ポチの日記

手の平クルクル

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雨の日その1(2話)

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さんせきのに
にっく  を  かきつけて ふつのめ
きょうは  そとか  あま  たった  のて
たび  は  こしつ  に  なりました  
かあさん  は  さんねん そうたつた


三石の二
日記を書き始めて2日目。
今日は外が雨だったので旅は後日になりました。
母さんは残念そうにしていました。
(少しだけ上手くなったね)







今日は早めに日記を書き上げることにした。
理由は雨のせいだ。
母さん曰く、今いる地域は一度雨が降ると3日程度はは止まないそうで暫くは宿場町に留まる事になった。
とは言え旅がお休みになっても自分には文字を覚えないといけないと言う母さんとの約束があって今日も日記とにらめっこしていた。
今日の内容は……うん。母さんが残念にしてた事を書こう

母さんは朝からずっと機嫌が良くないらしくて宿屋の窓から見える土砂降りの雨に忌々しそうに溜息を付きながらを地面に垂らしていた。
雨の日というのは何かと憂鬱になりやすい…らしい。
確かに服が濡れたりしたら、ちょっぴり悲しくはなる。そういう感じなのだろう

「母さん、日記書いたよ」

書き終えた日記を渡そうと振り返ると母さんはベットに寝転がりながら尻尾を弄り回しては溜息を漏らしてつまらなそうにしていた。

「母さん?」

「ん?あぁ……日記?そこら辺に置いといて。」

目線だけこっちにを向けて言葉を交わした後、また溜息を漏らしながら尻尾を触り始めた。

「はぁ……」

自分も思わずつられて溜息を漏らす。

「母さん……暇なんだけど」

「…………そうだねぇ…」

そう言うと母さんと僕は一段と大きな溜息を付いた。
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