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母さん日記
いやがらせ 改
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晒し者にされて数時間、太陽は傾き初め夕暮れになり始めた時にテルミスト・ウィストリアは解放され里から追い出された。
里の衛士達に引き立てられ、着の身着のままの状態で里の外に放り出され、衛士達から罵詈雑言の嵐に見舞われながらユゲンの里の門が重々しく閉じられ正式にテルミストは追放者へと身分を堕とした。
追放者となったテルミストが最初に行った事は今は固く門扉が閉じられている里の入口に向かって頭を深々と下げる事だった。
曲がり形にも16年もの間暮らして来た場所だ、嫌な思い出もあれば良い思い出も一つや二つはある。
腹違いの姉と暮らした日々、ユゲンの里の教導士として生徒に囲まれた生活。
テルミストは数少ない良い思い出に対して永遠の別れを込めて頭を下げる。
どうか、腹違いの姉に平穏あらん事を。
どうか我が生徒達に幸多からん事を。
頭を下げ終えたテルミストは暫くその場に立ち止まり感傷に浸っていた。。
これでユゲンの里も見納───
「──くっっっっっっさ!!」
突如、感傷に浸っていたテルミストの鼻に強烈な異臭が突き突き抜ける。
「ゴホッウェェ…ホント…ホントあの因習クソ里の奴等めぇ…ゴホッ…容赦無いウェェェ……」
あまりの臭さに吐き気に先程までの感傷は何処かに消えていった。
ユゲンの里、元い因習クソ里の奴等、幾らやりたい放題好きにやってもいいとは言え肥溜めの糞便までぶち撒けて来やがって帰ってくる機会があれば絶対に里を焼いてやる。
絶 対 に 焼 い て や る。
「さっさと合流したかったのに……仕方ない。最初の行き先は川に変更ね……」
本来であれば事前に外に用意してあった合流地点に急いで行って忌まわしい里の周辺からそそくさと出て行く腹積もりだった。
しかし晒し者にされてる間に里の人間から散々汚物を投付けられて異臭を放つ汚れたままの服を着たままだと合流地点で大変な事になりそうだ。
よって最初の目的は近くの川辺での洗濯と水浴びが最優先事項へと変更しテルミストはユゲンの隠れ里を背に異臭を放つ服を纏いながら木々を掻き分けながら歩き始める事にした。
ユゲンの隠れ里は南端の大国であるアズマの北にある大山ダンヨズの山の中をくり抜いて作られた巨大な山里であり当然の如く山には凶暴な獣達が沢山いる。
だが幸いな事に異臭を放つ服のお陰か獣の類とは出会う事は無く無事に川に辿り着けた。
里の衛士達に引き立てられ、着の身着のままの状態で里の外に放り出され、衛士達から罵詈雑言の嵐に見舞われながらユゲンの里の門が重々しく閉じられ正式にテルミストは追放者へと身分を堕とした。
追放者となったテルミストが最初に行った事は今は固く門扉が閉じられている里の入口に向かって頭を深々と下げる事だった。
曲がり形にも16年もの間暮らして来た場所だ、嫌な思い出もあれば良い思い出も一つや二つはある。
腹違いの姉と暮らした日々、ユゲンの里の教導士として生徒に囲まれた生活。
テルミストは数少ない良い思い出に対して永遠の別れを込めて頭を下げる。
どうか、腹違いの姉に平穏あらん事を。
どうか我が生徒達に幸多からん事を。
頭を下げ終えたテルミストは暫くその場に立ち止まり感傷に浸っていた。。
これでユゲンの里も見納───
「──くっっっっっっさ!!」
突如、感傷に浸っていたテルミストの鼻に強烈な異臭が突き突き抜ける。
「ゴホッウェェ…ホント…ホントあの因習クソ里の奴等めぇ…ゴホッ…容赦無いウェェェ……」
あまりの臭さに吐き気に先程までの感傷は何処かに消えていった。
ユゲンの里、元い因習クソ里の奴等、幾らやりたい放題好きにやってもいいとは言え肥溜めの糞便までぶち撒けて来やがって帰ってくる機会があれば絶対に里を焼いてやる。
絶 対 に 焼 い て や る。
「さっさと合流したかったのに……仕方ない。最初の行き先は川に変更ね……」
本来であれば事前に外に用意してあった合流地点に急いで行って忌まわしい里の周辺からそそくさと出て行く腹積もりだった。
しかし晒し者にされてる間に里の人間から散々汚物を投付けられて異臭を放つ汚れたままの服を着たままだと合流地点で大変な事になりそうだ。
よって最初の目的は近くの川辺での洗濯と水浴びが最優先事項へと変更しテルミストはユゲンの隠れ里を背に異臭を放つ服を纏いながら木々を掻き分けながら歩き始める事にした。
ユゲンの隠れ里は南端の大国であるアズマの北にある大山ダンヨズの山の中をくり抜いて作られた巨大な山里であり当然の如く山には凶暴な獣達が沢山いる。
だが幸いな事に異臭を放つ服のお陰か獣の類とは出会う事は無く無事に川に辿り着けた。
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