小学生に戻ってるっ!?……の裏側で ~引きこもり高校生と入れ替わった小学生がいつの間にかハーレムを築いている話~

日々熟々

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16話 佐倉さんは気持ち悪い

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 佐倉さんはあれからずっと考え込んじゃってるけど、僕はどうしたらいいんだろう。

 「帰らせて」というタイミングを狙っているんだけど、佐倉さんはすごい集中して考え込んでしまっていて、僕のことなんて意識に入っていないみたいだ。

 …………黙って帰ったら流石に怒られるよなぁ。

「ば、坂東くん……」

「は、はいっ!」

 考えてたこと顔に出てた?「いい加減帰りたいよぉ」って思ってたの顔に出てた?

「ほ、本当に私のこと気持ち悪くない?」

 良かった……顔に出ちゃってたわけじゃないみたいだ。

 えっと、そうなると「気持ち悪いか」だっけ。

「うん、全然」

 佐倉さんに対する僕の印象は『気持ち悪い』じゃなくって『怖い』だ。

 イジメられっ子としてはイジメっ子に対するごく普通の印象だと思う。

「ほ、ほんと?」

「え、う、うん、本当だけど……」

 だから念押しされても困るんだけど……。

 出来ればこの話から早く離れたい。

 「怖いか」って聞かれたら、「うん」と言わないと逆らったことになってしまうのか、そして言ってしまったら機嫌を損ねないか、怖くて仕方ない。

「そ、それじゃ、ズボン脱いで」

「なにが「それじゃ」か分からないんだけどっ!?」

 立場もわきまえずに思わず突っ込んでしまった。

 それくらい驚いた。

 なにがどうしていきなりイジメの話になったの?

「さ、逆らうと動画バラ撒くわよ」

 うぅ……僕には全然タイミングが分からなかったけど、いつの間にやらイジメタイムに入ってしまっていたようだ……。

「え、えっと、昨日みたいに?」

 昨日はやたらと細かく指示されたから念の為聞いてみたんだけど……。

 コクリと恥ずかしそうにだけどしっかりと頷かれてしまった。

 うう……あれ普通に脱ぐより恥ずかしいのになぁ……。

 でも、逆らうわけにはいかないので、昨日言われた通りゆっくりとズボンを下ろしていく。

 体の角度を変えながら見せびらかすようにゆっくりと脱いでいく僕の股間を佐倉さんが食い入るように見ている。

 ……その姿を見て気づいたけど、今日は動画撮ってないけどいいのかな?

 僕としては撮らないでもらったほうが良いんだけど、撮り忘れたからやり直しとかになっても困るし……。

「それじゃ、次はパンツ脱いで」

 迷っている間に次の指示が出てしまった。

 動画のことは置いておいて指示に従うしか無い。

 昨日散々指示された通り、チンチンを下に垂らすようにしながらゆっくりゆっくりとパンツを下ろしていく。

「…………んっ♡…………はぁ……♡」

 チンチンが半分出たところ辺りで今日の佐倉さんは動画を撮らない代わりになにかをしていることに気づいた。

 ベンチに座ったまま、手をスカートの中に入れているみたいだけど……なにしてるんだろう?

 不思議に思いながらパンツをズリ降ろしていくと、だんだんクチュクチュという水音が何処かから聞こえてくるような気がした。

「見られてる……おちんちん見ながらしてるの見られちゃってる……んんっ♡あはぁっ♡」

 佐倉さんがなにか言ってるけど……なにを『してる』のを見られたって言ってるんだろう?

 僕が見てるのはスカートの中に手を突っ込んでなにかをいじっているらしい佐倉さんの姿だけなんだけど……。

「んっ♡……はぁっ♡はずかしのにっ♡声出ちゃうっ♡はあっ♡あぁっ♡」

 クチュクチュって音がするたびに佐倉さんが変な声を上げている。

 泣いているような笑っているような……。

 そこまで考えてようやく気づいた。

 なるほど、昨日、佐倉さんは部室の中でこれを『してた』のか。

 たしかに昨日聞こえてきた声と同じ気がするし、気づけば昨日嗅いだ甘酸っぱい良い匂いがしてきている気もする。

 もうパンツは全部おろしきって、チンチンはそのグロい姿を全部さらけ出しているけど……これからどうすれば良いんだろう?

 昨日はこのあとは佐倉さんからいろんな指示がきたんだけど、今は……。

「ああっ♡グロチンすごいっ♡♡イクッ♡♡またイッちゃうっ♡♡坂東くんに見られたままイッちゃううぅっ♡♡♡」

 よく分からないけどどこかに行くのに夢中でなんの指示も出してくれない。

 佐倉さんはずっとここにいるのになぁ?

「あの……このあとはどうすれば良いの?」

 あまりにもどこかに行こうとしてばかりいるので、仕方ないから僕の方からなにをすればいいか聞いてみた。

 もう僕のやることないなら帰らせてほしい……。

「えっ!?え?…………」

 僕の声をかけられた佐倉さんは手を止めてなにかを考え始めてしまった。

 それと同時にクチュクチュという水音も止まる。

 予想してた通りあの音は佐倉さんのスカートの中から出てたみたいだ。

「あ、あの…………」

 予想が当たってたことを密かに喜んでると、佐倉さんがオズオズといった感じに口を開く。

「…………さ」

 さ?

「……さ…………さ、触っても……良い?」

 へ?触る……?

 えっと、佐倉さんの視線からしてチンチンのことだと思うんだけど……。

「え?汚いよ?」

 チンチン触りたがるなんて、佐倉さんどうしたんだろう?

「……お、お願いします……触らせて……」

 えっ!?そんなにっ!?

 なんだろう……これが切なさそうな顔っていうのかな?なんか泣きそうな顔でお願いされてしまった。

 佐倉さんはどうやら僕が逆らえないことを忘れちゃうくらい、チンチンを触りたいらしい……。

 ま、まあ、人の趣味はそれぞれだからなぁ。

 汚いって警告はしたし、それでも触りたいって言うなら仕方ない。

「そこまで言うなら別にいいけど……。
 さっきも言ったけど、本当に汚いからね?後で文句言わないでね?」

 泣きそうな、怖がるような顔で僕の返事を待っている佐倉さんにもう一度念を押す。

 これだけ汚いって言っているのに、僕の返事を聞いた途端佐倉さんは嬉しそうに笑うと、僕のチンチンに手を伸ばしてきた。

 そして、そのまま怯えるようにゆっくりゆっくりと手を近づけていって……。

「…………んっ」

 佐倉さんの手が触れた瞬間、なぜか声が出てしまった。

 それを聞いた佐倉さんが慌てた様子で手を引っ込める。

「い、痛かった?」

「えっ!?い、痛くはなかった……」

 痛くはないんだけど……なんか変な感じだった。

「さ、触っても大丈夫?」

「う、うん……」

 ビクビクと怯えた様子で僕の顔を見てくる佐倉さんにうなずき返すと、ホッとした様子でまたチンチンに手を伸ばしてくる。

 そして、また佐倉さんの指がチンチンの棒の部分に触れた。

 さくらさんの指が触れた部分からまたさっきと同じ変な感じがするけど、今度は予想していたから声は我慢できた。

 心配そうに僕の顔を見ていた佐倉さんは、僕がなんの反応もしないことを確認するとホッとした様子になる。

 そして、そのまま親指と人差指でチンチンをつまんだ。

 さっきより強い変な感じがするけど、なんとか声が出るのを耐える。

「…………あったかい……」

 小さく独り言を呟いた佐倉さんはつまんだチンチンを持ち上げてピンク色をした先っぽに、その整った鼻を……。

 ってなにしてんのっ!?

「…………くさぁ……」

 は、恥ずかしい……。

 思わず逃げ出したくなるけど、逆らえないことを思い出して必死で耐える。

 そりゃそんなとこ臭いに決まってるよ……。

 だから汚いって言ったじゃん……。

 臭いの分かってるのになんで嗅いだりなんかするんだよぉ……。

 恥ずかしすぎて涙出てきそう。

「ああっ……♡これダメ……♡くさすぎる……♡♡はぁ…………♡♡♡」

 なんで臭いって分かったのに佐倉さんは嗅ぎ続けてるんだろう……。

 え?なに?これそういうイジメ?

「これ嗅いじゃダメなやつ♡♡女の子が嗅いじゃダメなやつ♡♡♡
 はあぁ……♡坂東くんのニオイでもう頭いっぱい♡♡臭いの嗅いだだけでイッちゃってるよぉ♡♡♡♡」

 絶対これそういうイジメだ……。

 嗅いじゃダメって、そりゃダメに決まってるじゃん。

 そんなの嗅ぐ前から分かってるのに、わざわざ嗅いで……こんなに臭い臭い言わなくてもいいじゃないか……。

 涙出てきた。

「はあああぁぁ♡♡また深いの来たぁ……♡♡♡♡臭すぎてなにもしてないのにニオイだけでイッちゃってるぅ♡♡
 もう頭の中坂東くんのグロチンの臭い匂いで一杯で動けないよぉ♡♡♡♡ああぁあぁぁっ♡♡臭いだけでイカされるぅ♡♡♡♡
 これ絶対女の子が嗅いじゃだめなやつぅ♡こんなの嗅がなきゃ良かったぁ♡♡♡♡」

 そう思うなら早く嗅ぐのやめてほしい……。

 今日のイジメは今までで一番精神的にキツい……。

「鼻の中、坂東くんの臭いの染み付いちゃったよぉ♡♡♡♡」

 結局、今日はずっとこのイジメをされていた。



 大丈夫……今日はなにも被害は受けなかった。

 動画も撮られなかったし、痛い思いもしなかった。

 嫌な思いをしたのは佐倉さんだけ。

 佐倉さんが臭い思いをしただけ。

 何度もそう自分に言い聞かせて、ようやく自分を騙せてきた。

「あ、あの…………本当に気持ち悪くなかった?」

 一瞬なんのことかと思ったけど、イジメが始まる前の話の続きだろう。

 正直なところ、臭いのにチンチンの匂いを嗅ぎ続ける佐倉さんは気持ち悪かったけど、自分が気持ち悪いと思って泣きそうだった佐倉さんを見ているから正直に言うわけには行かない。

「うん、気持ち悪くなんて無いよ」

 今の僕の演技は完璧だったと思う。

 自分を褒めたい。

 その証拠に、また泣きそうな顔をしていた佐倉さんは僕の返事を聞いて嬉しそうに笑ってくれた。



 身繕いをして二人で部室を出る。

 佐倉さんはなぜか座ってたベンチをすごい念入りに拭いていた。

 そのまま人もまばらになった校内を二人で歩く。

 いつも別に会話とかをしているわけじゃないんだけど、今日はなにも話をしないでいると妙にソワソワした気分になった。

 佐倉さんの歩く位置がいつもの僕の前じゃなくって、ほとんど僕の横になっているのがいけないんだと思う。

 今の状況をなんて言って良いのか分からないけど……一つだけははっきり分かる。

 今、野田くんに見られたら間違いなく殴られる。

 それは分かっているんだけど、僕が足を早めたり遅くしたり、横に移動したりしても佐倉さんはついてくるのでもう諦めた。

 この光景が野田くんの耳に入らないことだけを祈ろうと思う。

 その距離感のまま下駄箱について、ようやく開放されると思った。

 時間的には昨日よりだいぶ短かったのに、今日はやたらと長く感じた。

 ようやく遥くんの顔が見れる……と思いながら靴に履き替えていたら、先に履き替えた佐倉さんが声をかけてきた。

「それじゃ、坂東くん、また明日」

「あ、うん、また……」

「…………」

 さよならの挨拶は終わったはずなのに、佐倉さんは帰ろうとしないで何故かモジモジと足を擦り合わせている。

 どうしたんだろう?どこか痒いのかな?

「あの……」

 不思議に思っている僕に向かって、佐倉さんが恥ずかしそうに口を開く。

「……あの…………また明日嗅がせてね」

「…………う、うん」

 逆らうことの出来ない僕には、頷くしかなかった。

 世の中には臭いものが好きな人がいると聞いたことがある。

 佐倉さんは絶対それだと思った。
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