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第7章・過去
#10
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川面を渡ってくる風が少し冷たくなってきた。
それでも、2人はベンチに腰かけたまま話を続けた。
「父は重度の精神疾患を患ってて、入退院を繰り返していたみたいです。だから家にいないことが多かったんだ。分かってみればどうってことないですよね。母の態度も、俺に対する気遣いも……全部、そういう状態の父親を見せたくなかったし、教えたくなかったんだ」
そして、あの日見た光景をまざまざと思い出す。
「父は自宅の梁で首を吊って死んでた」
「――」
「ぶら下がってる、黒い影を覚えてる。人の体って、こんなに伸びるんだってくらい細く伸びて……ユラユラ揺れてた」
野崎はふと、いつかの内田巡査の証言を思い出した。
『細長い影が、柳みたいにユラユラ揺れていた』
「母が慌てて俺の目を塞いだ。『忘れなさい』って言いながらね」
「宇佐美……」
「だからずっと忘れてた。けど――」
宇佐美は大きく息をつくと「もうその声が聞こえない」と言って小さく笑う。
「母はずっと俺を守ってくれていた。ヤツから――父という死神から」
「死神?」
「そうですよ。彼は父親だけど父親じゃない。ヤツは――」
清次の言葉が蘇る。
「死神だ」
「死神――」
そう呟く野崎に、宇佐美は言った。
「ヤツはただ、人を死に導いてるだけだ。弱い心を持った人間に近づいて、死ぬように囁いてるだけ」
「それが――ヤツの正体?」
野崎は言った。
「弱っている人に近づいて、死ぬように仕向けている――死神が犯人だってこと?」
「――」
宇佐美は黙って頷いた。だが、ヤツにはもう一つ別の目的がある。
ヤツの本当の目的。
それは恐らく……
「ヤツは長い間考えていたんだと思う。自分が死んだあの日からずっと」
「――」
「最高の状況で、最高のタイミングで、人が絶望して死んでいくためにはどうすればいいかを、ずっと」
暗い思念が、川の流れに沿って広がってゆく。
自分の元から逃げていく、妻と息子を追って……
「振り切ったつもりだったけど、逃げ切れなかった。ヤツの思念に触れて母は身を投げた。絶望して傷ついた俺を見て、ヤツは満足したと思う。でもそれじゃまだ足りない。相手が激しい苦痛を感じれば感じるほど……激しい痛みを感じれば感じるほど……ヤツにとって、それは快楽なんだ」
「宇佐美……」
「分からない?ヤツは俺を――死なせたいんだよ」
宇佐美はそう言って小さく笑った。
「そんな――」
野崎は思わず首を振った。
「なんでそんなことするんだよ。だって血を分けた息子だろう?」
「だからですよ。他人じゃないから、より苦痛を感じる。大抵の親なら子供の笑顔が見たいでしょうけど、ヤツは違う。絶望する顔が見たいんだ」
そう言いながら、宇佐美は俯いた。
「人でなしだって言ってた。実の弟がそう言ったんだ。兄は人でなしだって。人でなしは人じゃない。そうだよ、ヤツは死神だ。人じゃないんだ」
そして自分は、そんな男の息子だ――宇佐美はそう言うと、きつく目を閉じて俯いた。
野崎は何も言えず、放心したように虚空を見つめた。
こんな途方もない話、いったい誰が信じる?
死神が犯人で、それは宇佐美の父親で、しかもそいつは息子を殺そうとしている――だって?
今までの事がなければ、単なる妄想話だ。
自分だって、少女の姿をあんなにハッキリと見ることがなければ、絶対に信じたりはしない。
(これは本当に現実世界の出来事なのか……?)
目の前で見ているのに。それでも信じられずに戸惑っている自分がいる。
野崎が言葉に迷っていると、「ヤツを止めないと」と、宇佐美が呟いた。
「これ以上、犠牲者を出すわけにはいかない」
宇佐美は膝の上できつく拳を握りしめると、じっと川面を睨みつけた。
「ヤツは俺が死ぬまできっと諦めない」
「……」
「俺から大事なものを奪い続けて、追い詰めていくつもりだ」
「宇佐美……」
「そんなことさせるもんか!絶対に止めてやる。俺はヤツを――」
宇佐美の感情が暴走しそうになるのを見て、野崎はそっと肩に手を置いた。
「落ち着けよ」
「――」
低く落ち着いた声色に、宇佐美は我に返った。
優しい眼差しを向けられ思わず下を向く。
野崎はそんな宇佐美の様子に小さく笑うと、肩を軽く叩いた。
「ヤツが今どこにいるのか分かっているのか?」
「見当は……ついてます」
「そうか。当たりは付いているんだな」
宇佐美は頷いた。
「それで――黙って顔も合わさず、1人で勝手に片を付けにいくつもりだったの?」
野崎にそう言われ、宇佐美はバツの悪そうな顔をした。
「図星か」と野崎は笑った。
両腕を組んで、やれやれと首を振る。
「まったく……どうしてそうなるかな」
宇佐美が黙り込んでいるのを見て野崎はため息をつくと、しばらくじっと何かを考えていたが、「よし、分かった!」と決意したように小さく頷いて言った。
「俺も行くよ」
「え?」
驚く宇佐美を尻目に、野崎は構わず続けた。
「ちょうど今、休暇を取る手筈になってる。グッドタイミングだな」
だが宇佐美は首を横に振った。
「駄目ですよ。何が起こるか分からないし、あなたを守れるか自信もない」
「守ってもらおうなんて思ってないよ」
「でも」
「俺は何の役にも立たないかもしれないけど、もしお前に何かあったら、その時は誰がお前を助ける?」
「……」
「こういう時は1人より2人だ。互いの存在が抑止力になることもある。それに――」
野崎は宇佐美を見てニヤッと笑った。
「もしヤツが俺を狙ってくるなら、近くにいた方が好都合なんじゃない?いざとなったら、俺を囮に使えばいいし」
「野崎さん……」
困惑した目で宇佐美は言った。
「どうして?だってあなたは……こういう事は信じないって」
「信じてないよ」
「じゃあなんで――」
「信じてないけど」
野崎はそういった後、しばらく黙っていた。
徐々に日が傾き、風も冷たくなってくる。
あの焼身自殺があった河川敷周辺の夏草はすっかり刈り取られ、秋の佇まいを見せていた。それをぼんやりと見つめたまま、野崎は言った。
「さぁ……なんでかな。俺にもよく分からない」
「……」
「出会って早々、自分の人生観を変えられたからかな?変な影を見たり、襲われたり……ここまでくると、嫌でも信じざるを得ないよな」
「――」
「でも多分そんな理由じゃないんだ。友達が困っているなら助けたい。そんな気持ちに近いと思う」
そして宇佐美に目を向ける。
「俺たち、もう見ず知らずの他人ってわけじゃないだろう?お互い乗り掛かった舟だし、どうなるのか――結末を見届ける権利は俺にだってあるよな?」
「……」
「お前ひとりに手柄を取られるのも癪だし」
「そんな!」
「それに!」
ムキになって反論しようとする宇佐美を、野崎は軽く手で制して言った。
「それに――宇佐美ひとりを危険に晒すのも俺の本意じゃない」
「――」
「だから一緒に行く」
もう決めた、と言わんばかりに言い切る野崎に、宇佐美は一瞬戸惑いを見せたが、やがて静かに微笑んで頷いた。
それを見て野崎も微笑む。
「ケリ付けに行こうぜ」
それでも、2人はベンチに腰かけたまま話を続けた。
「父は重度の精神疾患を患ってて、入退院を繰り返していたみたいです。だから家にいないことが多かったんだ。分かってみればどうってことないですよね。母の態度も、俺に対する気遣いも……全部、そういう状態の父親を見せたくなかったし、教えたくなかったんだ」
そして、あの日見た光景をまざまざと思い出す。
「父は自宅の梁で首を吊って死んでた」
「――」
「ぶら下がってる、黒い影を覚えてる。人の体って、こんなに伸びるんだってくらい細く伸びて……ユラユラ揺れてた」
野崎はふと、いつかの内田巡査の証言を思い出した。
『細長い影が、柳みたいにユラユラ揺れていた』
「母が慌てて俺の目を塞いだ。『忘れなさい』って言いながらね」
「宇佐美……」
「だからずっと忘れてた。けど――」
宇佐美は大きく息をつくと「もうその声が聞こえない」と言って小さく笑う。
「母はずっと俺を守ってくれていた。ヤツから――父という死神から」
「死神?」
「そうですよ。彼は父親だけど父親じゃない。ヤツは――」
清次の言葉が蘇る。
「死神だ」
「死神――」
そう呟く野崎に、宇佐美は言った。
「ヤツはただ、人を死に導いてるだけだ。弱い心を持った人間に近づいて、死ぬように囁いてるだけ」
「それが――ヤツの正体?」
野崎は言った。
「弱っている人に近づいて、死ぬように仕向けている――死神が犯人だってこと?」
「――」
宇佐美は黙って頷いた。だが、ヤツにはもう一つ別の目的がある。
ヤツの本当の目的。
それは恐らく……
「ヤツは長い間考えていたんだと思う。自分が死んだあの日からずっと」
「――」
「最高の状況で、最高のタイミングで、人が絶望して死んでいくためにはどうすればいいかを、ずっと」
暗い思念が、川の流れに沿って広がってゆく。
自分の元から逃げていく、妻と息子を追って……
「振り切ったつもりだったけど、逃げ切れなかった。ヤツの思念に触れて母は身を投げた。絶望して傷ついた俺を見て、ヤツは満足したと思う。でもそれじゃまだ足りない。相手が激しい苦痛を感じれば感じるほど……激しい痛みを感じれば感じるほど……ヤツにとって、それは快楽なんだ」
「宇佐美……」
「分からない?ヤツは俺を――死なせたいんだよ」
宇佐美はそう言って小さく笑った。
「そんな――」
野崎は思わず首を振った。
「なんでそんなことするんだよ。だって血を分けた息子だろう?」
「だからですよ。他人じゃないから、より苦痛を感じる。大抵の親なら子供の笑顔が見たいでしょうけど、ヤツは違う。絶望する顔が見たいんだ」
そう言いながら、宇佐美は俯いた。
「人でなしだって言ってた。実の弟がそう言ったんだ。兄は人でなしだって。人でなしは人じゃない。そうだよ、ヤツは死神だ。人じゃないんだ」
そして自分は、そんな男の息子だ――宇佐美はそう言うと、きつく目を閉じて俯いた。
野崎は何も言えず、放心したように虚空を見つめた。
こんな途方もない話、いったい誰が信じる?
死神が犯人で、それは宇佐美の父親で、しかもそいつは息子を殺そうとしている――だって?
今までの事がなければ、単なる妄想話だ。
自分だって、少女の姿をあんなにハッキリと見ることがなければ、絶対に信じたりはしない。
(これは本当に現実世界の出来事なのか……?)
目の前で見ているのに。それでも信じられずに戸惑っている自分がいる。
野崎が言葉に迷っていると、「ヤツを止めないと」と、宇佐美が呟いた。
「これ以上、犠牲者を出すわけにはいかない」
宇佐美は膝の上できつく拳を握りしめると、じっと川面を睨みつけた。
「ヤツは俺が死ぬまできっと諦めない」
「……」
「俺から大事なものを奪い続けて、追い詰めていくつもりだ」
「宇佐美……」
「そんなことさせるもんか!絶対に止めてやる。俺はヤツを――」
宇佐美の感情が暴走しそうになるのを見て、野崎はそっと肩に手を置いた。
「落ち着けよ」
「――」
低く落ち着いた声色に、宇佐美は我に返った。
優しい眼差しを向けられ思わず下を向く。
野崎はそんな宇佐美の様子に小さく笑うと、肩を軽く叩いた。
「ヤツが今どこにいるのか分かっているのか?」
「見当は……ついてます」
「そうか。当たりは付いているんだな」
宇佐美は頷いた。
「それで――黙って顔も合わさず、1人で勝手に片を付けにいくつもりだったの?」
野崎にそう言われ、宇佐美はバツの悪そうな顔をした。
「図星か」と野崎は笑った。
両腕を組んで、やれやれと首を振る。
「まったく……どうしてそうなるかな」
宇佐美が黙り込んでいるのを見て野崎はため息をつくと、しばらくじっと何かを考えていたが、「よし、分かった!」と決意したように小さく頷いて言った。
「俺も行くよ」
「え?」
驚く宇佐美を尻目に、野崎は構わず続けた。
「ちょうど今、休暇を取る手筈になってる。グッドタイミングだな」
だが宇佐美は首を横に振った。
「駄目ですよ。何が起こるか分からないし、あなたを守れるか自信もない」
「守ってもらおうなんて思ってないよ」
「でも」
「俺は何の役にも立たないかもしれないけど、もしお前に何かあったら、その時は誰がお前を助ける?」
「……」
「こういう時は1人より2人だ。互いの存在が抑止力になることもある。それに――」
野崎は宇佐美を見てニヤッと笑った。
「もしヤツが俺を狙ってくるなら、近くにいた方が好都合なんじゃない?いざとなったら、俺を囮に使えばいいし」
「野崎さん……」
困惑した目で宇佐美は言った。
「どうして?だってあなたは……こういう事は信じないって」
「信じてないよ」
「じゃあなんで――」
「信じてないけど」
野崎はそういった後、しばらく黙っていた。
徐々に日が傾き、風も冷たくなってくる。
あの焼身自殺があった河川敷周辺の夏草はすっかり刈り取られ、秋の佇まいを見せていた。それをぼんやりと見つめたまま、野崎は言った。
「さぁ……なんでかな。俺にもよく分からない」
「……」
「出会って早々、自分の人生観を変えられたからかな?変な影を見たり、襲われたり……ここまでくると、嫌でも信じざるを得ないよな」
「――」
「でも多分そんな理由じゃないんだ。友達が困っているなら助けたい。そんな気持ちに近いと思う」
そして宇佐美に目を向ける。
「俺たち、もう見ず知らずの他人ってわけじゃないだろう?お互い乗り掛かった舟だし、どうなるのか――結末を見届ける権利は俺にだってあるよな?」
「……」
「お前ひとりに手柄を取られるのも癪だし」
「そんな!」
「それに!」
ムキになって反論しようとする宇佐美を、野崎は軽く手で制して言った。
「それに――宇佐美ひとりを危険に晒すのも俺の本意じゃない」
「――」
「だから一緒に行く」
もう決めた、と言わんばかりに言い切る野崎に、宇佐美は一瞬戸惑いを見せたが、やがて静かに微笑んで頷いた。
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