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第一章 ゲームの世界
23話 治癒魔法
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「そ、それじゃ、まずは俺からお願いします」
そういったアルバさんが腕をまくると、そこには濃く打撲の跡が残っていた。
戦後処理で血の出るような傷はだいたい治しておいたけど、こういう命に関わらない傷は護衛さんたち全員に残っている。
その中でもアルバさんはかなり軽症の方だけど、それこそ実験台になるつもりで自分で名乗りを上げてくれたのだろう。
その覚悟を受け取らせてもらうとして……誰からやってもらおうかな。
ステータスから三人とも治癒魔法……神聖系統の魔法に適正があるのは分かってるけど……。
ここは一番適正が高くて、さらに歳上なアリスちゃんからにしよう。
「それじゃ、アリスちゃん、こっちに来てくれる?」
「えっ!?私からですかっ!?」
普段、ユーキくんの一歩後ろに下がって控えめなのに一番に声がかかってアリスちゃんは軽くあたふたしてる。
軽く不安そうにユーキくんの顔を見ているけど、ユーキくんがアリスちゃんの顔を見て頷くと手招きする僕の方に来てくれた。
「はい、これが魔法の触媒ね」
僕が差し出す小さな銀製の杖をおずおずと受け取る。
この触媒は僕が子供の頃に練習用に使っていたもので、魔力の増幅力は皆無に等しいけどなんの癖もなく素直に魔力を通してくれて励起させやすい。
「とりあえず、杖を右手で握って……うん、それでちょっとまってね」
アリスちゃんに杖を両手で握らせると後ろに回って、抱え込むようにしてアリスちゃんの手の上から一緒に杖を握る。
そしてそのまま僕の手に包まれているアリスちゃんの手を通して杖に魔力を通す。
「んっ……」
その途端アリスちゃんが軽く声を漏らした。
生まれつき魔力がある程度ある人間、つまり、魔法を使う素養のある人間はこの時点で魔力の流れを感じることが出来る。
僕も子供の頃にフランツにやってもらった適性の確認方法だ。
「どう?魔力が流れてるの分かる?」
「…………はい、分かります……」
アリスちゃんは『前』ヒーラーだったし、さらにステータスからも神聖魔法に高い適性があることは分かっているんだけど、魔力を感じ取ることは魔法を使う第一歩なのでこの手順を外すことは出来ない。
でも、ここから先はかなりスムーズなはずだ。
「それじゃ、これから治癒魔法を組み上げるよ」
魔力をアリスちゃんの手を通して杖に流したまま、魔力を治癒魔法の形に組み上げる。
「どう?これは分かる?」
「…………多分……分かります……」
暫くの間、目を閉じて魔力の流れに集中していたアリスちゃんが、ゆっくりと頷く。
うん、やっぱり、感覚をとらえるのが早い。
魔法は系統ごとに適正が別れていて、『攻略情報』によると、Cで才能のある一般人、Bでベテランクラス、Aで国内でも有数の実力者、さらにS以上になると物語に名の出るレベル。
大まかにだけど、そんな感じらしい。
【職業:治癒術師
筋力: 2 魔力: 5 体力: 3 精神:6 技術: 2 敏捷: 2 幸運:18
魔法適性 火:- 水:- 土:- 風:- 聖:B 邪:-】
そしてこれがアリスちゃんのステータスになる。
アリスちゃんは今の時点で神聖魔法への適性がBに達している天才だ。
流石は『ゲーム』の主要キャラクターだと言える。
『前』、彼等に魔法を教えだしたのは10歳になったときだったと思うけど、すでに適正Bならいけるだろうという目論見が当たった。
「よし、それじゃ、今度はそこまでを一人でやってみて。
もう一度感覚を知りたくなったら遠慮なく言ってね。
ゆっくりでいいから、出来たと思ったら言ってね」
目をつぶったまま集中しているアリスちゃんから手を離す。
あとはコツを掴むのを待つだけだから少し時間があく。
本当はこのまま他の二人もここまでは持っていっちゃいたいんだけど、練習用の杖一つしかないからなぁ。
触媒ということなら僕の宝剣があるけど、あれはまがりなりにも戦闘用だから初めての練習用には適していない。
どうしたもんかなぁと考えていたら、アリスちゃんから声がかかった。
「出来た……と思います……」
「え?もう?」
まだ目を閉じたままだけど、落ち着いた様子からは出来たと確信しているのがうかがえる。
すごいな、僕が初めて魔法を使ったときは半日はかかったのに。
才能に差があるとは思ってたけど、これほどとは。
これも成長率が関わってきているのだろうか?
「よ、よし、それじゃ、そのまま僕に続いて魔法を唱えてね。
短いから緊張しなくて大丈夫だから」
「は、はい……」
アリスちゃんが頷くのを確認したあと、ゆっくりと魔法を唱え始める。
と言っても、初級の治癒魔法なので本当に短い。
「魔力よ、治癒の力となりて、彼の者が傷を癒やす助けとなれ《小治癒》」
「……魔力よ、治癒の力となりて、彼の者が傷を癒やす助けとなれ……《小治癒》」
アリスちゃんが魔法を唱え《小治癒》を励起するとアルバさんの腕が一瞬淡く光り……アザのような打撲痕が消える。
《小治癒》成功だ。
「……お、おおっ!?」
アルバさんは傷の消えた腕を動かしながら不思議そうに何度も見ている。
「ほおっ!?アルバ、治ったのかね?」
「はい、旦那っ!痛みもなにも全部消えちまってまさぁっ!」
ミハイルさんにまるで自慢するように腕を見せているアルバさんたちを、いまいちなにが起こったのか分かっていないような顔をしてみているアリスちゃんの頭を撫でる。
「アリスちゃん、魔法、完璧に成功したよ。
おめでとう」
「おうっ、いけねぇ。
ありがとよ、じょうちゃ……お嬢さん」
褒める僕と礼を言うアルバさんを見て、ようやく自分がなにをしたか実感したらしいアリスちゃんは恥ずかしそうに俯いた。
照れて俯いているアリスちゃんの頭を撫でながら少し考える。
残った二人のうち、次はどっちにするべきか……。
年齢から考えればユーキくんだけど……自分でもそう思っているのか、少し緊張した顔をしているユーキくんをひと目見て……。
「それじゃ、次はノゾミちゃんね」
ユーキくんより適正の高いノゾミちゃんから行くことにした。
「はーい♪」
名前を呼ばれたノゾミちゃんが嬉しそうに寄ってくる。
呼ばれなかったユーキくんは安心したような残念そうな微妙な表情だ。
「それじゃ、ノゾミちゃん、これ持ってね」
「はーい」
「えっと、アルバさん、まだどこかに怪我ありますか?」
ノゾミちゃんに杖を渡しながら、アルバさんに問いかける。
当然ながら怪我がないと治癒魔法は発動しない。
「あーっと……そうですなぁ、おかげさんで傷らしい傷はなくなっちまいました。
旦那はどうですかい?」
「いや、私はお前たちと閣下のおかげで無傷だよ」
「となると……指でもちょっと切りますかい?」
「いえっ!そこまでしていただかなくてもっ!」
ナイフを取り出したアルバさんを慌てて止める。
「そういうことなら素直に他の方の治療にかかりましょう。
もとからそれが目的だったのですし」
「ふむ、それもそうですな」
ミハイルさんとアルバさんがうなずいてくれたので、みんなで護衛の人たちが寝ている部屋に向かった。
そういったアルバさんが腕をまくると、そこには濃く打撲の跡が残っていた。
戦後処理で血の出るような傷はだいたい治しておいたけど、こういう命に関わらない傷は護衛さんたち全員に残っている。
その中でもアルバさんはかなり軽症の方だけど、それこそ実験台になるつもりで自分で名乗りを上げてくれたのだろう。
その覚悟を受け取らせてもらうとして……誰からやってもらおうかな。
ステータスから三人とも治癒魔法……神聖系統の魔法に適正があるのは分かってるけど……。
ここは一番適正が高くて、さらに歳上なアリスちゃんからにしよう。
「それじゃ、アリスちゃん、こっちに来てくれる?」
「えっ!?私からですかっ!?」
普段、ユーキくんの一歩後ろに下がって控えめなのに一番に声がかかってアリスちゃんは軽くあたふたしてる。
軽く不安そうにユーキくんの顔を見ているけど、ユーキくんがアリスちゃんの顔を見て頷くと手招きする僕の方に来てくれた。
「はい、これが魔法の触媒ね」
僕が差し出す小さな銀製の杖をおずおずと受け取る。
この触媒は僕が子供の頃に練習用に使っていたもので、魔力の増幅力は皆無に等しいけどなんの癖もなく素直に魔力を通してくれて励起させやすい。
「とりあえず、杖を右手で握って……うん、それでちょっとまってね」
アリスちゃんに杖を両手で握らせると後ろに回って、抱え込むようにしてアリスちゃんの手の上から一緒に杖を握る。
そしてそのまま僕の手に包まれているアリスちゃんの手を通して杖に魔力を通す。
「んっ……」
その途端アリスちゃんが軽く声を漏らした。
生まれつき魔力がある程度ある人間、つまり、魔法を使う素養のある人間はこの時点で魔力の流れを感じることが出来る。
僕も子供の頃にフランツにやってもらった適性の確認方法だ。
「どう?魔力が流れてるの分かる?」
「…………はい、分かります……」
アリスちゃんは『前』ヒーラーだったし、さらにステータスからも神聖魔法に高い適性があることは分かっているんだけど、魔力を感じ取ることは魔法を使う第一歩なのでこの手順を外すことは出来ない。
でも、ここから先はかなりスムーズなはずだ。
「それじゃ、これから治癒魔法を組み上げるよ」
魔力をアリスちゃんの手を通して杖に流したまま、魔力を治癒魔法の形に組み上げる。
「どう?これは分かる?」
「…………多分……分かります……」
暫くの間、目を閉じて魔力の流れに集中していたアリスちゃんが、ゆっくりと頷く。
うん、やっぱり、感覚をとらえるのが早い。
魔法は系統ごとに適正が別れていて、『攻略情報』によると、Cで才能のある一般人、Bでベテランクラス、Aで国内でも有数の実力者、さらにS以上になると物語に名の出るレベル。
大まかにだけど、そんな感じらしい。
【職業:治癒術師
筋力: 2 魔力: 5 体力: 3 精神:6 技術: 2 敏捷: 2 幸運:18
魔法適性 火:- 水:- 土:- 風:- 聖:B 邪:-】
そしてこれがアリスちゃんのステータスになる。
アリスちゃんは今の時点で神聖魔法への適性がBに達している天才だ。
流石は『ゲーム』の主要キャラクターだと言える。
『前』、彼等に魔法を教えだしたのは10歳になったときだったと思うけど、すでに適正Bならいけるだろうという目論見が当たった。
「よし、それじゃ、今度はそこまでを一人でやってみて。
もう一度感覚を知りたくなったら遠慮なく言ってね。
ゆっくりでいいから、出来たと思ったら言ってね」
目をつぶったまま集中しているアリスちゃんから手を離す。
あとはコツを掴むのを待つだけだから少し時間があく。
本当はこのまま他の二人もここまでは持っていっちゃいたいんだけど、練習用の杖一つしかないからなぁ。
触媒ということなら僕の宝剣があるけど、あれはまがりなりにも戦闘用だから初めての練習用には適していない。
どうしたもんかなぁと考えていたら、アリスちゃんから声がかかった。
「出来た……と思います……」
「え?もう?」
まだ目を閉じたままだけど、落ち着いた様子からは出来たと確信しているのがうかがえる。
すごいな、僕が初めて魔法を使ったときは半日はかかったのに。
才能に差があるとは思ってたけど、これほどとは。
これも成長率が関わってきているのだろうか?
「よ、よし、それじゃ、そのまま僕に続いて魔法を唱えてね。
短いから緊張しなくて大丈夫だから」
「は、はい……」
アリスちゃんが頷くのを確認したあと、ゆっくりと魔法を唱え始める。
と言っても、初級の治癒魔法なので本当に短い。
「魔力よ、治癒の力となりて、彼の者が傷を癒やす助けとなれ《小治癒》」
「……魔力よ、治癒の力となりて、彼の者が傷を癒やす助けとなれ……《小治癒》」
アリスちゃんが魔法を唱え《小治癒》を励起するとアルバさんの腕が一瞬淡く光り……アザのような打撲痕が消える。
《小治癒》成功だ。
「……お、おおっ!?」
アルバさんは傷の消えた腕を動かしながら不思議そうに何度も見ている。
「ほおっ!?アルバ、治ったのかね?」
「はい、旦那っ!痛みもなにも全部消えちまってまさぁっ!」
ミハイルさんにまるで自慢するように腕を見せているアルバさんたちを、いまいちなにが起こったのか分かっていないような顔をしてみているアリスちゃんの頭を撫でる。
「アリスちゃん、魔法、完璧に成功したよ。
おめでとう」
「おうっ、いけねぇ。
ありがとよ、じょうちゃ……お嬢さん」
褒める僕と礼を言うアルバさんを見て、ようやく自分がなにをしたか実感したらしいアリスちゃんは恥ずかしそうに俯いた。
照れて俯いているアリスちゃんの頭を撫でながら少し考える。
残った二人のうち、次はどっちにするべきか……。
年齢から考えればユーキくんだけど……自分でもそう思っているのか、少し緊張した顔をしているユーキくんをひと目見て……。
「それじゃ、次はノゾミちゃんね」
ユーキくんより適正の高いノゾミちゃんから行くことにした。
「はーい♪」
名前を呼ばれたノゾミちゃんが嬉しそうに寄ってくる。
呼ばれなかったユーキくんは安心したような残念そうな微妙な表情だ。
「それじゃ、ノゾミちゃん、これ持ってね」
「はーい」
「えっと、アルバさん、まだどこかに怪我ありますか?」
ノゾミちゃんに杖を渡しながら、アルバさんに問いかける。
当然ながら怪我がないと治癒魔法は発動しない。
「あーっと……そうですなぁ、おかげさんで傷らしい傷はなくなっちまいました。
旦那はどうですかい?」
「いや、私はお前たちと閣下のおかげで無傷だよ」
「となると……指でもちょっと切りますかい?」
「いえっ!そこまでしていただかなくてもっ!」
ナイフを取り出したアルバさんを慌てて止める。
「そういうことなら素直に他の方の治療にかかりましょう。
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