用していなかったんですね」
《ピコン》
あれ?ステータスに変化があったのかな?確認してみよう。
「あああーーーーーーー、これが原因です。フィン姉、レオンさん、称号を見てください」
「「え?称号?」」
称号 ラーメンに囚われし者
この称号を持つ者は、女神サーシャからある一定距離離れると、とある罠が発動される。罠の内容はシンプル。ラーメンを食べようとしたら、刺激臭(改良版)が発生する。ラーメンとの制限距離は口から10cm。
『こんな事もあろうかと、あなた達の称号に追加しておきました。私に無断で食べようとした罰です。訓練に関しては、あなた達を信用しています。でもラーメンに関しては、これっぽっちも信用していません。私は、私の加護を持つ者にのみ、システムを経由しないで称号を与える事が可能なの。よって、この称号を与えました』
「「「--------」」」
お姉様、なんという酷い称号を与えるんですか。
「あはは、ラーメンに関しては全く信用していないか。実際、僕もフィンもイリスも食べようとしたからね。危なかったな、ジンさんとリッカのおかげで助かった」
ああ、残念です。ラーメンが~ラーメンが~。
「おいおい、叫び声が聞こえたと思って飛んで来たら、お仕置きを受けたのはジンとリッカか!てっきり、イリスとリッカの組み合わせになると思ったんだが、予想が外れたな」
!
「ラギウスさん、お仕置きのこと知っていたんですか!」
「ああ、サーシャが出掛ける直前に教えてもらった。まさか、ジンがお仕置きを受けるとはな~。お前ら、ラーメンは我慢しとけよ」
「-----はい、我慢します。あのお仕置きだけは嫌です」
お姉様、酷いです。試食すら出来ないなんて酷すぎです。こうなったら、とことん我慢します。我慢すればする程美味しくなるのなら、絶対にラーメンは食べません!
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主人公は持水薫、女30歳、独身。趣味はあらゆる物質の立体構造を調べ眺めること、構造解析研究者であったが、地震で後輩を庇い命を落とす。魂となった彼女は女神と出会い、話をした結果、後輩を助けたこともあってスキル2つを持ってすぐに転生することになった。転生先は、地球からはるか遠く離れた惑星ガーランド、エルディア王国のある貴族の娘であった。前世の記憶を持ったまま、持水薫改めシャーロット・エルバランは誕生した。転生の際に選んだスキルは『構造解析』と『構造編集』。2つのスキルと持ち前の知能の高さを生かし、順調な異世界生活を送っていたが、とある女の子と出会った事で、人生が激変することになる。
果たして、シャーロットは新たな人生を生き抜くことが出来るのだろうか?
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7歳序盤まではほのぼのとした話が続きますが、7歳中盤から未開の地へ転移されます。転移以降、物語はスローペースで進んでいきます。読者によっては、早くこの先を知りたいのに、話が進まないよと思う方もおられるかもしれません。のんびりした気持ちで読んで頂けると嬉しいです。
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主人公シャーロットは、チートスキルを持っていますが、最弱スタートです。
召喚失敗から始まる異世界生活
思惟岳
ファンタジー
勇者召喚に失敗したジュンは、いったん、天界に転送された。
そこで、召喚失敗の原因が『庭付き一戸建て住宅』だったと知らされる。彼には、魔道具である『庭付き一戸建て住宅』が結び付けられていたのだ。
ふだんは、存在ごと隠蔽されていたが、勇者召喚の時には、それがひっかかって召喚魔法陣から抜け出ることができなかったらしい。
一般的とは云えないまでも、日本人として暮らしてきたジュンには、まさに寝耳に水の話だった。
生き物には、すべて『存在の器』があるが、ジュンのそれは異常に大きかった。そのことに気づいたちび女神たちは、面白がってありたけの魔法を伝授してしまった。『存在の器』は、魔力や魔法を収納する器でもあったのだ。
そのせいで、さらに『存在の器』が拡張され、魔力量が人外どころか神をも超えたジュンは、これからどうしたいかと大神さまに問われた。
「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。
ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものです。
最初は、書きやすいかと思って、旧作の『第◯話』を踏襲していたのですが、書き換えすぎて、結局、途中から維持できなくなりました。冒頭部に、やたらと短いお話が続くのは、旧作を踏襲しようとしたせいです。すみません。