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プロポーズの後の……
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博士は戸惑ったように私の体を押すと離れてしまう
「博士……?」
「ごめん……本当の事を言うのが怖くて、きみの愛を確かめたくて……こんな大掛かりな事をしたんだ……」
「博士?なんの事ですか……?」
「きみと僕の出会いは……そう……ずっと前の事だ、きみが生まれた時から僕はきみを知っていた」
「生まれた時から?」
「そうだ、きみは……僕の妹として生まれて来たんだ……」
「妹……?」
「そう……」
「えっ……?なんでっ……嘘っ……」
「嘘じゃないんだ……」
「えっ……でも……そういえば私、両親の事ほとんど覚えてない……」
「きみの……僕たちの母親はきみを産んだ後に亡くなってしまったんだ……」
「えっ……お母さんが私を産んだ後に死んだ……?」
「そうだ……僕ははっきりと覚えてる、きみを恨みさえしたよ。突然母親を奪われたから……」
「そんな……わたし……」
「きみが悪い訳じゃない、そうわかっていても心の何処かでずっときみを許せなかったんだ……母が死んで父はとても悲しんだ、日に日にやつれていった。でも僕やきみには泣き顔ひとつ見せなかったんだ」
「お父さん……お父さんは今どこにいるのっ?!」
「きみが三歳の時だった、脚立に登って遊んでいたきみはバランスを崩して頭から床に落ちてしまったんだ……そして、病院に運ばれたけど意識が戻らなかった……」
「そんな……」
「父は毎日、毎日、仕事に看病に疲れてしまったんだ。きみは長い事眠っていたから……父は高校生になった僕に一つだけ約束をさせたんだ」
「約束……?」
「そうだ、約束……何があってもきみを守るって約束だ。父が死んだ後きみを守るように言われたんだ」
「なんで……なんでわたしなんかっ……」
「父にとってきみがただひとつの救いだったんだ、きみは純粋でとても明るくて家族の光だったんだ。だからきみを何があっても守りたかったんだと思う」
「お父さん……」
「父はしばらくして亡くなった、無理をし過ぎたせいだと医者に言われたんだ……僕はまたきみを恨んだ、きみは母だけじゃなく父までも奪った……なのにどうして僕はきみを守らなきゃいけないのかって毎日、毎日悩んで悩み抜いた」
「ごめんなさい……」
「僕も心の何処かでわかっていたんだ、きみのせいじゃない……父との約束を守りたいって……そう思っていた矢先にきみは突然目を覚ましたんだ、でも何も覚えていなかった……そう今日まで何も思い出さなかったんだ、きみが目を覚ました日から今日で10年だ」
「10年……でもどうして兄だと言ってくれなかったんですか!!」
「兄だと言えばきみは混乱すると思ったんだ、それに兄妹だとわかればきみはいずれ誰かに恋をしてお嫁に行ってしまう。それでは僕がきみを守れなくなってしまう、だから他人の振りをしていたんだ。きみが僕を好きにさえなってくれれば全ての事がうまくいくんだ、そしてきみは僕を受け入れてくれた」
「そんな……」
「きみの名前はゆかり、僕の名前はゆうと、今まで名前で呼ばなくてごめん。どうしても名前で呼ぶ事に抵抗があったんだ、きみと呼ぶ事で他人であるという事を印象付けたかったんだ」
「わたしの名前はゆかり……」
「そうだ、そして僕はゆうと今更名前なんてどうでもいいかもしれないけど……」
「どうでも……どうでも良くないっ!!」
「ゆかり……?」
「どうでも良くないよ!!お父さんとお母さんがつけてくれた名前だもん……大切な名前だもん……なのに何も思い出せないの……なんでっ……なんでなのっ……」
「落ち着いて?ゆかり、そんなに焦って思い出さなくてもいいんだ。ゆかりが目を覚まして元気でいてくれるだけできっと天国で2人共喜んでると思う」
「喜んでる……?お父さんもお母さんも?嘘だよ……わたしが生まれてからひどい事ばかり起きてる……」
「ゆかりが気にする事じゃないだろ、全ては決まっていたんだ。だれも運命には逆らえないよ」
「博士……?」
「ごめん……本当の事を言うのが怖くて、きみの愛を確かめたくて……こんな大掛かりな事をしたんだ……」
「博士?なんの事ですか……?」
「きみと僕の出会いは……そう……ずっと前の事だ、きみが生まれた時から僕はきみを知っていた」
「生まれた時から?」
「そうだ、きみは……僕の妹として生まれて来たんだ……」
「妹……?」
「そう……」
「えっ……?なんでっ……嘘っ……」
「嘘じゃないんだ……」
「えっ……でも……そういえば私、両親の事ほとんど覚えてない……」
「きみの……僕たちの母親はきみを産んだ後に亡くなってしまったんだ……」
「えっ……お母さんが私を産んだ後に死んだ……?」
「そうだ……僕ははっきりと覚えてる、きみを恨みさえしたよ。突然母親を奪われたから……」
「そんな……わたし……」
「きみが悪い訳じゃない、そうわかっていても心の何処かでずっときみを許せなかったんだ……母が死んで父はとても悲しんだ、日に日にやつれていった。でも僕やきみには泣き顔ひとつ見せなかったんだ」
「お父さん……お父さんは今どこにいるのっ?!」
「きみが三歳の時だった、脚立に登って遊んでいたきみはバランスを崩して頭から床に落ちてしまったんだ……そして、病院に運ばれたけど意識が戻らなかった……」
「そんな……」
「父は毎日、毎日、仕事に看病に疲れてしまったんだ。きみは長い事眠っていたから……父は高校生になった僕に一つだけ約束をさせたんだ」
「約束……?」
「そうだ、約束……何があってもきみを守るって約束だ。父が死んだ後きみを守るように言われたんだ」
「なんで……なんでわたしなんかっ……」
「父にとってきみがただひとつの救いだったんだ、きみは純粋でとても明るくて家族の光だったんだ。だからきみを何があっても守りたかったんだと思う」
「お父さん……」
「父はしばらくして亡くなった、無理をし過ぎたせいだと医者に言われたんだ……僕はまたきみを恨んだ、きみは母だけじゃなく父までも奪った……なのにどうして僕はきみを守らなきゃいけないのかって毎日、毎日悩んで悩み抜いた」
「ごめんなさい……」
「僕も心の何処かでわかっていたんだ、きみのせいじゃない……父との約束を守りたいって……そう思っていた矢先にきみは突然目を覚ましたんだ、でも何も覚えていなかった……そう今日まで何も思い出さなかったんだ、きみが目を覚ました日から今日で10年だ」
「10年……でもどうして兄だと言ってくれなかったんですか!!」
「兄だと言えばきみは混乱すると思ったんだ、それに兄妹だとわかればきみはいずれ誰かに恋をしてお嫁に行ってしまう。それでは僕がきみを守れなくなってしまう、だから他人の振りをしていたんだ。きみが僕を好きにさえなってくれれば全ての事がうまくいくんだ、そしてきみは僕を受け入れてくれた」
「そんな……」
「きみの名前はゆかり、僕の名前はゆうと、今まで名前で呼ばなくてごめん。どうしても名前で呼ぶ事に抵抗があったんだ、きみと呼ぶ事で他人であるという事を印象付けたかったんだ」
「わたしの名前はゆかり……」
「そうだ、そして僕はゆうと今更名前なんてどうでもいいかもしれないけど……」
「どうでも……どうでも良くないっ!!」
「ゆかり……?」
「どうでも良くないよ!!お父さんとお母さんがつけてくれた名前だもん……大切な名前だもん……なのに何も思い出せないの……なんでっ……なんでなのっ……」
「落ち着いて?ゆかり、そんなに焦って思い出さなくてもいいんだ。ゆかりが目を覚まして元気でいてくれるだけできっと天国で2人共喜んでると思う」
「喜んでる……?お父さんもお母さんも?嘘だよ……わたしが生まれてからひどい事ばかり起きてる……」
「ゆかりが気にする事じゃないだろ、全ては決まっていたんだ。だれも運命には逆らえないよ」
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