冤罪で殺された悪役令嬢は精霊となって自分の姪を守護します 〜今更謝罪されても手遅れですわ〜

犬社護

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最終章 事件の真相

エピローグ ルーテの決意

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エピローグ ルーテの決意

お兄様の怒りを鎮め納得させるのが、大変でしたわ。

私や両親が殺されているのですから無理もありませんが、それにいつまでも囚われていると、肝心の自分の子供を守れなくなってしまいます。私とアルテイシア様の二人がかりの言葉責めで、なんとか納得してもらい自分の視点を、過去ではなく未来へ向けさせることに成功しました。

そして翌日の昼休み、私は学園へと舞い戻り、チェルシーとクリスティーを屋上に呼び寄せ真実を打ち明けると、予想通りチェルシーだけがお兄様と同じく怒りを示したのですが、その矛先はグレースに向かれました。

「そんな真相に到達できるわけないじゃん!! 異世界からの転生者って意味わかんないし!! あ~私の復讐計画がご破算だよ~~~~。これじゃあ、誰に天誅を与えれば良いんだよ~~~。この場合は、ベルナ様より王妃様の方が悪いよね? うん、彼女が間接的にルーテシア叔母様や祖父母を殺したようなものだよ!! よし、彼女に復讐しよう!!」 

やはり、親子ですわね。
怒り方が似ていますわ。
ただ、チェルシーのあまりの言いように、私は彼女の頭にゲンコツを喰わらせました。

「痛~~~い、なんで叩くの~~~」
「復讐する必要はありません!! というか、そんな言葉を堂々と叫んじゃいけません」

アレンの時もそうでしたが、彼女なりに復讐方法を考えていたようです。私の言った真相に納得できないのか、無理矢理グレースに矛先を向けていましたわ。

「う~だってさ~、異世界の記憶を持っておきながら、なんで三人バラバラで行動を起こすかな? 誰か一人でも、ベルナ様の話をきちんと聞くだけで、悲劇は回避できたんだよ? たった一つのミスで、叔母様たちが死んだのかと思うと許せないよ」 

「あなたの気持ちもわかりますが、人生というものはそういうものです。たった一つの選択ミスで、人は悲劇に遭ってしまうんです」

グレース自身も、自分の仕出かしたことにかなりショックを受けていますし、時期を見てベルナとアイリスを連れて、謝罪するためロイドお兄様のもとへ行くはずです。チェルシーも、同席させた方がいいですね。

「チェルシー、落ち着いて。ルーテの言う通り、復讐だけは絶対にダメ。ルーテシア様を殺した動機も、きちんとした理由があってものだった。……全てを受け止めるしかない」

第三者であるクリスティーは、アルテイシア様と似た反応ですわ。

「そうだけどさ、ベルナ様に関しては叔母様を殺しているとはいえ、きちんと国のことを考えての決断だから私も許せそうだけど、王妃様の考えが浅はか過ぎるんだよ。空気の読めない令嬢だからって、相手の忠告を無視するなんて信じられない。おまけに、ベルナ様の親に告発しているし!! そのミスさえなければ…」

グレースに関しては私のいないところで、今後もお兄様たちから色々言われそうですわね。多分、アルからも色々とお叱りを受けているはず。【告発】という自分の浅慮な行動により、私たち一家を崩壊に導いたのですから無理もありませんわ。

「チェルシー、私たちのために怒ってくれることは嬉しいのですが、今は今後のことを考えないといけませんよ。ここで過去ばかりに囚われていたら、あなたたちの未来が崩壊するのですから。怒るにしても、全てが終わってからでいいですわ。あなたの祖父母が事故死した要因には、間接的な意味合いで言えば、グレースだけでなく私も関係しているのですから」

今の段階で誰かが非協力的な体制をとった場合、それは続編にも影響してくるでしょう。それだけは、避けねばなりません!! グレースを批難する理由も分かりますが、それならば私とて過ちを犯しています。あの時、もっと注意しておけば父も母も助かったかもしれないのですから。

「そんな…叔母さまは悪くない!! でも…こんなのって…ないよ。わかった…殺された叔母様がそう言うのなら、私も納得…する。でも、せめてフォンテンス家の名誉だけは回復させたい!!」

この子は、本当に私たちのことを大切に思ってくれているのね。

「大丈夫。その件に関しては、グレースとベルナがアルや高位貴族たちに説明し、フォンテンス家の汚名を晴らしてくれるわ。私も転生された理由を知りたいので、光の精霊王様のもとへ行こうと思っています。全ての事情が判明次第、私もお兄様と一緒に城へ向かい、転生した事情を打ち明けるつもりです」

奇病の原因に関しては、既に解明されており、治療法も確立されている。今回の件と合わせて事情を全て打ち明ければ、皆も納得してくれるはずです。ただ、ラルカークの婚約者候補たちの家の罪を赤裸々にしますので、しばらくの間は皆大忙しになるでしょう。オルファンとベルナが証拠を揃えてくれていますし、絶対に逃げられませんわ。

「そっか、グレース様も理解しているんだ。フォンテンス家の名誉が回復されるのなら、私は誰も恨まない。みんなが前へ進もうとするのなら、私も進むわ!!」

チェルシーの目に、迷いはありませんね。彼女が過去のしがらみから解き放たれようとするのなら、私も後押ししてあげましょう。

「今になって、皆がようやく一つになれたのですから、ここから全員が協力して、続編に立ち向かいましょう。続編自体は、今から三年後に開始されるそうですから、それまでの間に、私の帝異精霊としての知識をフル活用して、皆を鍛えまくるので覚悟してくださいね」

二人は私の言葉を聞き、少し引いていました。
何はともあれ、私の事件も解決したのですし、ここからが再出発ですわ!!


○○○


ここは、転生前にいた白い空間?
お昼休みも終わり、私一人だけが屋上に残った後…

「そうですわ。あの時、急に景色が切り替わったのですわ!!」
「ルーテシア、お見事です。真相に辿り着き、憎しみに囚われないまま、あなたは正しい判断を下した」

何処からか、優しげな男性の声が聞こえてきます。
私の目の前に、一筋の青い光が唐突に現れました。
私の精霊としての理が、これがなんであるかを知らせてくれています。

「光の精霊王様ですか?」
「ええ、そうです。私は光の精霊王フィーリルヘルム」

今になって現れたと言うことは、私の役目はこれで終了なのでしょうか?
ついさっき、チェルシーたちを宥めたばかりですのに。

「いいえ、違いますよ。そもそも、私があなたの魂を帝異精霊へと転生させたのです」

まさか、私の心を読んだのですか!!
私を転生させたのは、光の精霊王様なのですか!?

「一体、どうして?」
「アイリス、グレース、ベルナの三人が、この世界を上位世界に存在するゲームの一部と捉えられているのが気に入らなかったのですよ」

こちら側からすれば、上位世界の人間がこの世界を真似て、ゲームを制作したように感じますわ。しかも世界自体がそのゲームの流れに沿って動いているようであれば、精霊王様も不愉快に感じて当然かもしれませんわね。

まるで、世界そのものが操られているかのように感じますもの。

「グレースを恨んではいけませんよ。彼女のおかげで、今のあなたがあるのですから」

その通りですわ、私もわかっています。
ですが、私を愛してくれた方々がグレースを責めるかもしれません。
続編が始まるまでに、この憂いを断たないといけませんわね。

「その通りです。やはり、あなたは綺麗な魂を持つ人間だ。そんなあなたであれば、この世界をゲームの流れから断ち切ってくれるかもと思い、帝異精霊へと転生させたのです。私の期待通り、あなたは自分自身の真相に辿り着き、アイリス、グレース、ベルナの三人に自分たちの過ちを気づかせ、協力関係を築いてくれました」

私が転生せずとも、あのまま時が進めば、ベルナが真相を二人に打ち明けたかもしれませんが、互いに責任をなすりつけ合い、協力しないまま続編を迎えていたかもしれませんわね。そうなりますと続編の流れに沿ったまま、振り回される危険性もありますわ。

「フィーリルヘルム様、私は帝異精霊として生きていいのでしょうか?」
「当然です。あなたがその力を悪用しない限り、生きて構いませんよ」

それ聞けて、ほっとしましたわ。
チェルシーが天寿を全うするまで、私は帝異精霊として生きたかったのですから。

「おや、そうなりますと、チェルシーが天寿を全うした後、どうするつもりですか?」
「転生を望みます。私の目的は、姪チェルシーに幸せな生活を送ってもらうことです。続編の流れに囚われず、自分たちの判断で懸命に生きてほしいことを望みます」

願わくば、転生後は人として生まれ変わり、今度こそ自分自身が幸せな生活を送りたいですわ。

「わかりました。あなたの希望を叶えましょう。そのためにも、三年後に迫る続編を断ち切るよう努力をしてください。上位世界の人間がどういうわけか、ゲームと言う形でここと似た世界を創ったものだから、それがこちらに影響しているのでしょう。《強制力》とまではいきませんが、何らかの力が働くかもしれません」

「お任せを!! 皆が幸せな人生を歩めるよう、私ルーテは帝異精霊として、この国をこの世界を守ってみせます!!」

「私は、いつでもあなたを見守っています。頑張ってください」

こんな形で、光の精霊王様と出逢えるとは思いもしませんでした。
私の味方になってくれたのですから、非常に心強いです!!
これならば、早い段階でフォンテンス家の名誉も回復させることができそうですわ。
私も帝異精霊としての力を利用されないよう、今以上に訓練に励みましょう。
チェルシーたちの未来を必ず守ってみせますわ!!






○○○


これにて完結です。
ご愛読、ありがとうございました。

犬社護
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感想 49

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みんなの感想(49件)

ぬこぽん。
2023.02.22 ぬこぽん。

あれ?謝罪されても手遅れ?結局許しちゃってるし謝罪されても手遅れでない様な?着眼点とか面白かったけど微妙にタイトル詐欺になってる気がー。

しかしリアルに軽んじられた立場の人間の発言て本当に採用されづらいんですよねぇ。それがどんなに重要な事でも。しかも後になって問題が起きた時に聞いてないとかどうしてもっと言わなかったんだとか言われるのがお約束。

てかリアルでも有りがちなこの状況。主人公は強制力を否定してたけど思えば一番ゲームに詳しい人間が思う様に伝えたい事が伝わらないのとか伝えようにも通じない人間関係とかって考えてみたら実はストーリー改変関与を排除しようとする強制力だったのかもしれませんねぇ。

2023.02.23 犬社護

ぬこぽんさん、最後まで読んで頂き、ありがとうございます!!

主人公から見れば、自分を含めた近しい人物が多数亡くなったこともあり、その人たちは生き返らないという意味合いで、このタイトルにしました。他の方からも、そういった意見を受けていますので、今後はそういった意見が出ないようなタイトルを付けていきます(๑>◡<๑)

解除
キンドル・ファイバー

一気見させていただきやした!
他のコメントでもあるように、転生者が情報の擦り合わせをちゃんとできてれば防げたのに...と思いつつも、
①1つのミスで取り返しのつかないことになることもある。
②人の話を決めつけで否定しない。
といった教訓にもなっていて、自分はいいなと思いますた。

あと、個人的に気になってしょうがなかったのが...王子がルーテシアと牢屋でキスしてたけど、濃厚接触!感染してない!?

2022.03.20 犬社護

キンドル・ファイバーさん、本作品を読んで頂きありがとうございます。

王子はルーテシアとキスして濃厚接触者となっていますが、感染していませんよ(๑>◡<๑)
発症していないこともあり、現在も健康状態で日常生活を送っています。

解除
セライア(seraia)

あれだけの重大事なんだから、『思ったことをそのまま口にする』『上手く話せない』なら ベルナは口頭で無理したあげく拗ねて諦めるのではなく 文字で伝えるべき。
それなのに人のせいにばかりして周りを責めるだけなのと、なによりも終始2次元気分で “ 事態も命も軽く見てる ” まま ずっと変わらないのが腹立って……。
つまり 前コメの『それを怠って』の一文はベルナへの怒りです、作者様に対してだと誤解させてしまっていたら ごめんなさい(>_<)

2021.10.13 犬社護

いえいえ、誤解していませんよ。
本作品をここまで深く読んで頂き、感謝しているくらいです( ^ω^ )

解除

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