わたしの専属魔法使いR-18

みずき

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私はつい感情的になり大きな声を出してしまう

いけない、こんな事言っちゃ‥‥どうしよう‥‥叱られてしまうかもしれない‥‥

優しく抱き締められる

「マリー、すまない‥‥許してくれ」

「私の方こそ‥‥ごめんなさい‥‥ひどい事を言ってしまって‥‥許してください」

「許すも何も悪かったのはマリー姫ではない、気にする必要はない」

「シェイド王子‥‥私‥‥本当は‥‥」

「わかってる、マリーは優しいから我慢してくれているのだろう?」

「え‥‥?シェイド王子?」

シェイド王子はさっきよりも強い力で私を抱き締める

「マリーの先程の笑顔を見ればわかってしまう、ユノウという専属魔法使いに恋をしているんだと‥‥だが、国民の為両親の期待、色んな物を背負っているマリーは本心を隠してきてくれたのだろう?」

「違います‥‥そんな‥‥一国の姫の私がそんな身分の者に恋をするなんて‥‥」

「いいんだ、無理をしなくても‥‥お互い国の為の結婚である事は事実なのだから」

「家族の一員の様に大事に思っているだけです‥‥きっとそうなんだと思います‥‥」

「もしも、その者に好意を抱いていたとしても‥‥マリーの事を好きになってもいいだろうか?」

「シェイド王子‥‥もちろんです、私もシェイド王子の事好きなれる様に努力します」

「マリーその‥‥婚礼の儀の前なんだがもう我慢できそうにないんだ‥‥」

「なんの事で‥‥」

私が言い終える前に

私のくちびるにシェイド王子のくちびるが重なっていた

柔らかくてあたたかいくちびる

離れないと‥‥婚礼の儀の前に‥‥こんな事‥‥

ゆっくりとくちびるが離れていく

「マリー?」

「はい」

「好きだ」

「ありがとうございます」

「そろそろ準備をしないといけないな、着替えたり準備をしておいでマリー」

「はい、行ってきます」

「また後で」

シェイド王子はわたしを離して手を振った

確か少し離れた部屋で準備をするって言っていた
その部屋まで行こう、小鳥さんを肩に乗せて

シェイド王子積極的だったな
くちびるに残る感覚

うっとりしてしまう

ユノウの時とは違う
優しさをすごく感じた

ユノウのキスは少し怖かった
そうだよね、私と離れたくなくていろんな障害を乗り越える事も考えててくれて
でも私結局ここに来てここに嫁ぐんだよね
もしユノウが倒れてなかったらすごく怒ったんだろうな
また禁止されてる魔法とか使ったりして無理にでも引き止めたんだろうな
ユノウは少し強引なところがあったもんな
でもそんなところも嫌いじゃなかったし

次々とユノウとの思い出と共にユノウだったらこうだったとかああだったとかいろんな感情が湧き上がってきた

会いたいな
最後にお話ぐらいしたかったな

目を覚ましたかなあ

小鳥さんが私の頬をクチバシでつついた

あれっ私いつの間にか泣いてた

「小鳥さん、ありがとう」

部屋の近くに着くとお手伝いさんが扉の前で待っていてくれた

「お待ちしておりました。さあどうぞ」

扉が開くと広い部屋の奥に見たことがないぐらい綺麗なドレスが飾ってある

「すごい。綺麗‥」

「さぁ、中へ入ってください。マリー様にとってもお似合いだと思います」

「ありがとう」

「まずはお召し物をおぬぎになられてお風呂にて体を綺麗にいたしましょう」

そういうと私の手を引いて左側の扉を開けた、とてもいい香りがした
湯船にたくさんの花びらが浮いている

私の着ているドレスにお手伝いさんが触れようとすると小鳥さんが驚いて泣き声を出した

「あらっ全然気が付きませんでした、失礼しました」

「大丈夫、気にしないでください。ほら少し離れていてね?」
私は小鳥さんに話しかけた、小鳥さんは部屋の奥のドレスの近くの窓に飛んで行った

「とても懐いているのですね、可愛らしい」

「そうなんです、可愛くてつい連れて歩いてしまいます」

お手伝いさんにドレスを脱がせてもらい湯船につかった

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