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第三章
7話 苦手
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ひとまず疫病の発生源であるゴブリンの巣討伐をやり終えて直近の目的を失っていたところだったので、村長さんの話から新たな目的が出来たのは嬉しい誤算だった。
ゴブリンについても、虚実ないまぜにして出来るだけ嘘にならないようにしたせいか、脅威という印象はそれほど与えなかったように思う。
認定官が来た時に万が一にも嘘がバレるとまずいという事情もあったんだろう。
そう、なにより認定官だ。
『前』は一切接点を持たなかった存在だけど、これを機になんとかいい方向で接点を作っておきたい。
帰ったら早速、認定官について色々と考えてみよう。
「さあ、それではリンたちに買っていくお土産をみんなで考えましょうっ!」
歓声を上げるみんなと一緒にワイワイ屋台巡りをしてから広場をあとにした。
「よっ、ハルト」
「あれ、オウスケ。
こんなところでどうしたの?」
広場から出た辺りでフイっとどこからともなく現れたオウスケに話しかけられた。
どことなく申し訳無さそうな感じをしてるけどなんだろう?
「いや、今日のこと早いうちに謝っておこうと思ってよ」
「えっと……?」
「ほら、ハルトの手柄横取りしちゃった件」
あー。
確かに取り巻きの一人としてオウスケもどこか居心地悪げに立ってたなぁ。
「ああ、その件ね。
まあ、概ね事情はわかるからあんまり気にしないでよ」
企んだのが村長さんかレオンかは知らないけど、どっちにせよオウスケが首謀者ってわけじゃないだろうから、有る意味レオンのおまけとして巻き込まれたようなもんだろうし。
「今日の件も事前に聞いてはいたんだけど、レオンに口止めされててさ。
なんてお詫びしていいのかも分かんないけど、これでせっかく出来た友達を失くすとか嫌なんだよ。
本当に悪かった」
いやいや、そこまで申し訳無さそうな顔しなくても。
泣きそうにすら見える必死な顔で「友達を失いたくない」とか言われて、もはやちょっと恥ずかしい。
「だから、そんなに気にしないでよ。
僕は友達には甘いことで有名なんだから」
思わず自分も恥ずかしいことを言っちゃうくらい恥ずかしい。
とりあえずオウスケが少しホッとした顔をしてくれているので恥ずかしい思いをした甲斐はあったと思う。
「それよりこんな人前で話してていいの?」
オウスケの立場的に僕と仲良くしてレオンに睨まれるのはマズイだろうに。
「ああ、もし周りに見られてたら適当にハルトに嫌味とか言ってたことにするから」
なるほど。
言われてみれば話を聞かれるほどの近くには人はいないし、思い出してみればオウスケは表情と言葉以外なんの謝罪と取れる動作もしていない。
器用なことをするもんだ。
そんなことを考えながら横から誰か近づいてきたことをオウスケに……伝えるまでもなく、オウスケは軽くハッとした表情をしている。
「あんっ?こんなところで伯爵さんとなにしてんだ?」
「これはアインさん。
アインさんこそなんでこんなところに?」
訝しげ……とただ言うにはかなり機嫌が悪そうな表情で絡んでくるアインの話をそらそうとするオウスケ。
「話しそらしてんじゃねえよっ!間男やろうっ!
シャルロッテにまで色目使ってんじゃねえぞっ!
また殴られたくなけりゃとっとと失せろっ!!」
「は、はいっ!すぐに消えますって!すみませんでした」
卑屈な笑顔を浮かべてヘコヘコと頭を下げながら去っていくオウスケ。
うーん……プロだ。
「おい、シャルロッテ、大丈夫だったか?
あのチビになにか言われなかったか?」
オウスケの見本のような下っ端さに感心してる僕の横で、アインがシャルに話しかけていた。
どうやらアインにはオウスケがシャルをナンパしているようにでも見えていたようだ。
「あの人は僕に自慢と嫌味言いにきただけみたいだから、大丈夫ですよ」
シャルは一応自分を心配しているらしいアインをどう扱っていいか困っているようだったので助け船を出す。
下心が見え見えなだけでそこまで悪い人ではない……んだとは思うんだけどなぁ。
下心からシャルを襲おうとしたレオンの一味だった人間なので油断は出来ない。
「……伯爵さんももうちょっとしっかりしてくださいよ。
伯爵さんがそんなヒョロッこいから、あのチビなんかにも馬鹿にされるんすよ」
そんなことを言いながら、アインは僕の服を掴んでいるシャルの指を忌々しげに睨んでいる。
「いやぁ、これからは気をつけますね」
「なんなら俺が鍛えてあげましょうか?」
「いやいや、僕なんかじゃとてもついていけませんから、ご遠慮させていただきます。
それより、なにか御用があったのでは?」
色々見え隠れはしているけど、一応友好的に対応してきているから話を切り上げづらい。
用事があるんなら早く済ませてほしいんだけど、もしかして本当にオウスケに絡まれてる――と思った――シャルを助けに来ただけなんだろうか?
「ああ、そうだった、オウスケの顔見て頭に血が上っちまったけど、そっちが本題なんだった」
なんだ本当に用事があったのか。
それにしてもオウスケかなり嫌われてるなぁ。
下っ端として見下されてるって言うより、明確に嫌われてる。
今度オウスケと会った時になにかあったのか聞いてみよう。
今はとにかくアインの『本題』とやらだ。
「ゴブリン討伐の件、すまなかった!」
オウスケに続いてこの件で二人に謝られてしまった。
しかも、アインはアインで人目をはばかることなく直角に腰を折ってのガチ目の謝罪だ。
「い、いや、なにを謝られているのかわかりませんが、頭を上げてくださいっ!」
オウスケならともかくアインに謝られる心当たりがない。
村長たちほど事情を知っているわけじゃないし、オウスケみたいに僕に友情を感じてくれているわけでもない……と思う。
それとも、思っていた以上に治療の件を恩に着ていてくれているんだろうか?
村長の演説前にあった時はそんな様子なかったけど……。
「いや、いくら残党退治とは言え、少しは力を貸してくれた伯爵さんをあそこまで無視するとは思わなくてよ」
なるほど、彼らの間では僕の行動はそういう認識になっているのか。
まあ、実質的にレオンたちが討伐したことになっている以上、そういう事になるか。
「俺もせめて名前だけでもって村長に食い下がったんだけどよ。
なんかちょっと前まで俺死んだことになってたみたいだし、そのせいかレオンのやつも最近付き合い悪いし、話聞いてもらえなくてさ」
なるほど、アインなりに筋を通そうとしてくれていたのか。
「いえ、そのお気持ちだけで嬉しいです。
ありがとうございます」
というか、アイン、死んだことにされてたのか。
アインの治療にお金を出そうとしなかったことといい、もしかして村長さんはアインを『悲劇の英雄』にしたかったのかな?
たしかにそっちのほうがレオンの英雄譚は盛り上がるだろうけど……。
「俺たちの討ち漏らしの後処理をさせちまったっていう負い目もあるしよ。
もし困ったことがあったら声かけてくれよ」
そう言ってアインはニカっと爽やかに笑った。
その後、執拗にシャル――一人だけ――と市を周ろうとするアインを「家で用事があるから」となんとか断り、「それなら今晩遊びに行かないか」と非常識な誘いをしてくるのをなんとか振り切って家路についた。
「な、なんだったんでしょうね、あの人……」
あまりのしつこさにシャルは怒るどころか、もはや軽く引いている。
「うーん……悪い人ではないとは思うんだけど……。
あんまり常識がない上に、思い込みが激しい感じかなぁ?」
とりあえず、女の子を日が暮れてから遊びに誘うとか言語道断だと思います。
いわゆる不良だから、そこら辺の感覚がちょっと違うのかなぁ?
あと、この前のシャルの牽制は忘れてるみたいだし、さっきもシャルが少しわざとらしいくらいに僕と仲良さげにしていたのも気にしていないようだった。
レオンになんか言われたんだろうか?
「…………私、あの人苦手です……」
シャルの言葉に苦笑いしか浮かばなかった。
ゴブリンについても、虚実ないまぜにして出来るだけ嘘にならないようにしたせいか、脅威という印象はそれほど与えなかったように思う。
認定官が来た時に万が一にも嘘がバレるとまずいという事情もあったんだろう。
そう、なにより認定官だ。
『前』は一切接点を持たなかった存在だけど、これを機になんとかいい方向で接点を作っておきたい。
帰ったら早速、認定官について色々と考えてみよう。
「さあ、それではリンたちに買っていくお土産をみんなで考えましょうっ!」
歓声を上げるみんなと一緒にワイワイ屋台巡りをしてから広場をあとにした。
「よっ、ハルト」
「あれ、オウスケ。
こんなところでどうしたの?」
広場から出た辺りでフイっとどこからともなく現れたオウスケに話しかけられた。
どことなく申し訳無さそうな感じをしてるけどなんだろう?
「いや、今日のこと早いうちに謝っておこうと思ってよ」
「えっと……?」
「ほら、ハルトの手柄横取りしちゃった件」
あー。
確かに取り巻きの一人としてオウスケもどこか居心地悪げに立ってたなぁ。
「ああ、その件ね。
まあ、概ね事情はわかるからあんまり気にしないでよ」
企んだのが村長さんかレオンかは知らないけど、どっちにせよオウスケが首謀者ってわけじゃないだろうから、有る意味レオンのおまけとして巻き込まれたようなもんだろうし。
「今日の件も事前に聞いてはいたんだけど、レオンに口止めされててさ。
なんてお詫びしていいのかも分かんないけど、これでせっかく出来た友達を失くすとか嫌なんだよ。
本当に悪かった」
いやいや、そこまで申し訳無さそうな顔しなくても。
泣きそうにすら見える必死な顔で「友達を失いたくない」とか言われて、もはやちょっと恥ずかしい。
「だから、そんなに気にしないでよ。
僕は友達には甘いことで有名なんだから」
思わず自分も恥ずかしいことを言っちゃうくらい恥ずかしい。
とりあえずオウスケが少しホッとした顔をしてくれているので恥ずかしい思いをした甲斐はあったと思う。
「それよりこんな人前で話してていいの?」
オウスケの立場的に僕と仲良くしてレオンに睨まれるのはマズイだろうに。
「ああ、もし周りに見られてたら適当にハルトに嫌味とか言ってたことにするから」
なるほど。
言われてみれば話を聞かれるほどの近くには人はいないし、思い出してみればオウスケは表情と言葉以外なんの謝罪と取れる動作もしていない。
器用なことをするもんだ。
そんなことを考えながら横から誰か近づいてきたことをオウスケに……伝えるまでもなく、オウスケは軽くハッとした表情をしている。
「あんっ?こんなところで伯爵さんとなにしてんだ?」
「これはアインさん。
アインさんこそなんでこんなところに?」
訝しげ……とただ言うにはかなり機嫌が悪そうな表情で絡んでくるアインの話をそらそうとするオウスケ。
「話しそらしてんじゃねえよっ!間男やろうっ!
シャルロッテにまで色目使ってんじゃねえぞっ!
また殴られたくなけりゃとっとと失せろっ!!」
「は、はいっ!すぐに消えますって!すみませんでした」
卑屈な笑顔を浮かべてヘコヘコと頭を下げながら去っていくオウスケ。
うーん……プロだ。
「おい、シャルロッテ、大丈夫だったか?
あのチビになにか言われなかったか?」
オウスケの見本のような下っ端さに感心してる僕の横で、アインがシャルに話しかけていた。
どうやらアインにはオウスケがシャルをナンパしているようにでも見えていたようだ。
「あの人は僕に自慢と嫌味言いにきただけみたいだから、大丈夫ですよ」
シャルは一応自分を心配しているらしいアインをどう扱っていいか困っているようだったので助け船を出す。
下心が見え見えなだけでそこまで悪い人ではない……んだとは思うんだけどなぁ。
下心からシャルを襲おうとしたレオンの一味だった人間なので油断は出来ない。
「……伯爵さんももうちょっとしっかりしてくださいよ。
伯爵さんがそんなヒョロッこいから、あのチビなんかにも馬鹿にされるんすよ」
そんなことを言いながら、アインは僕の服を掴んでいるシャルの指を忌々しげに睨んでいる。
「いやぁ、これからは気をつけますね」
「なんなら俺が鍛えてあげましょうか?」
「いやいや、僕なんかじゃとてもついていけませんから、ご遠慮させていただきます。
それより、なにか御用があったのでは?」
色々見え隠れはしているけど、一応友好的に対応してきているから話を切り上げづらい。
用事があるんなら早く済ませてほしいんだけど、もしかして本当にオウスケに絡まれてる――と思った――シャルを助けに来ただけなんだろうか?
「ああ、そうだった、オウスケの顔見て頭に血が上っちまったけど、そっちが本題なんだった」
なんだ本当に用事があったのか。
それにしてもオウスケかなり嫌われてるなぁ。
下っ端として見下されてるって言うより、明確に嫌われてる。
今度オウスケと会った時になにかあったのか聞いてみよう。
今はとにかくアインの『本題』とやらだ。
「ゴブリン討伐の件、すまなかった!」
オウスケに続いてこの件で二人に謝られてしまった。
しかも、アインはアインで人目をはばかることなく直角に腰を折ってのガチ目の謝罪だ。
「い、いや、なにを謝られているのかわかりませんが、頭を上げてくださいっ!」
オウスケならともかくアインに謝られる心当たりがない。
村長たちほど事情を知っているわけじゃないし、オウスケみたいに僕に友情を感じてくれているわけでもない……と思う。
それとも、思っていた以上に治療の件を恩に着ていてくれているんだろうか?
村長の演説前にあった時はそんな様子なかったけど……。
「いや、いくら残党退治とは言え、少しは力を貸してくれた伯爵さんをあそこまで無視するとは思わなくてよ」
なるほど、彼らの間では僕の行動はそういう認識になっているのか。
まあ、実質的にレオンたちが討伐したことになっている以上、そういう事になるか。
「俺もせめて名前だけでもって村長に食い下がったんだけどよ。
なんかちょっと前まで俺死んだことになってたみたいだし、そのせいかレオンのやつも最近付き合い悪いし、話聞いてもらえなくてさ」
なるほど、アインなりに筋を通そうとしてくれていたのか。
「いえ、そのお気持ちだけで嬉しいです。
ありがとうございます」
というか、アイン、死んだことにされてたのか。
アインの治療にお金を出そうとしなかったことといい、もしかして村長さんはアインを『悲劇の英雄』にしたかったのかな?
たしかにそっちのほうがレオンの英雄譚は盛り上がるだろうけど……。
「俺たちの討ち漏らしの後処理をさせちまったっていう負い目もあるしよ。
もし困ったことがあったら声かけてくれよ」
そう言ってアインはニカっと爽やかに笑った。
その後、執拗にシャル――一人だけ――と市を周ろうとするアインを「家で用事があるから」となんとか断り、「それなら今晩遊びに行かないか」と非常識な誘いをしてくるのをなんとか振り切って家路についた。
「な、なんだったんでしょうね、あの人……」
あまりのしつこさにシャルは怒るどころか、もはや軽く引いている。
「うーん……悪い人ではないとは思うんだけど……。
あんまり常識がない上に、思い込みが激しい感じかなぁ?」
とりあえず、女の子を日が暮れてから遊びに誘うとか言語道断だと思います。
いわゆる不良だから、そこら辺の感覚がちょっと違うのかなぁ?
あと、この前のシャルの牽制は忘れてるみたいだし、さっきもシャルが少しわざとらしいくらいに僕と仲良さげにしていたのも気にしていないようだった。
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