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第13話 有希ちゃんが飼い主になりそうです。
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前回のあらすじ
有希ちゃんと、いつでもどんなに離れてても、念話が出来るようになりました(たぶん)。
☆☆☆
さあ、有希ちゃんとお話ししますか。
(有希ちゃん、聞こえますか。ラッキーです。応答をお願いします。)
(凄く綺麗に聞こえてるわよ。さて、ラッキー、いきなりだけど、こんな遠距離の念話、どうやって可能にしたの?洗いざらい、吐いてもらうわよ。)
え、なんで脅迫口調なんだ。遠距離の念話なんて陰陽師なら余裕だろ。
(え、陰陽師なら誰でもできるんじゃないの。ただの遠距離念話だよ、スマホで話すのと大差ないでしょ。)
(そんなわけないでしょ。日常生活ではスマホで事足りるけど、悪霊と遭遇した場合、スマホの電波が乱れて使用できないのよ。あ、ちょっと待って。ラッキー、隣に私のお祖母様がいるの。お祖母様にも、念話で通信できるかしら。)
さっきから、凄く強い霊力を感じると思ったら、有希ちゃんのお祖母ちゃんだったのか。
強く清涼な感じがするし、有希ちゃんと似てるな。これなら可能だ。
(大丈夫できるよ。ちょっと待っててね。)
波長を合わせて、あとは有希ちゃんとも繋げて3人で念話だ。
(有希ちゃんのお祖母ちゃん、聞こえますか。はじめまして、パピヨンのラッキーと言います。)
(はい、聞こえますよ。はじめまして、有希の祖母の南条明希と言います。
(ちょっと、ラッキー、こっちにも声が聞こえるんだけど。)
(俺が2人に聞こえるように念話を繋いだからね。なんで、そんなに驚くの?)
さっきから、有希ちゃんは驚くいてばっかりだな。なんでだ?
(ふふふ、有希が私達以外で、素で話をしているところ初めてみたわ。ラッキー、貴方、自分が今どれだけ凄いことをしているかわかってるのかしら。)
(えーと、わかりません。ただ、有希ちゃんと、いつでもどこでも念話で通信したいと思ってたから、自分なりに工夫したんです。陰陽師なら、術でちょちょいと簡単にできるのでは?)
(そうね、精霊がいた戦前なら、それも可能だったわね。戦後になって精霊がいなくなったことで、殆どの術が使用不可能となったわ。それは念話も同じ。皆、精霊から頂いた霊具を元に改造することで、いくつかの術は使用可能になったの。でも、念話だけは駄目だった。近距離は可能なのよ。それでも2人だけの会話ね。遠距離なんて、以ての外。どうやって可能にしたの?差しつかえなければ、教えて欲しいのだけど。)
えー、そうだったのか。ひょっとして、俺、とんでもないことをしたのでは?でも、みんなにも使えてほしいから教えてもいいよな。
(良いですよ。)
この後、俺はスマホの電波を利用した相手の現在位置の把握、把握後の相手の波長を認識して念話、複数ならスマホの電波で繋いだ念話を教えた。あと、電波を利用するだけなので、乱されてもそこに電波があれば問題ないことも教えた。
すると、有希ちゃんが呆れていた。
(ラッキー、とんでもないことをしてくれたわね。これは、私達陰陽師にとって、とても画期的なことなのよ。)
(明希さん、俺はやってはいけないことをやったのでしょうか?)
(いいえ、そんなことはないわ。むしろ、この技術をよく考えてくれたわ。この技術なら、例え、相手のスマホが圏外でも、電波が途絶えた周辺を探れば位置もある程度把握できるし念話も可能になる。ラッキー、できれば、こちらに来て直接教えて欲しいのだけど、あとあなたのことを飼いたいわ。)
(え、それって、俺を飼ってくれるてこと。凄い嬉しいです。でも、俺まだ生後1ヶ月だから、計3回のワクチン接種が終わるまでは、外出出来ないんです。それまでは念話で教えていくか、有希ちゃんが楓ちゃんの家に来てもらって教えるしかないんですが。)
すると有希ちゃんが、
(楓ちゃんの家で教えてもらうのは、ちょっと無理ね。お祖母様、どうしましょうか?)
まあ、楓ちゃんの家では無理だよな。他人から見たら、無言でお互いを見つめあってるようになるからな。
(そうね。ラッキーがこちらに来るまでは、念話で教えてもらうしかないわね。)
(わかりました。いつでも言ってください。俺の方は、みんなから見たら、ただ寝てるだけにしか見えないんで問題ないです。)
(わかりました。今日は、有希と今後のことを話していくから、明日の朝9時からお願いしてもいいかしら。)
(わかりました。明日から宜しくお願いします。)
(そうだわ、大事な事を言い忘れていたわ。ラッキー、念話や索敵をあまり多用しては駄目よ。あなたは、まだ子犬なの。身体に負担がかかって、最悪死ぬことになるわ。)
(え、本当ですか!う、確かに索敵を創った時、異様に身体が疲れました。今後は気をつけます。)
この後、世間話をちょっとだけして、念話を切った。
まさか、遠距離念話、誰も開発してなかったとはな。どれだけ、精霊に頼ってたんだ。
この技術が役立つのならいいか。
あと、大事なことを教えてくれたな。俺は、まだ生後1ヶ月の子犬だ。すっかり忘れてたよ。でも、有希ちゃんの両親を探したい。極力、身体に負担がかからないように、慎重にやっていこう。
☆☆☆
あれから、3日間、俺は遠距離念話の技術を有希ちゃんと明希さんに教えた。始めは索敵に苦労してたけど、今ではほぼマスターしていた。さすが、現役の陰陽師、修得する速度が速いね。今では、向こうからしてくるくらいだものな。今は、有希ちゃんと通信中だ。
(じゃあ、有希ちゃんのお祖父さんも飼う許可をくれたんだ。凄い、嬉しいよ。)
(始めは嫌がってたのよ。お祖父様、あまり動物は好きではないから。でも、事情を説明して、遠距離念話のことを言ったら驚いてたわ。「長年の夢が生後1ヶ月の犬に開発されるとは」て。)
(あはは、そうなんだ。うーん、知らなかったといえ、とんでもないことをしたんだな。)
(遠距離念話については、当分、南条家のトップシークレットになったわ。まだ、開発されたばかりだし、外部に漏れる訳にはいかないから。)
(わかったよ、俺もその方がいいと思う。話は変わるけど、今日いよいよワクチン接種1回目なんだ。)
(今日からなのね。レオ・リルの様子はどう?
(レオ・リルは、アリー母さんに内容を聞いてからずっと震えてるんだよ。しかも、アリー母さんの言い方が、まるでこの世の終わりかていうぐらい迫真の演技なんだ。大げさだよね。)
(それは演技じゃないと思うのだけど、まあ頑張ってね。)
(うん、俺はワクチン接種より、外出できるのが嬉しいよ。この28年で、どれだけ進歩したのかをこの目で見れるのだから。)
(お祖母様の話では、建物自体は大都市以外、大きな変化はあまりないみたいよ。)
(え、そうなの。アニメみたいに、車が自動で目的地まで移動したり、もしくは車が空を飛んだり、秒数単位で天気の移り変わりがわかったりとかはないの?)
(ラッキー、アニメの見過ぎよ。そんな都合良く発展するわけないでしょ。あ、いけない、お祖母様が呼んでいるわ。それじゃあね。)
(うん、さよなら)
そうか、車が空を飛んだりとかはないのか。まあ、映画通りにいくわけないよな。おっと、そろそろレオ・リルに言っておかないと。
『レオ・リル、そこまで怯えることないよ。テレビで見たけど、細い先の尖った注射針を刺して液を入れるだけだ。針と言っても、殆ど痛みは感じないらしいぞ。刺さる瞬間だけ、ほんのすこし痛いらしい。-----小声----獣医の腕によるけど』
レオが意外そうな顔で言ってきた。
『兄ちゃん、本当?痛くないの?』
『あー、痛くないよ。先に俺がやるから見てればいい。』
リルも怖いんだろう。
『本当かな?兄ちゃんの見てるよ。』
お、そろそろ出かけるのか、始めての外出、楽しくなりそうだ。
有希ちゃんと、いつでもどんなに離れてても、念話が出来るようになりました(たぶん)。
☆☆☆
さあ、有希ちゃんとお話ししますか。
(有希ちゃん、聞こえますか。ラッキーです。応答をお願いします。)
(凄く綺麗に聞こえてるわよ。さて、ラッキー、いきなりだけど、こんな遠距離の念話、どうやって可能にしたの?洗いざらい、吐いてもらうわよ。)
え、なんで脅迫口調なんだ。遠距離の念話なんて陰陽師なら余裕だろ。
(え、陰陽師なら誰でもできるんじゃないの。ただの遠距離念話だよ、スマホで話すのと大差ないでしょ。)
(そんなわけないでしょ。日常生活ではスマホで事足りるけど、悪霊と遭遇した場合、スマホの電波が乱れて使用できないのよ。あ、ちょっと待って。ラッキー、隣に私のお祖母様がいるの。お祖母様にも、念話で通信できるかしら。)
さっきから、凄く強い霊力を感じると思ったら、有希ちゃんのお祖母ちゃんだったのか。
強く清涼な感じがするし、有希ちゃんと似てるな。これなら可能だ。
(大丈夫できるよ。ちょっと待っててね。)
波長を合わせて、あとは有希ちゃんとも繋げて3人で念話だ。
(有希ちゃんのお祖母ちゃん、聞こえますか。はじめまして、パピヨンのラッキーと言います。)
(はい、聞こえますよ。はじめまして、有希の祖母の南条明希と言います。
(ちょっと、ラッキー、こっちにも声が聞こえるんだけど。)
(俺が2人に聞こえるように念話を繋いだからね。なんで、そんなに驚くの?)
さっきから、有希ちゃんは驚くいてばっかりだな。なんでだ?
(ふふふ、有希が私達以外で、素で話をしているところ初めてみたわ。ラッキー、貴方、自分が今どれだけ凄いことをしているかわかってるのかしら。)
(えーと、わかりません。ただ、有希ちゃんと、いつでもどこでも念話で通信したいと思ってたから、自分なりに工夫したんです。陰陽師なら、術でちょちょいと簡単にできるのでは?)
(そうね、精霊がいた戦前なら、それも可能だったわね。戦後になって精霊がいなくなったことで、殆どの術が使用不可能となったわ。それは念話も同じ。皆、精霊から頂いた霊具を元に改造することで、いくつかの術は使用可能になったの。でも、念話だけは駄目だった。近距離は可能なのよ。それでも2人だけの会話ね。遠距離なんて、以ての外。どうやって可能にしたの?差しつかえなければ、教えて欲しいのだけど。)
えー、そうだったのか。ひょっとして、俺、とんでもないことをしたのでは?でも、みんなにも使えてほしいから教えてもいいよな。
(良いですよ。)
この後、俺はスマホの電波を利用した相手の現在位置の把握、把握後の相手の波長を認識して念話、複数ならスマホの電波で繋いだ念話を教えた。あと、電波を利用するだけなので、乱されてもそこに電波があれば問題ないことも教えた。
すると、有希ちゃんが呆れていた。
(ラッキー、とんでもないことをしてくれたわね。これは、私達陰陽師にとって、とても画期的なことなのよ。)
(明希さん、俺はやってはいけないことをやったのでしょうか?)
(いいえ、そんなことはないわ。むしろ、この技術をよく考えてくれたわ。この技術なら、例え、相手のスマホが圏外でも、電波が途絶えた周辺を探れば位置もある程度把握できるし念話も可能になる。ラッキー、できれば、こちらに来て直接教えて欲しいのだけど、あとあなたのことを飼いたいわ。)
(え、それって、俺を飼ってくれるてこと。凄い嬉しいです。でも、俺まだ生後1ヶ月だから、計3回のワクチン接種が終わるまでは、外出出来ないんです。それまでは念話で教えていくか、有希ちゃんが楓ちゃんの家に来てもらって教えるしかないんですが。)
すると有希ちゃんが、
(楓ちゃんの家で教えてもらうのは、ちょっと無理ね。お祖母様、どうしましょうか?)
まあ、楓ちゃんの家では無理だよな。他人から見たら、無言でお互いを見つめあってるようになるからな。
(そうね。ラッキーがこちらに来るまでは、念話で教えてもらうしかないわね。)
(わかりました。いつでも言ってください。俺の方は、みんなから見たら、ただ寝てるだけにしか見えないんで問題ないです。)
(わかりました。今日は、有希と今後のことを話していくから、明日の朝9時からお願いしてもいいかしら。)
(わかりました。明日から宜しくお願いします。)
(そうだわ、大事な事を言い忘れていたわ。ラッキー、念話や索敵をあまり多用しては駄目よ。あなたは、まだ子犬なの。身体に負担がかかって、最悪死ぬことになるわ。)
(え、本当ですか!う、確かに索敵を創った時、異様に身体が疲れました。今後は気をつけます。)
この後、世間話をちょっとだけして、念話を切った。
まさか、遠距離念話、誰も開発してなかったとはな。どれだけ、精霊に頼ってたんだ。
この技術が役立つのならいいか。
あと、大事なことを教えてくれたな。俺は、まだ生後1ヶ月の子犬だ。すっかり忘れてたよ。でも、有希ちゃんの両親を探したい。極力、身体に負担がかからないように、慎重にやっていこう。
☆☆☆
あれから、3日間、俺は遠距離念話の技術を有希ちゃんと明希さんに教えた。始めは索敵に苦労してたけど、今ではほぼマスターしていた。さすが、現役の陰陽師、修得する速度が速いね。今では、向こうからしてくるくらいだものな。今は、有希ちゃんと通信中だ。
(じゃあ、有希ちゃんのお祖父さんも飼う許可をくれたんだ。凄い、嬉しいよ。)
(始めは嫌がってたのよ。お祖父様、あまり動物は好きではないから。でも、事情を説明して、遠距離念話のことを言ったら驚いてたわ。「長年の夢が生後1ヶ月の犬に開発されるとは」て。)
(あはは、そうなんだ。うーん、知らなかったといえ、とんでもないことをしたんだな。)
(遠距離念話については、当分、南条家のトップシークレットになったわ。まだ、開発されたばかりだし、外部に漏れる訳にはいかないから。)
(わかったよ、俺もその方がいいと思う。話は変わるけど、今日いよいよワクチン接種1回目なんだ。)
(今日からなのね。レオ・リルの様子はどう?
(レオ・リルは、アリー母さんに内容を聞いてからずっと震えてるんだよ。しかも、アリー母さんの言い方が、まるでこの世の終わりかていうぐらい迫真の演技なんだ。大げさだよね。)
(それは演技じゃないと思うのだけど、まあ頑張ってね。)
(うん、俺はワクチン接種より、外出できるのが嬉しいよ。この28年で、どれだけ進歩したのかをこの目で見れるのだから。)
(お祖母様の話では、建物自体は大都市以外、大きな変化はあまりないみたいよ。)
(え、そうなの。アニメみたいに、車が自動で目的地まで移動したり、もしくは車が空を飛んだり、秒数単位で天気の移り変わりがわかったりとかはないの?)
(ラッキー、アニメの見過ぎよ。そんな都合良く発展するわけないでしょ。あ、いけない、お祖母様が呼んでいるわ。それじゃあね。)
(うん、さよなら)
そうか、車が空を飛んだりとかはないのか。まあ、映画通りにいくわけないよな。おっと、そろそろレオ・リルに言っておかないと。
『レオ・リル、そこまで怯えることないよ。テレビで見たけど、細い先の尖った注射針を刺して液を入れるだけだ。針と言っても、殆ど痛みは感じないらしいぞ。刺さる瞬間だけ、ほんのすこし痛いらしい。-----小声----獣医の腕によるけど』
レオが意外そうな顔で言ってきた。
『兄ちゃん、本当?痛くないの?』
『あー、痛くないよ。先に俺がやるから見てればいい。』
リルも怖いんだろう。
『本当かな?兄ちゃんの見てるよ。』
お、そろそろ出かけるのか、始めての外出、楽しくなりそうだ。
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